年明けから韓国ネタが尽きないのだけれど、これもシリーズ物として取り扱っているので、軽く触れておきたい。
あめ細工のように曲がったソウル都心部の陸橋…先月の安全検査で「A等級」受けていた
2023.01.04 08:32
ソウル・新道林(シンドリム)駅近くの陸橋で中間部が沈下し通行が制限された。
この陸橋は先月まで行われていた安全点検でA等級の判定を受けていた。最近変形が生じているとの情報が寄せられていたことがわかった。
中央日報より
陸橋が垂れ下がったらしい。
何を言っているのか良くわからないと思うので、まずは写真を1つ紹介しておきたい。
危うい構造物
トラス構造の橋?
さて、記事には「トラス構造」と書かれているのだが。

ぱっと見だと、特に問題のない橋のように感じるのだけれど、最初に引っかかったのは、トラス構造の橋だという部分だ。
割と見る形のトラス橋といえば、こんな形だ。

トラス構造は部材同士を三角形につなぎ合わせた構造形式で、節点はピン接合になっている。
確かに三角形の部分はあるようなんだけど、これがトラス構造?本当に?
安全点検でA等級
ともあれ、問題となった歩道は、安全に問題ありとして、通行が禁止されたらしい。
![道林洞と新道林駅をつなぐ歩道陸橋の開通式。[写真 永登浦区庁]](https://japanese.joins.com/upload/images/2023/01/20230104094450-1.jpg)
これは問題の橋が開通する時の写真らしく、ちょっと分かりにくいのだが橋の入口が写っている。中央部分が盛り上がる形になっていることがわかるはずだ。
「アーチ型」の橋だから中央部分が盛り上がる形なんだね。アーチ型の橋といえばこんな形になっている。

ところが、今回の橋は中央が下がった状態になってしまったというわけだ。

なんというか残念な話である。
これで、安全点検でA等級とは驚きだな。
何故そんな事になったのか
で、どうしてこうなってしまったのか?については動画を見ていただいたほうがわかりやすいと思う。
この動画のこの部分。

これが橋の両端部分にある橋を吊るための構造材だと思うのだが、何故か外れてしまっている。この写真で断言はできないのだが、支承のようにも見える。もっとも、支承はこんなところには設けられないので、恐らく他の構造材だとは思うが。
そんなわけで、垂れ下がってしまった橋は手すりも外れる危険な状況に。

こうなってしまうと修理も難しかろう。

これが無事だった頃の写真のようだが、これを知っていたら、現状が異常であることは一目瞭然だろう。
年2回の安全点検
しかし、それにしても、だ。この橋、年に2回の安全点検を受けていて、去年の年末に点検を受けたばかりなんだな。
第3種施設に分類され、年に2回の定期安全点検を受けており、昨年10月28日~12月15日に行われた点検では異常がない「A等級」の判定を受けたと区は説明した。
だが半月後の先月31日に、行政安全部のサイトに「陸橋の外形に変形が生じており安全に問題があるものと疑われる」という内容の情報が寄せられていた。
この内容は2日午後4時ごろ永登浦区庁に伝えられたが、区庁は特別な措置をしていなかったという。
区関係者は「情報が寄せられた当時はいまのようにひどく傾いていない状態だった」と話した。
中央日報「あめ細工のように曲がったソウル都心部の陸橋…先月の安全検査で「A等級」受けていた」より
で、点検から半月で問題が目視でわかるレベルに。
永登浦区はまず追加の沈下崩壊を防ぐため臨時の支持台を設置して精密調査を行い、撤去か補修について決める計画だ。安全点検がしっかりとされていたのかも確認する方針だ。
中央日報「あめ細工のように曲がったソウル都心部の陸橋…先月の安全検査で「A等級」受けていた」より
この期に及んで「精密調査」をやって、「撤去か補修」を決めるらしい。いやもう、直せないだろう。
本日この記事を取り上げた理由は、先日のKF-16と同じ「点検」に纏わる話だからだ。尤も、今回のこの橋は素人目に見てもトラス構造でもないし、アーチ橋のセオリーを無視しているように見える。つまり設計段階から構造的な欠陥があったと考えるべき案件だったと思われるので、点検をしたところで避けられなかっただろう。
あそこまで垂れ下がってしまったら、橋が落ちる前に撤去すべきだ。
冬の寒さが問題?!
ちなみに、管理局の対応がちょっと面白かった。
ところが先月に安全点検を行ったが、特に異常がなかったとし、最近寒さと関連があると言います。
[永登浦(ヨンドゥンポ)区役所関係者]
YTNより
「 (夏と冬)温度差で収縮・膨張が発生します。そんな部分が影響した可能性があり・・・」
そんなわけないよね。
夏ならば温度で金属が伸びる可能性はあるけれど、冬に垂れ下がるというのは理屈に合わない。そもそも、温度差で収縮する分を吸収できるように設計するのが一般的なのだから、こんな回答をする時点で無知を露呈するようなものだ。
僅か6年で3億円程度かけた橋が使い物にならなくなったのは、残念なことではあるが、けが人が出る前に対応できたのは不幸中の幸いというべきだね。
追記
なかなか衝撃の動画が紹介されていたので追記しておきたい。
こんなふうに壊れるんだねぇ。

これはいけませんな。橋の端、根元部分のコンクリートも完全に破壊している。
コンクリート絡みだと、構造強度が出るようなコンクリート打設をしなかった疑惑も出てくるけど、端部を引っ張っている部分が無いことを考えるとやっぱり、構造的にダメだったのかな。何故、真ん中に橋脚を作らなかったのか意味がわからない。
コメント
おはようございます、
今日から仕事始め。腰が重いですw
事故のあった橋ですが、なんだか歪な形状をしていますね。
ふつう、ひとつのアーチ構造で橋を造るならば、構造上一番重量負荷の大きな中央部にアーチの中心が来るように設計されるはずです。
構造崩壊したこの橋の場合、橋の両端に重量負荷が懸かっていたと思われます。
”あの国の橋、渡るべからず ”ですな。
お仕事頑張ってください。僕もちょっと頑張らないとダメなんですが、なかなか。
さて、アーチ構造の橋ということなんですが、不勉強ではありますが、調べた限り長い橋にはそもそも向かないようです。
ご指摘のように中央部にアーチの中心が来る構造にする必要があることもそうですが、トラス構造を採用するのであれば、ピン接合にしなければ力の分散などの点で不利になるはずなのですが、どうやら溶接で処理しているような印象です。一部だけ三角にしても意味がないようにも思えますし。恐らく、橋の両端部分はもっと橋から遠いところから引っ張るような構造にしないと、橋の重量を支えきれないでしょう。
デザインを考慮して、構造強度を犠牲にするという発想が理解できませんが、あの国ではチョコチョコとそういった事例が見受けられる気がしますよ。
あけましておめでとうございます。いやいや、高速道路も燃えたようですし韓国的ニュースには、今年も事欠かないようです。
あけましておめでとうございます。
高速道路の話ですか。
アレはまたしょうもない話なんですが……、触れておきますかねぇ。
こんにちわ。
最初、木霊様が「何を言ってるのか解らない」でした!
そういうデザインの橋なんでしょ?
20世紀のルイジ・コラーニとか、映画エイリアンのエイリアンシップとか(さんとか・ギーガのデザイン)、グニャ系のデザインてありますからねぇ。
しかし、よくよく写真みると下に曲がるのではなく、上にアーチしていた!!
え? え? これ「そういうデザイン」でなかったの?
うわ、2番目の映像スゴいというか……
東南アジアでのダム決壊もそうだったけれど、そりゃ戦車も戦闘機もダメなわけすね。基本的に19世紀まで「車輪を作る技術がない国」でしたから、そもそもメンテの概念がないと言うか、ダンボールでお城やガンダムを作る幼稚園児なみの概念しかないんでせう。
幼児のダンボールガンダムは微笑ましいですが、橋はねぇ……コレでどこが日本を抜いたのだろう? まぁ生温い眼で見守ってゆきたいですね🤣
いやー、映像の破壊力は中々ですよね。
狙ってやったのかと思うほどなのですが、これが斜め上を行く国の実力でしょう。
何故あんなことになってしまうのか。
そのうち検証番組とかやるかもしれませんが、興味深いですな。