ロシア、ウクライナ4州を併合し攻勢へ

ロシアニュース

プーチン氏は思い切ったことをしたものだが、勝ち目があるのかどうか。

プーチン大統領 ウクライナ4州「併合条約」に署名

2022年10月1日 5時09分

ロシアのプーチン大統領は、日本時間の9月30日の夜、モスクワのクレムリンで行われた式典で、ウクライナの東部や南部の4つの州について、ロシアが併合すると定めた「条約」だとする文書に署名しました。 プーチン大統領が一方的な併合に踏み切ったことで、国際社会から一層非難が強まるのは確実です。

「NHKニュース」より

予想通りといえば、予想通りの展開ではあるが。コメントも頂いているので、記事にしておきたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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併合そして大規模攻勢

ロシアがウクライナの一部を併合

字面が凄いな「ロシアがウクライナの一部を併合」って。

こちらの記事で既に言及させていただいているが、自称「住民投票」をやった後、プーチン氏は予定通りに「併合宣言」を出した。

この自称住民投票の出鱈目さは言及するまでもないのだが、簡単に説明しておくと以下のような問題がある。

  • 占領下でのロシア軍主導による住民投票(通常、住民投票の担い手は各自治体であり、国の定めた手順により投票が行われる。他国勢力主導で行われる住民投票は無効)
  • 十分な告知が行われていない(住民投票を行うためには、住民に告知が行われ、その趣旨を説明するための準備期間を必要とする。今回のソレは発表から投票までたった3日で行われた)
  • 投票対象地区の一部はウクライナ支配地域であり、有権者のうちどれだけが投票可能だったかは不明(公式には76%の投票率だったとされているが、例えばヘルソンでの投票者数は2万5千人だと報じられたが、州民は100万人でうち60万人が避難したとされている。つまり40万人のうち2万5千人しか投票していないということに)

クリミアでの成功体験が忘れられないんですな。

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、日本時間の9月30日の夜9時すぎからモスクワのクレムリンで行われた式典で演説しました。

この中でプーチン大統領は、▽ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、▽南東部ザポリージャ州、▽南部ヘルソン州の合わせて4つの州で強行された「住民投票」だとする活動について「住民は、自分たちの選択を行った。この地域に住む人々は永遠にロシア国民だ」などと述べ、ロシアがウクライナの4つの州を併合することを一方的に宣言しました。

「NHKニュース”プーチン大統領 ウクライナ4州「併合条約」に署名”」より

で、ロシア議会でロシア大統領の立場でプーチン氏が署名をして、その次に何が来るかと言えば、「ロシアに併合された土地を守る」わけだ。

したがって、今回のプーチン氏が行った、自称住民投票 → 併合宣言の流れは、ウクライナ東部地域だけでもロシアのものにしたいという、プーチン氏の意向が反映されたものだと言える。

併合のためには兵士が必要

そんな訳で、ロシア軍はウクライナ東部だけでも手中に収めて、「特殊軍事作戦の成果」を主張したいわけなのだが、ロシア軍の損耗率は相当やばい感じなので、動員をかけた。

ロシア軍、わずか1、2日訓練しただけの召集兵を前線に送り込んでいる

2022/09/30 07:30

ロシア陸軍は、わずか1日か2日訓練を受けただけの召集兵をウクライナの前線に送り込んでいる。なかにはまったく訓練を受けていない兵士もいる。

「forbes Japan」より

ただ、訓練をほとんどせずに前線に送り込んでいる状況らしいので、おそらく戦闘を前提にして前線に兵士を送り込んではいない。

クリミア併合の際には、ロシア軍は電撃作戦を成功させて、ウクライナに反撃を許さずに占領してしまった。

良くも悪くも最後は歩兵というのが、戦争のセオリーであり、その地域を占領するためには歩兵を現地に送るより他にないのである。動員はおそらくそのためなのだが……。

負けてますよ?ウクライナ軍に。

戦争研究所は、陸軍の第1戦車部隊に配属された召集兵が、ウクライナ南部ヘルソン州に送られる前に新たな訓練を受けていないことの不満を訴える動画を共有した。「個人として準備ができていない、チームの一部ではない、指導者への信頼が欠如している、大義を信じられない、生還の見込みがほとんどない、市民からの支援がない、すべてが失敗の要因だ」と元米国陸軍士官マーク・ハートリングはツイートした。「30万人を動員か。これはプーチンの軍隊による計画的殺人だ」

「forbes Japan」より

ロシア軍の前線維持が難しくなってきていて、兵士に配る武器や弾薬、装備品を用意する事が困難であるようだ。

つまり、戦えない兵士たちに、武器も支給せずに「戦え」ということになるわけだ。流石、兵士が畑から採れると言われている国は違うな。

現状を考えると、ロシア軍が侵略に投入している兵力の損耗は激しく、追加で動員をかけたものの、戦線を維持できる状況にない。ロシア軍兵士は前線にてすり潰されていく状況が続くと思われる。

とはいえ、戦力も銃弾も無限に用意できるわけではないウクライナ側だって、このような戦法を取られると苦しくなるのは目に見えてはいるのだが。

動員と特別軍事作戦の齟齬

そもそも、プーチン氏はこの戦いを始める時に、「これは特別軍事作戦である」と、その様にロシア国民に説明し、今もその態度を変えてはいない。

この特別軍事作戦の意味は、ウクライナ東部で迫害されるロシア人の救出がお題目として唱えられていた。

プーチン氏、「軍事作戦」実施を表明 ウクライナ外相「侵攻始まった」

2022年2月24日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は24日朝(日本時間同日正午前)、テレビ演説で、ウクライナ東部ドンバス地域で「特別軍事作戦」を実施すると発表した。

ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、「プーチンがウクライナへの全面侵攻を開始した。平和だったウクライナの都市が攻撃されている。これは侵略戦争だ。ウクライナは自衛し勝利する。世界はプーチンを止めなくてはならない。行動の時だ」とツイートした

プーチン氏は演説で、ウクライナとロシアの衝突は「避けられない」とし、「時間の問題でしかない」と述べた。一方で、ウクライナを占領する「計画はない」と主張。ウクライナ国民は、国政を担う人物を「自由に選ぶ」ことができるとした。

「BBC」より

特別軍事作戦で、ウクライナ東部の開放。この事の意味は、「職業軍人が作戦を実施するために、ロシア国民には影響がないよ」と言うメッセージをロシア国民に送ったことになる。

ところが、ウクライナ東部地域のロシア併合を宣言したことで何が起きたかというと、ロシア政府の立場としては「自国防衛」であるという主張に切り替わったわけだ。

その延長線上にあるのが「防衛戦」であり「動員」である。

局面が変わったことは事実なのだろうが、プーチン氏が演出している局面と、現実とは非常に大きな乖離がある。プーチン氏としてはウクライナ東部の奪取の最終局面に来て、動員をかけてでもロシアのものとするという意識なのだろう。ところが現実は、ウクライナ東部でもロシア軍は敗色濃厚な状況である。軍事訓練が出来ていない新兵が前線に送られてきても現場が混乱するだけだ。数を増やしても意味は無いし、士気が低い兵士など足を引っ張るだけなのだ。

ロシア経済は動員のせいで更に困窮

そして、今回の問題は単純に兵士の数の問題だけではない。

プーチン氏の動員令、ロシア経済に痛烈な打撃

2022 年 9 月 29 日 03:31 JST

ウラジーミル・プーチン露大統領が発した部分動員令や原油相場の急落、西側による一連の追加制裁を受けて、すでに低迷しているロシア経済にさらなる重圧がかかりそうだ。これまでウクライナ侵攻の戦費調達を支えてきた財政が崩壊しかねない状況に追い込まれている。

プーチン氏がウクライナ侵攻にさらなる資源をつぎ込むことを決めたことで、ロシア経済に暗雲が立ちこめてきた。動員令に伴い30万人以上を新たに投入すれば、徴集兵の軍装備や訓練、給料を手当てする必要が出てくるためだ。さらに民間企業にとっては、兵役または徴兵逃れの国外脱出によって人手が奪われ、新たな問題に直面することになる。

「THE WALL STREET JOURNAL」より

経済制裁を受けたロシア、ただでさえ経済的にまずい状況にあるのに、更に戦費が嵩むことになってきている。

原油や天然ガスの価格も値崩れしてきていて、輸出がままならず外貨獲得に深刻な影響が出始めている上に、兵士を送り出すためには装備が必要である。ところがその装備すら満足に調達できない始末。

更に輸入などにも制約があることで、国内の製造業にも大きな影響が出ている。そこへ来て動員をかけて更に人を減らすことが決まったため、労働力も減る。株価は当然下がるよね。

そして、支那は経済的支援をしないことを決めた(している場合ではない)ので、ロシア経済は耐えられるわけがない。

ロシア人国外脱出

そして、ロシア国民が海外に逃亡しているという話も経済に影響している。

ロシア、20万人超が国外脱出か 動員令後1週間で周辺国に

2022/9/30 03:59(最終更新 9/30 08:23)

米CNNテレビは29日、ロシアで21日に部分的動員令が発令された後、20万人を超えるロシア人が国外に逃れたとのまとめを公表した。周辺国などが公開したデータを基に集計した。

「毎日新聞」より

部分動員で30万人の兵士を調達しようと思ったら、20万人の国民が国外に逃げ出したのだとか。噂にすぎない話ではあるが、こんなことでも経済は容易に悪化していく。

ロシアは現在貿易が壊滅的なので、内需で経済を回すしか無いのだが、その内需の担い手が20万人も消えたのである。当然、前線に出ている兵士達も経済活動には寄与しないのだから、戦争が長引けば内需にも深刻なダメージを受ける。

そして、戦争によって多くの兵士の命を失っている。ロシア当局は3月下旬に戦死者数を1351人と発表して以来、その数字を更新しておらず、先日ようやく続報として5937人の戦死者が出たと明かした。

だが、ウクライナ発表ではロシア軍兵士は4万~5万人が死亡したとされている。国際社会はこの数字を鵜呑みにはしていないが、いくつかの機関の推計では2万人程度は損耗した計算なのだとか。これでロシア経済にプラスになるわけがないのだ。

今後の展望

短期決戦

おそらく、ロシアには時間的余裕がない。冬になる前に大規模な攻勢をかけたいと考えていると思う。戦闘開始が北京冬季五輪後になった理由も、冬期を避けたかったという思惑があったという。ロシアの冬将軍は、ウクライナ軍以上に手強いのだ。

だからこそ、ウクライナ東部だけでもロシアが抑えようと躍起になって兵士を前線に送っている。ただ、よくも悪くもこの動きは長くは続けられないだろう。寒さが厳しくなれば、装備に不足のあるロシア兵達は多数が犠牲になる可能性が高い。そうなる前に何処かで区切りをつけることが必要になるはずだ。

ロシア 一方的併合の領土「防衛」名目で軍事侵攻継続の構え

2022年10月1日 18時55分

ロシアのプーチン大統領はウクライナの東部や南部の4つの州について一方的な併合に踏み切り、これらの領土を「防衛」するという名目でも軍事侵攻を継続する構えです。これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は領土の奪還に向けた作戦を続ける方針を強調していて、ロシア軍に占拠された東部ドネツク州の要衝への攻勢を強めています。

「NHKニュース」より

ウクライナ側も楽ではないハズだが、ここで負けてしまうわけにはいかない。ただし、ホームでの戦いなので、戦線維持は外国の支援が続く限りはなんとか継続できていくだろうと思われる。

尤も、ウクライナ軍の戦死者はそろそろ1万人に届こうかという数字になってきているので、悠長なことを言っている訳にはいかないだろうし、おそらく、大統領のゼレンスキー氏に何かあれば、一気に情勢が動く可能性もあるが、それでもロシア軍よりは有利であることには違いあるまい。

ウクライナ軍に外国の軍が加勢をするという展開になれば、大量攻勢になった場合にも耐えられるかもしれないが、素人集団を投入したとは言え、ウクライナ軍にとって天秤を動かされることで攻守をひっくり返される懸念はある。

ロシア軍がどこまで軍事的圧力を高めてくるのか?が、今後の焦点だと思う。

とは言え、リソースはこれ以上つぎ込めない気はするんだが、ロシアはどうするんだろうなぁ。

安保理決議は予定通り否決

この展開は予め予測できていた話で、驚きはなかった。

国連安保理 ウクライナ併合非難決議案採決 ロシアの拒否権行使で否決

2022年10月1日(土) 09:37

国連の安全保障理事会では、ロシアがウクライナの4つの州を併合すると宣言したことを非難する決議案が採決されましたが、ロシアの拒否権行使により、否決されました。

~~略~~

採決では、理事国のうち10か国が賛成しましたが、ロシアが拒否権を行使して否決されました。中国とガボン、インド、ブラジルは棄権に回りました。

「TBS NEWS」より

今回のロシアの併合決定について、国連の安保理が非難決議を出したが、ロシアが拒否権を行使したために否決されたのだ。

インドとブラジルの棄権はロシアとの関係が深いこともあって、明確な立場を表明したくないというメッセージ。支那はロシア寄りの立場だったはずだが、一緒にされては困るので棄権。ガボンは……良くわからないな。

ともあれ、国連の欠陥がここに露呈した格好ではある。

そもそも、有名な話ではあるが国際連合は意図的にされた誤訳で、実際は連合国、つまり第二次世界大戦後の戦勝国クラブであって、そこの常任理事国は正義の味方などではない。

前の記事のコメントでも書いたが、戦後秩序を決定していた国連の正体は、実は一部の国による利益独占で、既得権益を守るためだけの存在が国連なのだ。大層なお題目を唱えてはいるが、そもそも彼らは世界平和など望んではいない。自分たちの望む形の平和を世界に押し付けているだけだ。

そして、そこで語られる「戦後秩序」の担い手は、アメリカとロシアであった。ところが、ロシアが離反したのである。……まあ、ロシアは前々から色々とやらかしていて、チェチェン紛争とかグルジア、タジキスタン、ダゲスタンと周辺国を巻き込んでの戦争はしょっちゅうである。

それでもロシアの国力があるうちは良かったのだが、ロシアの国際的な影響力は年を負うごとに減ってきた。偉大なロシア帝国はもはや過去の栄光なのだ。当然、その上に成り立っていた「秩序」とやらも維持できなくなる。アメリカだけで維持できるほど簡単ではないし、アメリカの影響力も低下しつつあるのだ。

まあ、国連常任理事国が理性的であるうちは、また取り繕う事ができていたのだけれど、ロシアが牙を剥いた以上は、国連が信頼できる機関とは言い難いことが世界に知れてしまった。もはや安保理もロシアに対するブレーキなどにはならない。

核兵器使用の「恐怖」

そうなってくると、プーチン氏の核兵器使用への言及は、ウクライナにとっても西側諸国にとっても相当の恐怖になるだろう。

プーチン氏「米が核兵器使用の前例」、日本への原爆投下に言及

2022年9月30日11:02 午後

– ロシアのプーチン大統領は30日、ウクライナ東・南部4州の併合を宣言する演説で、米国が第二次世界大戦末期に広島と長崎に原爆を落とし、核兵器使用の「前例」を作ったと指摘した。

「ロイター」より

こんな寝言を言われても困るのだが、おそらくプーチン氏はこの発言の有効性を十分理解しているし、アメリカが2発の原発を使ってなお、世界のリーダーの立場にいることを考えれば、自分たちだってそのチャンスは有るくらいには思っているだろう。

ここで大切なのは、「プーチン氏にとって核兵器はタブーではない」と、他人に信じ込ませることで、実際に使うかどうかは別問題だということだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

ウクライナ軍の損耗が明らかになって士気を低下させるために、小型の核兵器を使う可能性はある。その可能性だけで十分に効果はある。

エスカレーションラダーを駆け上がる積りがロシアにあるかどうか。その疑念だけで、西側諸国が動揺すれば、ウクライナ軍への供給が鈍り、戦局をひっくり返す可能性があると思っているはずだ。

実際に使うかどうか?は、可能性はあるが投入はもっと後だろう。ただ、ロシアが配色濃厚になった局面よりは、後少しで戦局をひっくり返すことが可能な局面の方が、リスクは高い気がする。「ロシア国内での出来事」にしてしまったほうが、ロシアとしても処理がし易いからだ。そういう意味ではウクライナ東部はリスクが高まったと言える。もちろんこのリスク評価は僕の勝手な妄想に基づくものではあるが、プーチン氏は習近平氏とは違って、思い切ったカードを切ってくる可能性は高い。

追記

ロシア軍の苦戦を印象づけるようなニュースが出てきた。

Ukraine claims control of Russian logistics hub, seeks to cut more supply lines

October 3, 202211:22 AM

Ukraine claimed full control of Russia’s eastern logistics hub Lyman, its most significant battlefield gain in weeks, setting the stage for further advances aimed at cutting Moscow’s supply lines to its battered troops to a single route.

「ロイター」より

噂レベルでは出ていた話なのだけれど、リマン奪還は非常に大きな意味があると思う。

噂レベルの話、ウクライナ軍がリマン周辺の包囲網を完成させた?
ウクライナ軍がリマンを包囲したという未確認の報告があり、ルガンスク人民共和国軍、予備部隊のBARS13、ロシア軍の第20諸兵科連合軍などの将兵(推定約2,000人以上)がポケット内に取り残されているらしい。

こちらは航空万能論様のサイトで、何回にもわたってリマン奪還に向けた作戦が展開されていることが説明されていた。リマンは鉄道の要衝ということで、鉄道によって物資輸送をやっているロシア軍にとっては辛いところだね。

9月30日時点で、この情報が正しければ「奪還成功だな」というような状況になっていたわけだが、実際にウクライナ軍は奪還成功を宣言した模様。

3日後にはこんなことに。リマン奪還は大きかったようだね。この次はクレミンナということになるんだけれど、ここも鉄道の要衝ということになっている。おそらくリマンが落ちればクレミンナまでは進めるだろうと言われている。セベロドネツクが見えて来たね。

つまり、リマンという拠点を失うと、ロシア支配地域は大きく削れることになるようだ。

ウクライナ、「併合」地域の要衝リマン奪還 ドネツク州

2022年10月2日 18:49

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、東部ドネツク州の要衝リマンをロシア軍から奪還したと表明した。リマンは東部ルガンスク州に近い交通の拠点で、同州の奪還にも前進となる。ロシアは9月30日にドネツク、ルガンスクをふくむウクライナ東・南部4州の「併合」を宣言したばかりで、プーチン政権に大きな打撃となる。

~~略~~

リマンはドネツク州北部の都市で、ルガンスク州の要衝であるセベロドネツクやリシチャンスクにも近い。ロシア軍は7月初旬までに両都市を制圧し、ルガンスク州の支配を固めていたが、ウクライナ軍による奪還の動きが加速する可能性がある。

ロシア内部では政権や軍部への批判が強まりそうだ。英国防省は2日、リマンからの撤退は「大きな政治的な挫折を意味する」と分析。さらなる領土の損失は、政府への批判や軍部への圧力の高まりにつながるとした。

「日本経済新聞」より

プーチン氏の思惑はここでも大きく狂うことになりそうなのだが、ここが崩れるとウクライナ側のルガンスク州の攻略が有利になってくるらしい。

追記2

流石にロシア議会でもリマン撤退は問題になったようだ。

リマン撤退、ロシア軍に批判 強硬派は「核使用論」

10/2(日) 13:34配信

ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州の拠点リマンから撤退し、本国で批判にさらされている。

「包囲の恐れが高まったことから、部隊はより有利な戦線へ撤退した」(国防省報道官)と1日に説明されたが、ここを含む東・南部4州は9月30日の併合宣言で「ロシア領」と位置付けられたばかり。ご法度であるプーチン大統領の「責任論」の代わりに、軍をやり玉に挙げる声が相次ぎ、強硬派から核兵器使用論も飛び出した。  

警察署を示すロシア語のプレート。リマンに入ったウクライナ兵は棒で引きはがすと「ここはもうすぐわれわれの警察署になる。(祖国に)栄光あれ」とつぶやいた。現地から伝えられた動画は「リマン解放」の象徴の一つになった。

「yahooニュース」より

ロシア軍トップのゲラシモフ参謀総長の責任問題に発展しているけれど、既に敗色濃厚なロシア軍の次のトップを務めたがる人物がいるとも思えない。

とはいえ、今回の失敗の責任を誰かとらないと、という部分もあるのだろう。そういえば、国防相のショイグ氏も責任を問われていたような。

ロシア軍制服組に、粛清の嵐が?

コメント

  1. フィギュアスケーターのプルシェンコ氏が、
    国外脱出者を「母国が困難な時に国を見捨てる」とかなんとか非難したようです。
    つまり、「ロシアが困難な状況」であると世界に向かって発表したわけで。
    過去、ロシアが「冬将軍」のおかげで敗北を免れたのは、
    「ロシアが攻められていた時」ですよね。
    相手国の補給が困難になった時に、
    自らモスクワ焼き討ちとかやって略奪による補充をさせなかった効果だったはず。
    今回は逆なので、「冬将軍」でどうなるんだか。

    なお、「偉大なるロシア帝国の復活」とか、
    これを一般国民が真に受けたらお笑いですよね。
    「ロシア帝国」が欧州と互角に派手に振る舞えたのは人民からの搾取によるもので、
    ロシアの人民は(ソ連時代も含めて)豊かに暮らしたことなんてなかったはず。
    (そこが大英帝国との相違かと。)
    そういえば、どこかのアジアの国も同様なこと言ってましたっけ?

    • プーチンのスラブ民族連合構想を知った時、ソ連じゃなくてロマナフ朝ロシア帝国の夢よもう一度かよ、旧ソ連構成国からしたら悪夢なのをプーチンは理解していないのを確信した。

      • ロマノフ王朝だった飲みながら書き込みするもんじゃない

    • 皇帝プルシェンコはプロパガンダの広告塔に、ですか。
      偉大なるロシアの復活って言われても、生活が苦しくお湯が出る環境すらないロシア人はロシア国内に4700万人もいるとされています。
      先ずは生活安定を!というのが彼らの望みなのでしょう。
      国民が飢えているのに戦争という、でっかい北朝鮮みたいな事をやっているわけですな。

  2. 別ネタ
    世界の硝酸アンモニウム肥料の2/3はロシアが生産していた、ロシアは火薬の生産に切り替えたり外交カードに使用中、ブラジルなどロシアに対して融和的になった理由。

    そして、韓国がスタブレーションからインフレーションに変化した理由の一つ。

    • 確かにロシアの硝酸アンモニウムの生産量は世界トップレベルを誇っていて、輸出が止められて大変な思いをしている国はあるようですね。
      ブラジルが棄権したというのはそういう理由がありましたか。
      韓国は……、まあ、どうでもいいかな?

  3. こんにちは。
    「お前らは大砲のエサだ!」
    って、本当のことを徴集兵の前で言っちゃった将校が、その徴集新兵にぶん殴られたそうですが。
    そんな感じで、ある日突然、前進していたはずの部隊が全てこっちに向かって走ってくる、そんな日が来るんじゃないかって、いや、むしろ来て欲しい、来た方が早く、確実に情勢が安定するって、思うようになってます。

    もはや自縄自縛で存在価値が限りなくゼロに近い国連も、「ノーラの箱舟」みたいな事務総長でも居ると良いのですが……

    • 前線で逃亡するロシア兵士の数は、相当数に上っているという記事を何処かで読みました。
      まあ、ウクライナ軍の善戦状況を見ていると、ロシア軍が総崩れになっているとしか思えない進軍スピードですから、アレが本当であれば前線は酷いことになっているのでしょう。

      ……国連は期待薄ですねぇ。