食の話、カラス肉やコオロギで騒ぐ界隈

報道

もう、なんでメディアはこんなアホな話するんだろうな。

<突撃イバラキ>カラス肉の生食文化 究極のジビエに挑戦

2023年3月7日 07時50分

「カラスの刺し身を食べに来ませんか?」。取材で知り合った男性から誘われ、のけ反った。県内の一部地域に伝わる食文化とのことだが、水戸支局在勤四年目にして初めて聞いた。ジビエ(野生鳥獣肉)料理は嫌いでないし、実はカラスも焼き鳥ならぬ「焼き烏(からす)」なら試したことはあるのだが、生食となると話は別。悩んだ末、「やめた方がいいんじゃないか…」と心配する上司をよそに、好奇心が勝って行ってみることにした。さて、お味の方は−。

東京新聞より

記事の内容は読む価値なし。ただ、話題になったので少し取り上げたい。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク

騒いでもメジャーになるにはハードルが極めて高い

生肉はNG

日本人が刺身を食うという話をすると、外国人が「マジで」という反応をするのが数年前までのネタだったと思う。日本人だけがちょっと特殊なのだ。

とはいえ、刺身に出来る魚というのはある程度限定されていて、食べて大丈夫なモノだけを食べるというのがスタンダードな話。概ね海洋魚が刺身として食べられる傾向にある。

では、獣の肉はどうか?というと、少数ではあるが刺身として食べられる。有名どころでは馬肉かな。牛でもユッケなどといった料理があるものの、スタンダードではない。実際に過去に大変なニュースになったことがある。

5人死亡のユッケ食中毒から10年、遺族「誰も謝罪にも墓参りにも来ない」

2021/04/27 07:44

2011年に5人が死亡した焼き肉チェーンの「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件は、27日で発覚から10年となる。富山地検が昨年10月、運営会社の元社長ら2人を再び不起訴として捜査は終結した。だが、遺族は「10年たっても事件を忘れることはできない」と、苦しみは癒えていない。

~~略~~

「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件=2011年4月27日、富山県が「焼肉酒家えびす」砺波店でユッケによる食中毒被害が発生したと発表。富山、福井、石川、神奈川の4県の6店舗で計181人が発症し、5人が死亡した。富山地検は16年5月、業務上過失致死傷容疑で書類送検された運営会社元社長ら2人を不起訴(嫌疑不十分)とした。これに対し富山検察審査会は「不起訴不当」と議決したが、地検は20年10月、再び不起訴とした。

讀賣新聞より

悲惨な事件ではあったが、これは食品衛生の問題で、腸管出血性大腸菌O-111がユッケの中に多数入っていたことで、食中毒患者は181人、うち5人もの死者を出してしまった。完全に知識不足が原因で起きてしまった事故である。

そうした背景を、東京新聞の記者がまさか知らなかった訳でもあるまいが、注意喚起まで記事に書かず、寧ろ生肉食を推進したいかのような内容だったために問題視された。

厚生労働省も動いた。

まあ、簡単な話ではあるんだが。

調べてみると、カラス肉の記事はそれなりにでてくる

で、なんでこんな話を唐突にしだしたのか?と、東京新聞の正気を疑ったのだが、よくよく考えなくとも、東京新聞がまともだった時の方が少ない。

だが、カラスの肉を食べる話は、調べてみるとそれなりにある。

たいへんですよ、カラスが売れてます! 害獣駆除されたカラスを美味しい食肉として、提供しています。

2020年11月9日 14時33分

ジビエ専門市場のジビエマルシェでは、全国処理施設50か所、レストラン1100店舗と契約し、鹿、猪、熊、鴨など多彩なジビエを提供しています。驚いたことに最近カラスの注文が急増しています。令和元年までは、1件もなかった注文が、グルメ番組で取材を受けてから火が付きました。しかし、「味は美味しいが、肉が固い!」というシェフの意見が多く、ブームには至っていませんでした。そこで、当社・処理施設・猟師でカラスを本格的に研究し、おいしい食材に生まれ変わらせることに成功!「珍しい」「美味しい」「やわらかい」の3拍子そろったジビエとして出荷を開始いたします。すでに、テスト調理で、ジビエ専門店やミシュラン店まで幅広くから高い評価を受けています。ジビエマルシェでは、今後も注文が増加することを見込んで、捕獲・止差し・解体などを全国の食肉処理施設にアドバイスしていく予定です。

PRTIMESより

都会で多数見かける鳥なのだから、烏を食べようという発想になるのは分かる。が、日本国内でメジャーな食品とならない理由は、それなりにあるのだ。

ここのところジビエを広めようという動きもでているのだろうが、ジビエはそもそも野生生物を食うという発想なので、どうしたってそれなりのリスクを考える必要はある。そこまで周知しなければ、食文化として広めるのは間違いだろう。

コオロギ騒ぎ

これと似た臭いを感じ取ったのがコオロギ騒ぎである。

「コオロギパン」社長ブログが正論だけに残念な訳

2023/03/08 13:30

今、コオロギ食に対する反発が高まっている。

昨年11月、今年2月と相次いで、徳島の県立小松島西高校が、徳島大学発のベンチャー企業・グリラスのコオロギパウダーを使った給食を提供した。「Pasco」で知られる製パン大手・敷島製パンも高崎経済大学発のベンチャー企業・FUTURENAUT(フューチャーノート)と共同で、コオロギパウダーを配合した、その名も「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」と題したパンを販売した。

このように急速な広がりを見せるコオロギ食だが、先月中旬ごろからネットを中心に拒否反応が広がり始めた。「安全性は本当に大丈夫なのか」「給食で子供たちに出すべきものなのか」「コオロギ食は食料問題の解決に役立つというが疑わしい」といった批判だ。

東洋経済より

パンに入れてくれるなと言う、消費者の感覚と、推進派の感覚が合わないのである。何より、「コオロギ食が必要」としている理由が荒唐無稽だ。

サイトによると、「コオロギ食が必要な理由」は以下の3点だ。

ひとつは「人口増加に伴う食糧確保の必要性」だ。2050年には世界の人口が100億人に達するという。家畜の飼育が追いつかなくなったときに、昆虫食が貴重なたんぱく源になるという。

もうひとつは「たんぱく質摂取の効率が高いこと」。コオロギは鶏や豚、牛と比べて、3倍近くのたんぱく質を含んでいるとのこと。

最後は「環境への負荷が少ないこと」だ。昆虫を生育する際の温室効果ガス排出量、そして必要な水やエサの量は一般的な家畜と比べて圧倒的に少ない。それゆえ、環境負荷も軽減されるというのだ。

東洋経済より

嘘ばっかりだな。

確かに地球上の人口は増えている。かなりの勢いで加速度的に増えてはいるが、先進国では軒並み少子化の方向に向かっているのも又事実である。

つまり、先進国において虫を食べる必然性は薄い。先進国の国内で畜産をやれば良いのである。それが出来ない理由はないのだ。

日本ならば更に海洋資源を活用する方向で養殖魚を増やしていけば、面積効率としては地上で虫を増やすよりも確実に良い。

タンパク質の摂取効率

書かれていないが、タンパク質摂取効率で言えば、大豆の方が優れている。クリケットパウダー(コオロギ粉)100gあたりに含まれるタンパク質は68gだが、プロテイン製品(粉末)に含まれるタンパク質は100gあたり71g(注:製品によって異なる)だ。

タンパク質含有量、コオロギとその他食品との比較

こんな感じの比較がなされているサイトが多いが、正しい比較しているかというと、ちょっと怪しい。なぜならば、クリケットパウダーは粉末だが、牛肉や豚肉は粉末にしているわけではなく多数の水分を含んだ状態である。

間違いだとは言わないが、フェアな比較とは言い難い。比較的高タンパク質というのは事実だろうが、誇張された表現である。

何より、クリケットパウダーだけ食べるなんてことはあり得ないのだから、無意味な比較といっても良いだろう。

コオロギは畜産に比べて餌が少ない?

似たような話として、コオロギと畜肉の飼料負荷についても言及されることがある。

データ出典: Potential of insects as food and feed in assuring food security

一目瞭然で、昆虫食スゴイ!と騒ぎたくなる気持ちは分かるのだが、実際にコオロギ養殖をする場合を考えると(実は昔、イエコを爬虫類を育てる為に飼っていたことがある)、思いの外手間がかかる。何より小さいのが厄介だ。

研究結果から、餌が少なくて済むという結論がでているのだから、それに対して文句を付けるつもりはない。だが、鶏と比べて半分程度というのは、極端に効率が良いというわけでもなさそうだ。

結局これ、可食部の比率に比例している感じなので、体重における可食部の割合の少ない牛肉(約4割)が不利になり、8割を可食部とできる(単純に乾燥粉砕しているだけだが)コオロギが有利になることは不思議ではない。寧ろ、アレルギーなどのことを考えると、本当に8割可食部として良いのか?という疑問は生じる。

また、食品としての安全性を考えると、徹底的な洗浄が必要になると思うのだが、果たして、それは容易に出来るのか?という疑問も残る。

とまあそんな感じで、日本国内での取り組みとしては始まったばかりの話で、話題性はあるが将来性があるかどうかということろまでははっきりしない。SDGsの一形態として騒いでいるだけであるように思える。

何しろ、コオロギの養殖は、どう頑張っても高コストで、養殖における空間効率が良くないという欠点がある。

ザリガニやウシガエル、ブラックバスの二の舞に

そもそも、こういった代用食に関する取り組みは、結構前から行われていた。

アメリカザリガニ | 日本の外来種対策 | 外来生物法

水辺であれば割とどこにでも住むことが可能なアメリカザリガニだが、かつては食用にと考えられた時代があったらしい。いや、正確に言うとウシガエルの餌として輸入されたのが始まりとされている。

投機目的で大正12年に日本に持ち込まれ、養殖が始まったが、カエルを食肉として扱う習慣のなかった日本では人気が出ることもなく、アメリカに輸出された時代もあったようだが、それも様々な理由でダメになった。そのウシガエルの餌として20匹ほど持ち込まれたのがアメリカザリガニで、こちらも日本国内で食用として広まるには至らなかった。

なお、支那では珍重されているようだが、それは日本から持ち込まれたのが始まりだというから何というか因果な話である。今では支那が世界最大のアメリカザリガニ生産国なんだそうな。

おっと、話が逸れたが、コオロギを騒いだところで、結局定着するには至らずに大量に輸入したコオロギが廃棄されて、日本国内のあちらこちらに広まってしまうのでは?という懸念を持っている、そういうことが書きたかったのである。

珍しい食品を食べることは、否定するつもりはない。勝手にやって頂ければ良い。日本人は旨ければ何でも食べてきた民族だし、努力を否定する積もりもないのだ。

だが、それは趣味の範囲でやって欲しいところ。SDGs然り、LGBT然り、左派界隈が持ち上げる話は、どうも総じて筋が悪いモノばかりのように思えるのは、気のせいなのだろうか。お願いだから一部界隈で楽しむ程度にして欲しい。

コメント

  1. こんばんわ。あれ? 記事だった。失礼
    こないだ記事と思ったら熊用護身スプレーの広告だったので、つい。
    んで、コオロギ食うなら、無菌室でウジを育てる方が効率的では? 甲殻類と同様のアレルギあるし。それにコオロギはたしか雑食で、バッタより汚染が。
    それとライフル所持まで狩猟やってた者として「カラスの刺身」って東京新聞は脳にウジ湧いたデスクしかいないのか?
    カラス食えますけど、食った事もあるけど、それは高温で揚げた「唐揚げ」す。
    刺身って彼らの食性を考えてるんすかね? 悪食なの解るしょう。
    山鳥や鹿のヒレ肉を刺身にする場合はあるけれど、それは感染症が世界的問題になってなかった高齢ハンターの場合。
    若い奴は熱処理てオイル漬けとかしてから食ってますよ。
    てか、犬にも考える!!
    昔は山中で血抜きとワタ抜きすると、腸管や肺を犬たちのオヤツにあげたものです。でも、今はベースに戻って鍋で茹でてから与えるのが普通。猪なんかヤバいですからね。
    ロシア人が淡水魚を刺身で食うとか、あーいうのは凍結させて寄生虫を殺してるからで。マグロと同じですね。生で食うジビエって……無害に思える野ウサギだって野兎病あるし。それをカラスの生食。
    彼らカタツムリやナメクジも食うすが。
    まあ東京新聞なら良いですか。

    • しょうもないネタに突っ込んだ記事ではあるのですが、ジビエネタに関しては、好きな人が楽しむ程度の話。
      食中毒などの危険性をしっかりと周知せずに、あんな記事を書くのは良識を疑います。
      なお、イノシシ、カモシカ、辺りは猟師から貰った事があるんですが……、イノシシの方は食えたもんじゃなかったなぁ。血抜きに失敗していた模様。カモシカの方は、それなりに食えました。雉は結構旨かったですな。

      更に、コオロギですが……。
      ご指摘のようにバッタと同じで雑食なのが困るんですよね。イナゴは草食なので、それなりに食えるようですが。
      蜂の子は美味しいですが、イナゴとなるとなかなか手を出しにくい。それをコオロギって……。
      まあ、色々な食文化はあるんで、それを否定するつもりはないのですが、別に外国の真似をする必要はないと思うのです。

  2. おはようございます

    いなごとバッタ、コオロギはよく似ていますが、バッタとコオロギはアレルギーをはじめとする病原性因子を多く含むため”食品”に分類されていないそうです。

    何でもそうですが、食べるのは食べたい人の自由ですが自己責任で。リスクを知らない人・食べたくない人に勧めるのはヤメロ。事故が起こってからでは手遅れです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221128/k10013906251000.html

    • 学校給食で出されても困りますよね。
      とはいえ、食べてみれば案外食べられるものだとは思いますよ、コオロギであっても。
      ただ、食べたくないだけで。