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日韓シャトル外交復活は、果たして吉と出るのか

外交
この記事は約6分で読めます。

保守派の間では概ね評判が悪いのが、岸田氏の訪韓とシャトル外交の復活である。

韓日首脳会談 「シャトル外交」の再開歓迎

記事入力 : 2023/05/07 18:43

韓国の尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相は7日午後、ソウル・竜山の大統領室で首脳会談を行い、両国の首脳が相互に往来する「シャトル外交」が12年ぶりに再開されたことを歓迎し、両国関係を継続的に発展していくことで一致した。

朝鮮日報より

正直な感想を言うと、韓国との外交そのものに価値を見出していない僕にとって、今回の選択がアリだったのか?といえば、ナシだ。

韓国との付き合いは、日本にとってマイナス

日韓防衛協力は困難

国防の観点から、日米韓の連携というのは日本にとっても望ましい形ではあるが、一方で日韓連携というのはほぼあり得ない。

特に、火器管制レーダー照射事件(2018年12月20日)の解決が無いうちは、協力など無理。

防衛省・自衛隊:韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案

信頼できない相手とどんな協力が出来るというのか。

img
韓国海軍艦艇「クァンゲト・デワン」(971)

更に、日韓GSOMIAだが、今年の3月に、「正常化を韓国側から伝えられた」と報じられたものの、日本側の立場としては、条文上どう読んでも正常な状態であった。

韓国がGSOMIA「正常化」通知 日本の輸出手続き優遇復帰も指示

2023年3月21日 21時10分

韓国外交省は21日、日韓の懸案となっていた「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)の「正常化」について、外交ルートを通じて日本側に正式に通知したと発表した。また、尹錫悦大統領は21日の大統領府の会議で、日韓が互いに相手を輸出手続きの優遇国から外している問題をめぐり、韓国が先行して日本を優遇国に戻すための法的な手続きを進める方針を示した。

朝日新聞より

結局、何れにしても韓国側の問題であって、日本にとって解決しようもない話ばかりなのだ。

この辺りは、最近も突っ込みを入れたが……。

同じこと書いているなぁ……。

竹島問題も残っている

そもそも、韓国は竹島に不法上陸を続けている状態である。

韓国野党の国会議員が竹島上陸 ユン政権への反発の一環か

2023年5月3日 6時32分

外務省は韓国の国会議員が2日、島根県の竹島に上陸したことがわかったとして、韓国側に強く抗議しました。韓国の国会議員が竹島に上陸するのは、2021年8月以来となります。

外務省によりますと2日、韓国の国会議員1人とその関係者が島根県の竹島に上陸したことがわかったということです。

NHKニュースより

領土を侵略されたままで、仲良く防衛協力というのはちょっとあり得ない。

皆さんは忘れていないと思うが、竹島が韓国に侵略された時、多くの民間人が韓国海軍の手によって酷い目に遭わされたことがあり、その件すら棚上げ状態なのだ。

韓国による日本漁船の拿捕 - 竹島|領土・主権対策企画調整室
ライン内に出漁した日本漁船が韓国側に拿捕される事件が相次ぎ、日本側には死傷者も出ました。1953(昭和28)年7月には、竹島周辺で海上保安庁の巡視船が韓国官憲によって銃撃されました。

第一大邦丸事件(1953年2月4日)では、韓国海軍によって当時公海上を操業中だった第一大邦丸(57トン)及び第二大邦丸(57トン)が銃撃をうけた上で、拿捕された事件だ。第一大邦丸の漁撈長は銃弾を受けて倒れ、適切な治療すら受けられずに見殺しにされた。また、拿捕された船員たちも虐待を受けて酷い扱いを受けた。

この他にも、日本側は合計で船328隻が拿捕され、拿捕時に44名が死亡し、3929人が抑留され拉致されている。

これらの問題について、韓国側から公式に謝罪があったという話は聞いたことが無いどころか、未だに竹島に居座り続けている。

事故発生当時に海上自衛隊は存在しなかったため、軍事力を持たぬ国が国民の生命と財産を守ることが出来ないという話の象徴のような事件となってしまった。

政権が変われば「ちゃぶ台返し」

そもそも、韓国政府はトップの首が挿げ替えられれば、政治方針も大きく変化する国である。

特に、前大統領のムン君は酷かった。完全に従北勢力であり、日本と距離を置く政策を推進したのである。

ムン君と現大統領のユンユンは敵対関係にあるので、「敵の敵は味方」理論は適用できる可能性はあるものの、しかし韓国は基本的に反日である。ユンユンが上手く立ち回ろうと、韓国民が其れを許しはしないだろう。

そのうえで、「厳しい国際情勢と世界的危機の状況下で、韓日間の協力と共存は両国の共同利益のみならず、世界の平和と繁栄のためにも必要」と強調した。

朝鮮日報より

韓国にとって日本を利用することを考えはしても、日本と対等な立場になろうなどとは絶対に思わない。「日本なら雑に扱っても大丈夫だ」というのが彼らの共通認識であり、「下の国」だから何をしても平気だと思っている。

だからこそ、ちゃぶ台返しをしても「特に問題ない」と考えているのだ。

そんな国とどう付き合えばいいのか?というと、2つ方法があると思う。

1つは積極的に距離をおいて、できるだけ関係を浅くすること。付き合いが浅ければ、トラブルに巻き込まれるリスクは減るものだ。

もう1つは、過去の問題をきっちり片付けてから付き合うこと。ただ、これには散々失敗しているので、望み薄ではある。

岸田氏は、「まだ話の通じる政権が続いているうちに、関係改善を図ろう」という狙いなのだろう。それは理解できるが、結局のところ日本が妥協を引き出されてオシマイであろう。僕としては離韓・除鮮をおすすめしたい。なにしろ、韓国と付き合って得られるメリットは限りなく薄いのだから。

追記

岸田氏は、「それなりに仕事をしたようだ」と言うことは紹介しておかねばならない。

「徴用」問題で首相 “歴代内閣の立場 全体として引き継ぐ”

2023年3月6日 11時54分 

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題に関連して岸田総理大臣は、日韓関係に関する歴史認識を問われ、歴代内閣の立場を全体として引き継いで対応していく考えを強調しました。

~~略~~

午前の質疑で、▼自民党の佐藤正久氏は太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国側が「誠意ある措置」を日本側に求めていることに関連し「現時点で『反省とおわび』を総理の口からことばにするのはよくない。歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐことに変わりはないか」と問いました。

岸田総理大臣は「岸田政権としても歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継ぐ考えだ。今、外交当局間で調整が進んでいるので、具体的なことを申し上げるのは適切ではないが、今後とも適切に表現し発信していくのは大事なことではないか」と述べました。

NHKニュースより

岸田氏、帰国早々に国会にてつめられているのだが、「歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり」という表現を連発している。

この表現は3月の時点でも同じであった。

歴代内閣の立場、全体として引き継いでいる=日韓関係で岸田首相

2023年3月6日10:03 午前

岸田文雄首相は6日の参院予算委員会で、日韓関係について「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるし、今後も引き継いでいく考えだ」と述べた。佐藤正久委員(自民)の質問に答えた。

ロイターより

そして、会談においても同じ表現を使った。

この言葉の意味は、安倍政権、管政権の姿勢も引き継ぐという意味に他ならず、つまり、徴用工の問題や慰安婦の問題は「既に終わった話だ」という認識を持っていることを表明したことになる。

村山内閣の時代の認識に立ち返るというようなアホな発言をしないだけマシなんだろうと思う。「心が痛む」と余計なことを言ってしまった岸田氏だが、根本的な部分は押さえてきたようだね。

支那に対する「嫌がらせ」という風に機能できれば、まあ、成功した外交と言えるかも知れない。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「そっちが来たから、こっちも行ったよ(≒礼は尽くしたよ)」
    と言う意味で、今回の訪韓自体はアリだった、とは思ってます。
    実利の部分は是々非々で。
    ・徴用工だなんだ、あくまで「個人の感想」にとどめ、国家としては「過去の継承」を堅持したのは○
    ・福島視察団受け入れも、「視察」を受け入れるだけであれば、ガス抜きとして○。あくまで「視察」で、協議する団体とか意見する窓口とかないので、「物見遊山」で終わらせてしまえるので。※この件の窓口はあくまでIAEA一本。
    ・防衛協力、いいかげんアメリカさんもオムズガリなので、ここらで一応の手打ちは必要。とはいえ、日本側から出来る事は何もないのですけれど。そして、対中国では韓国がどれほどの役に立つかも未知数ですが、GSOMIAやその他の条約、協力関係締結で何重にも縛っておけば、いくらコウモリでもそう簡単には……(と思わせつつ斜め上に飛ぶのが彼らですが)
    ・経済の話が何一つ聞こえてこないのは、相当な塩対応だったという事で○

    そしてこれが最大の問題、次の政権でのちゃぶ台返し、あるいは任期中の弾劾も、日米とも織り込み済みでの対応でなければいけないし、そこまでバカでもお人好しでもないと思ってます。
    次のアメリカ大統領がバイデンでもトランプでもそこは基本変わらないだろうし、むしろ、本邦がなんかの気の迷いで河野とかゲルとかを総理にしない限り大丈夫じゃないかと(つまり、そこが一番心配)……
    岸田政権は、就任当時の頼りない感じから、何かのタイミングで一皮むけたのか、チャンスの女神に気にいられているのか、最近はかなり上手く運営出来ているイメージではあります。
    これがひっくり返らないことを、切に祈るのみ(そこを安心出来ないおっかなさが、どうしても払拭出来ないので。外相その他に問題があるので……)

    • 木霊 木霊 より:

      岸田氏の対応は、おそらく長期的な視野ではなく、短期的な視野における対応という様な印象を受けます。
      ただ、右派に叩かれるほど失敗していないのも事実だと思っております。

      運が良いのは、岸田氏の素晴らしいことで、国政において「運」の要素に頼むのは違うと思いますが、国益になるのであれば利用して欲しいと思っています。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    日・韓関係は、オセロのように盤色がクルクル変わるので、日本は常に距離を取って相手をするしかない。韓国が日本から離れていくことは一向に構わないが、日本から韓国に接近することは間違いなく悪手だ。朝鮮民族は、我々とは和解できない相手と学習すべし。

    P.S.黄砂のせいでクシャミが止まらず、愛車も砂かぶりに。
      https://www.youtube.com/watch?v=QJYXDCtYFG0

    • 木霊 木霊 より:

      次の政権でひっくり返されることが分かっているので、出来るだけひっくり返せない部分を作っておこうという岸田氏の発想は凡人のソレだと思います。
      相手は発想の斜め上を行く民族ですから、必ず覆してくるでしょ。

      • アバター 七面鳥 より:

        横合いから失礼します。

        覆されたら
        「トラップカード発動!」
        が出来るように仕込んでいるといいのですが。
        ※アメリカ含め、国際条約を重視する各国から一斉に村八分にされる、位はいまでも充分ありそうですが。