忍び寄る「北斗システム」

支那

え?特には忍んでいない?

中国版GPS「北斗」はどこまで進んでいる? すでに9兆円市場の知られざる実力

会員限定 2023/01/18

米国のGPSに対抗し、中国が開発した独自の衛星測位システム「北斗」(中国名:Beidou、英語名:Compass)。近年、その発展が著しく、軍事的側面だけでなく経済に与えるインパクトも大きくなっている。すでに、北斗関連の市場規模は9兆円を超えており、中国で出荷されるスマートフォンの94.5%が北斗の測位に対応し、iPhoneも対応している。北斗の特徴は、中国およびその周辺地域で高い精度が出る構成になっていることだ。新たな中国経済圏を築く可能性がある、北斗の実力と活用の実態、今後の展望について解説する。

ビジネスITより

ご存じ、支那版GPS「北斗」なのだが……、ご存じない方のために少し丁寧に説明したい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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世界シェア拡大中

北斗衛星導航系統

2018年に全世界向けのサービスを開始した北斗衛星導航系統は、支那が独自展開した衛星測位システムGNSSであり、アメリカが運用しているGPSの支那版という理解で良いと思う。

ただ、35基の人工衛星で構成される測位システムなのだが、アメリカのGPSと北斗とでは決定的に違う事がある。

北斗の解像度は0.5mとされているが、スマホなどの利用端末では校正した場合でも20m程度、校正しない場合でも100m程度となっている。アメリカのGPSも似たような精度だとされているので、「同じ様な使用感」での利用ができるのではないかな。

ただ、決定的に違う部分がある。

<位置の計測手順>

  1. 遠隔端末から空へ向かって信号が送信される。
  2. それぞれの静止衛星が信号を受信する。
  3. それぞれの衛星が端末からの信号をそれぞれ受信した正確な時刻を地上局へ送る。
  4. 地上局では端末の緯度と経度を計算してデーターベースの地図から高度を認識する。
  5. 地上局から端末へ三次元の位置を衛星に送る。
  6. 衛星から計算された位置データを端末へ送る。

GPSの場合、端末は基本的には受信オンリーなのだが、北斗はデフォルトで信号の送信手順がある。つまり、端末の現在地を特定できる可能性があるのだ。

とはいえ、GPSだって位置特定に使う手順が存在する訳で、GPSだから安全、北斗だから危険という事を言うつもりはない。むしろ、支那共産党が関わっているからリスクが高いのだ。

1.3億台が使われる

で、支那製のスマホには漏れなく北斗に対応出来るようなチップが搭載されているようだ。

今年上半期、「北斗」対応式スマホ出荷数が1.3億台 中国

2022/9/23(金) 17:16配信

中国では今年上半期、独自に展開している衛星測位システム「北斗」に対応したスマートフォンの出荷数が約1億3000万台を超えていることが分かりました。

yahooニュースより

この北斗、どうやらアップル社のiPhoneも対応しているらしい。

つまり、日本国内でもかなりの数のスマホが北斗に対応した状況になっていると考えてイイだろう。

中国国務院(政府)が公開した「新時代の中国北斗」によると、測位誤差30センチメートル、垂直誤差60センチメートルまで精度を上げることが可能だとされている。民間では、通信業界が約4000基、電力業界が約2000基の基準局を設置している。基準局の位置は精密に測定済みであり、北斗からの信号を受信し、大気かく乱などの誤差を測定し、周辺のスマートフォンなどの受信デバイスに誤差情報を伝えることで、より精密な測位を可能にしている。

さらに特徴的なのが、14機のIGSO衛星、3機のGEO衛星により、情報の送受信が可能になっていることだ。中国国内では最大560ビット(漢字40文字。テキスト、画像、音声も可能)の衛星経由のメッセージがスマートフォンで送受信できる。

ビジネス+ITより

そして、北斗システムを介して情報送受信が可能になっている。一見便利そうに感じるのだが、560ビット程度の情報量でのやり取りに制限されている。尤も、このショートメッセージ送信能力に関しては、今のところは支那国内でもサービスとしては解禁されていない。

おそらくではあるが、ビックデータの収集などにも活用されているだろうし、それが全世界的な展開がなされているのだから、世界的な商売のネタに使う構想があるのだろう。

この機能に関しても、恐らく然程心配する事は無い。ただ、サービスを使えば、データを抜かれるのは必至だろうが。

一帯一路に貢献

実際に、それらしい構想があることは、こんな記事からも読み取れる。

世界で活用される「北斗」衛星測位システム 米アップルもスマホ対応

2021年4月14日 13:07

中国衛星測位システム管理弁公室は、昨年7月31日に全面稼働した衛星測位システム「北斗(AFPより

記事によれば、世界シェアの8割で北斗対応チップの搭載されたスマホが販売されている。

北斗システムは幅広い産業と市場を結びつける役割を果たしている。IoT(モノのインターネット)、自動運転、AI(人工知能)、5G通信、ブロックチェーンなどの先端技術の結びつきを強化し、新しい産業やビジネスモデルを生み出している。

AFPより

そして、「北斗システムは幅広い産業と市場を結びつける役割」や「IoT、自動運転、AI、5G通信、ブロックチェーンなどの先端技術の結びつきを強化」するらしい。

優れた技術なんだろうけど、支那の支配構造に利用されることを考えると、不安でしかないな。

最後に少しだけ安心材料を。現状では北斗システムのチップを搭載したからといって、支那の監視下に置かれる心配はないらしい。なんと、アメリカ軍の兵器も北斗の電波を使えるヤツがいるのだとか。

GPS妨害は無意味か? 米空軍、中国製「北斗システム」を偵察機「U-2」が利用中だと明らかに
米空軍のジェームス・M・ホルムズ大将は最近、高高度偵察機「U-2 ドラゴンレディ」が自国のGPSだけでなく中国の北斗システムまでバックアップに使用していることを明らかにした。

そんな訳で、北斗のシステムを悪用したとしても、恐らくはリアルタイムでの位置把握は困難だのだろう。けれど、不安は払拭できないんだよね。最初は問題なくとも、途中から仕様変更なされるなど、利便性が浸透してからのアクションだって懸念されるし。何より、支那が「無償で利用可能にする」などという事をするはずがないのだ。

とはいえ、多くのスマホで北斗の利用ができるようになっているので、避けることもなかなか難しい状況なんだけど。

コメント

  1. 全ての電波発信源を監視できる眼を持ちたい。あわよくば信号の中身も全部バラしたい。と、いう構想なのだと思いますが…まぁ中身の支那製云々をさておいても、十分な出力さえあれば、どこ製のスマホだろうと発信自体は見えはするだろうな、と。
    膨大な信号の中から、「欲しい・使える」情報をピックアップするのはそれなりに大変だと思いますし、然程の心配もないのかな。とは思いつつ。

    • 記事中でも程度問題で、実際にヤバイのは支那共産党の支配下にある点だとさせて頂きました。
      莫大な信号情報を、個人情報と紐付けて役立てるのが支那のやり口ですから、「心配ない」とまでは言えないんですよね。

  2. こんにちは。

    ・米中だけでなく、欧州もロシアも独自GPSを持っていたはずですが、あまり最近は聞きませんね。
    ・衛星→端末の一方通行でなく、双方向という事は、場合によっては端末から衛星を乗っ取れる可能性も……欧米の研究機関は、必死になってセキュリティホールを探しているかもですね。
    ・怖いのは、誤情報をダウンリンクされることかもしれません。湾岸戦争当時、GPSの精度が下がった!って大騒ぎしましたが、それのもっと悪質なヤツ。まあ、妨害電波かけられたらそれどころじゃありませんが……

    • いやいや、スマホのGPS検出のアプリを走らせると、欧州のも、ロシアのも信号を拾えますよ。
      実際に稼働しているのは間違い無くって、その国際競争に支那も躍り出たという構図でしょう。
      ただ、端末側から電波発信というのは、やっぱりヤバイ気がします。

  3. 木霊様  皆様 こんばんは 

     今大丈夫でも先々(特に近未来有事は?)となんとなくの不安ですね。そこで手前味噌ですが、ハードウェア別に現時点リスクの分析を、勿論個人の印象であり、なんの責任も持ちません(^^;

    <結論>
    1.ナビとか慣性航法装置〇:(ドローンやミサイル制御、民生~軍事まで)は、有事になってもほぼ心配不要
     2.スマホA ×       (カントリーリスク品等)
     3.スマホB 悩ましい△ (AppleStore直販simフリー品)
     4.スマホC 国内キャリアで購入する、リスクレス国製スマホ 〇 有事になってもほぼ心配不要

    <理由>
    1.ナビとか慣性航法装置〇

      #前提:衛星測位GNSS、GPS等のマメ知識(正確さはやや犠牲w)
        ①測位衛星は普通、「自分の位置」と「時間」の電波ビーコンを発信しながら地球の周りを沢山個まわってます。

        ②地上ではこの衛星ビーコンを「同時に4個」受信して、三角測量、すなわち2つの目でモノの距離と方向を測る原理で自分の位置を計算します。

        ③なお「同時に4つ」と目より多いのは、「2->3次元分」「時刻分」足して2+2=4です(がんばれば中学幾何で証明可ですがお勧めしないw)

        ④目と一緒で、衛星ビーコン増えた方が、精度等が向上するので+、GPSモジュールはなるべく沢山の衛星ビーコンを受信するようがんばります。

      お疲れ様m(..)m それでは、マメ知識に基づく、心配不要と私が考える理由。
        恐らくナビや慣性航法装置は「北斗」を使ってもそれほどマジメに使わないし、複数の測位システムで情報補間しあうから。

    上記のように思う具体例:最近の電子工作ホビイスト向け安物1000円GPSチップの例ですが
    https://www.switch-science.com/products/8673
    なんとまあ、節操なく存在する測位衛星全部 GPS/QZSS/GLONASS/GALILEO/SBAS/BDS のビーコン受信対応させ、受信ビーコン増やします。

     この中でBDSってのが話題の「北斗」ですが、木霊さんご紹介の<位置の計測手順>を使うのが勿論最も位置精度上げる方法ですが、上の#のような<GNSS世界標準ビーコン>を全く発信してないわけでもなく、ビーコン数増やす「にぎやかし」的用途なら無害だし、このチップの第一用途と思います。
     推定、技術的には、北斗特有の<位置の計測手順>のチップ組込は可能ですが、量産時、数円勝負になるだろうコストダウンの前には削除されるだろうなあ。

     2.スマホA × :×.カントリーリスク国製スマホ類×、金盾内simを1度でも使用したスマホ類× 
        、、、そもそも北斗カンケーなく、現時点でもほぼ個人情報「・移動履歴ぬかれてるでしょう。

     3.スマホB △
       ・AppleStore直販simフリー製品を金盾内に持込み支那sim入れて「北斗パケット通信非対応」だと、機能競争力低下や告訴リスク
       ・巨大IT企業って、旧来の大企業・多国籍企業と違い「山師体質が強」ため、説明入れて、ユーザー説明済みとか言って政府指導をシレっと無視するようなところも、、、(個人の印象です)
       ・元のシステムの巨大さからしてほぼコストアップ要因にならない

     4.スマホC 国内キャリアで購入する、リスクレス国製スマホ
    米政府/軍、方面から指導に素直に従うと考えられる。

    •  あっと言い忘れ、上で、「北斗特有の位置の計測手順」使う位置精度上がると言いましたが、それは「北斗単独」を使った場合の精度で、その後の技術進歩からすると正直大した事ありません。

       RTKというより高精度な方式(地上設備、新規衛星、etcと複合)なら 精度cm級が既に実用化されてます
        https://www.bizstation.jp/ja/drogger/dg-pro1rws_indx.html
      に、複数の応用事例が挙げられてます。

       必要な地上局もドコモ・ソフトバンクが多数建設中で、普及・コストダウンなれば、測位の面からは北斗特有方式で精度上げるメリットはほぼ無く、

       まあ、北斗の将来心配はほとんど不要と個人的には思ってます。

    • おおう、丁寧な解説ありがとうございました。
      実に勉強になりました。

      しかし、「電子工作ホビイスト向け安物1000円GPSチップ」って、このレベルでもGPS信号を節操なく拾えてしまうんですね。
      逆に言えば、この程度までコストダウン出来ないと、イロイロな機器に載せられないという意味でもありましょう。

      その上で、分析をありがとうございました。

      説明して頂いたことを踏まえた上で、僕が懸念したのは北斗が使っているサーバーは当然支那にあって、スマホのデータを抜かれてそれも支那がデータを蓄積していると、マズイのかなと。支那では個人データを積極的に収集していますから、北斗の収集したデータと合わせると、色々な使い方がありそうですよ。
      ビッグデータ的な運用は実際に今もやっているでしょう。ただまあ、一般人がリスクを負うかというと、ご指摘通りにそうではないとは思います。問題は、VIPがどうなるのか?ということでしょう。スパイ行為が捗りますね。

      • 木霊さん みなさん こんばんは

        >しかし、「電子工作ホビイスト向け安物1000円GPSチップ」って、このレベルで

        良いところに食いついて頂きました(笑)

        そこでコメントと言うか、いつかのためのネタ投下的な情報を僭越ながら、、、

        1.半導体・マイクロエレクトロニクス(ソフト・IT)の恐ろしさ

         — 時には100万分の1にも達する想像を絶するコストダウン、たぶん出始めは数億円の軍事技術が今では1000円以下、もうすぐ10円以下。この先戦争にならなければ「迷子のハムスターを探すのには人工衛星が最も安くて確実」となる日はあまり遠くはないとBOOKは思っております。

        2.a.台湾TSMC、b.追随していた支那、c.米国制裁の恐ろしさ

         —a.TSMCの恐ろしさ(すいません、出展失念、また見つかれば)
          上1.は、原理・技術的にはどこの半導体メーカーでも可能なはずですが、2023年現在実行できるのはTSMCがほぼ唯一でしょう。
          理由は、、例えば件の1000円GPSチップ、製造プロセスは恐らく数世代前の旧プロセス、、、すなわち工程がこなれて高歩留まりの上、最先端だったころに設備減価償却が終わったラインで作っていますが、そんなラインを維持できて、安いチップも作ってくれて、でもペイできるのは世界で台湾だけ。ファンドリー新参の半島やインテルは高いチップを殿様商売作りしかしない。

        —b.追随していた支那、c.米国制裁の恐ろしさ
          ホビイスト向けチップ、半導体不足が少し緩んだ半年前は「支那製のもっと安いのがゴロゴロしてた(恐ろしい)」はずなのに、ほぼ見かけなくなってしまった(米国 こえぇ~)

         余談1.
          https://annex2.site/genbu04/#toc5で言及されてました玄武2ミサイルのジャイロですが、2023年1月時点の電子工作ホビイスト向け安物で同等品を探すと1760円 https://www.switch-science.com/products/2807 まあこれは耐G不足だけど耐G品で揃えても数万円で揃うと思います。しかしながら玄武2開発されたころのジャイロだと、新品入手も困難だし恐らく数千万しそう。真面目に修理しろと言うのも気の毒かも

         余談2.
          言い忘れで書いた RTK、今まだ高価ですが「無人耕運機」などの農業分野で既に結構普及して使い勝手の情報交換などが DG-PRO1RWS をアマゾンで検索してても見れます。(私はドロガー社とは何の関係もありません) 木霊さんの農業ネタに、、、

      • 木霊様 こんにちは

        >VIPがどうなるのか?
        「何らかの弱みあるいは諜報機関からの脅し」で「おとり、運び屋,etc」にするのはVIPより一般人の方が容易でしかも効果的でしょう。

        >一般人がリスクを負うかというと、ご指摘通りにそうではないとは思います。

        書き方が煩雑で誤解を呼んでしまったようですが、わたしの主張は「ナビは安全」「スマホは結構危険なものがある」と言うものです。ですのでスマホだけもう一度まとめますと

        1.「北斗リスク」の(ほぼ)ないと推定されるスマホ
          日本国内キャリア(docomo/au/softbank/各種NVMO)販売の
          米国・日本・(台湾)製スマホ(apple/google/sony/kyocera/fujitu/sharp)
         でかつ
          支那製ソフトをインストールしたことがなく、支那で使ったことがないスマホ「だけ」です。

        2.「北斗リスクの高いスマホ」
         ・支那・韓国製
        ・注意! MOTOROLAスマホ、NECタブレットは 支那製です。
        ・注意! キャリア独自スマホ・タブレットの殆どは、支那製です。(docomo dtab等、詳しく調べないと判別困難で、まあ殆ど支那製)

         
        3.注意すべき「北斗リスク」
        ・キャリアしばりのない AppleStore直販のsimフリー 品

         
        以上

  4. こんにちは。
    反政府組織、スパイなどの怪しい人物の行動様式が割れるようになればセーフハウス等の発見も容易になりそうですね。

    • 自分からビーコン出してくれるのですから、持たせて安心!北斗端末、ということになるのでしょうか。
      少なくとも、支那国内ではそんな使い方ができそうですね。

  5. こんばんわ。名称からして野心バリバリですねぇ。シナは漢字の発明国であるので、字にかけた意味には拘る傾向ある。
    北斗は北斗7星ですね。柄杓型のこの星は龍車と呼ばれ、天帝である北極星(不動星)を載せて、その周りをクルクル回ると。で、不動の星である北極星は、
    現在は小熊座のα星(ポラリス)ですが、
    地球の自転軸が円運動するため二千年単位でポラリス→ケフェウス星座γ星→ケフェウス星座β星と主星(北極星)が移動してゆきます。(2万6千年周期で起点に戻る)西暦紀元から二千年期を経過したしたので、次の天の北極は自分たちだという願望を込めているのでしょうね。