尹政権、不動産価格の下落に歯止めをかけるために、禁じ手気味の特例を出す

ヤバイ韓国建築物

あらー。

盆唐など第1期新都市再建、安全診断免除、容積率破格上昇

入力2023.02.07 午前11:00  修正2023.02.07 午後1時27分

政府が再建築を推進する1期新都市(盆唐・一山・中東・平村・山本)に安全診断を最初から免除したり緩和する特例を与える。

建築事業を左右する核心変数である容積率も種を上方にしてくれる水準に大幅に高めてくれる。2種を3種に変えて容積率を300%まで高めてくれるような方式だ。

NAVERより

不動産バブル崩壊に歯止めをかける目的のようだけど。

まあ、軽いノリの記事として、サクッと読める様に短い記事に留めておきたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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不動産バブル崩壊の歯止めになるのか?

安全診断免除の意味

さて、韓国の不動産価格が実力以上に上がっていて、バブル崩壊の兆しが出ているという記事は前回書いた。

この傾向は、クネクネの時代から、いやその前のアキヒロの時代から延々と続いていたことを考えると、よくもまあ延命できたと称賛すべきなのかも知れない。

前の記事では、流石に不動産開発業界に陰りが出ていて、価格崩壊が始まっているという趣旨だったのだが、今回は恐らくその対策として考えた方策なのだろう。

ところで、この記事で出てくる安全診断免除なのだが、そもそも安全診断とは、建築から10年で行われる公的診断のことで、それ以降は診断結果によって4~6年に1度、診断を受けるシステムになっている。

A等級と診断されれば6年、B等級と診断されれば5年、C等級と診断されれば4年で再診断を必要とする事になる。

とはいえ、韓国の「安全診断」は、この程度なんだけどね。

まあ、ね。

他にも安全診断の話が話題に上ったことがある。

韓国政府 全国で施設の安全診断実施へ=地震受け

2017.11.28 12:00

韓国行政安全部は28日、南東部・浦項で発生した地震を受け、来年2月5日から3月30日までの54日間、約29万棟の施設を対象に「国家安全大診断」を行うと明らかにした。

同部は「国家安全大診断は政府、地方自治体、民間の専門家のほか、国民も参加して韓国社会全般の安全実態を集中的に点検する予防活動だ」とし、「安全教育、広報、キャンペーンなども合わせて推進する」と説明した。

聯合ニュースより

この時の地震は、M5.4で韓国国内で発生した地震としては過去最大で、多数の建物が被害を被った。報告された中では2000棟の家屋に損害が、52件が全壊、157件で深刻な損傷アリという判定であった。

先に政府は安全診断通過の最大障害と考えられていた構造安全性の割合を縮小するなど、安全診断基準を緩和したが、しきい値をこれよりも下げるということだ。

NAVER「盆唐など第1期新都市再建、安全診断免除、容積率破格上昇」より

よく分からないが、これ、安全性の低下によって、価格が下がるんではないの?と、そんな気はしている。

容積率UP

更に驚くべき事に、容積率を上げるという。

容積率は種の上方レベルに上げてくれる。

2種一般住宅地域の場合、3種一般住宅地域や準住居地域レベルに上方すれば容積率が300%まで高くなり、駅税圏など一部地域は最大500%を適用して高層建物を建てることが可能だ。

また、老朽計画都市特別整備区域を「立地規制最小区域」に指定し、高密度・複合開発が可能にする。

NAVER「盆唐など第1期新都市再建、安全診断免除、容積率破格上昇」より

最大で500%の容積率か。

そもそも、2種や3種のカテゴリー分けそのものの妥当性について、どうやって担保すれば良いのかは、何ら言及されていない。

なお、日本では容積率の計算というのは、建築基準法第52条に定められていて、都市計画で用途地域毎に範囲が定められている。もちろん、例外規定もあるのだが、基本的には接面する前面道路の幅員との関係で定められる。ただし、駅前開発など高層建築物に関しては、別途許可が下りているという感じだ。

開発効率を考えれば、容積率を高めた方が都合が良い。同じ面積で沢山人が住めるからね。

したがって、政治判断で高層建築可として容積率を上げる判断は、アリといえばアリなのだが……。

少子高齢化の進む韓国

さて、話題を少し変えて、少子高齢化の話だ。

https://japanese.joins.com/JArticle/299998?servcode=200§code=210

https://japanese.joins.com/JArticle/299999?servcode=200§code=210

もっとマシな引用記事は無かったのかという話だが、面倒だったので、一応リンクだけ。真面目に議論する気が無いことだけは分かるね。

【社説】満65歳の人口3%→19%台、高齢者基準の上方修正に関する議論を始める時=韓国

2023.02.07 12:06

昨日、ソウル市がまとめた「2022年高齢者実態調査」の結果、満65歳以上の男女3010人が考える「高齢者」の基準年齢は72.6歳だった。現在の基準(満65歳)より7.6歳も高い。これに先立ち、洪準杓大邱市長はただ乗りの対象を満70歳に引き上げるとし、呉世勲ソウル市長も年齢の引き上げを議論すると明らかにした。ただ乗りをめぐる議論が高齢者基準の上方修正議論に拡大する模様だ。

中央日報より

こちらも大したことは書いていない。高齢者の条件の引き上げは慎重にしろ(約意)という感じだろう。

コレは少し古いデータだが、2016年の予測で、「2017年から高齢者が幼少年人口を上回る」という予測を出している。が、この記事の時点での出生率は1.24人(2015年のデータ)だったが、今や0.81人(2021年のデータ)という数字になっている。

ちなみに、2022年には0.8人を切ると言われているので、恐るべき速度で少子高齢化が進むだろうと予測できる。

対策としては悪手

というわけで、不動産価格下落を抑制するために、「再開発してください!」という流れなんだけどさ、これ、実は既に一度使われている手法なんだよね。

韓国の経済成長、極度の建設部門依存が浮き彫りに

2016/9/18

産業研究院が17日に公表した「最近の実物経済の建設投資依存構造」と題するリポートによると、今年の第2四半期(4-6月)の建設投資が経済成長に占める割合は51.5%で、1993年の第4四半期(10-12月)以降で最も高かった。これは第2四半期の国内総生産(GDP)の成長率(3.3%)に対する建設投資の成長寄与度(1.7%ポイント)の割合を計算した数値だ。これに先立ち韓国開発研究院も「建設投資は高い増加率をキープして内需の成長をけん引しているが、設備投資と輸出が不振であるため景気全体では改善の兆しが見えない」との分析を発表している。第2四半期の韓国銀行の統計では民間の建設投資は史上初めて50兆ウォン(約4兆5400億円)を突破し、全体の投資額116兆ウォン(約10兆5300億円)の42%に達した。

朝鮮日報より(リンク切れ)

これはクネクネが酋長をやっていた時代の話で、建設投資が経済成長を加速させるといわんばかりに、様々な政策をうって需要の先食いをしていた時代があった。不動産ローンの規制緩和を連発していたんだよね。

この時既に「ヤバイ」とは言われていたんだけど、取り敢えずは延命できた。

……ところが今回の再開発の話、「安全基準は気にしません」「容積率は上げます」と、異次元の建築緩和っぷりが半端ない。容積率上げて安全基準をスルーしたら、ヤバイ建物がバンバン建ちそうなんだが。

そして、少子高齢化が加速しているので、そもそも不動産の買い手がいない。

大型建設会社も信じられない… ブリジロン連鎖不良の懸念

入力2023.02.06 午前7時10分 修正2023.02.06  午後1時54分

大宇建設が保証を提供した建設事業場のブリジロン不渡りで、大型建設会社の保証や請負契約も信じにくくなったという反応が支配的だ。建設会社が責任竣工契約をせずに故意の不渡りをする事例が増えるなど、波長が拡散する可能性があるという懸念も大きい。未分譲による金融会社の不良資産の増加とともに、建設会社の責任竣工リスクに金融圏が緊張する雰囲気だ。

NAVERより

この記事、「ブリッジローン」なる言葉が出てくるが、事業初期に土地の購入代金や建設許可費用を支払う為のもののようだ。つまり、着工ができないという事を意味する。

つまり、不動産開発を進める主体となるハズの大手建設会社がお金がなくて開発出来ないところにまで来ていると言う話なんだよね。

ちなみにブリッジローンの返済は金融会社からのプロジェクトファイナンス融資を使うんだけど、こちらも悲惨な状況になっていて期待ができない。例のレゴランドの一件から、一気に状況が悪化したから。

「禁じ手気味の特例」とはいえ、効果が出なければ意味が無い。逆に意味があるのなら、少々禁じ手であろうがやってしまえば、後でナントでもなる。……なんだけど、どうにもヤバイ臭いがするよ。

参考までに、韓国での驚きのニュースを取り扱った記事を紹介しておきたい。

手前味噌で申し訳ないんだけど。

コメント

  1. こんにちは。

    これ、
    「新車買ったんだから、しばらく車検通さなくていいよ!」
    って言ってるわけですよね。

    そもそもの需要が冷え込んであるのだから、どれだけ効果あるんでしょうね?

    その新築も、設計施工に新築検査のポッケナイナイでどんなものかわかったもんじゃないのに。
    ちょっと前に、建築中の高層マンションの壁が崩れましたよね。
    あれ、あの後どうなったんでしょう?
    そんな建物、そもそも安かろうが検査がなかろうが住みたくもないですが。

    • なかなか、今回の2つを組み合わせは凶悪だと思うのですよね。
      検査はしなくていい、そして容積率はアップ!
      違法建築ウエルカム!って感じがしてしまいます。

      https://annex2.site/20220112-1/
      コイツの続報は、残念ながらキャッチできていません。本来ならば、解体して作り直すという形になると思うのですが、どうなったのやら。