あまり良い話は聞こえてこないな。
医療現場も感染、宅配遅延 中国、人手不足深刻に
2022/12/17 20:10
新型コロナウイルスの徹底した抑え込みを目指す「ゼロコロナ」政策が破綻した中国で、医療や生活インフラ関係者の感染が相次ぎ、人手不足が深刻化している。当局は17日までに、退職した医師らの再雇用を推奨。市民が宅配の配達員に〝参戦〟することも促した。政府は特に地方や農村部での感染爆発を警戒している。
産経新聞より
産経新聞の記事からも、支那での混乱ぶりは伝わってくる。
パンデミック in China
「ゼロコロナ」を放棄したから感染爆発したのか
東京新聞は、今回の感染拡大について「中国政府がワクチン接種や医療資源の準備が整わないまま見切り発車したのが原因」と指摘している。
「ゼロコロナ」転換の中国で死者急増 最大100万人超との見通しも 北京市の火葬場は大混雑
2022年12月17日 20時18分
新型コロナウイルスの感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策から緩和へ急転換した中国で、死者が急増している。中国政府がワクチン接種や医療資源の準備が整わないまま見切り発車したのが原因で、死者が今後、最大で100万人を超えるとの見方もある。来年の経済運営を決める「中央経済工作会議」は、低迷した景気の回復を優先課題と決めたが、足元の感染爆発が経済を直撃している。
~~略~~
中国衛生当局は11月26日以降、死者は出ていないと公表している。しかし、持病を持つ患者らの死亡が急増している可能性がある。発熱外来にも患者が殺到し、北京市では軽症の医療従事者は出勤が求められている。河南省でも衛生当局が来年3月まで医療従事者の休暇返上を発表した。
東京新聞より
しかし、ゼロコロナ政策そのものを批判するトーンでは書いていない。
確かに、ゼロコロナ政策を採っていた時代に、こんな混乱が起こってはいなかった。政策緩和を決定した途端に、感染爆発を招いてしまった様にも見える。だが、習近平氏のゼロコロナ政策が如何に素晴らしいものであっても、もはやゼロコロナの時代に戻ることは不可能である。
ゼロコロナ政策の肝は、感染数が少ない状態で人権を無視してでも徹底的に抑え込むことであって、感染が広がってからはその手法では対処できないからだ。感染数が少ないうちは、不都合な事も力業でねじ伏せられたのだろうけれど、ここまで広がってしまうと誤魔化すのは難しい。
なお、ゼロコロナ政策を緩和したから、感染拡大したというロジックは少々不具合がある。
何故なら、感染拡大には波があって、感染縮小しているタイミングでゼロコロナ政策を緩めたところで、さして感染は広がらないハズだ。感染拡大しているタイミングで緩めたからこそ、この状況になっているのだ。現段階で、ゼロコロナ政策の網を緩めたから感染爆発したのか、或いは食い破られて為す術も無く感染爆発したのか、明確に判断することは難しい。
まあ、そんな事はどちらでもよろしいのだが、支那は次の一手を必要としている。
投資家も不信感
さて、支那において感染爆発が起きている前提で言及したのだが、実際の所はハッキリと分からない。
実感としては支那国内での感染拡大は、かなり危機的な感じを受けている。何故なら、付き合っている支那企業は、従業員は大半が感染して出社出来ない状況になっていて、開店休業状態だというのだ。2社しか知らないのだが、2社とも同じ状況というのは、偶然で片付けるには無理がある。
では、メディアはどんな扱いをしているのだろう。
コロナ対策緩和の中国で感染拡大 日本人多い上海で警戒広がる
2022年12月16日 15時41分
新型コロナウイルスの感染対策の緩和に踏み切った中国では、北京などで感染が急拡大していて、最も多くの日本人が暮らす上海でも、日系企業が在宅勤務に切り替えるなど、感染拡大への警戒が広がっています。
~~略~~
上海にある日本総領事館やJETRO=日本貿易振興機構によりますと、今のところ現地の日系企業では、工場の操業などに大きな影響が出ているという情報はありませんが、感染対策として在宅勤務に切り替える動きが広がっているということです。
NHKニュースより
NHKニュースでは、16日の段階でこんな感じの「まだ、ソフトな印象」を受けるのだが、僕の実感としてはこちらの15日付けの朝日新聞の方の記事の方に近い。
中国コロナ、感染爆発の様相か 「部署は全滅」「社員9割感染」
2022年12月15日 19時20分
「ゼロコロナ」政策が緩和された中国で、新型コロナの感染が急拡大している。日系を含め多くの企業で部署のほぼ全員が感染するようなケースが相次ぐ。政府が感染者の全数を把握することをやめたために正確な数字は不明だが、取材からは感染の「爆発」に近い実態が見えてきている。
「営業や総務の社員はほぼ全滅した」。首都の北京市内のある日系企業では、オフィスに勤める十数人のほぼ全員がコロナに感染したという。今週から全員が在宅での対応に切り替えざるを得なくなった。
朝日新聞より
まあ、感染が広がっている地域に差はあるだろうが、感染が広がっている所は、極めて速い速度で感染者が出ているようなのだ。
今まで日本国内で体験してきた武漢ウイルス感染症に関する感覚からすると、支那での現状はかなり過激な感染の広がり方なので、「もしかしたら別の感染症なのでは」と疑う程である。
当然、投資家達も似たような印象を受けているのだろう。
アングル:ゼロコロナ緩和の中国、感染実態不明で投資家は手探り
2022年12月16日8:09 午前
中国政府による突然のゼロコロナ政策緩和に虚を突かれた投資家が、今度は中国のパンデミック後の混乱を手探りで進まざるを得ない事態に陥っている。感染の拡大や数カ月先の経済に対する潜在的脅威を追跡する適切なデータがないためだ。
中国は当局のデータが投資家を混乱させたり、信頼性に疑問が生じたりすることが少なくない。当局は大規模な検査を打ち切り、感染状況に関する報告を縮小しており、情報を入手することさえ難しくなっている。
ロイターより
支那のデータが信用出来ないことなどいつものことなのだが、今回は更に輪をかけて信頼性に問題があるようで、市場はかなり混乱しているようだ。それでも、まだ支那市場の成長を信じているというようなことが書かれているのは凄いとは思うが、実際の市場の状況は冷え込んでいる。
更に、極端な噂も出ているので、この見通しがいつまで続くのやら。
中国のコロナ規制緩和で死者100万人の可能性も
2022/12/16 0:00
中国政府による新型コロナウイルス防疫政策の急転換に伴い、コロナ感染症の死者は国内で約100万人に上る恐れがあると、香港の研究者らが指摘した。
東洋経済より
武漢で最初にウイルスが蔓延した時も、おかしな噂が飛び交っていたので、情報収集には気をつけなければならないが。
公式の情報はあまり役に立たない
ちなみに、Googleなどが採用している支那の公式情報は、あまり信用ができない。

これが感染者の状況なのだが、完全に感染は収束しつつあることになっている。死者数もゼロなのだが……。
そんなバカな。
中国、コロナ死者急増か 火葬場に列、公式発表「ゼロ」―国産ワクチン依存で重症化リスク
2022年12月17日13時31分
新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策が破綻した中国で、感染拡大に伴い死者が急増しているもようだ。中国政府の17日までの公式発表では、コロナによる死者は連日「ゼロ」だが、インターネット交流サイト(SNS)上では、混み合う火葬場の様子が投稿されている。
ロイターより
実際に、このグラフとは異なる印象の報道は色々出ているみたいだね。
報道機関は、軒並み「感染拡大」という言葉を使い始めている。実際に増えているらしい情報は出ているだけに、「そうだろう」とは思う。が、本当の所はハッキリしないのはいつもの事である。そのうち分かるのかもしれないが。
追記
週明けの月曜日の状況だが、アメリカの研究機関も「ヤバいのでは?」としているようだ。
ゼロコロナ緩和の中国、来年に死者100万人超える恐れ=米研究所
2022年12月19日7:16 午前
「ゼロコロナ」政策を大幅緩和した中国では来年を通じて新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加し、死者は100万人を超える恐れがある――。米ワシントン大学医学部保健指標評価研究所(IHME)は16日公表した最新のモデル予測結果に基づいてこうした見通しを示した。
それによると、感染者数増加のピークは来年4月1日ごろで、死者は32万2000人に達すると予想されている。IHMEのマレー所長は、この時点までに中国全人口のおよそ3分の1が感染を余儀なくされるだろうと述べた。
ロイターより
これまた極端な予測だが、荒唐無稽な話とも言いがたい。
何故ならば、支那の医療機関が完全に死んでいる感じなのだ。週明けになって聞こえてくる情報だと、病院に近づくことも難しい状況なんだそうな。病院には行列が出来ていて、「発熱程度で病院に来るな」という対応をとられるらしい。
中国、発熱外来4万7000か所開設…医療崩壊回避図る
2022/12/16 06:47
中国政府の衛生担当幹部は14日の記者会見で、国内の医療機関に発熱外来を4万7000か所以上開設したと明らかにした。新型コロナウイルスを厳しく封じ込める「ゼロコロナ」政策の転換に伴う医療崩壊の回避に向けたテコ入れだ。感染予防より治療を重視する方針に基づき、医療体制の整備を進める。
讀賣新聞より
発熱外来を増やしたという記事があったが、現地の情報では既にいくつかの発熱外来は崩壊状態らしい。何でも、医者が感染してしまって閉所したとか。
感染急拡大で医療崩壊の懸念、学生の登用も 中国
2022年12月16日 17:27
3年にわたる厳格な新型コロナウイルス規制が緩和された中国で、全国で感染が急拡大し、医療崩壊の懸念も広がっている。
~~略~~
人手不足で医学生が現場に駆り出されることも増えている。
四川(Sichuan)、江西(Jiangxi)両省では今週、多数の医学生が低賃金や現場の不適切な感染防止対策に抗議するデモを行った。
APFより
報道でも人手が足りなくなって学生を投入しているとか、医学生がデモをやっているとか報じられている。外から見ている以上に、支那国内は混乱しているのかも知れないね。
コメント
おはようございます、
取り敢えず、日本政府は水際対策を強化すべき。
部分的入国緩和を引き締め直すべきでしょう。
ちなみに、米国務省は旅行警戒レベルをLevel3に高く維持しているんですが、
害務省はどこ吹く風のごとく現下の状況に無関心のようですよ。
https://travel.state.gov/content/travel/en/traveladvisories/traveladvisories/china-travel-advisory.html
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html#ad-image-0
いま流行り病の発生国・支那では、なにか本質的に大きな問題が起こっているのかも。
(ウィルスが変異して、一層強毒化したとか。)
高齢層、若年層の区別なく亡くなっているそうですよ。
そう言えば、日本は水際対策という言葉を最近使っていませんね。
岸田内閣も色々大変なのでしょうが、しっかりとやるべき手をうたないと。
おはようございます、
さきほど目についた関連情報ですが、支那の重慶市や浙江省では、武漢ウィルスを”ふつうの”風邪ウィルスに認定した模様です。。。
https://www.afpbb.com/articles/-/3443978
もう手に負えない ― ということでしょうかね。どんな年末年始になりますことやら。
「未だロックダウンの方がマシだった」という状況にならなければ良いのですが、重慶市や浙江省の方針も強ち間違いとは言えません。
感染力の強いただの風邪という認定で、一定割合で死者が出る。社会的不安が払拭できさえすれば、そういう折り合いの付け方はアリだと思います。医療体制さえ整っていれば、死亡率は然程高くはありませんしね。
ただ、コレまで採ってきた方針が苛烈すぎて、その反動として出てくる社会的反応をどうやって抑え込むか?というところは焦点になるでしょう。
そして、医療崩壊が起きつつある支那で何処まで対応出来るのか?というところは気になります。年明けがピークになるという分析ですから、混乱はこれからなんでしょうな。
こんばんわ。日本在住の中国人&帰化人から聞いたのですが……
ハルピンや瀋陽あたりでは、彼らの親族が罹患し、メールでやり取りする現地の知人の7割が陽性(無症状)だったとか。
ソース元の人たちは、もともと高価な薬や、外国製ワクチンを入手できる富裕層です。それでこの数値ですから、貧しい人や庶民はどんなものだか?
かなり酷いようですよ。
社内で聞いた話は本文中でも書きましたが、支那に12月頭まで出張されていた方から聞いたら、「仕事にならない」状況なんだそうで。
工場内でも担当者が半数以上休んでいて、開店休業状態だったのだとか。
まあ、1月中頃まではこの状況が続きそうですよ。