支那人民元安、当局は諦め気味か?

経済危機

韓国もなかなかスゴい事になっているが、支那も動き始めたか。

中国人民元、08年以来の安値-当局が通貨下支え弱めているとの観測も

2022年9月28日 10:29 JST 更新日時 2022年9月28日 14:17 JST

中国本土の人民元が28日、対ドルで下落し、2008年以来の安値を付けた。ドル高が続いているほか、中国当局が人民元の下支えを弱めているのではないかとの観測も出ている。

本土の人民元は1ドル=7.2235元に下落。オフショア市場でも対ドルで下げ、2010年までさかのぼるデータで最安値を更新した。

「Bloomberg」より

人民元安というのは、少々特殊な事態である。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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インフレ傾向

世界全面安だが

ちょっと前に紹介したのだが、アメリカのドルが高騰する中で、他国の通貨は安くなっている展開になっているが、例外となっている国もある。

こちらの記事で紹介しているのだが、基本的にはアメリカが金融引き締め政策を継続しているので、ドル不足になった市場は、アメリカの緊急政策に追従するかどうかを迫られる。各国ともインフレが加速しているので、コレに対応する政策が求められるのだ。

で、世界的なインフレ傾向を見ると、主要国ではこんな感じであった。

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この図を見ても分かるように、世界的に見てコアコアCPIがあまり上がっていない国がある。それが、日本と支那である。日本の事情は景気回復の遅れが原因でジワジワとしかインフレ率は上がっていかない。

支那の場合は、様々な要因があるのだが基本的には支那共産党の金融政策によるところが大きい。物価上昇を抑えることで、貿易で優位に立とうという目論見から、出来るだけ物価が上がらないようにコントロールされているのだ。とはいえ、支那国内の情勢によってその政策の維持は難しくなっている。

PBOC sets stronger yuan fix at smallest bias since Sept. 13

中国人民銀行(中央銀行)はこの日の中心レートを1ドル=7.1107元に設定。ブルームバーグがアナリストやトレーダーを対象に実施した調査の予想平均は7.1551元だった。25営業日連続で予想よりも元高水準に設定されたものの、予想との乖離(かいり)は今月13日以来の小ささで、ドル独歩高の中で人民元の下支えを弱めつつある可能性を示唆している。

「Bloomberg”中国人民元、08年以来の安値-当局が通貨下支え弱めているとの観測も”」より

が、ここに来てその政策を継続することが困難になりつつある。

人民元安で輸出には有利になる?

とはいえ、人民元安は支那にとって悪いことばかりではない。ドルに対して人民元が安くなる意味は、すなわち輸出品の値下げが可能になるという意味だからだ。支那製品の価格競争力は更に上がるハズだ、理論的には。

とはいえ、世界的にインフレ傾向が続いていると、消費は冷え込むことになる。幾ら製品を安く生産出来ても売れなければ仕方が無い。物自体を買って貰えなくなりつつあるのだ。稼ぎ頭だった半導体価格の下落も影響があるだろう。

中国、今年下半期の貿易プラス成長は可能=商務次官

2022年9月27日5:26 午後

中国商務省の王受文次官は27日の記者会見で、輸出入安定化に対する圧力が高まる中、外需が鈍化しているものの、今年下半期に貿易のプラス成長は可能との見解を示した。

新型コロナウイルス流行、消費低迷、不動産危機に見舞われる中国にとって、最後の頼みの綱である対外貿易は国内外の需要が衰える中で勢いを失っている。

同次官は、欧米の経済成長が鈍化し、中国貿易会社の受注が減少する中、外需の低迷が中国の貿易にとって引き続き最大の不安要素だと述べた。

「ロイター」より

「今年下半期も貿易プラス成長は可能だ」と息巻いているが、利益が減る事は確実である。輸出での利益を確保する為には、どうしても相手国に買って貰わねばならない。しかし、買い手の意慾が減退してしまったら、手の打ちようが無い。そして、国内需要を喚起できていないため、国内で消費することも難しい。

何より、ゼロコロナ政策によって生産遅延があちらこちらで発生し、思う様に在庫を増やすことができていないのである。素材は高騰しているので、利幅も減っているのだろうし。

利上げは出来ない

こうした情勢で、韓国は無理矢理利上げをやって経済危機に邁進しているのだが、支那はそこまでやらない。利上げどころか利下げをしたハズだ。

中国が今年3回目の利下げ 景気回復遅れに危機感

2022年8月22日 10:21 (2022年8月22日 11:42更新

中国人民銀行(中央銀行)が22日、今年3回目となる利下げに踏み切った。2022年8月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は1年物に加え、住宅ローン金利などの目安となる期間5年超の金利も引き下げた。2つのLPRを同時に下げ、景気回復を促す。

「日本経済新聞」より

未だ下げる余地はあると思うが、利下げをすれば人民元安を加速する恰好になるので、なかなか難しい判断を迫られる事になるな。

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記事にもあるが、こうした利下げをやっても肝心の経済は、ゼロコロナ政策を継続しているお陰で随分と痛んでいる。

中国経済は力強さに欠けている。夏に入り、一部の都市で新型コロナウイルスの感染が再び広がった。習近平(シー・ジンピン)指導部が感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策を堅持するなか、地元政府が移動制限を厳しくし、内需の戻りが遅れている。7月の工業生産や小売売上高は6月より減速した。

「日本経済新聞」より

ゼロコロナ政策によって、あちらこちらで大きなダメージをうけた支那経済。供給に問題が出ているために、価格が上がっても利益に繋がりにくいという形になる。

金利を上げると借金問題がややこしくなるので、支那共産党としてはそこにも対策をうたねばならない。理財商品問題など、金融分野でも不動産開発分野でもトラブルが多発しているからねぇ。

利上げは難しいが人民元安は現段階ではあまり歓迎できない。かといって、市場介入もねぇ。

市場介入を指示

とおもったら、早速指示が出た模様。

EXCLUSIVE-中国人民銀、元安阻止へ国有銀に介入準備指示=関係筋

2022年9月29日7:30 午後

中国人民銀行(中央銀行)は人民元の下落を食い止めるため、主要な国有銀行に対し、オフショア市場で元を買ってドルを売る準備をするよう指示した。4人の関係筋がロイターに語った。

国有銀行は、香港、ニューヨーク、ロンドンを含む海外支店でオフショア人民元の保有状況を点検し、ドル売りの準備をするよう指示されたという。

「ロイター」より

外貨準備はあるのである程度の介入は可能なのだろうけど、支那の外貨準備も見せかけだけ大きくて中身はジャンクである率が高いという話もある。無駄弾を打つことは出来ないだろう。国内のインフレ圧力を抑えたいというのが支那共産党の要望だろうけれど、そもそも住宅バブルが弾けているので難しい舵取りが必要となる。対ドル政策まで背負い込むことになると、相当に強引な手をうたねばならないかも知れない。

少なく秋の共産党大会までは保たせる必要はあるだろうね。ただ、支那の市場規模でドルを放出するようなことをやると、アメリカの経済政策に真っ向から対立する事になる。安易に外貨準備を溶かすのもまた、手段としては微妙なのだ。

支那経済が明確に減速を始める事で、あちらこちらで悲鳴があがりそうだな、

コメント

  1. こんばんわ、

    一昨日のブルームバーグ記事だったと思いますが、世界的リセッションの可能性は98%強、
    とかありました。
    いまは悪材料しか見当たらないので、もう始まっていてもおかしくないだろうと診ています。
    ファンダメンタルズのヨワイ国は、本当にキビシイと思います。
    中共党大会まであと2週間あまり、当日までに何が起こるか誰にもワカリマセン。

    • そうでしたね。
      色々な見方はあると思いますが、リセッションに既に入っている感じはしますよね。
      ただまあ、この景気後退は避けられない部分はありますし、アメリカの方針としては支那をパージする方向なので、支那としてもその巨体を支えきれないでしょうし、アメリカも無傷では済まないでしょう。

      共産党大会、確かにそれまでに何が起きるかわからない状況ではあります。
      習近平氏はビビリですが、保身のためには思い切った動きをする可能性がありますからね。何から最近、北朝鮮も活動的ですし。

      • 木霊さん けんさん みなさん こんばんは

        >世界的リセッション

        ケインズ正当学派、ノーベル経済学賞受賞、ポール・クルーグマン(米)氏によりますと、

         景気回復のためのニューディール政策は失敗の部類で、ケインズ理論を応用した景気回復で最も成功したのは、ナチス・ドイツの軍拡・大規模政府投資(ヒトラーもニューディール政策を失敗と評価)。

         そしてその後ナチスの欧州侵略に対抗した欧州各国の(本来は無駄遣いである)軍拡のための大規模政府投資によって、世界は「大恐慌の傷から立ち直る」ことが出来た。

         とのことです。

        貨幣経済においては、本来要らないモノ、が増え&価格が上昇すると、相対的に必需品(衣食住)の価格が下がり、人々は豊かになるのだそうです。 これの真偽をトレース出来るほどケインズ経済学を熟知はしていませんが、

        「無駄遣い」が大きくなればなるほど、社会・人々は豊かになる。
         ・無駄遣いの例:グルメ:ソバに「腰」があろうがなかろうが、栄養価は変わらない。ことらしい。

        翻って、現在のウクライナ戦争は、世界経済に悪い影響をおよぼしている。
        どこでどう、誰が、どういう方向で舵取りすれば、リセッション回避できるのでしょうね?

      • ヨーロッパでヒトラーを評価すると結構大変なことになるらしいのですが、経済政策という意味では優秀な人だったみたいですね。
        誰もが知っているアウトバーンの拡大を実現したのもヒトラーでしたし、大型投資を国内で行い経済を回した偉人という……、まあやめておきましょう。非人道的な戦いに身を投じたのは事実なのですし。

        リセッション回避ですが、個人的には日本経済が回復することでインパクトを与えるというのは如何でしょう?
        経済規模は世界で第3位(4位に転落する予想が出ていますが)で、それなりの影響力があります。それと、ロシア軍のウクライナ侵攻が停止し、復興モードに入ればそれなりに経済にプラスの影響は出そうです。世界的にSDGsを放棄すれば、案外回復基調に乗るかも知れませんけどね。そのためには強いアメリカ大統領が出てくれる事が必要かも知れません。

  2. みなさま、おはようございます

    BOOKさんのコメント拝見して、以下のように思いました。
    1.世の中が豊かであるためには、社会に”あそび(遊び)”や”無駄”の部分が必ず必要。
    2.我が国の”Z”は、増税・引締めに拘るばかりで、我々の生活を豊かにしようとは考えていない。

    直近の日本のコアコアCPIは+1.6%くらいだそうですが、健全な成長インフレではありません。いまは国防、農水、先端技術などの産業や公共事業への大型の財政出動によって、経済の内需循環をつくりだすことが、日本政府のリセッション対策ではないでしょうか。

    • 財務省は残念極まりありませんが、国内観光に力を割けば、日本経済にも多少は好影響があると思います。
      そういう意味では、「全国旅行支援」は悪く無いのですが、インパクトは薄そうですね。岸田色が薄味なので仕方がありませんが。

      内需拡大は大変重要で、製造業の国内回帰などをもう少し頑張って力を入れて頂けると、もっと良いんですけどね。

  3. こんにちは。
    難しい経済は分からないのですが、確か、人民元はバスケット制だったと思い出しました。
    ※間違いであればご指摘下さい>どなたか
    であれば、通貨安に振れるのはある意味非常事態なのかも、とも。

    世界恐慌は常に世界大戦の引き金ですから、国連で「会議が踊って」いる間に、またぞろ大変な事が起きないと良いのですが。

    • そうですね、人民元はバスケット制を採用しているはずです。
      管理フロート制・通貨バスケット制という変則的な管理態勢ですが。

      人民元は未だに市場に委ねるには脆弱に過ぎますから、当面は管理して行くしかないのでしょう。
      ただ、この管理が適切かというと、なかなか難しい局面となっているようですね。

      あ、詳しい方は是非介接をお願いしたいです。