支那から届くラブコール、ビザ発給手続き再開へ

支那

えー、他を当たって頂けませんか?

経済再建へ日本頼み 投資誘致急ぐ―中国

2023年01月30日07時04分

中国は日本人向けビザ発給手続きを停止する対抗措置の発表から3週間足らずで、再開に踏み切った。新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策により国内経済が大打撃を受けたことを踏まえ、日本からの投資呼び込みで経済再建を急ぐ。

時事通信より

日本人的な感覚で言うと、「苦しいときに手を差し伸べると、後で恩を返して貰える」という事になるのだろうが、そういう日本の常識は日本国内にしか通用しない。

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チャイナリスクは「一貫しない方針」そのもの

制裁措置を決めたものの

タイトルの「ビザ発給停止」の措置に関しては、以前記事にして触れている。

支那が、日本人に対して行う新規のビザ発給業務を停止した件である。令和5年1月10日に支那大使館が決定したこの方針だが、日本に対する嫌がらせが目的だった。

日本の発表した水際対策の強化は、ハッキリ言えばザルも良いところであった。

新型コロナウイルス感染症(日本の水際措置強化)

令和4年12月28日

12月30日から、(1)7日以内に中国(香港・マカオ除く)に滞在歴のある方、(2)中国(香港・マカオ除く)からの直行便で入国される方は、日本到着時に検査が必要になります。

日本への入国には、引き続き「有効なワクチン接種(3回)証明書」または、「72時間以内の検査(陰性)証明書」が必要です。また、日本入国時の検疫を円滑に行うため、日本入国前に「Visit Japan Web」の利用をお願いします。詳細は厚生労働省または当館HPを御覧ください。

在支那日本大使館のサイトより

この方針に加えて、更に措置を見直したのが令和5年1月9日のこと。

中国からの入国者・帰国者に対する水際措置の見直し(その3)(2023年1月12日以降適用)

2023年01月09日

1.1月9日、新型コロナウイルス感染症に関する水際措置見直しの詳細が公表されました。現在、中国からの入国者・帰国者に対しては、入国時検査、出国前検査陰性証明書の提示等の臨時的な措置が実施されていますが、1月12日午前0時(日本時間)以降、追加的に適用される措置の概要は以下のとおりです。

マカオからの直行旅客便での入国者について、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出を求めるとともに、全員入国時検査を実施します。

2.措置の詳細は、以下の別紙を参照してください。 別紙1 令和5年1月9日付「水際措置の見直しについて」 https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdf2/20230109.pdf 別紙2 令和5年1月4日付「水際措置の見直しについて」 https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdf2/20230104.pdf 別紙3 令和4年12月27日付「水際措置の見直しについて」 https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdf2/20221227.pdf

外務省のサイトより

こうした日本側の動きに対して、支那が強く反発して、「対抗措置」として採られたのが、「日本人に対して行う新規のビザ発給業務を停止」という方針である。

正直、何が対抗措置なのか?という話で、完全に支那の嫌がらせである。

水際措置とビザ発給停止のアンバランス

何が問題かと言えば、水際措置というのはあくまでも入国は許可するのだけれど、所定の手続きに従って入国して下さいというもので、陰性証明の提出義務付けと検査の義務付けを行い、陽性と判断された方に関しては隔離をするというものだった。

これは、支那の検査が信用出来ず、支那国内で蔓延している武漢ウイルス感染症について、新たな株が発生している疑いがある事を考えれば、必要最低限の措置であろう。

一方の支那政府の採った措置は、そもそもビザ発給を行わないというもので、ビザが発給されなければ支那に入国ができない。

非対称性を考えれば、バランスがおかしいことは明らかだろう。

尤も、支那にとっては、入国時に検査をして水際対策を強化するというのは、国内向けのアピールとしても弱いという事情がある。何しろ、国内では「過剰検査を止める」という理由で殆どの検査機関を潰してしまった。その理由は、「武漢ウイルスの毒性が弱まったので心配が無い」というもので、支那国内では検査を再開する予定がない。そうすると、「新しい株の危険性」という建前は使えない。検査が必要となるからだ。

更に都合が悪いことに、アメリカでは新しい株が蔓延しつつある。

米CDC最新推計 オミクロン株「XBB.1.5」新規感染者の約6割に

2023年1月28日 10時12分

アメリカで急速に広がっている新型コロナウイルスのオミクロン株、「XBB.1.5」について、CDC=アメリカ疾病対策センターは新たに新型コロナに感染した人のおよそ6割がこのウイルスに感染しているとする最新の推計を発表しました。

NHKニュースより

ところが、支那としてはアメリカとのこれ以上の関係悪化を恐れて、ビザ発給停止の措置すら採れずにいる。アメリカからの入国をスルーしているのに、日本からの入国だけ止めるという理由がどうしても成り立たない状況なのだ。

経済への影響

そして、支那国内の経済への影響が広がりつつある事もあって、そろそろギブアップという状況らしい。

「日本から中国への出張者が一気に増え、ゼロコロナ下で何年も止まっていた案件がようやく動きだす」。日系メーカーの関係者はビザ再開の一報を耳にし、胸をなで下ろした。現地駐在に必要なビザの手続きも再開されることから、中国関連の人事異動も正常化しそうだ。

~~略~~

日本の水際対策強化への報復だったが、経済再建の足かせになると確実視されていた。「中国は振り上げた拳を下ろせない」(日中関係筋)状況に陥る中、日本人の中国出張に必要な商用ビザなどの取り扱いを非公式に一部再開していた。

時事通信「経済再建へ日本頼み 投資誘致急ぐ―中国」より

表向きは、「ビザ発給停止」としつつも、実際にはそれでは色々な方面から突き上げを喰らうことになる。だから、非公開ながらも商用ビザなどの発給を行っていた実態があった。

ふざけた話ではあるが、こうした表向きの建前と実情の伴わないのが支那の現状でもある。そして、支那にとってはメンツが何よりも大事という事になるらしいのだが、困った事にその方針が一貫しない。

外資は逃げ始めている

とはいえ、そもそも武漢ウイルス感染症が広まり始めて何年も経つ現状では、支那での商売がかなりリスクの伴うものだという認識も浸透しつつある。

【地球コラム】外資企業、広がる脱中国

2022年05月29日17時00分

新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に封じ込める中国の「ゼロコロナ政策」が、外資系企業を苦しめている。主要都市が相次いでロックダウン(都市封鎖)に陥る中、長期の操業停止に追い込まれる企業が続出。物流やサプライチェーン(供給網)の混乱は長引き、「脱中国」を模索する動きも広がっている。

時事通信より

この記事は去年の5月、つまり上海ロックダウンの余波を受けている時の話で、流石に外資が危機感を感じたということなのだけれども、この時もソレが顕在化したとして大騒ぎしたということだ。

コレに加えてチップ4の枠組み作りが進んでいる事も関係しているのだろうか。

ただ、今更こんな状況というのも情けないことだけれど、喉元過ぎれば熱さを忘れるので、多くの企業はまだ支那の市場を「忘れられずにいる」という事なんだろうね。

中国の3兆ドルの外貨準備の運用助言行う英事業体、謎めく内部事情

2023年1月11日 16:50 JST

中国政府組織の時折不明瞭な基準でみても、国家外為管理局(SAFE)傘下の銀杏樹投資公司の内部事情は謎めいている。

ロンドンの金融街シティーの中心部にそびえる高層ビルの15階に入居する銀杏樹投資公司では、約30人の従業員が国家外為管理局のために投資調査を実施している。彼らの助言は、中国の3兆ドル(約400兆円)に上る外貨準備の一部がどう投資されるかの案内役となっている。

Bloombergより

支那の外貨準備、タンマリある様に見えるので、ソレを狙っているのかも知れないね。金がある所に群がるのが商人の習性みたいなものだから。

【中国の外貨準備】なぜか650億ドルも急増!
2022年11月8日、中国の国家外貨管理局から2022年11月時点での外貨準備が公表されました。以下をご覧ください。外汇储备……3兆1,174.88億ドル(Foreign currency reserves)対前月比:+650.31億ドル基

支那の外貨準備は、去年大きく減らしていたのだけれど、何故か唐突に増えることに。

img

不自然極まりないのだが、それでも金がある事と報じられているのであれば、「ある」ということなのだろう。2021年の傾向を見ても、年末に上がるパターンは一緒である。何か外貨準備が増える理由があるのだろうけれど、それでもここまで大きく増えた理由は一体……。

これで何が問題かって、理由が一切説明されない、理由が全く見当がつかない、ということなんだね。こうしたことが企業にとってリスクになるんだな。何しろ、上がるときも下がるときも予測できないのだから。

日本企業も、支那からは距離をとるべきだと思うよ。

コメント

  1. 決してお安くはない授業料だったと思いますが、そも、商売(というか、金銭取引)とは。「信用第一」と、いう基礎に立ち返るには良かった…の、でしょうかね?

    • 日本企業にとってかなりお高い授業料となったと思います。
      しかし、リスクをとって商売をしているわけですから、ある程度は織り込み済みの企業は生き残り、織り込んでいなかった企業は危機に瀕するというようなことになるのでしょう。

  2. 背景に媚中議員連合が門戸を開いてくれと懇願したに違いないと思います。
    沈没船・日本丸は米のポチは維持して47の奴隷にしたいヘタレ日本政府は
    今後も関係を絶つ方向へは向かわないでしょう。
    反日創価学会党と組む利権確保政党の自民党が日本の成長を阻害しています。

    • 日本の成長が停滞していて、苦戦している実態は重く受け止めねばなりません。
      支那と手を組むのは難しいですが、支那と完全に手を切るのは不可能だと思います。
      良くも悪くも経済関係がありますから、手を引くにしても時間が必要となるでしょう。
      アメリカを信用するのもなかなかリスキーではありますから、色々な国との関係を強めながら日本の国益を追求していく必要があるでしょう。

      そういう意味では、公明党と手を切る政権の登場に期待したいですね。少なくとも、公明党の指定席として、国交相のポストを確保する今の在り方は変えねばなりません。

  3. 別に嬉しくはありませんが……。
    南小中華は何故か解除されてませんね。
    日本を抜いたはずなのに🤣
    しかしメンツの国てありながら、
    よーまぁ、すぐに解除しますね。もう日本からの投資期待バリバリで、あさましいというか、みっともないと言うか。
    その辺り平気な面の皮の厚さは英国に負けませんねぇ。

    • 支那にとっては「躾け」の積もりなのでしょう。
      そして、これまで韓国にはソレが良く効いたわけで。

      しかし、これでユンユンが揺らいでしまうと、今度こそ支那に取り込まれる展開になりそうです。

      • 木霊さま 山童さま 皆さま こんばんは

         そもそも条件が違うのでは?
          南小中華:支那からの入国ビサ制限してる。
          日本   :支那から入国時の検疫メンドクサイだけ
        https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/01/df20b195a6888142.html

        なので、南小中華 vs 支那 はどちらも相手の入国ビザ停止してる、下らんメンツのチキンレース状態なのでは?

        ユンユンは「オレらもシナに厳しいこともあるぜ!」てな西側向けポーズかもですが
        これ続けるとサムLGが困る。 なんせ半導体てのは農業で、半導体工場は田畑と同じく手入れさぼると地力が落ちるので、、おそらく南小中華が先に音を上げるのじゃないですかね?

        追記
         避難訓練あたりで誤解を与てるかもですが、私が半導体の製造業界にいたのは20-30年前までです。

      • 確かに、韓国の対応は日本よりも厳しい訳で、そことバランスを採っているという事かも知れません。
        何れにしても支那が正式発表をしていないので、ハッキリした事は……。

  4. おはようございます

    いまの日本は、アメリカの後追いをしている(引っ張られている…?)ようにも見えますね。
    支那共産党は詐欺の得意な暴力団のようなものですから、そもそも甘い誘いにのった時点で
    もはや損害(チューチュー)は免れ得ないかと。
    どことは言いませんが、すでに一部の日本企業はのめり込みすぎて、退路も選択肢もない
    状況にさえ見えます。損切は早いほどいいことには違いありません。

    • 岸田政権ですから、間違い無くアメリカに引っ張られているでしょう。
      アメリカに肩入れしすぎても、ろくなことにならないので、適当なところで切り上げられる算段をしておかねばまずいんですがね。

  5. こんにちは。

    アレですね、中華文明圏では、
    「他人に難癖付けるときは、とにかく高飛車に」
    がセオリーなんですが、それで押し切る事しか想定してないから、スルーされるとめっぽう弱いんですよね。
    スルースキルの高かった過去二代の政権に対し、土下座外交の生き残りの岸田を誰か羽交い締めにしておいてもらわないと……

    • なる程、面白い考察ですね。
      スルースキルを高めることが必要なのですか。「人の話を聞く」を掲げている岸田氏にとってはなかなか難しいのでは。

      とはいえ、話を聞かずに頑固に政策を進める側面もありますから、その辺りに期待するしかありません。そういう意味では優秀なサポーターが必要なんですが、息子を侍らせている時点でヤバイでしょうね。