日本政府、来年度の防衛予算でふざけた事を言う

政策

これが本当なら、もうダメだこの政府。いや、財務省の息がかかっているということだろうか。

防衛費、5年間で総額43~45兆円に 政府検討 22年度は5.4兆円

毎日新聞 2022/10/7 21:26(最終更新 10/8 05:58)

政府は増額を検討している防衛費について、2023年度から5年間の総額を43兆~45兆円程度とする検討に入った。岸田文雄首相が掲げる防衛費の「相当な増額」を実現するため、22年度当初予算の防衛費5兆3687億円と比べ、各年度の防衛費を大幅に引き上げる考え。

「毎日新聞」より

日本の防衛力を高めるために防衛費をあげよう。そういう話だったはずだ。違ったのかな?

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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見せかけだけ膨らませる

海上保安庁の予算を防衛費から?

ところが毎日新聞にはこんな事が書かれていた。

厳しい財政状況を踏まえ、海上保安庁の予算や研究開発費など防衛省以外の省庁の予算も「防衛費」として計上し、防衛費の増額と国民の負担抑制を両立させることも選択肢とする。

「毎日新聞”防衛費、5年間で総額43~45兆円に 政府検討 22年度は5.4兆円”」より

は?

は?

何言っちゃってるんだ?「海上保安庁の予算や研究開発費など防衛省以外の省庁の予算も「防衛費」として計上」だと?脳味噌腐っているんじゃないのかな。

そんなことだったら、防衛費は実質増額無しと同じではないか!

そもそも「厳しい財政状況」って一体何だよ!!

……。

……あー、毎日新聞の記事を読んで腹を立てても仕方がないね。まあ、ちょっと冷静になって考えてみたい。

防衛費の相当な増額

そもそも、岸田氏は「防衛費の相当な増額」を約束していたはずだ。

「防衛費の相当な増額」首相が表明 バイデン氏から「強い支持」

2022年5月23日 15時03分

岸田文雄首相は、共同記者会見で、「地域の安全保障環境が一層厳しさをますなか、バイデン大統領とは日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化する必要があることを再確認した」と述べた。その上で「私から日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した」ことを明らかにした。

これに対して、バイデン米大統領から「強い支持」を得たと説明した。さらに首相は、「日米で安全保障、防衛協力を拡大、深化させることで一致した。バイデン大統領からは日本の防衛へのコミットメントが改めて表明された」と言及。「今後も、拡大抑止が揺るぎないものであり続けることを確保するため、閣僚レベルも含め、日米の間でいっそう緊密な意思疎通を行っていくことで一致した」と語った。

「朝日新聞」より

「防衛力を抜本的に強化」って、見せかけの予算を増やせば実現できるのか?バイデン氏からの強い支持には、「日米で安全保障、防衛協力を拡大、深化させる」という部分があったはずだ。

5月の時点では、おそらく岸田氏は防衛費の拡大をやっていくつもりだったと思う。何しろ、欧州の方では、ガンガン予算を積み上げていたからね。

なのに、時間が経ったら「予算を膨らませば良いか」という方向になったのだとしたら、意味がよくわからない。

毎日新聞は、財務省の影響でこんなアホなことを書いているのだろうが、これが岸田氏の判断かどうかは見極めたいところだ。まあ、「人の話を聞く」を売りにしているので、時間が経つとガラリと意見が変わるかもしれないんだけど。

海上保安庁の予算を防衛予算から?

そもそも、毎日新聞の記事の「海上保安庁の予算」って、国土交通省管轄で配分されるはずで、防衛省の予算から出す意味が良くわからない。これが、海上保安庁を防衛省管轄にするという話であれば未だわかるのだが。

なお、海上保安庁には会場における犯人の捜査及び逮捕をする権力が設定されており、一方で軍隊組織として解釈してはならない旨が規定されている。

第二十五条 この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。

「海上保安庁法」より

ただ、自衛隊法には海上保安庁の統制に関する規定があって、内閣総理大臣の命令によって、海上保安庁が防衛大臣の統制下に入れることが出来る旨の規定がある。

(海上保安庁の統制)

第八十条 内閣総理大臣は、第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)又は第七十八条第一項の規定による自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができる。

 内閣総理大臣は、前項の規定により海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れた場合には、政令で定めるところにより、防衛大臣にこれを指揮させるものとする。

 内閣総理大臣は、第一項の規定による統制につき、その必要がなくなつたと認める場合には、すみやかに、これを解除しなければならない。

「自衛隊法」より

法律的な整合性がとれていない気がするのだが、矛盾しないように解釈しなければならないので、防衛大臣の指揮下にあっても軍隊の機能を発揮できないという風に理解すべきなのだろう。

ただ……、スムーズな連携を考える上で、やはり現行の体制が正しいとは思えない。

海上保安庁に沿岸警備隊的な機能を持たせる必要があることを考えれば、海上保安庁を防衛省の管轄に組み入れる事が好ましい。そういう意味では、完全に荒唐無稽な話だとも言えないのだが……、どう考えても法改正の方が先である。

あ、話が脱線してしまったけれど、予算だけ防衛費に入れるというのは現時点で間違っていることには変わりないのだ。

研究開発費、とは?

研究開発費に関してだが、防衛装備品の開発ということであれば別におかしくはない。

防衛装備品の研究開発費 “1兆円程度に引き上げを” 自民議連

2022年6月16日 14時19分

防衛装備品の年間の研究開発費について自民党の議員連盟は、5年以内に今の3倍余りとなる1兆円程度に引き上げるよう岸田総理大臣に提言しました。

自民党の国防議員連盟のメンバーは16日、総理大臣官邸を訪れ、防衛装備品の抜本的な強化に向けた提言を岸田総理大臣に手渡しました。

「NHKニュース」より

実際に、自民党の議連からも「研究費を増やせ」と突き上げを食らっている。が、そもそも防衛装備品の研究開発費は防衛費の予算に組み込まれている。つまり、このニュースの文脈で「研究開発費」とあるのは、別の予算をここに突っ込むことを意味していると理解すべきだろう。

……バカバカしい。防衛省以外の省庁の予算と書いてあるので、悩むまでもなく無関係な研究開発費を突っ込むんだ。

防衛費増額に「はずみ」?

更に酷いことが書いてある。

ただ、防衛費を単純に大幅増額した場合、増税や国債発行などで多額の財源を確保する必要が生じる。このため政府内では、海上保安庁の予算や旧軍人らに支払う恩給なども防衛費に計上することで「防衛費の増額」に弾みをつけることも検討している。

「毎日新聞”防衛費、5年間で総額43~45兆円に 政府検討 22年度は5.4兆円”」より

意味が分からない。

これに関しては、突っ込む気力すら起きない。

岸田氏の所信表明演説

結局、当の岸田氏がはっきりと方針を示さないからこういう意味不明なことになるのである。

外交・安全保障では、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、対ロ制裁やウクライナ支援を引き続き強力に進めていく考えを示しました。また日本周辺の安全保障環境が急速に厳しさを増す中、防衛力を5年以内に抜本的に強化するとして、具体的な防衛力の内容と予算規模の把握、財源の確保を一体的に検討し、予算編成過程で結論を出す方針を重ねて示しました。

「NHKニュース」より

これは、今国会の所信表明演説の防衛関連の部分の引用なのだけれど、相変わらず「検討します」って、ため息しか出ないな。

5年で5兆円分増やすのであれば、23年度予算は6兆円規模でなければおかしい。いや、予算ありきであるべきではないことは分かってはいるのだが、しかし防衛予算の組み立て方から考えれば、予算のフレームがあってその中で切り分けていく感じになるので、どうしたって枠を増やす必要がある。

「抜本的な強化」が、掛け声だけにならないことを祈りたいが、岸田氏の実績を考えると期待薄である。

本当に予算は足らないのか?

日本の歳費を考えると、予算の増額は難しいという意見があるのは理解できる。

これは日本の2022年度予算なのだが、社会保障費が膨らんでいるのと、国債費が増えているのが主な原因だと分析されている。

公共事業・教育、防衛など、国家を成長させる絵で不可欠な分野がほとんど伸びていないことが実は深刻な問題なのだが、その辺りを語る人は多くない。国債費と社会保障費だけ膨らませても、国は富まないのだ。

一般的に削ることが難しいと言われている社会保障費だが、しっかり制度設計し直せば多少減額することは可能だ。実際に安倍政権はある程度減額している。

社会保障費4.3兆円削減

2018年12月25日(火)

2019年度政府予算案に基づくと、安倍晋三政権が13年度以降の7年間で削減する社会保障費は、額が判明するものだけで4兆2720億円に達することが本紙の試算でわかりました(表)。18年度までの6年間の社会保障費削減額は少なくとも3兆8850億円でした。19年度は3870億円を削減しようとしています。

額が大きいのはマクロ経済スライドの発動による年金支給額の削減です。19年度には約2500億円(0・5%)の年金支給額を実質的に削減することを狙います。安倍政権の7年間で年金削減額は2兆円に達します。

「しんぶん赤旗」より

共産党はマクロ経済スライドの発動を批判しているが、実にバカバカしい意見だな。継続的な予算の見直しで減らすべきところは減らしている。それの何が悪いのか。

そしてもう1つがこちら。

外為特会保有の外貨資産、経済対策の財源に使うのは適当でない=岸田首相

2022年10月6日4:46

岸田文雄首相は6日午後、為替介入の原資である外国為替特別会計で保有する外貨資産について、経済対策の財源に使うのは適当ではないとの見解を示した。衆院代表質問で国民民主党の玉木雄一郎代表の質問に答えた。

玉木代表は円安メリットを生かすのなら、外為特会の円建ての含み益を経済対策の財源に充ててはどうかと提案した。

これに対し、岸田首相は外為特会が保有する外貨資産は「外為相場の安定を目的として将来の為替介入などに備えて保有しているもので、財源確保のために外貨を円貨に替えるのは実質的にドル売り・円買いの為替介入そのものとなる」と説明。その上で、主要7カ国(G7)などの国際的な合意で「為替介入は過度な変動や無秩序な動きへの対応のために行われるとされており、この面から適当ではない」と語った。

「ロイター」より

岸田氏が国民民主の玉木氏に質問された答弁がロイターに掲載されているが、なかなか不思議な構図である。何故ならば、質問者の玉木氏は財務省主計局出身で、まさにこの外為特会の会計に携わっていた人物である。そのからくりを知らないわけがない。

(円安メリットを生かした財源捻出)

緊急経済対策の財源についても提案があります。政府は為替相場への介入の原資として、外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会に約1.3兆ドル、日本円にして約180兆円の資産を保有しており、そのほとんどがドル建ての米国債です。総理、いま記録的な円安なので、相当の含み益が出ているはずです。機械的に計算しても約37兆円あります。総理、外為特会の円建て含み益は本年1月に比べていくらですか。円安で損をしている個人や事業者がいる一方で、国の特別会計は円安でウハウハです。総理、円安メリットを活かすなら、緊急経済対策の財源として、外為特会の円建ての含み益を充ててはどうですか。

「国民民主党のサイト」より

玉木氏は、その中身を十分に理解した上で、この質問をしたのだから岸田氏に勝ち目はないだろう。

そもそも、変動相場制を採用している日本が、市場介入のために巨額の外貨準備を積み上げているのは健全な姿勢ではない。市場介入は基本的にNGで急激な相場の変化にブレーキをかけるようなケースで使うくらいの額があれば問題ないとされている。予算的には今の半額でも問題ないのだ。

そして、「使っちゃ不味いんじゃないの」という話も不自然だ。何しろ、過去に何度も使っているし、介入になるほどの額を一気に使うと問題になるけれども、計画的に取り崩すことはNGではない。

この際、防衛費のために半分くらい使ってみてはいかがですかね?デュアルユースの防衛装備品開発にお金をつぎ込むのであれば、経済にも良い影響が出るし、防衛装備品の輸出まで視野に入れて資金を投入したら、将来的にもプラスだろう。

とまあ、色々なことを書いたが、冒頭の毎日新聞の記事が本当だとしたら、岸田政権はいよいよヤバい。息子を秘書官にしている場合ではないよ。

コメント

  1. 私は岸田が玉木の質問に対して結局緊縮財政して財務省の言いなりで日本を滅ぼす気だと判断して自民支持をやめましたよ。
    こんな糞みたいな答弁する奴許してはいけない。
    そもそも緊縮財政で経済成長を破壊しつづけた財務省のせいで軍事バランスが崩れてアカが膨張して日本に危害を加えられる状況を作ったんだから外観誘致罪で良いだろこれ。

    • 実にヒドイ答弁でした。
      財務省からのレクチャーがあったのでしょうけれど、どう考えても作文読んでいる途中で機が付きそうなものです。
      ソレに気がつけないのが岸田氏の限界なのかも知れません。

  2. こんにちは。

    どうしてこの体たらくで、岸田降ろしが起こらないのでしょうねぇ……

    ※安倍さんを失ったのは、そう言う意味でも大きすぎる。

    • 心の底から辞めていただきたい。
      でも、次の総理という事になると難しいのですよね。
      高市氏は経験が不足していますし、菅義偉氏の再登板というには相棒がいないという意味で厳しい。首相が高市氏でサポートに菅義偉氏が登板という形もありかもしれませんが、現実はなかなか難しい。距離感を含めて検討しなければなりませんから。