財務省が提案するワクチン有料化

政策

まあ、あって然るべき議論だとは思う。思うんだけどさぁ、これ、財務省に言わせておいて良いの?

コロナワクチン、一部実費徴収を提案…財務省「全額国費の特例措置は廃止を」

2022/11/07 16:01

財務省は7日、接種費用の全額が国費で賄われている新型コロナウイルスワクチンの特例的な措置を廃止し、インフルエンザワクチンなどと同じように一部を実費で徴収する仕組みに改めるよう提案した。

「讀賣新聞」より

個人的な感想を言えば、僕としてもこの議論はすべきだと思うし、有料化にすれば良いと思う。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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状況は変わっている

何故、ワクチン接種は無料なのか

そもそも、武漢ウイルスのワクチンを「何故無料にしているのか」というところから話を整理すべきだろう。これは、ワクチン接種によって武漢ウイルスの蔓延を防ぎ、社会インフラへのダメージを最小限に抑えたいという狙いがあったはずだ。

政府はこれまで、接種体制確保補助金などを設けて接種にあたる医師などを確保し、新型コロナワクチンの接種を進めてきた。2021年度は2兆3396億円の国費が支出されたという。

「讀賣新聞”コロナワクチン、一部実費徴収を提案…財務省「全額国費の特例措置は廃止を」”」より

1年間に2兆3396億円も使う政策である。もちろん、社会的意義が大きくなければならない。

菅首相らと新型コロナウイルスワクチンの接種をめぐり意見交換

2021年6月10日

経団連の十倉雅和会長は6月3日、首相官邸で、菅義偉内閣総理大臣、田村憲久厚生労働大臣、梶山弘志経済産業大臣、河野太郎ワクチン担当大臣と面会し、三村明夫日本商工会議所会頭、櫻田謙悟経済同友会代表幹事と共に、新型コロナウイルスワクチンの接種をめぐり意見交換した。

冒頭、菅首相は、「政府として、一日も早く感染を収束に向かわせる決意であり、その切り札がワクチンである。6月中旬以降、職域接種を進めることとした。すでに多くの企業が実施したいと表明していることに感謝するとともに、円滑かつ速やかに進めていきたい」と述べた。

「Keidanrenのサイト」より

当時、菅政権において、首相だった菅氏の判断でこのワクチン接種は決断され、如何に早く感染を終息させるのか?という観点からこの決断をした事に対して、僕は評価をしている。無料接種したからこそ、このスピードで全国の接種を進められたのであり、政策の狙いは一旦は達成された。

実際に、ワクチン接種によって一旦は感染拡大は収束した。

ただ、狙い通り終息に向かわなかったことが、菅氏の誤算であったのかもしれないが、その時の決断としては正しいと思う。

結果論を言えば、ワクチンを接種しなかったとしても感染は収束しただろうし、その後の感染拡大を防ぐ事ができなかった事を考えても、果たしてワクチン接種が今回の武漢ウイルスに有効だったかについては、後知恵ならば「無駄なんじゃないか」という評価ができるかもしれない。それでも、ワクチン接種の効果として死者数が少なくなったという点は最大限評価すべきだろう。

実態を考えれば財務省の提言そのものに一理はある

ただ、その話は菅政権時代の話で、岸田政権になってから再び感染拡大をし、一端収束して再び拡大の様子となっている。

正直、個人的にはもはやこのグラフを貼る意味は無いと思っているし、最近は感染者数が増えたことで一喜一憂すべきではないという風潮になりつつあるので、その議論が必要かという風には思うのだけれど。

何しろ、ここまで感染者が増えてしまうと、全数把握そのものに意味がなくなってしまった事に、みんな気がついたと思うのだ。

気にすべきは死亡者数なのだが、こちらも死亡した時点での感染確認をした結果なので、武漢ウイルスによる影響があったかどうかは分からない。感染者が増えれば必然的に死亡時感染者も増える。ただ、第7波は第6波に比べて死者の割合が低かったことを考えると、リスクが減ったという評価はできる。

こうした実態を踏まえれば、もはやワクチンが必要なのか?という議論はあって然るべきで、財務省の言うことに一理はある。

……あるのだが、財務省は「お金が勿体ないから有料にしよう」という発想なので、全く政策的な議論ではない。

朝令暮改のグダグダ政策

というわけで、政治家からこの話が出て、国会で議論されたというのであれば、まあ意義はあるのと思うのだ。

ところが、話を出したのは財務省官僚である。

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会で示した。第6、7波で主流となったオミクロン株は重症化率が低かったことから、他の感染症とのバランスを見ながら、「定期接種化を検討すべきだ」とした。

~~略~~

分科会の増田寛也会長代理は記者会見で、「特例的な措置は今後廃止していく方向で検討していくべきだ」と述べた。

「讀賣新聞”コロナワクチン、一部実費徴収を提案…財務省「全額国費の特例措置は廃止を」”」より

言っていることは真っ当のように思えるが、それを官僚に言わせてどうするのか。

厚労相、5類でワクチン有料化も 感染者の全数把握見直しも急ぐ

2022年8月19日 掲載 2022年8月19日 更新

加藤勝信厚生労働相は19日の衆院厚労委員会で、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを5類に引き下げた場合に「まん延予防上緊急の必要性がないとなれば、特例臨時接種が終了することになるだろう」と述べ、現在全額公費負担のワクチン接種の有料化も理論上あり得るとした。

「秋田魁新報」より

過去に厚労省からもこの議論は出ていて、国会にて「ワクチン有料化」と「5類相当に変更」という「考え方」が示された。この時に決断しておけば、財務省から口出しされることも無かっただろうに、この時、加藤氏が「スピード感を持って判断」とか言っていたくせに、結局は判断が見送られた。

そして今回もコレだ。

ワクチン無料、変更せず 後藤担当相「早期接種を」

2022年11月08日 11時57分 更新

後藤茂之経済再生担当相は8日の閣議後会見で、財務省が見直しを求めた新型コロナウイルスのワクチン接種費用の国費負担について、現時点では変更する必要はないとの認識を示した。新規感染者数が増加傾向にあり、特例として無料で受けられるワクチンを「より多くの方に早く接種してもらいたい」と訴えた。

「山陽新聞」より

なんと「現時点で変更する必要は無い」などと言い始めた。

財務省にアドバルーン上げさせて、ハレーションを確認したので意見を変えた感じだろうか。経済再生担当相の後藤氏が堂々と否定して見せた。いやー、恥ずかしいね。決められない岸田政権は健在である。

政権支持率はまた落ちる

決められない岸田

この分野の判断は、野党には難しいので、おそらくは火中の栗を拾う野党政治家はおらず、声高に「有料化しろ」とか「5類相当に変更しろ」という野党議員は見かけないのではないか。

一方の岸田政権も、この問題を容易に決められまい。

岸田首相、全国知事会にワクチン接種加速を要請

2022年11月7日 21:05

岸田文雄首相は7日の全国都道府県知事会議で、新型コロナウイルスのオミクロン型に対応したワクチンの接種促進を要請した。ワクチン接種について「最大限の加速が必要だ」と指摘し、インフルエンザとの同時流行に備えるための保健医療体制の拡充も求めた。

「日本経済新聞」より

それどころか、ワクチン接種を加速する気らしい。

ただ、ワクチン接種そのものは、3回目接種完了しているかたが6割を超えている。4回目接種終了は概ね4割程度らしい。

特に、高齢者は積極的に接種を済ませているようで、死者の割合が多いのも高齢者なのだから、割と意識的に接種を進めている事が分かる。

このデータは、年齢別の累積死者数を示すグラフで、本来であれば人口比を加味したデータにすべきだが、まあ、参考にはなるだろう。ただ、どちらかというとこっちのデータの方が分かり易いかな。

これは2021年7月の感染者割合の多い50代以上のデータだが、高齢者の致死率が圧倒的に高い。他の次のデータをいくつか見たが、大雑把にはこう言った傾向となっている。だが、80歳以上の方は、年齢的に老衰などの影響を加味すべきで、武漢ウイルスは死亡の切っ掛けに過ぎない。

インフルエンザの傾向だって似たようなものだ。結局、ただの風邪であっても拗らせて死に至るのは圧倒的に高齢者が多い。

そして、その切っ掛けはワクチンによる発熱であるということも当然ありうる。リスクとリターンをどの程度見積もるのか?ということも含めて考えると、どうにも巨額を投じて全国的にワクチン接種を推進することに違和感を感じる。

もちろん、重症化リスクを下げる意味でワクチン接種に効果があるのだから、打たないよりは打った方が良いだろう。でも、そろそろ巨額の費用をかけて推進して、「果たして効果があるのか」という事について疑問を持っても良い頃だと思う。

対処法についても、何年もその知見を蓄積してある程度は分かっているはずだ。そろそろ対策を変えるタイミングではないだろうか。

ワクチン接種は必要だが

武漢ウイルスのワクチン接種、有料化するとだいたい1万円程度の費用負担が生じるようだ。インフルエンザが5千円程度だということを考えると、ちょっと躊躇する価格ではある。

政府が一部費用負担するという形で有料化したら、良いんじゃないかな。希望者が打てば良い。

それよりも5類相当に変更する方針にして欲しい。我が家の事情で申し訳ないが、子供が感染して出勤停止になり、看病した妻が感染して出勤停止期間が延長し、間をおいて自分が感染して再び出勤停止になった。最近は検査をすれば出勤停止が解けるので、実害は少なかったのだけれど、それでも3日ほど出勤できないという困った事態に。

出勤停止が感染拡大を防ぐ意味があることは理解してはいるんだけど、せめて感染した人限定にして欲しい。仕事に大きな差し障りがある。

経済を回そうと言う時に、これではちょっと。

感染力が強いので、決断することは難しいとは思うのだけれど、死者数や感染のしやすさなどを考えてもインフルエンザとさほど変わらないのだから、見直すべきだと思うんだ。それは「今ではない」という華氏かも知れないけれど、少なくとも今回の波が収まったタイミングでは決断して欲しいところである。

コメント

  1. こんばんは、

    武漢コロナウィルスは、季節性インフルと同じ5類扱いで良いと思けど、どうだろうか。
    https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220802b.html

    将来、それが再び猛威を振るうときは、今回の武漢コロナウィルスの医療基準に基づいて判断すれば良いと思う。ワクチンの公費負担については、たとえば後期高齢者”だけ”半額補助にするなど見直しを入れると良いと思うね。

    ちな、医療機関に勤める親類から聞いた話では、ファイザー製ワクチン(mRNA型)の効果は6か月程度とのこと。つまり、現行のインフルワクチンと大同小異ということだね。

    • いつまでも「新型」ではいられませんから、5類相当にするのが適当という点には賛同いたします。
      インフルエンザ並みの扱いというのが妥当というのは、去年から言われていることなんですが。

  2. こんにちは。

    決められない男、岸田。
    国政を牛耳っていると誤解している省庁、財務省と外務省(実際、影響力は多大ですが)。

    「青年将校」にでも、1発突っ込んでもらいたい気持ちでいっぱいです。
    またぞろ防衛費にも難癖付け始めたし……

    • 「青年将校」はちょっと発言が飛躍し過ぎですが、安倍晋三暗殺事件についてしっかり扱えなかったように、似たような事があっても目を瞑ってしまう可能性は高そうです。その事が悔しいですね。
      岸田政権のせいばかりではないのでしょうが、決められない政治というのはウンザリです。

  3. ならワクチンにかかる実費は全て財務省職員の現在の福利厚生・給与から全額徴収して賄いましょう。
    足りないなら彼らの財産から支払わせるのが妥当。

    • まあ、お怒りは分かります。
      しかし、このままの態勢を続けるのは不経済ですし、メリットも薄い。今日辺りも感染者数が増えていますが、首相が強いメッセージを出して欲しいところです。
      岸田くんには無理でしょうが。