似たような話は前にも書いたね。
10月の北朝鮮 弾道ミサイル発射時のJアラート 避難などは約6%
2022年12月30日 11時57分
ことし10月に、北朝鮮による弾道ミサイルの発射で、Jアラート=全国瞬時警報システムが発信された際、実際に避難するなどの身を守る行動を取った人は、およそ6%にとどまっていたことが、政府の調査で分かりました。
NHKニュースより
NHKは何となく「無駄だった」というような印象操作をしたい様に感じた。
けれども、この調査結果は至極真っ当な結果なので、しっかりと受け止めて備えられるように日本政府が政策を展開していくべきだ。
災害に備えよ!
避難訓練は必須
ちょっと前にも触れたんだけどさ。
僕の尾崎豊的な体験談と共に、避難訓練は必要だという事を書いた。
それによりますと、「不必要と考え避難などはしなかった」と答えた人が53%と最も多く、次いで「どうしたらよいか分からなかった」が25%でした。
一方、「実際に避難などをした」と答えた人は6%にとどまり、5年前に行った同様の調査と、ほぼ同じ水準でした。
NHKニュース「10月の北朝鮮 弾道ミサイル発射時のJアラート 避難などは約6%」より
その理由はニュースのこの部分からも感じられると思う。
つまり、「どうしたら良いか分からない」人が1/4いるという事実だ。もっと平和ボケした「不必要と考え避難しなかった」の53%のこともちょっとは考慮すべきだが、ハッキリ言ってこれは教育の問題だろう。
ともあれ、「どうしたら良いか」という点に関しては、避難訓練を実施し、それに準ずる行動をすべきだというのが僕の考えだ。
慌てず、騒がず、素直に避難。
政府はどうすべきか
さて、だらだら書いても仕方のないことなので、結論から。
内閣官房の担当者は「ミサイル発射時の行動や避難施設に関する周知を徹底していく必要があると受け止めている。住民避難訓練も積極的に実施していきたい」と話しています。
NHKニュース「10月の北朝鮮 弾道ミサイル発射時のJアラート 避難などは約6%」より
内閣官房の危機感が薄いのは気になるが、書いてあることは正しいし、是非実施すべきであると思う。
つまり、「ミサイル発射時の行動」の周知。「避難施設に関する情報」の周知徹底である。

ポータルサイトには、こんな行動指針が示されている。
ただ、こうした話は政府のサイトに紹介していても仕方が無いのである。文部科学省が主導して日本の小学校、中学校においてパンフレットの配布と、避難訓練をすべきである。現状の設備で可能な避難訓練は、恐らく授業中に放送を入れて、授業を中断して窓から離れて身を縮める。先生方は厚手のカーテンがあれば手早く窓を閉めてカーテンを閉めるのがベストだな。屋外にいた場合には校舎の中に移動する。その後、全校放送で生徒に対して情報を伝えて安心するように伝えるか、必要があれば別の行動に移るように促す程度である。
体育館に集合させるというのもアリだとは思うが、避難時間がかかることを考えると、適切な行動になるかはちょっと怪しい。教室にいる場合よりも安全にはなるんだろうけど。
というわけで、なんてことはない訓練だが、「Jアラートが出た場合に行う行動を認知させること」が重要なのである。
子供が訓練をやれば親は知る機会を得るから、この方法は有効である。家でも訓練をするように子供達に言えば、多くの子供はそれに従ってくれるだろう。
地方自治体主催の避難訓練
そして、最近はあまり行われなくなったが、地方自治体主催の避難訓練をするように政府は通達すべきである。都道府県レベルでその方針を定めて、市町村レベルで訓練を実施。
地震、津波、台風など、避難訓練してあれば助かった命は多いと思うのだが、どうにもそういった訓練は、近年敬遠される傾向にある。

実施例もサイトに紹介されているのだが、「防災の日」が定められているのだから、自治体レベルで年2回ほど実施できるように防災の日を増やして、避難訓練を実施し、その中に「Jアラートが出された」というシチュエーションを増やすというだけでも、国民の意識は大きく変わっていく。
書籍の発行
そして、スイスがやったように民間防衛の本を、一家に一冊配るくらいのことをすべきだろう。恐らく、左派が大騒ぎするとは思うが、そんなのは関係ない。
なお、個人的に良書だと思っている自己防衛に関する本があるので、この手の本を参考に国民に広く周知するのが大切であると思う。
著者の思想的に右派寄りの方々なので敬遠される可能性はあるが、左派はこの手の思想がないので仕方ないね。この手の本を政府が出版するというのが大切で、「金がかかるから」「無駄になるから」などという批判が出るのは必至ではあるが、国民の防災意識を高める意味でもやるべきだろう。
Jアラートをめぐって政府は、発信までの時間を短縮するため、現在は都道府県ごとになっている対象地域を広げることにしています。
NHKニュース「10月の北朝鮮 弾道ミサイル発射時のJアラート 避難などは約6%」より
良くも悪くも、地方自治体の力を借りねば、こうした避難訓練は実施不可能である。時代に即していないというお叱りを受けるかも知れないけれども、今一度、避難訓練の必要性を考え直すべきだ。そして、その中にJアラートの対応を含めて行くべきだろう。そこに予算を付けても、全く無駄にはならないと思うぞ。
6%の意味、深く深く受け止めるべきだろう。多くの人は、やっていないことは出来ないのだ。
コメント
安倍元首相銃撃事件の際に海外で言われていたらしい「銃声(爆発音)してるのに、周囲はなんで誰も伏せないの」と、いう話を思い出すところで…訓練してない行動ってやっぱり咄嗟にはできないものなんだなぁ、と。普通に防災訓練の一環に組み込むべきですよね。
名六さん 皆さんこんばんは
>「銃声(爆発音)してるのに、周囲はなんで誰も伏せないの」
おっしゃる通りで、まあ、人間って逃げないんですよ。
原因もわかってて
大規模災害時の「逃げ遅れ」の主要因は「大規模災害が起こっているっていることを信じないヒトが多数だから」て事実が統計的に証明されてて、心理学的には「正常性バイアス」のせいであることまで判明しています。
http://www.isad.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/02/no134_46p.pdf 等
で、困ったのが「パニック映画・ドラマ」「群衆が本当のことを知るとパニックで被害拡大」て事実には逆なのですが広く信じられてて、これを信じた行政による「アナウンス制限・遅れ」が被害を拡大している。ことまで統計的に証明されてるという酷い事態(苦笑)
今では避難訓練をプランニングするのに専門家(消防etc)にアドバイス受けたらこれは真っ先に教えてもらえる事項です。
そして名六さん おしゃるように、訓練受ける側も、こうした説明うけ、練習すると 心構えや、何より「経験」が1回でもあると、咄嗟が違います。
訓練は平静・行動にやくだちますよぉ~! てハナシでした。
安倍晋三暗殺事件は、いろいろな意味で衝撃でした。
恐らく現地に僕がいたとしても、棒立ちだったでしょうね。
日本人は対テロリストの訓練なんでしていませんし、本来ある程度訓練されているハズのSPですらあの始末でしたから。
こんばんわ、
日本も、遅ればせながら、防空退避壕の設置を始めるべきですね。
防空退避壕は、天災発生時の退避場所としても利用可能です。
街の名前は忘れてしまいましたが、東海地方のある自治体が、独自に設置した津波退避壕を使い、毎年住民避難訓練を実施しているという映像を数年前にツイッターで視ました。
その分厚いコンクリート製の造りは大変頑丈で、大人数を収容できるので、逆に防空退避壕としても使えると思いました。
将来を見据えた公共事業として、価値ある投資になるのではないでしょうか?
一応、各自治体レベルで避難可能な地下施設などの情報は出回ってはいますが、認識している人は多くなさそうです。
自治体レベルで避難訓練ということにするにせよ、その自治体の首長の裁量で決まってしまいますから、現状ではなかなか難しいでしょうね。
ある程度トップダウンでの情報が出ないことには。
もう少しそういう発信がなされてくれるか、メディアを通じて認識共有できれば良いのですが。
テレビ局に政府広報の時間を作ったら良いのに、と思いますが、難しいのでしょうかね。