支那のビザ発給停止に関する温度差

外交

ふーん、ちょっと面白いな。

中国「ビザ発給停止」韓国より厳しい日本への報復

2023/01/11 15:35

中国政府が1月10日、日本人と韓国人を対象にした新規のビザ発給業務を停止した。

日韓は中国からの入国者に対する水際対策を強化しており、中国外交部(外務省)は「差別的な入国制限への対抗措置」だと説明する。ただ、より厳格な水際対策を取っている韓国よりも日本に対する対抗措置のほうが厳しくなっており、中国政府の「見切り発車」「各国の大使館への丸投げ」ぶりも鮮明になっている。

東洋経済より

支那にとって、対韓国よりも対日制裁措置の方が厳しく設定されていることは、狙い通りなのだろうか。

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ビザ発給停止の狙い

中身の違い

先ずは、関連記事のリンクを。

支那がゼロコロナ政策を成功裏に収束(支那共産党発表)させ、「封じ込めに成功」したのだから、海外への渡航だってOKとした。ところが、各国が水際対策を強化したので、支那共産党はメンツに泥を塗られたも同然である。

で、日本と韓国に対して水際対策強化の報復として、ビザ発給停止の措置を行った。

僕はあまり、対韓制裁措置に関して注目していなかった為にその違いに気が付かなかったのだが、東洋経済によれば違いがあるらしい。とすると、今回の支那のビザ発給停止の狙いは、一体何なのだろうね。

東洋経済によればこんな感じの違いになっているらしい。

  • 対日制裁措置
    • 日本人向けの普通ビザの発給を一時停止
    • 停止期限定めず
    • 日本政府の水際対策強化に対応
  • 対韓制裁措置
    • 訪問、ビジネス、旅行、診察、トランジット、私用などの短期ビザの発給を一時停止
    • 韓国政府の中国人向けの短期旅行ビザの発給を停止に対応

この違いについて、東洋経済は以下のように分析している。

突然のビザ発給停止で問い合わせが殺到しているのか、中国駐日本大使館の電話番号は11日午前中つながらない状態が続いた。中国企業の日本法人に勤める社員は、「ツテをたどって中国外交部に問い合わせたが、『具体的なことは大使館が決めている。大使館に聞いてくれ』との返事だった」と話した。

これらの状況から判断すると、中国外交部から具体的な措置を“丸投げ”された駐日本大使館が、見切り発車で普通ビザの発給を一律で停止した可能性が高い。前述したように、日本向けの措置は韓国と比べてもバランスを欠いており、日中ビジネスに携わる中国人は「遅くとも春節後には修正されるのではないか」と推測する。

東洋経済より

なるほど、支那外交部は「具体的な事は大使館が決めている」と発言しているので、東洋経済としては駐日本大使館が見切り発車で措置を決めたと解釈した訳か。

そんなアホな。

支那外交部が共産党幹部が決定した外交方針を知らされないのは「有名な話」である。そもそも、支那外交部は言ってみればコールセンターと同じで、苦情受付窓口程度の権能しか有していない。外交方針は共産党幹部が決定するのである。今までも支那外交部が知らされていなかった外交方針など幾らでもある。

一方で、駐日本大使館が独自に制裁措置を決定するという事は考え難い。恐らくは、狙ってやっていると解釈すべきだろう。

温度差の意味

こうした温度差が何処から出てくるか?というのは、共産党幹部に聞いてみないと分からないのだが、恐らくは防衛三文書改定の話と、その延長線上にある外交方針が影響しているのだと思う。

これと、ココ一連の日本政府の決定だね。

手前味噌で申し訳ないが、ココ連日の記事を紹介しているが、これは岸田氏の欧米歴訪の手土産というか、外交成果としてセッティングされ、G7広島開催に向けたブーストとして企画されたものだと僕は理解している。

岸田首相 イギリスからカナダへ出発 G7議長国として欧米歴訪

2023年1月12日 7時07分

G7=主要7か国の議長国として欧米のメンバー国を歴訪している岸田総理大臣はイギリスでの日程を終え、次の訪問先のカナダに向けて出発しました。

NHKニュースより

日本にとってイギリス訪問は前座的な扱いで、最終的にはアメリカ訪問で防衛方針転換に伴う同盟関係の確認をするというところがポイントなんだと思う。

ただ、イギリスは違ったようだ。

日英首脳会談のあと、イギリスの首相官邸は声明を発表しました。

それによりますと、両首脳は日英円滑化協定について「防衛と安全保障面での協力は日本とイギリスだけでなく、より広い世界の安定に寄与する」という見方を共有しました。

さらに「両首脳は、このような前例のない時代におけるG7での日本のリーダーシップについて議論した」とした上で「スナク首相は、ロシアによるウクライナ侵攻が世界の食料と経済の安全保障に及ぼす影響に焦点を当てるという、岸田総理大臣の考えを歓迎した」としています。

またスナク首相は、イギリスが加入を申請しているTPP=環太平洋パートナーシップ協定について「イギリスにとって、同じ価値観を共有する国々のグループに加わるまたとない機会だ」と加入の意義を強調し、日本とイギリスが協力すれば経済成長の大きな可能性があるという認識で岸田総理大臣と一致しました。

NHKニュース「岸田首相 英スナク首相と首脳会談 「日英円滑化協定」に署名」より

イギリス首相官邸はこんな声明を発表していて、防衛協力の強化を「より広い世界の安定」という言葉で説明し、TPPへの加入に強い期待を寄せた。

何より、日本の首相との会談をロンドン塔で行うのは異例である。この手の会談は首相官邸などで行われるのが通例だが、観光名所のロンドン塔で会談を行った。

会談場所にロンドン塔 英国流歓迎、異例の選定 | 共同通信
【ロンドン共同】岸田文雄首相とスナク英首相との会談は、英国有数の観光名所で世界遺産の「ロンドン塔」で...

共同通信が「異例の選定」と指摘しているが、日本側を歓迎する意図があったか否かは分からないまでも、首相のスナク氏が力を入れている姿勢を見せたことは事実だ。

海兵沿岸連隊配備だけか?

さて、イギリスの姿勢に比べてアメリカはどうか?ということがポイントになると思うのだが、既に日米首脳会談において「海兵沿岸連隊配備」が発表されるだろうと報じている。

そして支那は「水際対策」に対する報復措置として、アンバランスな「ビザ発給停止(期限定めず)」をうってきた。

このタイミングでの発表に意味があると仮定するのであれば、支那が嫌がっている海兵沿岸連隊配備に対する牽制という風にも読める。

ただ、発給停止が1カ月以上続くと、日本の新年度や中国の新学期に引っかかるため、「中国関連の人事が停滞する可能性はある」(日本メーカーの中国駐在員)との声もある。

東洋経済より

日本にとって3月の全人代までに支那国内の情報収集をすることは、それなりに意味のあることなのだが、ビザ発給停止によって、人事関係の動きが止められてしまった。それも対韓制裁措置よりも重い制裁を日本に課してきた。

この点、日本の外務省やそのトップの外務大臣はどう考えたのだろうか。

中国はこれまでにない最大の戦略的挑戦=日米2プラス2で林外相

2023年1月12日7:50 午前

日米両政府は11日、ワシントンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開いた。林芳正外相は会談後の共同会見で、中国はこれまでにない最大の戦略的挑戦との認識を共有したことを明らかにした。

ロイターより

アメリカで外務大臣の林氏は、支那に対して「これまでにない最大の戦略的挑戦」と表現し、支那の軍事膨張路線を批判した。コレがビザ発給停止措置発表の後に明らかにされたのが面白い。

林外相、中国ビザ停止「極めて遺憾」 抗議し撤廃要求

2023年1月11日 8:01 (2023年1月11日 12:50更新)

林芳正外相は10日(日本時間11日)、訪問先のアルゼンチンで記者会見を開いた。中国政府が日本人などにビザ(査証)の新規発給を停止したことに関し「新型コロナウイルス対策とは別の理由で査証発給の制限をするのは極めて遺憾だ」と述べた。

中国政府に外交ルートを通じて抗議し、措置の撤廃を求めたと明かした。松野博一官房長官は11日の記者会見で「中国側が新型コロナウイルス対策とは別の理由で査証発給の制限を一方的に行った」と指摘した。

日本経済新聞より

その前日には、ビザ発給停止について「遺憾砲」を撃っているのだが、恐らくは今回の発表は林氏と外務省が揺さぶられたのだろうと思う。その上で2+2での表明があった。

この記事で、官房長官の松野氏が「新型コロナウイルス対策とは別の理由」と指摘していることも、今になってみると味わい深い。

そして、既に方針は分かっていた海兵沿岸連隊配備の話だけで、ここまで支那が揺さぶられるのか?というと、少し疑念が残る。もしかしたら、日米首脳会談の時に発表されるのは、それだけではない可能性がある。それこそ支那の嫌がることである可能性が高そうだ。まあ、これは完全に憶測なんだけども。

そうやって考えると、アメリカへの訪問を一番最後の回した「意味」が現れるような外交であれば、岸田氏の外交は成功と言えるのでは無いだろうか。

ただ、個人的にはアメリカだけに色々ケツ持ちして貰うのが良いとは思っていない。イギリスとのパイプも太くしておいて、アメリカに対する牽制が出来るような態勢も必要だと思う。

ところで、アメリカではバイデン政権がちょいとスキャンダルに巻き込まれているタイミングである。訪米のタイミングでこの騒ぎというのが、岸田外交を危うくする可能性はあるんだよねぇ。その辺りも外交駆け引きに手腕が問われるところ。

支持率低下も気にするな

国内では余計な事を言って政権支持率が低下している。

岸田内閣「支持」3ポイント下がり33%「不支持」45% 世論調査

2023年1月10日 19時00分

NHKの世論調査によりますと、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、先月の調査より3ポイント下がって33%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は1ポイント上がって45%でした。

NHKニュースより

が、今回の外交を成功させれば起死回生を図る事ができるかも知れない。

まあ、支持率何ぞに一喜一憂するのではなく、本当に日本に必要な事をやることこそが、岸田氏に求められているんだけどさ。G7までに色々課題は積み上がっているんだから、G7を契機にして勇退する積もりであれば、支持率なんて気にせずに、今やるべき事をやれば良いのに。

専門家とやらは、今回の支那のビザ発給停止について、「水際対策強化の報復」と分析している。

中国のビザ発給停止 岸田首相 「一方的で極めて遺憾」影響は | NHK政治マガジン
中国当局が日本人へのビザの発給を一時的に停止したと発表したことについて、岸田総理大臣は訪問先のイギリスで記者団に対し「一方的な対応で極めて遺憾だ」と述べ、批判しました。新型コロナ対策として、日本政府が中国本土から入国する人への水際措置を強化する中、東京にある中国大使館は1...

NHKはポンコツ解説をしているが、東洋経済のように対韓制裁との温度差を考えれば、「他に意味」があるハズだ。そしてそれは駐日本大使館の独断なんかではない。そうだとすれば直ぐに訂正されて大使はクビだよ。

その「理由」が僕が勝手に予測したことで、岸田氏がもし本領発揮してくれるのであれば応援する。今回の記事は、後半は妄想で占められていて申し訳ないのだけれど、岸田政権の最期ぐらい期待してもバチは当たらないだろう。え?岸田文雄に期待しすぎ?ま、そう言わんと。

コメント

  1. こんにちは。

    林(リン)外相は、典型的な平時向きの事なかれ議員と認識していますが、さすがにどこかからお叱り受けましたかね?
    個人的には、もっと外相はもっと強硬派、強弁出来る人で良いと思うのですが。
    ※その意味で「馬脚を現す前の」河野太郎の態度は良かったと思ってます。
    ※今はもう、死ぬまで信用しませんが。

    「よろしい、ならば戦争だ」までは言いませんが、肉を切らせて骨を断つ、位はしてほしいものです。

    • そうですねぇ。
      河野太郎氏の外務大臣はなかなか良かったと思いますよ。
      本人の国家観と資質は関係ないみたいですねぇ。上手く使えれば有用な人物だとは思いますよ。

  2. 確定情報ではないんですが、K首相の外遊前に紅皇帝SKPが電話して来てK首相を一喝した、という話が密かに出回っているですよ….

    K首相は、米中の狭間で蝙蝠外交でもしているんですかねぇ。

    米国では理由を付けられて、B大統領との共同コミュニケを出せなかったし。

    なんだかガースーからも批判されているし。

    • 韓国の大統領がコウモリ外交に積極的で、首相はその窓口になっているというのも有名な話であり、ユンユンがどうかというとやっぱり同じ事をやっているというのが現状であります。

      じゃあ、我が国の首相、岸田氏はどうかというと、聞く力を発揮した可能性はあるでしょうな。ただ、前年末に水際対策強化を決めたこともあって、単純に脅されただけという事とは違う様な気もしますね。バイデン氏との共同声明発表はやっていますし。

      https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page1_001474.html

      共同記者会見は……。

      https://www.yomiuri.co.jp/world/20230114-OYT1T50197/

      バイデン氏側の認知能力がちょっと最近ヤバくなってきているという噂もありますから、一概に岸田氏の能力の問題とも言いがたい様な気はします。