当初、Twitter界隈で話題になっていただけだったが、とうとうマスコミが取り上げ始めた。しかし、「問題の核心をついている」とは言えないだろう。
経費再調査求める勧告 「Colabo」巡る請求一部認める 都監査委
2023/1/4 18:15
性暴力や虐待などの被害を受けた若年女性らを支援する東京都の事業を受託した一般社団法人「Colabo」(仁藤夢乃代表)の会計報告に不正があったなどとする住民監査請求に対し、都監査委員は4日、会計の一部に不当な点があると認め、都に経費の実績額の再調査を指示。委託料の過払いがあった場合の返還請求など適切な措置を講じるよう勧告したと発表した。
産経新聞より
多くの新聞が取り上げているのは、東京都に提出された会計報告の内容が不十分であると、都監査委員が判断したという事だけである。
Colabo問題とは一体何なのか
住民監査請求の結果
さて、公的になった経緯は簡単で、住民監査請求に応じて都監査委員がレポートを公表したからである。
詳しくはPDFを見ていただくとして、結論からすると東京都から事業を受注したColaboが提出した会計報告の内容が不当であったというものだ。
監査結果
令和3年度東京都若年被害女性等支援事業委託契約の委託料の精算には不当な点が認められ、その限りで本件請求には理由があるから、次に掲げる措置を講じることを勧告する。
(1)監査対象局は、本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとすること。
(2)調査の結果、本事業として不適切と認められるものがある場合や委託料の過払いが認められる場合には、過去の事業年度についても精査を行うとともに、返還請求等の適切な措置を講じること。
東京都のサイトより
ただ、今回のこれは「委託料の精算」について、東京都に対して「不適当だから検証しろ」ということと、「過払いがあったときには返還請求などを」ということである。尤も、この報告に法的な強制力はないようで、無視することもできるのだろうが、これだけ話題になってしまった以上は、東京都としてもアクションなしというわけには行くまい。
何が行われたのか
さて、ではどういう構図なのか?ということなんだけど、これは新宿会計士さんが色々言及してくれているので、そちらを読んでいただいたほうが絶対に把握しやすい。




……が、読むのが大変という方のために経緯から簡単にまとめたいと思う。
騒ぎはTwitter上で起こっていて、NPOの代表、仁藤夢乃氏と、Twitterアカウント暇空茜氏の争いから始まった。
経緯から簡単に言うと、仁藤氏が「温泉むすめ」をTwitterで攻撃したところから始まって、温泉むすめファンだった暇空氏がコレに怒りを感じて仁藤夢乃氏周りをチェックしたところ、不正をしている疑いが出るわ出るわ。
暇空氏が調べた結果、「こんなTweetをしていたけれど、少女から搾取していたのはオマエじゃないか」ってな結論に至った。
で、東京都に対して監査請求をしたわけだ。都民の権利だからね。
ただ、暇空氏がTwitterでもこの経緯を明らかにしたことで、そのTweetが名誉毀損にあたるとしてColabo弁護団側が訴訟を起こしている。そのことについては後述するが、今回のColaboの不正会計疑いとは、少し切り離して考えるべき事案だろう。
日本語が理解できていない疑いのある弁護団
とまあ、問題の構図はそう難しい話ではないのだが、その背景を含めて考えると少々厄介な問題が見えてくる。
そもそもNPO(Nonprofit Organization)、つまり民間非営利組織は非営利での社会貢献活動を行う団体である。営利を目的として活動しないため、当然に活動資金を何処かに求める必要があり、日本ではその殆どが公的機関からの出資、つまり税金に頼っている。これ、見方によっては「税金に集って好きなことをやっている団体」ということになりかねない。だからこそ、多くの団体は透明性を第一に掲げることが多い。
Colaboはその透明性に問題があったために、今回のような事になったわけなんだよね。
僕自身もいくつかのボランティア団体の運営組織に関わった経験があるが……、まあ、会計上面倒な手続きが多かったのは事実だ。しかし、ボランティア活動をする以上はすべての会計の流れを明らかにすべきであって、後ろ暗いところがあってはならない。
Colaboの弁護団が、ボランティアに対していかなる見識をお持ちかは知らないが、今回の監査請求結果を受けてこんな香ばしい声明を出しちゃった。
【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について
2023年1月4日
一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団
第1 はじめに
1. 2023年1月4日、「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果」が東京都から公表されました。
これは、書面上は「法人A」と表記され固有名詞は省略されていますが、Colaboが東京都から受託した若年被害女性等支援事業の会計報告について「不正」があるとして、現在Colaboが名誉毀損に関して訴訟を提起した相手方(ここでは個人をあげつらうのが目的ではないので、以下「監査請求人」とします)が東京都に対して請求していた住民監査請求の結論です。
Colaboのサイトより
普通の日本語を読める人なら、監査請求の内容を見て「クロ」または「グレー」だと判断すると思うのだが、「そのほとんどは監査委員によって適切に退けられるに至りました」って、頭が湧いているとしか思えない。
日本語、理解できていませんでしたかね?
税金を使う以上は、それに対するキチンとした説明ができる会計を行うべきであり、説明できないような部分があってはならない。故に、「不正」と判断された事自体が問題なのだ。
ダメコンを真剣に考えるのであれば、第三者組織を入れて会計内容を洗い、不適切な部分を是正するという流れにすべきなんだが……。Colabo弁護団はその気はさらさらないようだ。
監査結果は、領収書のない不適切な経費や、1回当たりの支出が比較的高額で、妥当性が疑われる食事代や宿泊代が一部計上されていると指摘した。
産経新聞より
そして、Colabo弁護団は意図的に問題点を反らしている様なのだが、ここで一度問題点を整理しておきたい。
- 今回の住民監査請求は、都の住民が都に対して「令和3年度東京都若年被害女性等支援事業委託契約の委託料の精算」が不当であるために調査して欲しい旨行われている。
- 都監査委員は、都に対して「本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定すること」と、「客観的に検証可能なものとすること」の2点を要求している。
- その結果、不適切なら過払い請求などを含めた対応を都に求めている。
- Colaboには直接関係がない
とまあ、こんな感じの状況になっている。で、ここから先、東京都は委託先のColaboに対して「説明不足の部分は説明してね」という話になり、東京都の責任でColaboの会計報告の不当部分を都民に対して明らかにしなければならない。
構造的な問題は報じられない
擁護するしんぶん赤旗
さて、こうした問題に対して、不正に厳しいはずの赤旗はこんな感じの記事を載せている。
ネット上のデマ提訴
2022年11月30日(水)
インターネットへの事実に基づかない投稿で名誉を毀損されたなどとして、虐待や性搾取などの被害に遭った若年女性を支援する一般社団法人Colaboとその代表の仁藤夢乃さんが29日、東京に住む40代の男性に対して計1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。
~~略~~
仁藤さんの弁護団は、今後、「いいね」を押したり投稿を拡散させた人への訴訟も検討するほか、刑事訴訟も含むあらゆる措置を講ずると表明しました。
しんぶん赤旗より
なかなか凄い記事だ。
Colabo側の主張を全面的に鵜呑みして、Twitterでデマを拡散した人物に対して批判する内容だ。が、日本共産党とColaboに深いかかわり合いがあることは知られている話なので、身内贔屓の記事だと言われても仕方がない。
逆に、このような記事を出す程度には密接な関わり合いがあるとも言える。
NPOはそもそも儲からない
NPO:民間非営利組織が利益を出す体質にない事は上でも説明したが、Colaboは異常に金回りが良いように見えている。
「ColaboはNPOの枠に嵌らない素敵な組織だ」と、そのように言えれば良いのだが、まあ、そんな訳はない。
類似団体が毎期歳入と歳出をトントンでやっていることに対して、Colaboだけが資産額を急成長させていたことが分かると、俄然「Colaboは本当に毎期末この金額の現預金を口座に積んでいるのか」という問題に注目が集まります。一般社団法人が、集まった助成金や寄付金、サポーター代金などを、手がける公益事業で使い切れていないことを意味するからです。
文春オンラインより
文春より引用したが、山本一郎氏の分析であり、この辺りが問題の根っこであると思われる。要は、Colabo問題は、「会計報告が不当である」という部分だけが問題ではないのだ。
山本氏によれば、火をつけたのは寧ろColabo側であり、消火方法を間違えたので類焼しているという感じの分析になっている。
しんぶん赤旗などで不正会計問題を抱えている団体をバッサリやらなかった理由は、機関誌赤旗を擁する日本共産党という組織の体質によるものだと思われる。
つまり、この問題は日本共産党というカルトっぽい団体の本質に切り込む問題でもあるのだ。共産主義の考え方から言えば、恐らくColaboはシロということになるのだろう。「正しい理念があり、活動実態もある。少々後ろ暗い金銭の流れがあろうと、正しい理念の為には必要なことだった」と。
マスコミは積極的に取り上げられない
そして恐らく、新聞各社が取り扱いはしたが、テレビでは扱いづらい素材だ。何故なら、構図的にコメンテーターはどうしたってColabo側を擁護しなければならないのだが、どうやって切っても「おかしな団体」という疑いが残ってしまう。
そういう意味では、Colabo弁護団は苦しいながらも「よく擁護した」と評価できるかもしれない。
「団体の活動の性格上、金銭の流れの一部を明らかにしにくい部分がある」と言うのは、「察してください」「善意に解釈して下さい」ということなのだから。もちろん、家出少女たちを保護するという団体目標を考えれば、明らかにしにくい部分があることは事実だろう。しかし、公金を使う以上は、流れを透明にする必要がある。
そして、不正会計という構図上、テレビ業界としてはNPO側に「しっかり使途不明金な部分は明らかにして下さい」と、言わざるをえない。そうでないと視聴者に分かりにくいからだ。
だから、Colabo側がさっさと白旗を掲げ、「透明性を高めていきます」でダメコンをすればここまで燃え上がる理由はなかったし、マスコミも困らなかった。だが、Colaboは今後まだ暇空氏相手に訴訟を続けるつもりらしい。掘り下げると、沖縄反戦活動家や、反日国家の組織にまで繋がる可能性が高いからだ。
「水曜集会」に日本市民団体も参加
2022.08.31 14:58
韓国・ソウルの日本大使館付近で31日、旧日本軍の慰安婦問題の解決を求める定例集会「水曜集会」が開かれた。集会は1559回目を迎えた。集会で発言する日本の市民団体「Colabo(コラボ)」の仁藤夢乃代表
聯合ニュースより

個人で参加するのではなく、団体の代表として参加している。この時の渡航費は、まさか公金で支払われてはいないだろうね?
追記
さて、今回の話、まだ続きがあることは本文にも書いたが、続きに行く前に解決しなければならない問題もあるようだ。
「怖い画像」なるエクセルの表なのだが、解説している画像もあるのでこちらも紹介しておこう。
東京都の会計報告では委託金の概算払い分が2600万円だったとなっているが、監査委員が積み上げた結果2900万円になっちゃったというお話。
つまり、辻褄が合わないのである。
これに関しては、Colabo側は「自腹を切った分だ」という説明をしているらしいのだが、NPOでそれはあり得ない。事業委託を受けてかかった経費に関して都に報告をするのだから、当然、持ち出し分についても説明がなければおかしい。
適切な会計処理ができていないという話に尽きるのだが、このあたりもどう処理されていくのか。
追記2
さて、ちょっと興味深い記事があったので言及しておきたい。
女性支援団体Colaboの炎上分析
1/4(水) 9:30
年末くらいからネット上で,女性支援団体Colaboに対する不当会計疑惑等が指摘され,ツイッター等で話題となっています.
~~略~~
・Colaboの炎上を分析したところ,反Colaboクラスタのほうが圧倒的に拡散していた
・反Colaboには保守系のアカウントが多く,Colabo擁護クラスタには共産党系のアカウントが多い.
・一部のアカウントの頑張りが通常よりもすごい.
Yahoo!ニュースより
この記事の分類でいくと、僕のこの記事は反Colaboクラスタに含まれることになる。拡散全体の46.1%が反Colaboクラスタによるもので、拡散全体の4.3%のツイートがColabo擁護クラスタによるものだったそうな。
次に,共産党系かどうかという点についていくと,Colabo擁護クラスタの77.5%が共産党を応援するツイートを拡散したことがあることがわかりました.仁藤氏が共産党に近いかどうかは知りませんが,Colabo擁護クラスタの多くのアカウントが共産党を応援するアカウントであるといってよさそうです.ちなみに,Colabo擁護クラスタの85%が自民党批判ツイートを拡散しているので,共産党系というよりは反自民党系というほうが正しいかもしれません.
Yahoo!ニュースより
そして、Colabo擁護クラスタは共産党を応援するアカウントである確率が高い模様。
一部のユーザーが頑張って情報を拡散している傾向はあるものの、反Colaboクラスタの論調が優勢であることがこの分析から理解できる。
尤も、「Colaboの会計報告が杜撰で、それを受理した都に問題がある」以外の点について、現時点ではわかっていることは無いため、引き続きこの問題に注視していきたいところではあるが、そもそもColaboだけが特殊というわけではないところにこの問題の根深さがある。NPOの不健全性の一部に光が当てられたところに、このニュースの価値があるのだ。
追記3
さて、Colabo問題は類焼しつつあるね。
「Colabo」問題「赤い羽根」に飛び火 福祉基金から団体に2680万円助成、ネット炎上で問い合わせ殺到「精算のやり直しは考えていない」
2023.1/13 11:37
性暴力や虐待などの被害を受けた若年女性らを支援する東京都の事業を受託した一般社団法人「Colabo(コラボ)」(仁藤夢乃代表)をめぐり、都監査委員が会計の一部に不当な点があるとして都に再調査を指示した問題で、「赤い羽根共同募金」を運営する中央共同募金会にも騒動が波及した。団体に計2680万円を助成をしたとSNSで取り沙汰され、募金会がリリースを出す事態となった。募金会に経緯を聞いた。
ZakZakより
問題は、Colaboだけでなく関連団体の「BOND」「はっぷす」「若草ぷろじぇくと」に類焼した上で、更に赤い羽根共同募金にまで騒動波及し、更に生協まで巻き込み始めた。
というか、この界隈で公金をグルグルと回しながら節税し、下手すれば着服するところまでやっているんじゃないかという疑いまで。
もう、めちゃくちゃである。
コメント
どこぞの正義連モデル詐欺を日本で立ち上げたよ。な、感じに見えちゃうのは気のせいでしょうかね。
正義連モデル詐欺、ですか。
その本家の正義連は再び復活するような雰囲気ですが。Colaboは厳しい局面を迎えていますね。
小池都知事らしい”長いものには巻かれろ”政治の結露のような悪政の結果だね。
元々、最初の都知事選から共産党と組んでるような日和見主義者なので、救われようもない。
この問題を、住民監査請求レベルで終わらせてはいけませんな。
昨日(1/8)、チラッと聞きかじったこと。
いまに至るまで”Colabo不正疑惑”を報じない新聞社は、『日本経済新聞社』だけらしい。
過去に「日経ビジネス」や「日経ウーマン」が、件のNPO代表を表彰していたのだと。
『日経』の見識を疑う話だね。
NHKもこのColabo問題はノータッチの姿勢を見せていますね。
日経もNHKも、いつまで沈黙を続けるのやら。
小池氏の失態というよりは、東京都議全般的に色々と蝕まれている感じですかね。
どうして太陽光パネルの議決など……。
ともあれ、この問題はもう少し根本的なところまで踏み込んで欲しいところです。
あ、住民監査請求の結果に対して、請求者は訴訟を起こすようですよ。
おはようございます、
この問題をピックされた、監査請求者の暇空氏が今月中に民事訴訟を起こすと表明されたそうです。(監査請求結果への不服表明は、1か月以内に行う必要があるとか。)
骨がありますね、暇空氏。
この展開は、Colaboや共産党は勿論の事、小池都知事も都議会も悪目立ちするので嫌でしょうなw NHKも日経新聞も、もはやダンマリはできないでしょう。
こんにちは。
・本件、今更のように「ひろゆき」参戦?さすがは勝ち馬にしか乗らない男。
・そして、赤い羽根に飛び火し、大炎上待ったなし。
オラ、ワクワクしてきたぞ。
「勝ち馬にしか乗らない」からこそ、信頼できますね(笑
赤い羽根(紅い疑惑アリ)や緑の羽根は昔から胡散臭く思っていましたが、Colabo問題に絡み始めて苦笑を禁じ得ません。
若草あたりもそろそろ槍玉にあがってくるでしょうから、まだまだ「不適切な税金利用」が洗い出されそうですね。
木霊様 皆様 こんばんは
まあこれら騒ぎ。公金不正利用などという小さな問題でなく、日本近隣の無法国家4国のハイブリッド戦につながり、非常に意義のある法的戦い。
暇空氏を応援します。
例として、沖縄知事とか東京知事等のスパイは排除されて欲しいものなのですが
、、、、日本の法制上、暇空氏をSSや内閣調査室は護衛することもできないですし、法に従うからこそ日本のSSや内閣調査室が信用できるわけで、、、
菅さんや高市さんあたりが立ち上がって、せめて暇空氏が不幸な目に合わないように支援してくれないものか?