「差別はいけない」という主張に、正面から反対できる人はそうそういないと思う。だが、僕はLGBT関連の主張に気色悪さを感じる。趣旨としては「差別をなくしたい」ということなんだろうけども。
LGBT法案、同性婚法制化…自民支持層の過半数が賛成
2023/2/20 19:02
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が18、19両日に行った合同世論調査で、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案について尋ねたところ、慎重論が根強い自民党の支持層でも57・2%が「(国会で)成立させるべきだ」と答えた。同性婚を法律で認めることにも自民支持層の60・3%が「賛成」と回答した。年代別では、高齢層より若年層が、性別では男性より女性の方が同法案の成立や同性婚の法制化を積極的に認める傾向が強く出た。
産経新聞より
産経新聞ですら頭の悪い世論調査をやって、LGBTキャンペーンを張っている様に思える。だが、実情を捉えていないのではないか?という疑いを持って見てしまうな。
生煮えの議論
問題の根本は数年前から変わっていない
さて、以前、このブログでもLGBTに関して記事を書いている。
性的指向や性自認問題は、ここ10年程で認知度を高めてきた問題である。前回の話題は第190回国会(2016年)に提出された法案に基づく話なのだが、今思えば、この時の記事は未熟な論説ではあったと思う。
この時も法案の中身が杜撰すぎるとして批判を行っているんだけどね。
また、前回の記事は古い法案をベースに話をしているので、改めてこの問題について記事を改めて書いてみようと思った次第。なお、結論から言うと、法案の中身は大して進化していない。
本当にいま議論しなければならない話題なのだろうか
危険な法案
えー、現在議論になっている法案は第208回国会に提出された衆第55号の「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」に関してであると思う。
メディアは、何故かどんな法案が議論になっているかについてのソースを明らかにしない。法案の条文は読んだ前提で話をしているのだろうか?とてもそうは思えないんだけどな。
という訳で、法案の中身を少し見ていきたい。
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 性的指向 恋愛感情又は性的感情の対象となる性別についての指向をいう。
二 性自認 自己の性別についての認識をいう。
三 社会的障壁 日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
……定義、190回国会の時のとほとんど変わっていないな。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。
差別の解消、ねぇ。
1条に掲げる法目的は崇高なものだが、しかし定義からしてかなり杜撰である。それは前回の法案も今回の法案も同じ。
性的指向、性自認についての定義もかなりザックリしたものになっている。おそらく、LGBTQ+全てを含み得る概念として包括的に取り扱いたいという意図なのだろう。が、これが非常に危険な部分を内包する結果になってしまうと、僕は考えている。
そもそも、LGBTQをひとまとめに法整備しようというところに無理があると思うのだ。
想定される具体例
分かり易いように具体的な事例を考えていこう。
例えば、L(レズ)とG(ゲイ)はおそらく棲み分け可能なのだが、そうでない方にとっては嫌悪感を抱く対象となり得る。
例えば成人女性が成人男性の前で着替えることに抵抗があるように、恐らくは成人女性はレズの前で着替えることに抵抗を覚えるだろう。何しろ、自分の裸に性的興奮を覚える相手と同室で着替えねばならないのだから。お互いの合意があれば別だが、そうでないケースでは大きな問題になる可能性がある。
男性の僕にとっても、ゲイの方とは更衣室やトイレ、お風呂をご一緒したいとは思わない。
LGBTQなど(性的少数者)に分類されない異性愛者をノーマル(性的多数者)だとすると、一部の方のために大多数の人々が「ちょっと我慢しよう」というのが、この法案の趣旨となる。「性の多様性を受け容れろ」といえば聞こえは良いのだが、現実は残念ながらノーマルの方が性的嫌悪感を抱くことになる。
しかし、こうした感情(性的嫌悪感)を抱く事そのものは憲法で容認されているものの、この法案が成立した暁には、それを一旦口に出してしまうと、「表現の自由」では許されない事態をむかえる社会が到来する。具体的には、本法案の成立によって法律で罰せられる事態を招く。
今のところ本法案にある罰則規定では明確に示されてはないが、おそらく名誉毀損や侮辱罪辺りが適用されることになる。
名誉毀損罪が成立すれば、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」(刑法230条)、侮辱罪が成立すれば、「拘留又は科料」(刑法231条)に処される可能性がある。
もっと具体的な事例を考えてみよう。
例えば、男性のAさんがゲイのBさんと共に温泉旅行に行ったとしよう。Bさんはゲイを公表していなかったが、入浴時にAさんの裸に非常に興奮してしまう。そこで、深夜、同室に泊まったAさんに自らの性的指向を打ち明け、受け入れて欲しいと迫ったとしよう。
Aさんはノーマルなのでどうしてもそれを受け入れられず、部屋から飛び出し旅館のフロントにBさんがゲイだったことを明らかにして「別室を確保してください」とお願いしたが、旅館は、「事業者における性的指向又は性自認を理由とする差別の禁止」(LGBT法案10条)を理由に別室確保を断ってしまう。
このケースではBさんは、Aさんが旅館にアウティングをしたとして侮辱罪や名誉毀損罪の適用ができる立場にある。
喧嘩となり、警察沙汰になった場合でもAさんの立場は非常に弱くなる。行政機関も性的指向又は性自認を理由として、不当な差別的取扱いをしてはならない(同法案9条)からである。
おそらくこの場合の正解は、Aさん泣き寝入りである。BさんがAさんに具体的に手を出してしまえば、強制わいせつ罪(刑法176条)などが成立する可能性があるが、AさんがBさんの暴行又は脅迫を立証する必要があるため、ハードルはかなり高い。同室に泊まった事実は「合意があった」と推認されるからだ。一方で、合意が無かったことを立証することは極めて困難だ。
LGBの悩み
では、B(バイ)はどうだろうか?
レズやゲイは、アウティング済みで周囲が受け入れていれば、トラブルは避けられると思うが、バイのケースは厄介だ。アウティングされてもされなくてもトラブルに発展しやすい。何しろ、両性から危険視されることになるのだから。
とはいえ、ベースはLGBは性的指向の問題であるため、本人たちが自重してくれればなんとかなる話。自重無く暴れる事もあるのだろうが、そういったケースでは別の法律で対応することになるだろう。
無理をすれば交友関係が壊れることになるのだから、LGBの方々は苦しむことになるだろうが、ここは日常生活との折り合いを付けていくしかなく、ノーマルの方々だって別の似たような悩みはあるだろうから、殊更違いを指摘すべきではないということになるかも知れない。
そもそもLGBの方々は性的少数者とされているのだから、ノーマルな方々がこれに直面するケースはさほど多くはない。
しかしそうすると、LGBを特別扱いすることの方が問題であるように思う。個別のケースでそれぞれ対応すべきではないだろうか。「差別しない」とは、そういうことなのではないか、と思う。
少なくとも多くのLGBを自認する方々は、自分の性的指向を公にしたいとは思っては居ないようだ。芸能人の中にはそれを飯の種にしている方もいるけれども、生き辛さというのはあるのだろう。それに関しては、分かったようなことは言えないんだけれども。
自ら生活環境を破壊したいと思う人は、ノーマルの方でもいないだろうけど。
T(トランス)の問題
一方で、T(トランスジェンダー)の問題は、かなりセンシティブだ。
彼らは性自認が肉体の性と異なることで悩む方々であるようなのだが、それは外見から判断できない。
故に、法2条1項2号の「性自認」という部分に該当する、本来では別に扱わねばならないカテゴリーであるように思う。
これが、男性が女性となるように手術を受けている状態で、外見からも女性に見えるケース、或いはその逆であればある程度は許容し得ることなのかも知れない。LGBとは大きく違うのは、性的指向とは別の概念である点だ。
ただ、スポーツなどの分野では、こうしたトランスジェンダーの方々の扱いに困っている。
米トランスジェンダー水泳選手の参戦で協会に非難の声! ライバル選手が「みんな動揺している」と平等性を再主張
2/12(日) 11:01配信
昨年3月17日、アメリカ水泳界でスポーツの歴史をも変えるレースが行なわれた。それは全米大学選手権の女子500ヤード(約457メートル)自由形だ。
東京五輪で銀メダルを獲得したエマ・ワイアントも参戦した同レースにおいて異彩を放ったのは、男性から女性に性転換したリア・トーマスだった。NCAA(全米大学スポーツ協会)が設けるホルモン量のテストもクリアして参戦した彼女は、力強い泳ぎを披露すると、ケイティ・レデッキーが作った学生記録に9秒差に迫る4分33秒24で1位に。トランスジェンダー選手としては初の大会制覇となった。
Yahoo!ニュースより
スポーツ界で問題になるのは、男性から女性に転向した選手のみ。逆は問題にならない。
理由は、筋力や骨格の問題で、ホルモンの働きによって、身体のつくりからして他の女性選手とは異なる状況ができあがるからだ。故に逆は成立し得ない。
おそらく、日本で、冒頭に紹介した法律が成立すると、スポーツ大会も混乱する結果になるだろうと思う。
一部の種目では、体重別にカテゴライズすれば、問題になりにくいのかもしれないが、そうした切り分けが成されない種目では、今後も問題になるだろう。
男女混合競技が成立しにくいのと同じ理由で、トランスジェンダー女性を競技に参加させるのにはトラブルが多いのだろうと思われる。
これでは「差別禁止」が社会の混乱を助長しかねない。
また、昨今問題になっているのは、更衣室や浴室にトランスジェンダー女性(自称)が入り込む問題である。「性自認」だけでこの法律が適用されるとなると、その嘘を誰が見抜くのか?立証責任は誰にあるのか?ということも含めて大きな問題になる。
本人が主張する以上は、外見とは別の性の扱いを他人に強要することになる。
こういった状況で未熟な法案を通すとなると、相当程度社会への混乱を招くだろうと懸念される。もちろん、悩んでいる方への助けになる可能性は否定しない。だが、法案の内容を見る限り、寧ろ足を引っ張る可能性の方が高そうだというのが、個人的な感想である。
少なくとも、ノーマルの方がLGBTの方々の存在について、どう付き合えば良いかを相談する法的なシステムを構築することを考えないと、多数側の方が混乱することになりかねない。
構図は人権要保護法案と同じ
似たような構図になっているのが、過去何度も法案提出された「人権擁護法案」で、その趣旨は崇高ではあるものの、その理念を実現しようとすると、社会的歪みを多数生みかねない危険な法案である。
そしてもうひとつ、自民党の一部保守派から「法制化されれば性的少数者を支援する団体や野党が勢いづき、こちらが守勢に回る」という声がいまだ残る状況であれば、LGBT理解増進法とともに、「国内に人権機関を設立する必要性がある」と主張します。
TOKYO MX+より
こんなことを言う人も居るのだが、人権擁護法案はヤバい。
詳しくはWikiなどを読んでもらえれば概要は分かると思う。Wikiの内容は若干、擁護法案賛成の立場に寄っている気がするが、概ね問題のない内容であるように思う。
その上で、「批判、反対意見」に書かれている部分で、「他者の人権を不当に侵害するおそれがある」という部分について少しだけ言及する。
この法案について、日本弁護士連合会も批判している。いつもは僕は日弁連を批判する立場にあるが、これに関しては一理ある主張であるように思う。
ザックリ説明すると、人権保護の為に人権委員という立場の人々をおいて、人権委員会は、裁判所の令状なしに立ち入り検査や物件提出要求を行うことができる構成となっている。一番の問題は、人権侵害を訴える側に、立証責任がない点だろう。人権委員会は強い独立性を持ち、人権の分野においては警察権より強力な権力を行使しうる。
そして、人権侵害に関わる冤罪が生じた場合に、これを回復する手段がないことも問題である。人権侵害の定義が曖昧なので、言ってみれば言ったモン勝ちという法律構成になっている。
似た構造の法律としては、配偶者暴力防止法(DV法)がある。この法律も、被害を訴える側が嘘をつく可能性を排除していて、訴えられた側は極めて不利な立場に追い込まれるケースが多い。
何れのケースも、訴えられる側が無実を立証することが極めて難しいが為に慎重に議論する必要がある。権利の乱用に対する対策が設けられる必要がある。
教育現場においても慎重にすべき内容
さて、こうした立法府の問題もさることながら、教育現場でもどのような教育をすべきか?というところで、混乱がある。

一応、「差別するな」という紋切り型の説明をしているのだが、実際に体育の授業や、技術・家庭科の授業、各種行事で混乱があるようで。
どうにも、教育現場においては、LGBTQ問題を避けるために、男女混成で授業・行事を行うことを求めているようだ。
しかし、スポーツ現場では体力差による区別を「安全のために」行っているように、年齢が高くなるほど男女混合でイベントを行うと、身体的リスクが高くなりがちである。特にボディコンタクトのあるスポーツは危険だ。
身体測定や水泳など、これまでは分けて行う方が適切だと判断されてきたのには、それなりの理由がある。
そういったケースバイケースの事案まで、「差別禁止」という強い態度で臨むことが果たして正しいのか?は誰にも説明が出来ないことだろう。
性的少数者に関する法案を成立させるべきか聞いたところ、立憲民主党支持層の68・1%、日本維新の会支持層の74・8%、無党派層(「支持政党はない」と回答)の67・1%が「成立させるべきだ」と答えた。
産経新聞より
安易に性的少数者に関する法案を成立させると、上述した様々な問題を内包した状態で、日本社会に混乱をまき散らしかねない。
自民党の内部での勢力
前のめりにLGBT問題に突っ込む稲田氏
さて、以前から気に入らない人物と認識している稲田氏だが、今回、LGBT法案にかなり積極的になっているようだ。
落選運動も受けた 自民・稲田朋美氏に聞くLGBT法案
2023/2/19 11:30(最終更新 2/19 11:35)
LGBTQなど性的少数者の理解を進めようと自民党案をベースに与野党合意した「LGBT理解増進法案」は2021年、自民の一部保守派の反発で、国会提出が見送られた。あれから2年弱。岸田文雄首相の元秘書官の差別発言をきっかけに、性的少数者に対する政治の対応が通常国会の焦点に浮上している。当時、自民側の交渉役を担った稲田朋美衆院議員は直後の衆院選で落選運動にも遭った。今、何を思うのか、話を聞いた。
毎日新聞より
それというのも、岸田氏の周辺で問題発言があって、紛糾してしまったからなんだな。
同性婚に慎重な岸田首相が「LGBT法」成立は急ぐ訳
2023/02/18 7:20
岸田文雄首相が、LGBTなど性的少数者に対する「LGBT理解増進法」の今国会成立に動き出したことが、自民党内の保守派の反発などで「政局の新たな火種」(閣僚経験者)となりつつある。
岸田首相は、2月3日の荒井勝喜元首相秘書官の「差別発言」による政権危機拡大を受け、6日にLGBT理解増進法案の国会提出に向けた準備を自民の茂木敏充幹事長に指示した。「悪い流れを変える狙い」(側近)とされ、官邸周辺からは「5月の広島G7サミット(先進7カ国首脳会議)前の成立を目指す」との声も漏れてくる。
東洋経済より
稲田氏は、こうした岸田氏の判断に乗っかった格好で、LGBT理解増進法の今国会成立を目論んでいるらしい。
この人、議論が浅いんだよね、いつも。いや、メディアに出てくることが少ないから、何かの問題を理論的に論じるシーンを見ることが少ないせいだろう。だけど、最近の報道でも情緒的な発想を披露している所を見かけるのみ。引用した毎日新聞の記事も、会員限定だから読めないしね。
西田氏は反対
で、一方で、自民党の中でも消極派とされるのが西田氏だ。
自民・西田氏「差別禁止は分断生む」LGBT法案
2023/2/7 13:00
自民党の西田昌司政調会長代理は7日、性的少数者(LGBT)への理解増進を図る法案に関し「差別の禁止や法的な措置を強化すると、一見よさそうに見えても人権侵害など逆の問題が出てくる。社会が分断されないような形で党内議論をしていきたい」と述べた。党本部で記者団に語った。
~~略~~
西田氏は差別禁止につながりかねない文言について「かつて人権擁護法案やヘイトスピーチ禁止などが議論されてきた。進める人は禁止規定や罰則と言う。それは社会分断させてしまうのでよくない」と強調した。
産経新聞より
いや、他にも発言する人はいるんだろうけど、目立つ人の主張は取り上げるよね。西田氏は、ヘイトスピーチ禁止法などを手がけた人物としても知られていて、人権問題には一家言あるようだ。
ただ、ヘイトスピーチ禁止法は彼の狙い通りだったのかは怪しいな。日本人に対するヘイトスピーチに関しては取り締まることの出来ない欠陥法だが、そもそも対日本人に関しては従来の法律で対処しろというのが西田氏の言ではある。
……本当に新しい法律は必要だったのだろうか??
ともあれ、LGBT理解増進法に関しては、西田氏は「消極派」としてカウントされているようだ。が、彼は寧ろ積極派である。「本法案は廃案にしろ」といっているんだけど、その理由は、法的措置の強化は「人権侵害など逆の問題」を助長しかねないというもの。
西田氏は理念法にとどめるべきだという立場のようだね。
自民党内では紛糾
とまあ、異論百出で、先送りの話が出てきたらしい。
LGBT法案、自民着手見えず 統一選後へ先送り論も
2023年02月21日07時06分
LGBTなど性的少数者に対する理解増進法案の行方が今国会の焦点に浮上する中、自民党が党内論議を始めるめどが立たない。かつて法案を巡って推進派と慎重派が激しく対立した経緯を踏まえ、執行部が開始のタイミングを慎重に探っているためだ。4月の統一地方選と衆院補欠選挙の後に先送りすべきだとの声も出ている。
~~略~~
党内には「差別」の文言に関し、「不当な差別はあってはならない」への修正で妥協を探る動きがあるものの、保守派からは「他の文言も問題」とハードルを上げる声も上がる。推進派の稲田朋美元政調会長らは17日、萩生田光一政調会長と協議したが、議論の開始時期は決まらなかった。
時事通信より
いつもの自民党っぽいといえば、自民党っぽいのだが、どうにも報道の流れを見ていると、メディアが騒いでLGBT法案の議論を加速させたい狙いがあるみたいだ。
自民党内では色々と議論がなされているようだが、外野のメディアや、野党などは何かおかしなことを言っている気配がある。

そもそも、LGBT問題と同性婚の話は別の議論のはずなのだが、どうも一緒に議論したいという思惑があるようだ。
同性婚まで含めて認めろというのが、野党側の概ねの主張のようなのだが、正直、同性同士の結婚を認めろということは、憲法改正を必要とする話になる。野党の主張は乱暴と言わざるを得ない。
憲法改正の議論
日本国憲法24条はこんな規定になっている。
第二十四条
e-Govより
- 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
- 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
憲法24条は、同性婚を保護する意図がないのは明白で、「両性の合意のみ」という文言や、「夫婦が同等の権利を有する」という文言を使っている以上、男女が結婚することで「婚姻」が成立するということを想定していることは明らかである。
大日本帝国憲法下では民法の定めによって婚姻に関する定義がなされていたようだが、家督相続制度や戸主権を採用しており、こちらでも夫婦(つまり男女の婚姻)が前提となっていた。
とはいえ、男性同士の性的関係というのは戦国時代以前から衆動として認知されていて、女性同士の性的関係に関する文献は少ないものの、平安時代から僅かながら確認出来る事案があるようだ。江戸時代にも、大奥や遊女の間での性的な描写が確認でき、浮世絵にもそうした春画が確認できることから、ある程度認知はされていたようだ。
こうした傾向にブレーキがかかったのは、実は明治以降に、西欧からキリスト教文化や精神医学が浸透し始めたことが切っ掛けであったといわれている。
今や西欧では同性同士の婚姻が認められつつあるという流れを考えると、なんとも苦笑を禁じ得ない。
おっと、話が逸れたが、同性同士の性的接触と、婚姻は別なものと捉えられて、憲法24条が規定されたと理解するべきだろうという話だ。
したがって、解釈を変えるか、条文を変えるかするのが筋である。
自民党は憲法改正にはあまり積極的ではなく、24条を改正することに対しても積極的ではないようだ。故に、LGBT理解増進法案という中途半端なものを進める話でお茶を濁す方向に向いているというわけだ。
家長制度を破壊したいマスコミ
さて、そう言った中でマスコミは、戦前にあった「家長制度」の流れを汲む、今の民法も少しずつ変えている。
ここのところ積極的だったのは、夫婦別姓という奴だ。
菅前首相 夫婦別姓「悩んでいる方いる。国民全体で議論を」
2/18(土) 22:37配信
自民党の菅義偉前首相は18日、北海道・帯広市で記者団に対し、選択的夫婦別姓について「賛否両論ある中、悩んでいる方もいる。重く受け止めながら、国民全体の中で議論していくことが大事だ」と述べた。
Yahoo!ニュースより
個人的に前首相だった菅義偉氏の業績は評価しているが、こうした「人権分野」ではチョイチョイおかしな面も見せているという認識である。
この夫婦別氏の問題に関して言えば、高市氏の主張を推したい。
「夫婦別氏」に係る最高裁の判断
更新日:2021年06月23日
本日15時過ぎに、「最高裁大法廷が合憲判断」との速報が流れ、安堵しました。
これは、「夫婦同氏」を規定する『民法』と「婚姻届の手続」を規定する『戸籍法』について、「法の下の平等」を定めた『日本国憲法』に違反するかどうかが争われた3件の家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷は、両規定を「合憲」とする決定を出しました。
東京都内にお住まいの事実婚の男女3組が、別氏の婚姻届を受理するよう家庭裁判所に求めておられたものでしたが、受理しないという判断が確定しました。
高市早苗氏のサイトより
夫婦同氏、別氏に関わらず、「子の氏の安定性」の確保と、「夫婦親子の戸籍氏が同一であることを維持」しつつ、「婚姻前の氏を通称として使用できる措置」の推進というのが、高市氏の目指す方向性であり、現行法上で妥当な判断であると思う。
正直、夫婦別氏にしたいと希望する理由はよく分からないのだが、日本の家長制度の流れを汲む家族制度の破壊という論点から見れば納得できる部分もある。LGBT法案推進というのも、そういった流れのうちの1つだと理解すれば分かりやすい。マスコミはそう言った路線で煽りたいのだ。
しかし現実問題として、今を生きる日本人の利益を損なわないように、慎重に法改正していくことが望ましいのである。どうしていくか?という点はまだまだ生煮えの状態なのだから。
最後に、この記事、何度か消して書いてという感じで、アップするのは悩んだのだが……、結論のところはばっさりカットしてしまった。まだまだ僕の中でも結論は生煮えで、どうすべき?という部分を確信を持って言えない。中途半端なところで終わってしまっている点はご容赦願いたい。
追記
そういえば、こんなニュースがあったな。
性別を理由にした無意識の思い込み 具体例を動画で紹介 東京都
2023年2月24日 7時08分
「男は仕事、女は家事」といった性別を理由にした無意識の思い込みに気付いてもらおうと、東京都は具体的な事例を動画で紹介する取り組みを進めています。
NHKニュースより
東京都は何が狙いなんだろうね。
「性別を理由にした無意識の思い込み」って、性自認そのものなんだが。
このうち、単身赴任をテーマにした作品では、友人から「親が単身赴任する」と聞いた主人公が、「お父さんはどこ行くの」と聞いたところ、「お母さんのほうだ」と返されて、驚く姿が描かれています。
NHKニュースより
……男性が単身赴任するケースが圧倒的に多いのは事実で、母親が単身赴任するのがレアケースであるのは事実である。そこに差別があるなしの前に、「無意識の思い込み」とは別の事例のような気がしてならない。
「性別に関わらず活躍できる」って、そんなに幸せな社会なのだろうか?一体、日本はどこに行こうとしているのか?東京都はどこに行こうとしているのか?
追記2
もう1つ気持ち悪いと思ったニュース。
G7を前に周回遅れの日本 世界で進むLGBTの権利保障
2023/2/21 06:00(最終更新 2/21 17:52)
広島で5月に主要7カ国首脳会議(G7サミット)を控える中、国会でLGBTQなど性的少数者を巡る議論が活発化している。だが岸田文雄首相の秘書官を務めた荒井勝喜氏が性的少数者への差別発言で辞任し、LGBT理解増進法案の早期可決さえ見通せていない日本の現状は、世界から後れを取っている。既に30以上の国・地域が同性婚を法制化し、日本以外のG7の6カ国も同性カップルに異性カップルと同等の権利を法律で保障している。
毎日新聞より
なんと言うかこう、気持ち悪い。
前々から毎日新聞の気持ち悪さは知っていたつもりだけれど、G7が一体何だというのか?カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国の6カ国で同性カップルに異性カップルと同等の権利を法律で保障しているから、一体何だというのだろう。30以上の国・地域が同性婚を法制化したから何だというのか。
議論するのは良い。
必要であれば法制化しても良いだろう。
だが、本当にそれは必要なのか?「オウベイガー」の人々の思考停止っぷりにはビックリするが、外国で必要とされているものが日本で必要とは限らないということに、何故思い足らないのだろう。
追記3
何なんだろうねぇ。
「手術しないと性別変更できぬ」は人権侵害か 最高裁が違憲性審査
2023/2/27 06:00(最終更新 2/27 06:00)
性別変更するには生殖機能をなくす手術が必要――。この性同一性障害(GID)特例法の規定の憲法適合性を最高裁大法廷が審理している。女性が生殖機能を残したまま性別変更し、その後に子供が生まれれば、戸籍上は男性でも子供にとっては生物学上の母となる。規定はこうした「逆転現象」を防ぐ目的で設けられた。だが、当事者たちは手術の強要は個人の尊厳を踏みにじる人権侵害だと訴える。最高裁は違憲、合憲どちらの判断を導くのか。
毎日新聞より
こんなことを決めなければならない裁判官は不幸だと思う。
しかし、想定している事案が、「女性が生殖機能を残したまま性別変更し、その後に子供が生まれれば、戸籍上は男性でも子供にとっては生物学上の母となる。」というところからして狂気を感じる。
一体、「性別とは何なのか?」と改めて疑問を抱いてしまった。
議員立法による特例法が施行されたのは04年。性別変更するためには複数の医師にGIDと診断されたうえで、①18歳以上②結婚していない③未成年の子供がいない④生殖機能をなくす(生殖不能手術)⑤変更後の性別の性器に似た外観を備える(外観手術)――の5要件を満たす必要がある。申立人は④と⑤の手術要件はいずれも憲法違反だとして最高裁に特別抗告した。
~~略~~
21年12月現在、特例法に基づき性別を変更した人は1万1000人超。全員が家裁から5要件を満たしていると判断され、変更前の性別が男性の人は精巣を取るなどし、女性の人は子宮を摘出するなどの手術を受けたとみられる。生殖不能手術と外観手術の費用は合わせて100万円以上になることも珍しくなく、体にメスを入れることに抵抗感を持つ人も少なくない。当事者からは「手術要件は過剰な負担」と立法時から廃止を求める声があった。
海外では、イギリスとスペインの法律はそもそも生殖不能手術を要件としていない。ドイツでは連邦憲法裁判所が11年に生殖不能、外観の二つの手術要件を違憲とし、オランダも13年に二つの手術要件を廃止した。世界保健機関(WHO)は14年5月、手術の強要は人権侵害で、自己決定や人間の尊厳の尊重に反するとの声明を発表した。
毎日新聞より
外観手術が違憲とあり、自己決定権や人間の尊厳に反するという事らしいが、だったらマイノリティーの尊厳だけではなくマジョリティの尊厳も守ってくれ。
性別は、単なる便宜上の区別ではあるが、コレを守っているからこそ社会的な混乱を避けることが出来ている歴史の積み重ねでもある。その区別を、自己決定権に任せることは他人にとって幸せなのか?社会にとって必要なことなのか。
「海外では」などと言われるが、その国の社会が必要とする制度や仕組みがあり、それを一部の個人によって破壊される事は、本当に良いことなのか?
特に北欧の事情を日本に持ち込もうという試みは、最近は非常に危険なことのように思える。環境問題然り、性差・性自認然り。
コメント
書いておかねば……なのでせうが、木霊様も苦労耐えない話題すねぇ。
某大学の若手研究者(理系)に聞いたけれど、理系でもポリコレに気をつけないと職を失う危険があると。
科学はサイエンスで、人文=ヒューマニズムじゃないのだから有能ならそれで良いと想うんすけどね。そりや若手の研究者か海外に逃げる訳だ。シナとかにね💢
ぶっちゃけ、この手の騒ぐ人って沖縄の基地建設と似ていて、「当事者でない人」の声ほど大きいですな。
それって、かつて世界革命だとか未来シャカは全て社会主義になるとかホザいていた連中が、ソ連崩壊て大義を失った。
困った奴らはLGBT(いつの間にQが増えたのだろ?そのうちZまで増える?)だの、環境だの動物実験廃止だの、クジラ取るな……だの言い始めた。大義名分が「文句つけるだけ」の彼らの飯の種でしたから🤣 あげくに自民党など保守の中道派を表していた「リベラル」を自称し始めた。なにもかも「文句つける利権」の金の為ですよ。まあ共産党が非合法政党たったアメリカは別な流れしょうが。
とっちにしても、もう世界中で「リベラル嫌い」が台頭してきてる。少し前まで「極右」のラベル貼りすれば黙ると想うていたが、生憎と「リベラルさんの旗本」である既存メディアは、ネットに押されまくりですからねぇ。
あんまりゴリゴリと当事者いがいかわり過ぎると、20世紀後半みたくホモ狩りか流行るだけと想うすけどね。でもホモやゲイか殺されても関係ないんですよリベラルさんたちは商売だから!
色々と難しいネタではあるんですよね。
切り方を変えると、ヘイトになってしまう部分もありますし。
そして、利権屋のオモチャになっている疑いが強いというのも困った話ではありますね。
正直差別利権の為にやっている様にしか思えない不愉快なゴミ共が騒いでいるとしか見受けませんね。
強権的な解釈が可能な法律として制定しようとする必要性が現代日本では感じられません。
これを推し進める輩は今すぐアメリカでLGBTと盛り合ってポジを移されて死ねばいいと思いますよ。
そういう側面があることは否定できませんね。
特に、これだけメディアで騒がれてしまうと、危ない気がしますよ。
性的マイノリティを「差別」するなというけれど、「区別や識別」が必要な場合もあると思いますが、その線引きはどうするつもりなんでしょう。
「男女の区別や識別」が駄目なら、社会のあらゆる所にある「男女別施設」や「男女別競技」はなくさないといけなくなるわけで…。
「本当にそんな社会を目指すつもり?」と疑問です。
以前、Tの男性が女子トイレを使わせろと訴え、T側が勝訴したというニュースを見ました(上告されてまだ係争中かどうかは知りません)。
それと同様な事例で、「性自認が女の子」が修学旅行で「男子と同室をいやがった場合」、女子部屋にすべきとの意見を見ましたが、
「自称女の子が、男子に性的なものを感じるから同室が嫌」なのは認めるべきで、
「女子が、自称女の子だけど肉体が男子なので性的なものを感じるから同室が嫌」は許されない、なんて、おかしくないですか。明らかに不公平ですよね。
昨今の動きは、「差別するな」と言いつつ「優遇しろ」と迫っている、そんな風に思えます。
(あれ、なんか国籍とか出自とかでそんなようなことを見たような…。)
あと、他のG7国家が全てやっているからすべき、というなら、
他のG7国家が全て持っている「軍隊」を日本も持つべき、にならないのは何故なんでしょう。
個別のおかしな事例はニュースとして取り上げられガチですが、大体の性的マイノリティの方々は、ひっそりと暮らしていくのでしょう。
騒げば騒ぐだけ暮らしにくくなりますから。
ただ、それを理解した上で狙って騒いでいる人がいるから、困ったモノです。
あと、G7国家は軍事費GDP比②%越えを目指していますから、日本も目指しましょう!という事に、声を大にして反対する人々、LGBTで騒ぐ人達とやっぱり同じ層の方なのでは?と、個人的には思っております。
開き直って完全混浴状態になるしかなくなっちゃうんですけどねー。それこそ人類にとって数千、数万年単位の問題なのですが、ソレを一時の流行りで片付けようとか。本当にその覚悟あるのかコイツら?と…
事の重大さにすら気付いてないだけか…
江戸時代は混浴で色々トラブルがあったとか。
入れ込み湯という奴らしいですが。
幕府が何度も禁止令を出したとか。
おおらかな時代があったものですね。
こんにちは。
当方の考え方は、
「差別はいけない。区別は必要」
です。
(終)
……ではさすがにアレなので。
LGBTにしろ被差別なんたらにしろ、結局は
「差別する(した)けしからん奴らと、差別された可哀想な私達」
という、新たな差別を生み出してるにすぎない、と思ってます。
※少し前(ほんの数年前)の黒人なんたら運動の時の
「俺たちは白人から差別されたんだから、今度はやり返して当然だ」
という発言がそれを物語ってます。
全ての差別、あるいは遺恨の残る過去の出来事について、
「過去は戻せない。だから、納得行かないかも知れないけれど、賠償金や、頭丸めるとか、何なら腹かっさばいてわびるから、終わりにして水に流して、ここから新しくはじめよう」
という姿勢がない限り、絶対に終わらないですよね。
そして、終わらせないことでカネあるいは権力を得る誰かが居る限り、決して終わらせないでしょう。
バカを見るのは、踊らされるものばかり。
踊る阿呆はバカを見て、見る阿呆はグラス片手にウハウハですからね……
※かの正義連とか、近々では某フェミニズムの大家が実は入籍してたとかetc……
いやしかし、「差別はいけない。区別は必要」に尽きる話ですよ。
では、区別と差別を分けるモノは何か?というところが問題になるのですが、「区別」の為に大多数の方がそれなりに納得できるのが外観での生体的特徴となります。
だからこそ、「性自認」は困るのですよね。内面の問題ですから。
それを外に持ち出す場合には、万人に理解されない可能性は想定すべきなのだと思います。
追記:某赤BBRと入籍したくなるモノ好きがいたのにはビックリですが、しかしお祝いを申し上げたいですね。
こんにちわ、
当方、映画館「レディース・デイ」を当初から性差別と主張してきました。
いまだかつて、誰にも反論されたことがありません。
LGBは個人の性嗜好、Tは性指向(、Qは変態)と主張してきました。
いまだかつて、誰にも反論されたことがありません。
映画館もそうですね。
僕は「女性専用車両」を作るなら「男性専用」も作って欲しいとそう願っております。だって、不平等ですよね?
色々な方がいるので、干渉し合うのは最低限に。
権利を振りかざさず、ルールを守りましょう。受け容れられない方は、工夫しましょう。……ではダメなんでしょうかね。
未来の日本が米国のような対立と犯罪に苦しむ社会にならないように、
いまこの「性自認」というダークワードを葬り去らないといけないと思います。
自民党の稲田朋美””LGBTに関する課題を考える議員連盟””会長代理が、
「性自認」についてまったくイミフなことを言っているようです。
https://twitter.com/dento_to_souzo/status/1630899068418523136
稲田氏がこんな説明で理解を得られると考えているなら、
氏の先々も見えていると思います。
稲田氏の説明、酷いの一言でしたね。
それは説明になっていないのでは、と。
自民党のサイトに掲載されたQ&Aなど色々目を通しましたが、根本的な問題解決を提示しているようには見えませんでした。
確かに、性同一性で悩んでいる方は存在するのでしょうが、彼らの主張を全て受け容れることが万人の幸せに繋がらないことが問題であると、そう考えている人が世の中に多くいるにも関わらず、そちらの手当てをしていない法整備というのは、より大きな問題を生みかねません。
そこを理解していない稲田氏が旗振り役というのは、困った話ですよね。