愛知県、防衛省に空自機の離着陸料を徴収してしまい、反論に失敗

報道

テド村ぁ。

〈独自〉空自機の離着陸料徴収 名古屋空港 県営化後に140億円

2022/10/8 19:18

航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)の輸送機などが滑走路を使う隣接の「県営名古屋空港」で離着陸料を愛知県に徴収されていることが8日、分かった。徴収額は平成17年から昨年度までで約140億円に上る。専用滑走路ではなく民間航空機と滑走路を共同使用する空自基地は、空自によると全国に7カ所あるが、離着陸料を徴収されているのは名古屋空港だけで、軍用機に離着陸料を科すのは「世界でも例がないのでは」と指摘される。

「産経新聞」より

これはかなりマズイ話なんだけど、誰が解決すべきかと言えば、防衛省のトップか岸田氏が判断すべき話だろう。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク

県営名古屋空港の不都合な事実

空自機の離着陸で料金を徴収する愚

いやー、おかしいよね。軍用機から離着陸料を徴収するなんて。

ただ、この話には前提として、軍用機が国営の空港に降りるという話があり、多くの軍用機は基地にて離着陸を行う。

もちろん、民間機と相乗りのような形で離発着する空港もあるにはあるのだが……。あ、都合が良い記事があったので紹介しておこう。

旅客機と戦闘機などが同じ滑走路「共用空港」のナゼ 茨城空港に見るその経緯や特徴

2018.07.21

地元の要望で開港した茨城空港ですが、実は正式名称ではありません。

国土交通省によりますと、「茨城空港」の正式名称は空港法施行令附則第二条により「百里飛行場」と定められており、「茨城空港」という名称は、「地元自治体が航空関係者や地元経済団体等と協議を行ったうえで、合意形成を図った結果として、これらの関係者が時刻表等を通じて愛称として用いている状況」だということです。これは、鳥取県の共用空港である米子空港も同様で、こちらは航空自衛隊の美保基地との共用であり、正式名称は「美保飛行場」となっています。また米子空港は、「米子鬼太郎空港」という愛称でも呼ばれています。

この「空港」と「飛行場」の違いはどこにあるのかというと、国土交通省は、「飛行場」は「航空機の離陸または着陸の用に供するため設けられる施設」で、「空港」は「公共の用に供する『飛行場』」と説明します。

「乗り物ニュース」より

つまり、軍用機は飛行場を離発着するのが基本で、飛行場から民間機が飛び立つことがあるよというのが正しいのである。

国土交通省によりますと、防衛省が管理する共用空港の場合、空港使用料のうち着陸料は設置管理者である防衛省の収入になりますが、民間航空機の使用料は特別会計法に基づき空港整備勘定として国の歳入になるということです。また、共用空港の民航地区(エプロンなど)の空港使用料のうち停留料や保安料は、国土交通省航空局の収入(空港整備勘定)となります。

では、逆に自衛隊の航空機が民間空港を使用する場合はどうでしょうか。たとえば首相が外遊の際、航空自衛隊が運用する政府専用機を羽田空港で使用しますが、国土交通省の説明によれば、公用のために使用される航空機は空港使用料が免除されるとのことで、この事例の場合は免除の対象になるということになります。

「乗り物ニュース」より

いやあ、勉強になるね!

県営名古屋空港は例外

さて、で、県営名古屋空港の話なのだが……。

img

名古屋にあるかと思いきや、実質、小牧市にある(注:行政区分上、名古屋市、小牧市、西春日井郡豊山町、春日井市の3市1町にまたがっている)。ちなみに正式名称は「名古屋飛行場」(航空法上の呼び名)であり、空港施設の名称は「県営名古屋空港」ということになる。

その県営名古屋空港の話がちょっと騒ぎになって、愛知県の対応が極めてお粗末だったことに呆れを通り越して顎が外れそうである。

まず、軍用機の離着陸に関して金をせびるという構図の意味が分からない。

県名古屋飛行場条例に基づき、空自が昨年度に徴収された離着陸料は8億5千万円。午前7時から午後10時までの空港の運用時間外に離陸すれば時間外離陸料も徴収されている。

「産経新聞”〈独自〉空自機の離着陸料徴収 名古屋空港 県営化後に140億円”」より

特に意味が分からないのは、離着陸料を徴収されるばかりか、時間外の運用の場合には時間外離着陸料も徴収されている点である。

いや、国防を担う自衛隊機の離着陸でお金を取るなという話なんだが、歪な話になっちゃっているようだね。

愛知県知事が噛みつく

で、この記事が出るやいなや、愛知県知事の大村氏が激怒して記者会見を行った。コイツ、辞めさせた方が良いよ。

愛知・大村知事が産経新聞に抗議 県営空港巡る記事「極めて遺憾」

2022/10/11 14:58(最終更新 10/11 14:58)

愛知県の大村秀章知事は11日の記者会見で、航空自衛隊小牧基地(同県小牧市)の輸送機などが、隣接する県営名古屋空港(同県豊山町)の滑走路を使用した場合に県が徴収する着陸料に関し、産経新聞社の記事の事実関係が異なるとして、謝罪と撤回を求めた。「はっきり言ってうその記事。極めて遺憾だ」と述べた。

「毎日新聞」より

おっと、毎日新聞より引用してしまった。これ、何と会員制の記事になっていて中身が読めない。それは別に良いのだが、抗議文自体はネットに公開されている。

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/425386_1907381_misc.pdf

あ、まあ、毎日新聞の批判は時間の無駄だから止めておこう。

で、開示されている文章なので、引用すれば良いのだが、全文引用も芸がないので、項目だけピックアップしていこう。何が問題だというのか。

  1. 中部国際空港開港に伴い、国管理の名古屋空港について、防衛省も県が管理主体になることを合意した。
  2. 空港周辺から防衛庁の管理・管制 に反対の声が挙がった。
  3. 国(運輸省)と県との協議で、滑走路維持費用について負担をする旨の了解を防衛庁(現防衛省)から得た。
  4. 県は着陸帯の購入を決定し、防衛庁が着陸料の支払いを了承で決着。県が国から約235億円で購入した。

と、購入の経緯を説明している。ここで出てくる「着陸帯」とは、離着陸時の安全を確保するために滑走路を中心にその両端及び両横に設けられた空港・飛行場内の地域のことだ。

つまり、わかりにくいのだが空港ビルと、滑走路を含む着陸帯は、愛知県の管理であり、管制業務のうち、飛行場管理業務と着陸誘導管制業務を航空自衛隊小牧管制隊が実施、進入管制業務とターミナルレーダー管制業務については、中部国際空港にある国交省大阪航空局中部空港事務所が広域管制によって実施している。

で、愛知県は使用料について分担金ではなく着陸料の支払いとした経緯について、以下のように主張している。

  1. 航空管制は、航空法などの定めより、共同利用の場合には自衛隊が行う事になっている。
  2. 県営名古屋空港の 2005 年度から 2021 年度までの維持管理経費合計は202 億円。
  3. 自衛隊の着陸料は 140 億円。
  4. 民間の着陸料、財産使用料、駐車場料金等に加えて、県の一般財源を充当している。
  5. 自衛隊の着陸料は、1円も県の財源にはなっていない。

ん?なんか4番目は日本語がおかしいのだが、愛知県の説明はこうなっているな。

で、以上の事実を列挙して、「愛知県を誹謗中傷する記事を書くな」と産経新聞に噛みついたと。

どこが事実誤認なのか

産経新聞は記事の訂正をしなかったので、愛知県知事は更にぶち切れたようだが、どの部分が違ったのかは検証していくべきだろう。

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/426047_1911033_misc.pdf

下らない抗議文を出しているねぇ、愛知県は。

さておき、内容の検証である。

名古屋空港は17年の中部国際空港(常滑市)の開港に伴い、設置管理が国から県に移行した。空港を存続させたいという地元の要望からだった。

~~略~~

国管理から県営に移行する際の経緯を知る防衛省OBによると、政府は自衛隊に管理を移そうとしたが、自衛隊の権限強化につながると反対の声が地元であがった。それを受け、県が管理する案が浮上した。

だが、県が管理しても航空管制と消防機能を担う能力がなく、空自に任された。県は滑走路の維持管理を受け持つことになり、それにより離着陸料の徴収を空自に求めてきた。

防衛省・自衛隊は「航空管制も消防機能も空自に任せながら、離着陸料を徴収するのはおかしい」と強く抵抗したが、県に押し切られた。

「産経新聞”〈独自〉空自機の離着陸料徴収 名古屋空港 県営化後に140億円”」より

えーと、産経新聞の記事の該当部分はこの辺りだろう。これを上の内容の前段に照らしてみると、以下のような感じになる。

  1. 中部国際空港開港に伴い、国管理の名古屋空港について、防衛省も県が管理主体になることを合意した。
  2. 空港周辺から防衛庁の管理・管制 に反対の声が挙がった。
  3. 国(運輸省)と県との協議で、滑走路維持費用について負担をする旨の了解を防衛庁(現防衛省)から得た。
  4. 県は着陸帯の購入を決定し、防衛庁が着陸料の支払いを了承で決着。県が国から約235億円で購入した。

ん、齟齬が無い部分を太字にしてみたのだけれど、事実誤認は無いようだよ?念のために、愛知県側の言い分を引用しておこう。

その後の協議で、愛知県からは、本来自衛隊が着陸料を支払うというのではなく、経費分担すべき。着陸帯の半分位を防衛庁が保有すべきと主張。防衛庁からは、着陸帯の購入はしない。自衛隊機の着陸料を設置管理者の県に支払う。

愛知県側の主張より

なるほど、協議の経緯に違いがあると。確かにニュアンスは違う感じはするけど、これって愛知県側主観の主張だよね。防衛省側は「愛知県が横車を押して、着陸帯の取得をした」と主張し、愛知県側は「防衛省が買わない」と主張したという感じの齟齬になっている。まあ、ぶっちゃけ、水掛け論だよね。

しかし、何れの主張が正しかったにせよ、防衛省から「離着陸料」という形で愛知県に支払いがなされ、一方で、空港官制は自衛隊がやっていると。

  1. 航空管制は、航空法などの定めより、共同利用の場合には自衛隊が行う事になっている。
  2. 県営名古屋空港の 2005 年度から 2021 年度までの維持管理経費合計は202 億円。
  3. 自衛隊の着陸料は 140 億円。
  4. 民間の着陸料、財産使用料、駐車場料金等に加えて、県の一般財源を充当している。
  5. 自衛隊の着陸料は、1円も県の財源にはなっていない。

後段の部分は、愛知県側の主張する部分で産経新聞が触れていない部分は太字にはしていないのだが、航空管制は自衛隊がやっているんだよね。

そうすると、時間外離着陸で割増しを貰うのはおかしいのではないかな。もしかして、愛知県は航空管制の費用を負担しているのだろうか。そんな事実はどちらも主張していないよね。

愛知県に対する誹謗中傷になるのか

さて、事実確認の上で、産経新聞に書かれた内容のうち、愛知県側が文句を付けたところは、「防衛省側が言い出したのだから、県が悪い訳では無い(約意)」という部分だろう。

だが、産経新聞の趣旨は、一番最後の一文にあったように思う。

政府高官は「国防を担う組織に航空管制などを担わせた上、離着陸料を徴収するというのは世界中で聞いたことがない」と疑問視する。

「産経新聞”〈独自〉空自機の離着陸料徴収 名古屋空港 県営化後に140億円”」より

えーと、愛知県側の主張から理解すると、離着陸料を支払うと言ったのは防衛省側だから、愛知県に瑕疵は無いと、そういう事なのだろう。それが誹謗中傷にあたるのか?と言われると、ちょっとわからないな。僕の感覚では、誹謗中傷にはならないと思うのだが。

うーん、結局、この記載ではよく分からないな。ただ、米軍機が飛来することもある事を考えると、今のまま空港が愛知県の管理下にあるということは問題がある状況のように思う。

運用上の問題点

ただ、調べているうちに更に問題のある運用がある事が分かった。

時間内(07時から22時)は、書類にて名古屋空港事務所に離着陸することを事前に届け出、時間外(22時から07時)は、書類以外、電話などで愛知県庁職員に離着陸することを事前に届け出ることになっている。

山下しゅんすけブログより

この方、令和4年の参院選に出馬して落選した方で、令和5年の愛知県知事選に立候補を表明した方のようだ。とはいえ個人のブログなので、情報の正確性については疑ってみるべきだろう。

それを前提に、このブログに記載の内容を読むと、自衛隊は離着陸することについて事前に書類か電話で届け出が必要らしいのだ。自衛隊機の離着陸について、愛知県庁職員に事前に届出が必要なのだとか。

この点については、「愛知県名古屋飛行場に関する協定」(平成17年2月14日)にて明記されていた。

https://www.mlit.go.jp/common/001418761.pdf

この中に、確かに防衛省が愛知県側に毎月使用計画を提出し、着陸帯を使用する旨定められ、更に使用実績についても翌月に県に提出しているようだ。……航空自衛隊の運用実績はダダ漏れだな。そして、この協定を読む限り管理業務に関する費用の支払いは、愛知県側からはなされていないようだね。

更にこの協定には、自衛隊に対して「消火・救難業務」や「航空気象観測業務」「除雪業務」まで押し付けている模様。これは産経新聞にも記載があったとおりである。

この他に調べて見ると、こんな情報が。

県営空港での墜落炎上など重大な航空機事故やトラブルは自衛隊機や米軍機によるものです。軍用依存が強まるなか、空港周辺住民の不安も募っています。

防衛省が県営空港に使用料を支払うのは当然ですが、小牧基地の機能強化と県営空港の戦争利用を許さない県民のきびしい監視と平和運動が求められます。

「日本共産党愛知県委員会」より

市民による監視が行われている!そうな。確かに名古屋飛行場は過去に何度か軍事関連の事故が発生している。だから不安になる気持ちは分かるが、「監視」ねぇ。まあ、運用計画を提出し、かつ使用実績を提出して着陸料を支払っているのだから、監視が行われている程度は大した話ではないのかもしれない。が、そもそも論として、これって軍事機密に触れるような話には、ここは使えないって事が問題になりそうだ。

そう言えば、実験用航空機X-2の写真がやたらとネットに上がっていたが、そりゃ事前に運用計画が提出されていれば丸わかりだよ。

初飛行の画像(航空自衛隊撮影)

現在は本機は各務原辺りに保管されているのだろうか?

大型防災拠点の整備

ところで、愛知県はこんな計画も。

愛知県が大型防災拠点 350億円で名古屋空港隣に整備

2021年11月17日 19:30

愛知県は17日、県営名古屋空港(豊山町)の西隣に19.2ヘクタールの大型防災拠点を整備すると発表した。支援物資の備蓄や配分のほか、災害援助に入る自衛隊の活動拠点の役割を担う。臨時医療施設も置く。総事業費は約350億円を見込み、財源の5割以上を国費でまかないたい考えだ。

南海トラフ地震などの大規模災害の際には中部全体の基幹的な防災拠点となる。愛知県は月内にも地権者に計画を説明し、用地取得を進める。2025年度の完成を目指す。

「日本経済新聞」より

悪い話では無いと思うし、積極的に推進して欲しいのだが、立地からして小牧基地を巧く使いたいという目論見がミエミエでちょっと恥ずかしい。5割以上を国庫から捻出してくれという話になっていて、それも国民の生命と財産を守るという観点からすれば、おかしな話とまでは言えないと思う。

ただ、この計画は、平成15年より方針が決まっていて、その流れで大型防災拠点も、という話になったと思われるんだな。

名古屋空港は、中部国際空港の開港により国管理の空港としては終了しますが、多様化する航空需要に対応し、都心に近いという特徴などを活かして、コミューター航空やビジネス機などの拠点空港として存続させるとともに、広域防災機能を加え、これまでにない新しいタイプの空港として愛知県が管理運営していくこととしています。 新しい名古屋空港のコンセプトや施設内容、需要予測、中部国際空港との関係などにつきましては、学識経験者や経済界、東海3県1市、地元市町によるGA空港基本計画検討委員会を設置して検討を重ね、平成15年3月「名古屋空港新展開基本計画」を策定しましたので、その概要を紹介します。

「名古屋空港新展開基本計画」より

中部国際空港が完成したのが平成17年なので、2年前には構想が固まっていたわけだ。

<防衛庁との協力体制の構築>

名古屋空港の経緯などからも明らかなように、地元には名古屋空港新展開後の防衛庁の基地拡大に対する懸念がある。この点に十分留意しつつ、新展開後の名古屋空港の運営業務に対し防衛庁の費用負担など十分な協力を得ていくことが重要である。

また、消火救難業務、除雪業務などの維持管理の面や広域防災などに対する防衛庁の協力体制を県との協定の締結といったような形をとりながら構築し、地元にとっても空港の利用者にとってもより良い空港の整備を目指していく必要がある。

「名古屋空港新展開基本計画」より

で、このタイミングで防衛省に押し付ける仕事内容もほぼ決まっていた、と。

そもそも、小牧飛行場 → 名古屋空港 → 名古屋飛行場(県営名古屋空港)と変遷したが、元々は大日本帝国陸軍が建設した飛行場だった。その後、航空自衛隊第3航空団が移駐し、飛行場拡張工事を経て国交省の管理下に移った。

かつては国際線が乗り入れる飛行場だったが、その機能は中部国際空港に移管され、今では国内線の発着が大半である。それでも、飛行場を愛知県が欲しがったということが「名古屋空港新展開基本計画」からは読み取ることができるので、「防衛庁が買取拒否をした」というのは不自然なんだよね。そもそも管轄は国土交通省だったはずなので、交渉もそちらで行われるべきだ。

決着は

とまあ、色々書いたわけだけれども、経緯の不明なところはいくつかあるとは言え、防衛庁の時代に国有財産のままとせず、県に払い下げた格好になったのが今の名古屋飛行場の現状である。

では、離着陸帳の徴収に関してだが、これはやはり国が買い取る形で決着をつけるべき事案だと思う。

愛知県としては中部国際空港があるのだから、空港の確保ということに関しては問題がないし、中部国際空港は滑走路を2本に拡充する計画が進んでいて、受け入れられる航空機も増やすことができる。防災拠点に関しては、別に整備すれば良い話で県営空港が無くとも問題にはならない。

ではなぜこんな風になってしまったか?といえば、名古屋空港新展開基本計画にも出てくるのだが反対派の存在がネックなのだろう。

航空保安の考え方
安定運航の確保、就航率の向上を図るために、空港周辺空域では計器飛行方式及び飛行場管制が不可欠です。
航空管制は、航空法により国土交通省またはその委任を受けた防衛庁が行う場合に限られています。飛行場管制は、国土交通省が中部国際空港において行う広域の進入管制を受けて行うものであり、空港を中心とした狭い範囲での離着陸に限られているため、防衛庁が行う場合においても基地拡大につながることは考えられませんが、地元市町に基地拡大の不安があるので、あくまで民間空港としての性格を確保しながら、防衛庁が実施する方向で調整を進めていきます。

「名古屋空港新展開基本計画」より

結局、愛知県が今も衰えたとは言え野党勢力の強い地域で、県営にするにあたってかなり反対派の影響があったと考えられる。途中に引用した日本共産党愛知県委員会の活動はかなり活発だったようだしね。

だから、どっちの言い分が正しかろうが、正直どうでもいい。加えて、産経新聞は特に間違ったことを書いていないので、謝罪する必要性もない。あくまで、防衛省側の視点で取材した結果だからね。必要であれば、愛知県側の主張にも紙面を割くくらいでいいだろう。

一方で、現状を続けることは良くない。必要であれば別の場所に飛行場を作ってでも、今のような、愛知県に小牧基地の運用実態がダダ漏れの体制を続けることは、日本の国防上望ましいことではないからだ。

現状だって、名古屋飛行場(県営名古屋空港)の収益22億円のうち自衛隊機の離着陸料14億と、かなりの割合を占めている。加えて、航空管制を愛知県に移譲というのは現実的ではないのだから、自衛隊が手を引けば空港を廃止にせざるを得ない。それでも愛知県側が突っ張るのであれば、小牧基地ごと移転ということも視野にいれるべきだろう。

コメント

  1. パヨクに国際常識も軍事的常識もない事が永久に露呈し続けている一角ですね。
    こんなカスみたいな県に自衛隊の予算が使われていることが不愉快です。

    • 愛知県の事例はちょっと特種なので、一概に愛知県だけに問題があるとも言えません。
      結局のところ、当時の防衛庁と愛知県との間で、約束が結ばれた以上は有効な契約でしょうから、それを履行していること自体に問題があるとは言えないのです。
      ただ、本質的に基地は国有財産で、軍用機の離発着に対して金銭が発生すると言うのは構造的におかしい。県有財産にしてしまった事が問題なので、そこを解消しなければならないでしょう。
      不愉快に思われる気持ちはわかりますが。

  2. いっその事、小牧基地の航空機能を岐阜基地に統合してもいいかと思います。(若干手狭ではありますが)
    ILSの不備等問題はあるかもしれませんが、空港使用料を払い続けるならその分で整備するのもアリでしょう。(足りないとは思いますが、防衛費も増額されることですし)

    もちろん今の御時世、用地を手放すといずれ必要となったときの再取得は難しいので、航空機能以外の施設は残しておけば良いかと思います。
    その場合、新たに用地賃借費用を払えと要求されることも考えられますが、その場合は本当に小牧基地を廃止して岐阜基地統合でもいいかもしれません。(今でも払っているのでしょうか?)

    • 小牧基地の航空機能を岐阜基地に統合ですか。
      アイデアとしてはありだと思いますが、小牧基地が機能するためには三菱重工の影響も大きく、そう簡単に動かせる話でもないことが問題ですね。

  3. 木霊さん みなさん おはようございます。

    お金の流れについては、、、大前提として離着陸に伴う維持管理を含めた経費は必ず発生します。そこで飛行場が全部自衛隊のものだと経費は内部の移動となり、この名古屋空港のように滑走路を含む着陸帯が愛知県のものなら経費は自衛隊から愛知県に流れる。と言う仕組み自体はアタリマエで問題があるようには見えません。

    問題は、木霊さんご指摘の「自衛隊機の離着陸の情報」がダダモレ」と言うことでしょう。

    「自衛隊機の離着陸の情報」は本来「特定秘密」にあたることと思いますが、キチンと指定していないのでしょうね。
     (参考 https://ja.wikipedia.org/wiki/特定秘密の保護に関する法律)
    解決策はキチンと特定機密として指定し運用方法を整備すること。これが一番カンタンでかつ、正しい方法と考えます

    >小牧基地ごと移転
    >小牧基地を廃止して岐阜基地に統合

    個人的には悪手と思えますね。
    ・移転は、ただでさえ少い日本の防衛拠点を減らすことになりますし。
     (売国パヨクに屈したことにもなります)
    ・次に共用飛行場方式は、一部とは言え自衛隊の業務を、比較的信用のおける「県」という公共機関に下請けに出し、自衛隊の人手不足の対策する可能性があり、これをつぶすのは惜しい。

    • 契約がある以上は、お金の流れが発生するのは当然だと思います。
      ただ、離発着ごとに料金が発生し、割増料金を払うというシステムがおかしい。支払うなら一部の費用負担という形で、固定費を払う形が妥当ではないでしょうか。
      そして、この話の大きな問題点は、離発着に関して事前に報告する必要があることと、恐らく、書類の不備などがあったなどとして、県側が自衛隊の航空機利用を差し止める機能を持っている可能性があることです。恐らくそうはならないのでしょうし、これまでそうした事案はなかったのでしょうが、書類提出して許可を求めると言う事はそう言うことだと思います。
      そして、ご指摘の様に、運用実態がダダ漏れというのが問題ですねぇ。この基地における軍事機密に関する運用は事実上出来ませんし、県に対して情報開示請求が出されれば、詳細な資料が出てきてしまう状況となります。

      解決方法は、他の強要飛行場方式と同様に離発着帯の買い上げというのが現実的な案ではないでしょうか。
      次善の策として、基地機能移転ですが、正直、工期がかかる上に、三菱重工の工場機能の移転などかなり大掛かりなことになりますから、余り現実的な話では無いのですよね。