あ、ハイ。
日本海上保安庁「シーガーディアン」3機に増やす…東海監視情報も自衛隊と共有へ
2023.01.16 14:26
偵察用無人機1機を運用中の日本海上保安庁が2機を追加で導入し、自衛隊と情報を共有する計画であることが分かった。これは日本海を含む日本の排他的経済水域(EEZ)全域に対する海上保安庁の無人機の監視・偵察情報が軍事的目的で活用されるという意味であり、日本の軍事力量強化の動きと無関係でないと解釈される。
中央日報より
そう言えばこのニュース、ブログで取り上げなかった気がするな。
無人機運用開始
リーパーとプラットホームが共通
えーと、先ずは、海上保安庁絡みのニュースとして、日本で報じられたニュースを紹介しておきたい。
海保過去最大2431億円 シーガーディアン3機体制
2022/12/23 18:43
海上保安庁は令和5年度当初予算案に過去最大の2431億円を計上した。今年10月、青森県の海上自衛隊八戸航空基地を拠点に1機の運用を始めた大型無人航空機「シーガーディアン」を3機体制にするため、84億4千万円を盛り込んだ。
産経新聞より
シーガーディアンを増やすよーというのは、去年末に報じられたニュースだ。
MQ-9「リーパー」の派生機であるMQ-9Bは、国境警備隊などで運用する目的で非武装型として開発されている。その名も「ガーディアン」で、スカイガーディアン仕様とシーガーディアン仕様があるようだ。
本家が「リーパー(死に神)」という不吉な名前で、無人攻撃機としての運用がなされていただけに、イメージが宜しくないという指摘をする人もいるようだが、これはプラットホームの共通化という話であって、イメージだけで批判をしても仕方が無い。

こんな感じの機体である。
令和4年10月から運用開始
で、このシーガーディアンを購入した海上保安庁は、去年から運用を開始している。
海保の大型無人航空機「シーガーディアン」運用開始 海難事故を赤外線カメラで撮影
2022/10/19 16:39
海上保安庁の大型無人航空機の運用が19日から始まり、青森県八戸市の海上自衛隊八戸航空基地を飛び立った。無人機は遠隔操作で24時間以上の連続飛行が可能。災害や海難事故では現場周辺の上空からカメラで撮影し、リアルタイムで状況を把握できる。広大な日本周辺の全海域をカバーできる性能があり、排他的経済水域(EEZ)内で違法操業する外国漁船や不審船の警戒業務にも活用する。
~~略~~
元第3管区海上保安本部長で日本水難救済会理事長の遠山純司(あつし)氏は「従来の航空機やヘリ、巡視船と連携を図り、効果的、効率的な運用が期待できる」と指摘。「無人機で得た情報をいかに分析するかが今後の課題となる」との見解を示す。無人機は地上にいる操縦士が衛星経由で操縦。操縦と整備は外部に委託するが、海保は約20人態勢で情報分析にあたる方針だ。
海保は令和5年度以降に無人機を増やし、複数機による24時間運用に向け、検討を進めている。
産経新聞より
方針としては既に10月の時点で「もっと増やすよ」ということが決まっていて、負担軽減に繋がるとして現場からも好感触だということらしい。
そして、「12月には3機体制にするぜ」と報じられた。
政府は安全保障関連3文書に合わせ、海保の在り方に関する新たな方針を決定。この方針に沿って、海保は自衛隊との連携や海洋監視能力の強化を進める。新方針では9年度の当初予算を4年度水準から1千億円規模で増額するとしており、予算規模は今後も膨らむ見通し。
産経新聞より
で、この時に海上保安庁は自衛隊との連携をするという風に報じられていた。情報共有という意味で、コレは非情に有用であると思う。
周回遅れのニュース
で、日本経済新聞でこの話が報じられたとして中央日報は騒いでいるのだが、周回遅れの情報で騒がれてもねぇ。

日本経済新聞、会員限定記事なので中身は読めないのだが……、同じ内容を以前も報じていたと思うんだけど、有料部分は内容が違うのかい?
海保の無人機、収集情報を海自と即共有
2022年11月8日 2:00
海上保安庁は10月に運用を始めた大型無人航空機シーガーディアンに関し、収集した情報を海上自衛隊に即時に共有する調整に入った。中国やロシアの艦艇などが日本周辺を活発に航行しており、警戒監視を強める。
日本経済新聞より
よく分からないが、騒ぐ情報を提供するために再掲載でもしたのだろうか。
そもそもこのMQ-9B「シーガーディアン」は、海上自衛隊八戸航空基地で運用される機体で、基地内に拠点がある。
海上保安庁は1機を同社からリースし、面積493平方メートル、高さ6メートルのオペレーションセンターを海自八戸基地の格納庫に設置。内部には10平方メートル程度のスペースに、高さ百数十センチの真っ黒なコックピットが二つあった。衛星通信を利用した機体の操縦用と、監視装置用という。
南日本新聞より
情報の共有も当然ながら見据え、将来的には整備なども含めて自衛隊にお任せしたいという思惑があるのではないのか。現状では、操縦と機体整備は米ジェネラル・アトミクス(GA)社に依託されているようだが。
ともあれ、去年のうちに分かっていた話である。
海自鹿屋航空基地ではMQ-9の運用が始まる
ちなみに鹿児島にはMQ-9が一時展開されている。
鹿屋上空で米軍無人機MQ9がデモ飛行 海自基地周辺を15分、市長「自衛隊機より騒音低い」知事「ごう音ではない」
2022/11/06 07:30
海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)への米空軍無人偵察機MQ9の一時展開計画で、部隊を運用する「第319遠征偵察中隊」は5日、地元関係者にデモ飛行を公開した。1機が約15分間、基地周辺を飛び、住民らが機体の大きさや騒音の程度を確認した。
~~略~~
計画では、8機を1年間配備する。米兵ら約150~200人が駐留し、市内のホテルに宿泊。公務外の行動制限はない。
南日本新聞より
こちらは在日米軍が情報を運用する為に配備したようで、米軍が操縦から情報収集まで担当するようだ。
南日本新聞の記事を何処まで信用したら良いかよく分からないが、こちらはMQ-9Bではない模様。つまり、武装可能な無人機であると思う。
日本では、RQ-4「グローバルホーク」が三沢基地に配備されていたハズだが、どうやらグローバルホークは電磁波の妨害に弱いという弱点も持っている様で、アメリカでは最新型を覗いて退役させる方向に向かっている。今後の運用を考えれば寧ろMQ-9系の機体の方が都合が良さそうな雰囲気だ。
武装が-!
で、中央日報が何を騒いでいるかというと……。
シーガーディアンは「沈黙の暗殺者」「キラードローン」として知られるMQ-9「リーパー(Reaper)」を海上監視用に特化した無人機。最大で約30時間飛行可能であり、任務半径は約1200海里(約2222キロ)にのぼる。
~~略~~
実際、防衛省は昨年10月に海上保安庁がシーガーディアン1号機を導入した際、「有事に備えた海上自衛隊と海上保安庁の連携の強化」を強調した。そして「武力攻撃事態を仮定した共同訓練も検討する」と明らかにした。海上自衛隊も今年、シーガーディアン1機を米国からリース形態で導入して試験運用する計画だ。
シーガーディアンは対潜水艦情報収集のための装備を搭載できる。海上自衛隊がシーガーディアンを本格的に導入すれば、P-1海上哨戒機などと共に中露のほか北朝鮮の潜水艦の動きも集中監視するとみられる。
日本は今年、攻撃用無人機の導入も積極的に検討している。島国の日本の特性上、シーガーディアンを武装する形態が有力という見方が出ている。
中央日報「日本海上保安庁「シーガーディアン」3機に増やす」より
ふんふん、確かに、上でも書いたようにMQ-9BはMQ-9と同型機だ。そして、MQ-9が武装できる機体であることは知られている。
だけど、MQ-9B「シーガーディアン」を武装させてどうする。武装させるくらいなら、武装バージョンのMQ-9「リーパー」を買うわ!
MQ-9B「シーガーディアン」は、主翼のハードポイントを廃止して同じウィングチップ・フェンスを追加、機体の燃料タンクを拡大したことで航続距離を伸ばした機体である。つまり、ハードポイントを復活させて武装させるためには、色々改造する必要があるのだ。
そりゃ、「色々改造したら武装できます」って可能性はあるんだけど、やる意味はないよ。別に買うってば。
コメント
こんにちは。
お隣だけじゃないですが、マスゴミって、「今何を怖がっているか」とか「何をされるのをもっとも嫌がるか」がちょいちょい透けて見えますよね。
要するに「効いてる効いてる(笑)」ってヤツですが。
例のレーダー照射も、相手がP-1でなくてシーガーディアンだったらどうだったんでしょうね?
あと、
>東海監視情報も自衛隊と共有
東海なんて海は存在しません、ですよね。
東海、読み飛ばしてましたよ。
しかし、シーガーディアン増やすと都合が悪いことが増えそうなんですが、レーダー照射事件の時にP1ではなくシーガーディアンだったら……、撃墜しようとしたかも知れません。
シーガーディアンはリアルタイムで情報を地上チームに送っていますので、迎撃して大騒ぎになる可能性もありそうですよ。