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伸び悩む内閣支持率、打つ手のない岸田政権

政治
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案外、この結果は妥当なんだと思う。

内閣支持率50・4% サミット後も伸びず 衆院解散「再来年」最多32%

2023/5/29 11:54

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は27、28両日に合同世論調査を実施した。岸田文雄内閣の支持率は50・4%で、19~21日に開催された先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)前の前回調査(4月22、23両日)比0・3ポイント減のほぼ横ばいだった。不支持率は前回比0・2ポイント減の44・5%だった。

産経新聞より

比較的「良くやった」と思えるG7サミットではあったが、では、支持率が上がるような話だったかというと、そうでもない。

ウクライナの戦況は改善していない

構図が変わっただけ

ゼレンスキー氏が広島に来たというのは、大きなイベントではあったと思う。

一方で、寂しい開催となったユーラシア経済フォーラムで、鮮明に構図が描き出されたのだと解釈できるものであった。

ただ、構図が変わったことを印象づけたことは事実なんだけど、何か解決に向かって動き出したか?というとそうではない。

サミットの議長として首相を「評価する」と回答したのは「大いに」と「ある程度」をあわせて計70・3%。ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、サミットに出席したことがウクライナ情勢の改善に効果があったか尋ねたところ、「効果があった」は「大いに」と「ある程度」で計60・0%だった。

産経新聞より

世論調査では「ウクライナ情勢の改善に効果があった」という回答をしている人は多い。

しかし、これはロシアと支那が近づいたことで、インドがロシアを頼れなくなってアメリカ側に寄ったという、構図の変更があったことを意味するだけで、ウクライナにとって好材料を得たという意味にはならないだろう。

ロシアの占領を容認

というのも、ロシアに支那のユーラシア事務特別代表が訪れて、「占領を容認する」と発表してしまったからだ。

中国、「ロシアの占領」容認か 特別代表、欧州歴訪終える

2023年05月27日07時59

欧州歴訪中の中国政府の李輝ユーラシア事務特別代表は26日、最後の訪問地モスクワでロシアのラブロフ外相と会談し、各国政府とのこれまでの協議内容を報告した。これに関し、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は西側当局者の話として、ロシアがウクライナ東・南部を占領した状態での即時停戦を呼び掛ける「和平案」を、李氏が仏独などに提示したと伝えた。

時事通信より

ロシアとしても、これ以上戦線の膠着を容認する積もりは無くって、ここからウクライナ側の動きを許してしまうことにも懸念を示している。

そこで、この地図の状態で固定化してしまおうというのが、ロシア側の「妥協」ということらしい。

もちろん、ウクライナ側はコレを呑めるはずはない。

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は報道を受けてツイッターに投稿し、「ウクライナ全土の解放を想定しない妥協のシナリオ」だと指摘。「民主主義の敗北、ロシアの勝利、プーチン政権の存続、国際政治での衝突急増を容認するのに等しい」と批判した。

時事通信より

力による現状変更の容認に繋がるからだ。

アメリカも西側諸国も消極的

ただ、ウクライナを支援すると約束した西側諸国としては、そろそろ「いい加減にして欲しい」という気分でいるようだ。

ウクライナ「48機のF16が必要」、欧州に早期供与訴える…キーウでは5時間以上の空襲

2023/05/28 21:33

ロシアの侵略を受けるウクライナ国防省は26日、「私たちの国を侵略者から解放するため、4個飛行隊(48機)のF16が必要だ」とSNSに投稿した。欧州各国が米国製戦闘機F16の供与に向けて動く中、早期実現を訴えた。

讀賣新聞より

アメリカはF-16戦闘機の提供を決定したようだが、この話も象徴的な意味合いが強くて戦線打開に繋がるとは言い難い話だと思う。

一方、露軍は27日夜から28日未明にかけて、首都キーウなどの軍事施設やインフラ設備を狙った大規模な無人機攻撃を行った。ウクライナ空軍によると、54機のイラン製自爆型無人機「シャヘド」が飛来し、52機を迎撃した。

讀賣新聞より

ウクライナが防空防衛することを考えるのであれば、F-16戦闘機が適切とは言い難い。ロシア側が戦闘機を出してくるのであればともかく、ミサイルや無人機での攻撃を仕掛けてきている。

無人機に対する防御は、今のところさほど有効な手段がなく、ミサイルの方は迎撃システムによって対処する方が適切なのだ。F-16戦闘機を一体何に使うのか?という話になってしまう。

ところが、アメリカのフランク・ケンドール空軍長官は22日、「ウクライナにとって必要で、助けにもなる」とF-16の実力を認めながらも、「ゲームチェンジャーではない」と安易なウクライナ勝利論に釘を指した(註)。

Yahooニュースより

F-16戦闘機のパイロットの訓練には時間がかかるし、防空防衛のために使うにしても、迎撃する対象はさほど多くない。

となると、爆撃などがF-16の主任務になるのか?ということになるんだけど、これも有効な手段であるとは言い難い。寧ろ、もっと小型のプロペラ機(COIN機)の方が有り難いのでは無いかという意見すらある。

ウクライナに供与されるF-16戦闘機に期待されること(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース
5月19日から始まっていたG7広島サミットにウクライナのゼレンスキー大統領が急きょ訪問するという驚きの展開となり、アメリカのバイデン大統領はF-16戦闘機の供与の容認を伝達しています。現在NATOの

JSF氏は、F-16に期待されることは、スタンドオフ攻撃に対抗する手段という意味合いと、的戦闘機の行動阻害の意味合いがあるのだという。

しかしながら、F-16戦闘機の提供の本質的な意味というのは、どちらかというと「ウクライナは西側諸国の仲間入りをした」ということを示す意味合いが強いのではないだろうか。ロシア製の兵器はもう必要としないという意味である。これまでは、戦闘機はロシア製に頼っていたウクライナだったが、整備して使い続けることにも限界があるからね。

そして、「さっさと終わらせてくれ」というのが西側諸国の意図なんだと思う。

日本にF-16を出させる意図

ちなみに、日本ではF-16戦闘機の供与の話が出たときに、こんな面白Tweetで盛り上がった。

このTweetに突っ込みが殺到することになる。「日本はF-16持っていないから」と。なお、望月氏は過去にこんな本を出している。

身体を張ったギャグはなかなかだね!

しかしながら、日本にはF-16がない。保有していない戦闘機を出すことは出来ないし、F-2戦闘機のことだとしたら、対艦番長化した戦闘機を陸で使うというアホなTweetしたことになる。

まあ、しかし、この話を逆に捉えると、日本政府としては有効な手がないことを意味する。

車両を出す話は出ているのだけれど、これで戦況が変わるのかというと、そうではないしね。兵站は重要なんだけれども。

実質的な増税方針

そういったわけで、岸田氏の外交は評価されつつも、大きな変革に一手を打てたというわけではない。

息子が「しでかした」という報道もマイナス材料にはなってはいるが、メディアが騒がないだけで、過去には韓国から芸能人を呼んで首相官邸で馬鹿騒ぎしたり、色々しでかした方もいるのだ。驚くような話ではない。

とはいえ、おそらくは岸田氏本人も関わっている件だけに、この悪材料を払拭できるニュースを待つしかないという。

電気料金「最大39%アップ」を政府が了承! 家庭への打撃はいくらになる?

2023.05.26

政府は2023年5月16日に「物価問題に関する関係閣僚会議」を開き、大手電力7社が国に申請していた電気料金の値上げを了承しました。値上げ幅は各社平均で15~39%ほどとなっており、6月の電気代から反映される予定です。電気の使用量が増える夏を目前にして、不安を感じている人も多いでしょう。

ファイナンシャルフィールドより

ガソリン補助金、9月末で終了 6月から段階的に縮小

2023年5月26日 19:10

経済産業省は26日、ガソリン小売価格の急騰を抑制するため石油元売り会社などに支給している補助金を9月末で終了する方針を発表した。燃料価格の高騰が落ち着いてきたため、6月から補助率を段階的に引き下げる。

日本経済新聞より

更には、政策の変更による悪材料もかなりありそうで、時間をかけると寧ろ支持率低下は避けられない情勢である。

電気代やガス代の上昇は、実質的な値上げに繋がり、増税するのと変わらないからね。岸田氏大好き「大増税」の時代である。

あ、そういえば、森林環境税も2024年からなんだっけ。

なかなか苦戦しそうな話だね。G7サミット終了後に有無を言わさず解散すれば良かったのに。

国民の気持ちの分からない総理には、そういう判断は難しくって、次々実質増税を決断しちゃった。支持率に大きく影響してくるんじゃないかなと思うのだけれど。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    岸田氏は、せっかく地元・広島でのG7サミットで、身の丈以上にええ恰好しいできたのに、
    バカ息子の公邸”うぇ~いパーティー”で解散総選挙の雰囲気もパーに。
    そのバカ息子は、本日首席秘書官辞職を発表するも、これは官邸による事実上の更迭。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/6a48431af46b174641affeea3d5a210db47a570b

    岸田氏の「政治の私物化」には呆れるばかり。。。
    その上、自民は公明と東京第12小選挙区を巡り対立し、亀裂は深まる一方。。。

    加えて6月からの電気料金上げに、少子化対策として社会保険料上げのウワサ、
    消えない防衛増税の議論、いつまでも終わらない復興税、LGBT法案の成否。。。

    岸田政権の悪イメージが固定化されつつある最中、もはや解散総選挙はムリだろうね。
    終わりは見えてきたが、『サミットが花道』論議が再燃することに期待。

    • 木霊 木霊 より:

      岸田氏の息子の失態は擁護しようもないのですが、去年の年末の写真が今頃出回っている、というのは、解散から選挙の流れを嫌がる人々の仕業でしょうね。
      僕の読みでは公明との軋轢が関係している可能性が高いかと。いや、小沢一郎氏の事務所が随分と騒いでいるので、野党系の情報筋かもしれませんね。

      実質的な増税というのは書いた通りなんですが、岸田氏の失策というよりは、大局観の欠如が起因して周りに流されている感じですね。
      サミット花道の道筋を貫徹してくれれば、見直したいところですがどうなんですかね。案外、息子の退任の責任を取って解散の流れになるのかもしれませんが、そんな手がうてる政治家とも思えませんね。公明党と手を切って、減税を宣言して保守路線を打ち出せば、まだ勝ち筋はありそうなんですけど。

      • アバター 砂漠の男 より:

        公明は、5月の統一地方選で選挙運動員の住民票を移動させたので、総選挙は3か月待ってくれと自民に申し入れしていたそうですw。さらにその後の東京選挙区騒動で関係がギクシャクしてしまったので、いずれやるにしても仕切り直しでしょう。

        岸田氏に戦略・大局観がないことは、首相になって最もやりたいことは「人事」と発言したことからも明々白々ですが、第二次岸田政権の運営に、一般の保守系や自民の岩盤支持層が苦言を呈しているので、次の総選挙は必ずしも岸田政権にとって吉とは限らない?!

  2. アバター 河太郎 より:

    まさか通貨スワップ再開とか言い出さないでせうね? 
    それは南小中華を繋いでおきたいバイデン政権が、でも金は出したくないから、日本に押し付けよう!で有り得るシナリオであるかと。冗談じゃないよですが、
    この人はとにかく流される人で、安倍さんのような国のグランドデザインも猛獣使いの実力もなく、菅さんみたいな「誰が何を言おうとやるんじゃ!」的な決断力もない。バイデンの顔色を伺って、流されて「やる」んでないすか?

    • 木霊 木霊 より:

      いや、通貨スワップの話は出ているみたいですよ。
      岸田政権は丁寧に潰しているようなので、今のところは平気なんですが。

      アメリカもなかなか強かな国ですから、ハイハイと言うことを聞いているだけが外交なのだと勘違いしていると痛い目に遭います。
      岸田氏はそこをどう対処するのか。どうにも、政権内に盟友と呼べるような強力なサポーターがいないようですからねぇ。

  3. アバター 匿名 より:

    岸田は安倍、菅が切り開いた新しい政治を昭和のテイストに戻し、政治を二流の茶番に戻した。
    「異次元の」のお題目だけでやった感だして、実質やってくることは国民搾取。
    岸田じゃやばい。早く菅さん復活しないかな。