海上保安庁を改革すべき時だ

防衛政策

まあ、そろそろ戦後レジームから脱却してイイと思うよ。安倍晋三の遺志を継いで、日本人の意識改革をして行かなければならない。

<独自>海保巡視艇の半数、年度末で耐用年数超え

2022/11/25 23:04

令和5年度以降の防衛力の抜本的強化に合わせて予算の増額が検討されている海上保安庁で、沿岸警備や海難救助に当たる巡視艇の約半数が今年度末に耐用年数を超える見込みであることが25日、分かった。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺など外洋で活動する巡視船も老朽化が顕著で、2割近くが耐用年数を超える見込み。限られた予算の中、船艇の退役延長で窮状をしのいでいるのが現状だ。

産経新聞より

予算がない海上保安庁は老朽化船を未だ使わざるを得ないようだ。サヨクの皆さんはこの問題こそしっかり取り組むべきでは?だって、海難救助を主な任務とする海上保安庁は、まさに人の命に関わる仕事をしているんだぜ。

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やはり防衛省に統合すべき

海上保安庁の船の在り方

ちょっと前に記事にしたのだが、海上保安庁は海保法25条に縛られて軍事的な任務・訓練をすることが基本的に禁じられている。

……前回と似たようなテイストのタイトルで申し訳ないんだけれども、まあ、大切な事なので2度記事にした位の勢いで理解して頂ければ良いと思う。この時の記事は海保法25条を削除すべしという内容だった。

今回紹介する記事は少し切り口が違う。海上保安庁の巡視船が随分と老朽化しているという話だ。

GHQの呪いを今も受け続ける海上保安庁だが、海保の職員はその事を誇りにして仕事をしているという。

もちろん、人命救助第一というスタンスは素晴らしいと思うが、武力行使によって敵国勢力を追い払う事ができるのであれば、それはまた人命救助に繋がる。

故に、海猿の誇りを曲げてでも、海保法25条は変えていかなければ、と僕は思う。

予算がない

さて、法改正、法整備の話ももちろん重要なのだが、現場においては巡視船の老朽化の方が深刻である。老朽船の耐用年数を超えて運用しなければならない実情にある海上保安庁だが、実は予算がない。え?そんなの容易に想像できる?

まあ、ご尤もである。

大型巡視船の建造には1隻200億円程度かかるが、海保予算は令和4年度当初と3年度補正で計2618億円。老朽船の代替新造費として計上されたのは約120億円だった。

産経新聞「<独自>海保巡視艇の半数、年度末で耐用年数超え」より

海上保安庁も、海上自衛隊も予算がないという点では同じなのだが、海上保安庁の予算も少ない。近年は支那公船の領海侵入や国籍不明漁船の侵入などが増え、対応しなければならない案件も増えているのに、である。

喫緊の海保の予算が2600億円程度で、1隻200億円かかる海上保安庁の船は全額コレに注ぎ込んでも13隻しか作れない。もちろんそんな事はできないので、老朽船の代替新造費というのが計上されるのだが、それが120億円なんだそうな。

だからこそ、海上保安庁と自衛隊の予算統合というのは、若干ながら意味があるといえばあるのだが、海上保安庁の予算と海上自衛隊の予算を足し、それが増えるようでなければ統合する意味がない。

NATO基準は「軍の指揮下で直接行動できる」などと準軍事機関に限定している。そもそも法執行機関である海保は、海保法25条で軍事的な任務に就くことを明確に否定しており、NATO基準には該当しない。だが、自衛隊法80条は、有事の際には防衛相が海保を統制下に置けると規定。防衛相が海保を統制する手順を定める要領を策定するなどしてNATO基準との整合性は取れると政府は判断しているとされる。

産経新聞「<独自>海保巡視艇の半数、年度末で耐用年数超え」より

政府は何か姑息な手段を考えているようだが、一応増やす積りではあるようだ。だが、そもそも海上保安庁が海上自衛隊との連携を採るためにはそれなりの装備を要する。

しかし、それぞれの運用する船体構造や燃料、データ通信など、両者の隔たりはあまりに大きい。海上保安庁の巡視船は速力を重視するので比較的小型の軽い船体にディーゼルエンジンを搭載し、燃料には主に重油を用いている。一方の海上自衛隊の艦艇は衝突や攻撃をそれなりに想定した船体構造であり、ガスタービンエンジンを搭載している物があり、燃料には軽油を用いている。小型船舶にはディーゼルエンジンを用いるタイプも存在するが。データ通信に関しては、海上自衛隊の方はデータリンクを積んでいるけれども、海上保安庁は……。まあ、シカタナイヨネ。

ともあれ、様々な装備の共通化はそう簡単には行えない状況であるのは事実である。つまり、予算を一まとめにしたところで何の意味もないのである、現状では。

慎重な検討を要する?

というわけで、讀賣新聞などは「慎重な検討を要する」という論調で記事を書いている。

自衛隊の体制 組織改編は慎重な検討が要る

2022/12/01 05:00

「海洋強国」を掲げる中国は、南西諸島周辺で威圧的な活動を繰り返している。領土・領海を守る強い体制を構築することは急務だ。

~~略~~

今後、領海を警備する海保では対応しきれない事態の発生が懸念される。武装した漁民が離島に上陸するといった「グレーゾーン事態」も念頭に、自衛隊と海保が連携を密にすることが不可欠だ。

讀賣新聞より

この記事は予算のことではなくて、実務で連携する際の問題点を指摘していて、支那と対峙する時にグレーゾーン事態を迎える可能性を指摘しており、この時にスムーズに海保から海自にバトンを渡すことが出来るかについて懸念を示している。

この記事、途中から陸海空3自衛隊の部隊の一元指揮を行う統合司令官と、それを支える常設の統合司令部を創設する話に移っていて、これと統合幕僚部との整合性について言及している。

現在、統幕長を支える組織として、制服組を含めた統合幕僚監部がある。これに統合司令部が加われば、屋上屋を重ねることにならないか。部隊運用に関する意思決定が混乱しないよう、政府は慎重に制度設計を進めてほしい。

讀賣新聞「自衛隊の体制 組織改編は慎重な検討が要る」より

確かにその部分も重要なのだが、海保が海自と連携して防衛相が指揮をする話を書いているのであれば、そもそも防衛相が海保を運用できるのか?という指揮系統の不安にも言及して欲しいところだ。

実際に、慎重な検討は必要なんだけれども、有事は日本の政治を待ってはくれない。さっさと統合運用できるような法整備や装備の見直しを行うべきである。

新造船の在り方も見直しをすべし

そういう意味では、先頃確保された海保の予算で建造が予定される新造船についても、一度、統合運用を前提に見直しては如何だろうか。

海保、大型船3隻新造へ 過去最大、760億円計上

2022/11/8 20:48

海上保安庁は8日、令和4年度の第2次補正予算案に過去最大の760億円を計上した。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の警備など体制強化の一環として、ヘリコプター搭載型を含む大型巡視船計3隻の新造に159億円を盛り込んだ。練習船1隻も新造し、いずれも8年度の就役を見込む。

産経新聞より

補正予算で760億円計上した海上保安庁だが、大型巡視船の建造は3隻。予算はたったの159億円(額面は大きいが、新造船1隻作れるかも怪しい金額だ)。

新造船の建造も結構だが、例えば海上自衛隊の退役艦を引き受け、改造して運用出来る態勢を整えれば、ある程度の予算圧縮も可能になるのではないだろうか。

必要な予算は無理に減らすべきではないが、システムを改良して予算の圧縮が可能であれば、是非すべきである。

そして、法律面でも幾つか改正しなければならない問題を孕んでいることは既に触れた通りである。

そもそも海上保安庁の職員の命を法整備の不備によって危険に晒してはならない

また、グレーゾーン事態になった時に、任務に当たっている海上保安庁職員が、果たして有事対応出来るのか?という意味を含めて、どのような切り替え(自衛隊へバトンを渡す)が可能なのかも検討すべきだろう。岸田君、検討は得意じゃないか。

ある海上保安官が「緊迫する東シナ海で、万が一、撃たれたときに撃ち返せるのか? 現行法や現行憲法の枠組みでは無理でしょう」と言っていました。

武力攻撃事態認定が必要になりますが、これは閣議決定が必要で現場の行動には到底間に合いません。このところ頻繁に行われている「台湾有事」のシミュレーションでも、事態認定の難しさが指摘されています。

また、現場で武器を使用できるのは、自身または自身の保護下にあるものを守る正当防衛や緊急避難などと条件が厳しい。それも「警察比例の原則」で、合理的に必要と判断される限度の武器使用しか許されません。従って、相手の船を沈めるほど圧倒的な火力を使うことができません。

これは、防衛出動が下命され、わが国の防衛に必要な武器の使用が許されるまでは、基本的に自衛隊の艦艇であろうと同じだと、前述の海上保安官は指摘します。

国家安全保障戦略など「3文書の改訂」の議論では、財源論ばかりがやかましいですが、「現場が何をすることで日本を守るのか?」などから議論しているでしょうか。

防衛力を総合的に考える有識者会議のメンバーに、海保や自衛隊といった現場のOBたちが入っていなかったことにも象徴されますが、現場の動きを考えない改訂は現場の士気を下げ、いたずらに混乱を招くだけかもしれません。

yahooニュースより

実のところ、政治家がグレーゾーン事態が発生した時の問題点を整理できておらず、理解出来ていないのだろう。現場で何が必要とされるのか?という観点で事態の想定が出来ていれば、組織改編や運用修正が行えるのだろうと思う。

が、有識者会議なる組織のメンバーに、現場を知る方々が一切入っていないというから、元々現場で発生する問題を改善しようという気はないのだろう。

死者が出てからでは遅いんだが。

海上保安庁の職員が危険な現場で仕事をせざるを得ない状況にあるのは明らかで、法の不備があることは分かっている。そこを改善しなくて財政議論だけを延々やっているというのだから、真面目に改善したいという気になっているとは思えない。

もはや、海上保安庁が設立された時代とは日本を取り巻く環境が激変しているのだから、体制を見直し、防衛省にお引越しをすべきではないだろうか。そして、沿岸警備隊として生まれ変わるべき時期が来ているのではないだろうか。

更に、海上自衛隊とある程度装備を共通化して、データの共有ができるようなシステムに改変していくべきだろう。警察比例の原則というヤツがあるにはあるが、海上で外国勢力と対峙すれば、たやすく海保の能力を超えてしまうのが実情である。時代に合わせて変革すべきだと思うんだけど。

コメント

  1. こんばんわ、

    支那中共軍の圧倒的な軍備拡張のために、海保も自衛隊も厳しいやり繰りを強いられるようになって久しいですが、財務省の傀儡・岸田政権は、安倍氏が暗殺されたというのに、まるで何事もなかったかのように頬っ冠りして、危機意識もやる気も見せません。

    先ごろ岸田首相は、5年後の2027年度に、海保・自衛隊”抱き合わせ”予算でGDP比2%の実現を鈴木財務相に指示したそうですが、それって意味ある政策になるんでしょうか?

    これに対して、高橋洋一さんが、(5年を待たずとも)防衛予算も海保予算も増額分を建設国債で賄ってもいいし、外為差益を使ってもいいよ、と主張されていますが、岸田政権は財務省の主張する『増税』で来年度政府予算案を取りまとめる腹づもりでしょう。。。

    これでは岸田文雄も河野太郎も五十歩百歩だったなぁ、と。

    • 岸田氏の為体には呆れますが、しかし平時の首相としてはあんなものではないでしょうか。
      しかし、今や有事の人材が求められる時代ですから、しっかりとした国家観を持つ政治家の登場が望まれますね。

      岸田氏が「5年後までに」という縛りをかけた理由は、議論に時間を要するという意味もあるのでしょうが、「俺はやらないよ」という意思表示にも見えます。一歩づつでも改善して欲しいですが、そういうタイプではないのでしょうね。
      財務省に強く言えない人災ということが問題ではありますが。

      高橋洋一氏の主張、鵜呑みにするのは少し危険ではありますが、外為差益の話は国民党の玉木氏他一部の政治家も口にし始めています。
      こうした議論が出ることは大切です。そして、今増税を口にするのは愚か者のやることですから、それだけは止めて欲しいと切に願います。

      • 「防衛増税」27年度以降に本格実施 
        https://www.jiji.com/jc/article?k=2022120601045&g=pol

        政府は一旦引っ込めた上で、2027年度以降に本格的な「防衛増税」を導入すると明言したようです。今回は、財務省が寄り切られたかたちになりそうですが、5年後に岸田政権は無いですから、意地の悪い言い方をすれば、岸田政権は喫緊の安全保障議論から逃げ、防衛省に丸投げしてお茶を濁したとも言えそうです。
        また岸田首相は訪米のために、首相自ら約束した防衛費の大幅増額を、いまズバッと方針だけでも確定しておく必要があったのかもしれません。

        蛇足ですが、おそらく公明党がチャンスとばかりにクレームをつけてくるでしょう。政府・自民党は、殊あるごとに公明党と利権を取引することはもう止めてほしいものですね。

      • 「岸田政権を続けるうちは増税をやらない」と、そう明言すれば良いのに。
        「増税はやるけど先送りね」という、メッセージの出し方だけで全然印象が違うのに、何故こんな事にしてしまったのかという感じですね。
        ご指摘の様に、岸田政権は安全保障の議論からも逃げてしまいました。結局、責任をとりたくないのでしょう。

        公明党に付け入られる余地を残したと言うことも、どうかと思いますよ。さっさと手を切って、自民党がスリムになってやり直すべきでしょう。使えない・仕えない議員を抱えすぎです。

  2. こんにちは。

    極論すれば、海保は警察、海自は軍隊、考え方から何から、驚くほど違うんですよね。
    さすがに海保と海自は、警察と陸自ほどは違わないかもですが……

    「被災地に入って、補給を含め自組織で完結出来るのは軍隊だけ、警察も消防も出来ない」
    と同様に、活動自体は似たようであっても、全く別組織である事を、国民、というより政治家はもっとよく知った方が良いですね。
    ※だからって、某赤い国みたく、コーストガードが軍の下部組織、なんてのも困りものですが。

    このへん、ラノベではありますが、「ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり」読むと本当によくわかります(作者が元自なだけに)。

    • 確かに、「一緒にしてしまえば良いよね」と気軽に言って、直ぐに統合できるような状況ではないのでしょう。
      ただ、支那もそうですが、アメリカのコーストガードも常設の軍の組織という位置づけとなっております。イギリスも湾岸警備隊は海軍傘下に配置されています。機能はともかく組織としては、連携できるように同じ括りに配置した方がやりやすいのでしょうね。
      ただ、運用や機能の大きく異なる組織であることは、ご指摘通りでありましょうから、統轄する組織を作るときには色々紆余曲折が必要となりそうです。