イギリスのトラス首相が電撃辞任

欧州ニュース

早かったな。

英 トラス首相 与党党首辞任を表明 経済政策めぐり求心力低下

2022年10月20日 21時58分

イギリスのトラス首相は与党・保守党の党首を辞任する考えを明らかにしました。

先月就任したばかりのトラス首相は大型減税によって経済成長を促す政策を掲げてきましたが、財政悪化への懸念から市場の混乱を招いたと指摘されて政策を相次いで撤回する事態になり、保守党内からも辞任を求める声が強まりました。

「NHKニュース」より

ここのところ色々と不味い判断が続いていただけに、仕方がない側面もあると思うけれども、それにしたって早くないかい?

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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経済政策の失敗か、政治的な動きか

エリザベス2世女王の最後の仕事

亡くなってしまった、イギリスの象徴だったエリザベス2世女王が、トラス氏を首相に任命したのが9月のことだった。

トラス氏、イギリスの新首相に就任 女王が任命

2022年9月6日

イギリスの与党・保守党の新党首になったリズ・トラス氏は6日午後、スコットランドに滞在中のエリザベス女王を訪れ、新首相に任命された。女王から組閣の要請を受け、新政権を発足させる。エリザベス女王が任命する首相は、これで14人目。

「BBC」より

高齢だったエリザベス女王がバルモラル城で任命式を行い、前任のボリス・ジョンソン氏と交代する運びになったのだが、その後、女王は亡くなり、ほとんど何も手を付けぬままの辞任か。

route

ロンドンから820km離れたバルモラルまで1日で往復したのが、仕事らしい仕事だったと思うのだが、他になにか功績があったっけ?

前日には内務大臣が辞任

7日に組閣をしたリズ・トラス氏。早々に組閣をしたのだが、減税と光熱費支援をすることを公約として掲げ、それを実現するための内閣を作り上げたはずだった。

イギリスは「嵐を乗り切ることができる」 トラス新首相、初演説

2022年9月7日

イギリスのリズ・トラス新首相は6日、官邸前で就任後初の演説をし、自分の優先課題は経済とエネルギー、医療サービスだと述べた。エリザベス女王に任命されイギリスの第56代首相となったトラス氏は、イギリスは物価高騰に苦しみながらも「嵐を乗り切ることができる」と強調した。新内閣の閣僚もこの日、次々と決めた。

~~略~~

女王から組閣を要請されたトラス氏は、ロンドンに戻ると、閣僚の任命を開始した。

政権の主要閣僚では、財務相にクワジ・クワーテング・ビジネス相、保健相と副首相に盟友のテレーズ・コフィー労働・年金相、外相にジェイムズ・クレヴァリー教育相、内務相に党首選に立候補していたスエラ・ブラヴァマン法務長官、文化相にミシェル・ドネラン教育相が、それぞれ決まった。

国防相は、ベン・ウォラス氏が留任する。

「BBC」より

内務大臣に選んだスエラ・ブラヴァマン氏は法務長官を務めており、党首選にも立候補していた人物である。

英トラス政権、内相辞任で屋台骨揺らぐ 政権支持率7%で崖っぷち

2022年10月20日 19時06分

英国のブラバーマン内相が19日、辞任すると発表した。トラス政権からは先週、市場を混乱させた責任を負う形で財務相が去ったばかり。重要閣僚の辞任が相次いでおり、トラス首相への辞任を求める世論も強まっている。政権支持率はついに1桁台になった。

「朝日新聞」より

しかし、政権運営を巡って対立したせいか、あっさり辞任。その前には財務相を更迭しているので、トラス氏を支える閣僚が次々と辞めた格好になる。

減税政策に失敗

トラス氏の最大の失策は、大型減税策だ。

トラス英首相、「失態」で窮地に 批判増大、身内からも辞任要求

2022年10月18日07時11分

英史上3人目の女性首相として9月に就任したばかりのトラス氏が、減税計画に絡んだ失態で窮地に陥っている。首相は混乱を招いた計画を事実上撤回し、財務相を更迭。自らは続投の意向を示す。しかし、批判は収まるどころかますます増大し、野党のみならず与党保守党内からも公然と辞任を求める声が出始めた。

トラス政権を巡っては、9月下旬にクワーテング財務相(当時)が発表した大型減税策が市場の混乱を引き起こし、今月14日に事実上の撤回を余儀なくされた。首相は財務相を更迭することで「一件落着」を図ったが、自身の責任を棚上げするような手法に非難が集中。一連の決定を国民に説明するはずの14日の記者会見もわずか8分で切り上げ、「これだけか」とメディアでたたかれる始末だった。

「時事通信」より

前の記事でも書いたのだが、減税政策そのものが悪かったわけではないのだ。

ただ、イギリス中央銀行(イングランド銀行)が利上げの真っ最中で、金融引締を図っている時に、「すぐにやるぜ!」とばかりに減税政策を打ち出したのはいただけなかった。

少なくとも、事前にイングランド銀行との協議をしたうえで、FRBの動向を踏まえたタイミングで打ち出すべきだった。

実のところ、アメリカの景気は既に後退入りの雰囲気を醸し出してきている。

米国経済、2022年後半には景気後退入りとの見方強まる

2022年7月25日

新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年の米国経済の実質GDP成長率は前年比マイナス3.4%の成長となったが、2021年は5.7%と急回復した。世界経済全体も2021年は6.1%の高成長を見せた。一方で、経済回復とともに世界的に物価高が徐々に台頭し、2022年に入ってからは、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーや食料価格の高騰がさらなる物価高に拍車をかけている。特に米国では40年ぶりの物価高となるほか、それから派生する金融引き締めや、消費・生産の抑制などが目立ち始めており、景気後退が懸念されている。本稿では、米国経済の現況・展望を概観する。なお、使用数値については、7月6日執筆時点の公表値に基づく。

「JETRO」より

これは7月の記事だが、FRBは10月になっても相変わらず利上げを続けていて、米ドル独歩高という状況が続いている。

しかし、9月に入ってから原油価格が下落を始め、そろそろブレーキが掛かり始めたアメリカ経済。おそらく、11月の中間選挙の結果をうけて大きくアメリカ経済が揺らぐと予想されるため、大型の減税政策はそこまで待つべきだったのだ。

流石に、所得税減税案はすぐに引っ込めたのだが、これもタイミングはよろしくなかった。前回は「撤回は当然」とは書いたが、よくよく考えてみれば撤回ではなく延期すればよかったのである。後の祭りだが。

来週中には後任を

で、急いで次の候補を探す話になっているわけだが……。

トラス英首相、辞任へ 来週中に後任選ぶ党首選

2022年10月20日

トラス英首相は20日、辞任を表明した。

大型減税などの経済政策が市場に動揺を与え、保守党内からも反発の声が上がり、就任からわずか6週間での辞任となった。

来週中に後任を選ぶ党首選が行われる予定。トラス氏は英国史上最も在任期間の短い首相となった。

「ロイター」より

急いで探すにしても、準備が出来ている候補はいないだろうね。

あ、一人いるよ。

英次期首相候補にジョンソン氏の名も トラス氏批判鳴りやまず

2022年10月19日 13:51

経済政策をめぐるリズ・トラス(Liz Truss)英首相への批判が鳴りやまない。トラス氏は2年以内に行われる予定の次期総選挙に向け与党・保守党を率いると誓ったものの、就任後6週間で惨状を呈したことから、短命政権に終わるとみられている。

~~略~~

ジョンソン前首相(58)は9月上旬、財務相だったスナク氏ら閣僚の相次ぐ離反を受けて辞任した。

ジョンソン氏自身が復活をほのめかしており、返り咲きを狙うのではないかとの臆測が広がっている。ただ、あまりに早すぎる再登板は現実的ではないとの見方が大勢だ。

「AFP」より

有力候補としては、前財務大臣のスナク氏がいて、トラス氏と首相の座を争った人物のうえ、財務大臣経験もあって経済に明るいという部分は強みだ。

ただ、ジョンソン氏が首相を辞めるきっかけを作ったのがスナク氏であり、身内の海外所得免除の話や、裕福な国会議員として有名なこともあって、果たしてこの段階での登板がイギリス国民に受け入れられるかは不透明だ。

一方、ジョンソン氏の再登板の可能性はあるだろうが、早いタイミングでの再登板には懸念の声もある。が、経験者であることを考えると、短期間で準備可能な人物であるとは言える。

日本としても、今後の関係を考えるとイギリスの首相が誰になるかは結構重要である。注目していきたいところだ。

コメント

  1. おはようございます、

    多くの”反”左巻きの識者たちが、対中大同盟を夢見て、『日英同盟再び!』と連呼していますが、グレート・ブリテンはすでに水平線の彼方に没した国です。QEII陛下の崩御で、あの国は静かに終わりを迎えたと感じていました。
    今回の100年に1度の経済大不況が、かの国にとどめを刺した、というべきでしょうか。
    日本はこれからだけを考えて、現実に向き合わないといけませんね。

    P.S. 米国は、習氏の再任に反応して、来年にも台湾侵攻があると判断しているようです。
    ブリンケン国務長官も、数日前には同じことを表明していました。
    https://twitter.com/michaelgwaltz/status/1582893614312882179

    • 日英同盟が再び成るかは分かりません。
      が、クワッドの事を考えても、AUKUSの事を考えても、イギリスは日本と関わりを深めるべき国であることは間違いありません。
      力を落としたとは言え、イギリスは未だ影響力の強い国ですから。
      そして、イギリスの歴史を見るに、この程度の危機は何度も訪れ、そして乗り切ってきています。懸念材料は、イギリスからスコットランドが離脱するような事態になり、その実態を保てなくなるリスクが高まっていることですが、良くも悪くも老獪な国ですから何とか乗り切るのでは?と期待はしています。僕は「トドメを刺した」ところまでは希望を捨ててはいませんよ。その手前である事は事実なんですが。

    • けんさん みなさん こんばんは

      >グレート・ブリテンはすでに水平線の彼方に没した国です。

      そうでしょうか?
      少なくともいくつかの重要最先端技術においては(現在日本が足元にも及ばない)トップランナーと思いますが

      例1.最先端AI.
      囲碁世界チャンピオンを負かしたAlphaGoで一躍有名となった DeepMind Technologies社は元々イギリスの企業(しかも現世代AIの基礎理論はここから)。 現在はgoogle(Alphabet)翼下ではありますがgoogleは金とサーバーを出してるだけで、技術・人材はイギリスです。

      例2.最先端CPU
      x86に挑んだRISCーCPU群のほぼ唯一の生残りARMはイギリス企業、色々な分野で現在x86を上回りつつある。資本はソフトバンクとかNVIDIAとか、、、ですが、結局 技術・人材はイギリスです。

       他、詳細省きますがラズパイ財団(裾野超低価格&学習)、Sophosセキュリティー等、IT分野は日本はイギリスにはかないません。

      例3.ロールス・ロイス・ホールディングス・ジェットエンジン
        日本のIHIのエンジン技術だって、、、と言いたいところですが、コンバットプルーブ含めた「実績」では全くかなわない。(IHIはロケットエンジンでは世界トップランナーと言えますが)

      経営権が日・米に移っていて既にイギリスのものではないとしても、底力の元である「人材」はイギリスのもの、、これらをも認めずシビアな査定をするなら、
      (個人的思いとして)IT最先端技術で水面に浮いてるのは西側では「台湾」だけ(インテルは半々の確率で没する)東側では支那・深センだけ、となります。

       すなわちグレートブリテンは、まあ、ITに関しては製造技術と資本では沈んでいますので、そこは日本が連携すれば、補っていくことが可能で、同じく没しつつある日本とイギリスで足りない部分を補いあう協業は非常に意義のある分野と思います

  2. こんにちは。

    一つだけはっきりしている事は、後の歴史家に、
    「2000年代初頭は激動の、そして国際連合の危機と解体、世界秩序の崩壊が起こった時代だった」
    と言われるだろう、と言う事かと。

    その歴史教科書を見るまでは生きていたいなと思うのです。見て笑って「このジジイはその時代を見てきたぞ」って言いたい。

    • 激動の欧州ですよね。
      これからどうなってしまうのやら。
      少なくともEUはもはや「失敗」という状況になっていますから、これから色々と変わっていくのでしょうね。激動の時代ですか、どう変わっていくのやら。

      • コメント返し失礼します。

        激動が、欧州だけで収まってくれれば良いんですけどねぇ……(大陸の方を見ながら)

        ※あっちはリベラルがどうたらこうたら、経済があーだこーだ、ですが、こっちは「遅れて来た帝国主義」国家が、奪われたと称する領土の取り返しに来てますから。
        ※あ、ルースキーミールの端っこもか。

      • 欧州発の激震は、日本にも波及することはほぼ確実ですよ。
        如何にダメージを減殺するかがポイントかと思っています。
        何しろ、焦げ付きそうな債権をたーくさん持っている国がありますからね、お隣に。

  3. 直近の首相経験者だとメイ氏もキャメロン氏も若いし、キャメロン元首相なんかは経済政策には見るべきところもあったと思うんですけど、すでに政界引退しているんですよね。
    メイ元首相はいまだに現職の議員ではありますが、経済的にはあまり見るべき政策がなかった印象。外国、特に中国からの投資を積極的に呼び込んでいたのが、この時期にはあまり評価されにくいですね。

    • デーヴィット・キャメロン氏ですか。
      詳しくは存じ上げないのですが、ずーっと緊縮財政を推進してきた人物で、それがイギリスにとって正解だったかどうかはちょっと分かりません。
      僕自身は、ブレグジットに繋がる国民選挙をやってしまったことが、全ての失敗に繋がったことだと評価しています。EUから離脱する選択肢は、当然あって然るべきだったと思っていますが、準備が足りなかったと、その様に感じています。

  4. イギリス経済や製造業についてはミリしらなのでなんとも言えませんが、日本みたいに-20兆円規模の需要マイナスのような状態じゃないんだったら、まずは中共武漢肺炎で盛大に自爆して世界への安価な製品供給が止まった支那の代わりにある程度の国内製造業支援と代替生産地への切り替えをすればいいんじゃないかな。
    減税案自体は別に問題ないと思う。
    イギリスの対中包囲網入りについては別に入る分には問題ないけど、支那を殺す為の利害関係者としての最有力はアメリカなんだからアメリカと日本が主軸となって動くのが当然では?
    イギリスにとっても香港という資金洗浄のシステム本体を破壊された事でブチギレしているだろうし多少の手間で報復できるならニコニコ手を貸してくれるでしょうけど。

    • 国内に生産拠点が移転することは望ましいとは思います。
      ただ、それで本当に労働力がしっかり確保出来るのかは怪しいと思っていて、そのために移民受け入れという判断をするなら、ちょっと違うのでは無いかと思います。
      人はいても労働力が足りないのが日本の現状のようですから。

      アメリカとの連携ですが、当然そうあるべきだとは思っています。ただ、未だに同盟国が1つだけという現状は宜しく無いと思います。
      良くも悪くも集団安全保障を期待する為には、同盟できる可能性のある国を増やすことには意味があると思っています。