順調に外貨を溶かす韓国

大韓民国

坑道のカナリアのような位置づけで韓国経済を見ているのだけれど、ヤバいな。

ウォン急落…韓国通貨当局、4-6月に過去最高の154億ドル売り越し

記事入力 : 2022/10/03 11:21

ウォン相場の急落を受け、韓国通貨当局が今年第2四半期(4-6月)に外国為替市場で為替防衛のために過去最高の154億900万ドルを売り越したことが分かった。

「朝鮮日報」より

通過防衛というのがどこまで重要視されるものなのかは、国によると思う。が、韓国の場合はジタバタしても仕方がないと思うんだよね。

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予想以上に悪化

外貨準備高

さて、韓国経済ネタなので、簡単に説明していこう。できるだけサクッと終わらせたい。

先月末には「ヤバイヨヤバイヨ」という記事を書いた。が、更に悪化しているよ。

韓国経済を維持するために、ある程度保険がかけてある。多くの国が韓国と同じように「外貨準備」と呼ばれる資産を用意しているのだ。この外貨準備は、通貨当局が為替介入に使用する資金であるほか、通貨危機などにより他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合などに使われる準備資産である。

まあ、要はいざという時の貯金なんだね。

8月末の外貨準備高は4,364億ドル、前月比で減少

2022年09月07日

韓国銀行(中央銀行)は9月5日、8月末時点での外貨準備高が4,364億3,000万ドルと発表した。前月末に比べ21億8,000万ドル減少した。同行は「外貨資産の運用収益や金融機関の外貨預金の増加などにもかかわらず、ドル高によるその他の外貨建て資産のドル換算額の減少により、外貨準備高が減少した」と説明した。

「JETRO」より

で、ある程度の規模の外貨準備があれば、その国の経済は危機に陥っても直ちに問題にはならない程度にダメージを緩和できるのだが、韓国の外貨準備高は8月末で4,364億3,000万ドル相当だったのだそうな。

まあ、結構多い印象だよね、見た目は。

有価証券が多い

外貨準備に有価証券の割合が多いこと自体が問題になることはないだろうが、9割が有価証券というのはなかなか高い比率ではないだろうか。健全性に問題はないのか?と、ちょっと不安になる。

外貨準備高の内訳をみると、有価証券が前月比30億9,000万ドル増の3,949億4,000万ドルで全体の9割以上を占め、預金が前月比53億ドル減の179億ドルだった。その他、IMFの特別引出権(SDR)が144億6,000万ドル、IMFポジションが43億3,000万ドル、金が47億9,000万ドルだった(添付資料表参照)。

「JETRO」より

この有価証券が米国債であれば良いのだけれど、新宿会計士さんの試算によれば、おそらく1000億ドル程度しかないだろうとされている。

韓国外貨準備データと米財務省データの「大きな差額」
韓国の外貨準備高がどうも怪しいのではないか、といった仮説は、当ウェブサイトでもずいぶんと提示してきた論点のひとつですが、やはり調べるほどに怪しさは払拭できず、疑惑はさらに深まる格好です。IMFが公表する韓国の外貨準備高のうち証券の残高と、米国財務省が公表する韓国が保有する米国債等の債券の残高を比較すると、両者には埋めら...

大変だな。

154億900万ドル溶かす

そして確実に急激にその比率を減らしている。それが冒頭の記事の内容だ。

韓国銀行が9月30日、ウェブサイトで公表した資料で判明したもので、通貨当局が2019年に四半期別の為替市場介入額の公表を開始して以来で最大の売り越し規模となる。売り越しは通貨当局が為替防衛のために外貨準備高をそれだけ使ったことを示す。

「朝鮮日報」より

この韓国銀行の公開した資料というのがこちら。

確かに-154億900万ドルと書かれている。

これについては、Money1様のサイトでわかりやすい図表になっているので、こちらを引用したい。

img

第1四半期で83億1100万ドル、第2四半期で154億900万ドル溶かしているそうな。当然、第3四半期では更に激しい介入をしているので、おそらく200億ドル以上は溶かしていると考えられる。

そして、第4四半期もその傾向は続く見込みだ。おそらく年間で合計500億ドル以上溶かすだろう。韓国が欲しいのはドルなので、ちょっと危機的状況と言えるだろう。

ウォン安は止まらない

しかし介入をしてもウォン安は続く。

とうとう1445ウォンに手が届いてしまったが、ここのところ1440ウォンで抵抗が続いている。予想よりは動きは鈍いものの、10月もウォン安は続くだろう。そうすると、更にドルを溶かすわけだ。どこかでドルを調達したいところだけど、お得意のスワップも望み薄である。

輸出大黒柱が細る

実は、韓国経済は貿易一本でやっている。内需は弱いので、貿易がコケてしまえばどうしようもなくなってしまう。

半導体・鉄鋼・石油化学…韓国経済“大黒柱”まで輸出連続減少(1)

2022.10.03 07:35

韓国経済の大黒柱役を果たしてきた半導体の輸出が2カ月連続で減少した。鉄鋼・石油化学など他の代表品目まで輸出が減少したことが明らかになり、韓国の貿易戦線が非常事態に陥った。

「中央日報」より

ところがその肝心の貿易を支える大黒柱となっている「半導体」「鉄鋼」「石油化学」全てがヤバい。このことがウォン安を加速する原因にもなっているのだから、始末に負えない。

半導体の価格は下落しているし、石油化学は原料となる石油の価格高騰により輸出が伸び悩んでいる。そして鉄鋼は……。

ポスコ浦項製鉄所、台風被害からの年内完全復旧は困難

9/30(金) 12:34配信

ポスコは、台風11号で浸水被害を受けた浦項製鉄所の完全復旧は来年第1四半期まで困難だと26日、明らかにした。当初、年末までに十分、正常化できるとしていた。

韓国産業通商資源省のチャン·ヨンジン1次官はこの日、世宗市で開かれた記者懇談会で「浦項製鉄所18工場のうち、13工場が年内に正常化され、残りの工場は来年第1四半期程度に正常化できるだろう」と話した。 製鉄所の正常化に6か月かかるという韓国政府の従来の立場を再確認したのだ。

「Yahoo!ニュース」より

なんと、世界的に景気が落ち込んで鉄鋼需要が減っているところに、台風被害で工場の一部が当分操業ができなくなってしまったのだ。踏んだり蹴ったりである。

そして、その中でも稼ぎ頭である半導体産業の未来はかなり暗い。

産業通商資源部は「インフレーションにともなう購買力の低下でスマートフォンなど消費者用情報技術(IT)製品の需要が鈍化し、DRAM価格の下落やNAND供給過剰などが重なった影響」と分析した。統計庁の8月産業活動動向によると、半導体の在庫は1年間に67.3%も増加した。

「中央日報」より

半導体の輸出先でお得様の支那が、経済停滞とそもそも韓国からの輸入を必要としなくなりつつあることで、買ってくれなくなってきているのだ。自前で作ることが出来るのをわざわざ韓国からは買わない。品質は大して良くもないからね。

そんなわけで先の展望は読みにくいが、韓国にとっては年末にかけて明るい材料が見当たらないのがネックだね。韓国兵器が大量に売れたのが救いかもしれないが、兵器産業はさほど儲けがでる分野じゃないからね。

コメント

  1. 木霊さん、こんにちは

    韓国は、安易にスワップ!スワップ!と国際社会にオウム返しせず、不動産でも有価証券でも金でも売れる資産を売って、今回の世界的リセッションに備えて外貨を溜めておくべきですね。

    韓国の場合、外貨を飛ばす主な理由は加工業に必要な輸入材の支払いですから、企業生産が落ち込めば、当然外貨払いも減ります。3Q.でどれだけドルを溶かしたかで、国内経済の状況もみえてくるでしょう。いまのウォン安基調のまま外貨払いが減少でもしていれば、それは企業業績の悪化とすぐ判りますね。

    さて、ユンユン政権はどう立ち回りますか。

    • 外貨は貯めたいけれども、使わなければ防衛できない。なんともジレンマですね。
      何か有効な手を打つかどうかを注意深く見ていますよ。

  2. 武器の話、本当なんですかねぇ。
    ウクライナは、「鉄道」でどういう目にあったのか、忘れたんでしょうか。

    • 残念な事に本当のようですよ。
      技術とセットで売ったので、「大儲け」という形にはならない感じですが、少しでも外貨が欲しい時期なので、良かったのでは無いでしょうか。

      ウクライナの鉄道ですか、韓国製のを買ってトラブル多発だったんでしたっけ。
      でも、戦争で破壊されてしまったでしょうから、証拠隠滅といった感じで韓国としては助かったのかも?詳しい事はサッパリ分かりませんが。