日本のエネルギー政策の誤りと、今冬の節電要請

電力

誰が責任とるんだよ、このエネルギー政策の失敗は。

経産省、今冬も節電要請へ 7年ぶり、需給逼迫に備え

2022/9/15 12:13

経済産業省は15日、エネルギー政策を議論する有識者会議を開き、夏に続いて今冬も節電要請を行う方針を示した。電力の供給余力を示す予備率は最低限必要とされる3%を確保できる見通しだが、引き続き需給が逼迫する可能性に備える。期間中は幅広い地域で無理のない範囲の節電協力を求めることになる。全国規模での冬の節電要請となれば、2015年度以来7年ぶりとなる。

「神戸新聞」より

平成23年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災は、日本にとって甚大な被害をもたらした災害であった。そこの責任を政治家に求めるのはお門違いではある。

だが、それから10年経って日本のエネルギー政策はどうなったかと言えば、驚くことに何も変わっていないのである。まさに政治家の怠惰だ。そして、その結果が国民への「無理のない範囲の節電要請」である。バカにしてんのか?

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電力需要の見誤りはどこで?

第6次エネルギー基本計画

日本のエネルギー政策は、エネルギー基本計画なるものがベースになって進められている。基本計画策定は経済産業省のお役人の手によるものだね。

エネルギー基本計画について|資源エネルギー庁
経済産業省・資源エネルギー庁のホームページです。エネルギー政策(全般)、エネルギー基本計画について。

最新の第6次エネルギー基本政策は、令和3年10月に決定されたものなのだが、読んでみるとかなりポンコツな事が書いてある。大丈夫か?この国は。

「エネルギー政策の要諦は、安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合を図るS+3Eの実現のため、最大限の取組を行うこと。」とまあ、ご立派なお題目が並べられているのだが、どういう訳か現在のエネルギー需要逼迫が一行も織り込まれていない。

エネルギーの安定供給を第一とするのであれば、当然ながら現在の安定供給に対する課題をしっかりと見据えておく必要があるのだが、どうもその辺りの感覚が希薄なように思える。

再生可能エネルギーに傾倒したことが電力逼迫を招いた

いや、丁寧に読んでいくと、それらしいことを把握している節はある。

だが、火力発電についての政策対応のポイントでは、調達リスクに言及しながらも電力供給の不安定化について言及がないのだ。当然ながら、燃料高騰(調達リスク)は電力逼迫の一因にはなっている。そして、そのことは武漢ウイルスの状況を読んでいればある程度予測可能であった。

だが、政府が目指しているのはこの期に及んで再エネ促進なのだ。多額の費用を突っ込んで、消費者からもお金を取って、発電安定性を欠く方向に向かうと言っているようなものだ。原因分析は経済産業省の所掌ではないと言っているようなものだが、やる気が無いならそんな部署潰してしまえ。

そもそも大局を見るべき政治家は、この方針を見て矛盾を感じないのだろうか。

なお、再エネ割賦金は当面増額方針である。

つまり電気料金は今後も増えると言うことを意味する。そして、エネルギー基本計画では、太陽光発電を2倍にし、風力発電を5倍以上にしていくという事になっているのだ。呆れるわ!

どう考えて無理だろう。

なぜ電力ひっ迫?節電はいつまで続く?初の電力ひっ迫注意報|サクサク経済Q&A|NHK
【NHK】初めての「電力需給ひっ迫注意報」が4日連続で発令。なぜ電力需給が厳しくなったのか、結局どのような対策が効果をあげたのか。

参考にならないNHKの解説を紹介しておくが、本当の理由に軽く触れている。火力発電所の採算悪化による稼働率の低下である。

簡単に言えば、電力自由化を目指して再生可能エネルギー発電の比率を増やせば増やすほど、電力逼迫の余裕がなくなるのだ。

東京都が進める絶望的な太陽光発電増加政策

にも関わらず、このブログでは散々批判してきたけれど、東京都はどうやら太陽光パネルを住宅につけることを義務化することを進める方向性になっている。

頭が悪いにも程がある。

[社説]住宅に太陽光発電を広げるきっかけに

2022年9月14日 19:05

東京都は2025年4月から新築住宅に太陽光発電の設置を義務づける条例の基本方針を決めた。設置に伴う負担増や廃棄パネルの処理など課題はあるものの、遅れている家庭部門の脱炭素を進める重要な一歩だ。課題をこなしながら住宅への太陽光発電を各地に広げるきっかけにしたい。

「日本経済新聞」より

日本経済新聞が随分とポンコツな社説を書いている。日本の新聞社はポンコツ社説を書かなければならないルールでもあるのだろうか?

太陽光発電パネルの普及は、電力不安定供給に拍車をかける。新規住宅の屋根に太陽光パネルを載せることを推進して一体何のメリットがあるのか。

住宅価格は上がるし、発電した電気を垂れ流すしか出来ない太陽光パネルが増えれば、電力が滞りなく流れるように、アチラコチラの電気設備に手を入れねばならない。送電設備にもカネがかかるのである。こんな、コントロールしにくい発電方法を推進してどうするつもりなのか。

ちなみに、おかしな政策を推進することで定評のある川崎市も同様の方針らしい。

川崎市、太陽光パネル設置義務化へ 2024年度以降に

2022年9月13日(火) 21:40

川崎市は13日、新築の事業所や住宅などの建物への太陽光パネル設置を義務化する新制度を構築する方針を明らかにした。市環境局の三田村有也局長が同日の市議会本会議で、「制度創設に向けて検討を進めたい」と述べた。市によると、太陽光パネル設置が義務化されれば、県内初という。本間賢次郎氏(自民)の代表質問に答えた。

「カナコロ」より

太陽光発電をここまで信用する地方自治体の長って、何を考えているのだろう。電力安定供給は国の責任だから、勝手やっても責任をとる必要がないってことなのだろうか?

「浮体式」洋上風力発電を目指し 潟上市の沖合に模型浮かべる

09月10日 16時03分

秋田県内で導入が進む洋上風力発電で、風車を海面に浮かべる「浮体式」と呼ばれる方法の普及を目指し、秋田県潟上市の沖合で実証実験に向けた準備が行われました。

「NHKニュース」より

なお、日本のあちこちで風車を作る動きが活発化していて、風力発電を推進していこうという流れになっているようだ。

こうしたアホな政策が乱立しないように定めるのがエネルギー基本計画なのだが、上で説明したようにポンコツな内容である。なるほど、エネルギー基本計画の弊害だな。

太陽光発電も風力発電も電力を不安定にする

ところで、こういったエネルギー政策を掲げている経済産業省だが、何故かエネルギーの安定供給の側面からいうと、太陽光や風力は不安定という話がサイトの中に織り込まれている。

では、これらの発電はなぜ“耐える力”が比較的弱いのでしょう?

それには、理科の授業で習う「直流」と「交流」という電気の種類が関係しています。実は、火力発電のようなタービンなどの回転体を利用して発電する電気は「交流」ですが、太陽光発電や風力発電でつくる電気は「直流」なのです。一方、私たちが家庭やオフィスのコンセントを通じて受けとり使っている電気は、すべて交流電気です。そのため、直流電気を発電している太陽光や風力といった発電は、発電後に電子機器をはさんで交流電気に変換してから送電線へ流しているという特徴があります。

風力発電は風車が回っていることから、タービン発電と近い発電方法なのでは?と思うかもしれません。実際、風力発電は風車の回転運動を電気に変えるため、タービン発電と同様に「交流」の電気を発電します。しかし、風の強さは常に一定ではなく、風車の回るスピードは風によって大きく変動してしまうため、一定の回転スピードで発電するほかのタービン発電とは合わず、そのまま送電してしまうと電気の品質に悪影響を与えます。そこで、回転の変動による影響をなくすため、一度「直流」に変えてから、再度安定した「交流」の電気に変えているのです。

このように、直流電気を送電線へ送る際には電子機器を挟むのですが、この電子機器は電気の性質や電気の流れの急激な変化に弱いため、もしも送電線のどこかで事故が起きて電気の性質や流れが大きく変わった場合には、電子機器が壊れてしまう恐れがあることから、発電を一度止めて機器を保護する必要が生じます。つまり、太陽光や風力といった発電方法は、現時点では、「送電線に何か事故が起きた場合には連鎖的に止まってしまう可能性がより高い発電」ともいえます。

こうしたことから、特に対策をおこなうことなく太陽光発電や風力発電を大量に導入してしまうと、送電線で発生した突発的なトラブルに対して影響を受けやすくなる可能性が高まるのです。なお、再エネの中でも、水力や地熱、バイオマス発電は交流のタービン発電なので、火力発電などと同じく「耐える力」を持ちます。

「経済産業省のサイト」より

分かっているのになにやってんの!

現状では太陽光発電設備と風力発電を増やす方向だが、安定供給は何処へ行ってしまったのか。それも経済産業省の所掌事務の一環のハズなんだが……。

経産省は今後見込まれる火力発電所の追加運転などを考慮した場合、来年1月の予備率が、東北電力と東京電力の管内で4・1%になるとした最新の予想を公表した。

「神戸新聞」より

どうなってるんだ……。

原発の新設

ところで、先日、岸田政権が原発の新設に言及した話に触れた。

このブログでも再三「再稼働しろ」と言ってきたが、政府も流石に再稼働の方向に進み始めたらしい。だが、新設となると話は別なのだ。理由は簡単で、用地取得が極めて困難なのだ。

個人的には次世代炉の建設を進めるべきだとは考えているが、実際問題、新たに用地を買収して新炉建設は不可能に近い。それほどまでに3.11の傷跡は深いのだ。

岸田政権は新設にも言及したのだが、あれ、お得意の検討師で実現はこれっぽっちも考えていないのかもしれない。

原発新設に消費者が費用負担の案 経産省、発電所建設の促進策

2022年9月16日 6時00分

経済産業省は15日、発電所の新規の建設を促すため、支援策を導入する方針を審議会に示した。対象には政府が新増設を検討している原発も含まれており、これを後押ししたい思惑もある。原発の建設には巨額の投資が必要で、大手電力会社側からは国に資金的な支援を求める声が出ている。広く消費者が原発建設を下支えする制度となる可能性もある。

「朝日新聞」より

更に原発を建設するとなると、巨額の投資が必要である。

この記事ではしっかり書かれているかどうか分からないのだが、既に建設された原発の減価償却すら怪しい状況になっていて、「利益を担保してくれ」というのが企業側の立場なのだろう。

そういう企業側の立場は分かるが、政府は流石にソレを認可するわけにはいかないだろう。

そもそも再エネ割賦金だって国民はそれを容認したとは言い難い部分がある。同じ様に負担させたら、国民生活に大きな影響が出るだろうと思う。

それでも必要であればやらざるを得ないのかも知れないが、そもそも、エネルギー基本計画の誤りがあっての現状なのである。そこを修正せずして方針転換など許されるはずが無い。失敗は失敗として認めた上で、方向修正をすべきなのだ。

コメント

  1. 小池百合子は災害級のポンコツ。
    選ぶ都民も大概だが。

    • 何で、あんなのが選挙で通ってしまうのか。
      沖縄・静岡も大概ですがね。

      • 横合いから失礼します。
        東京(関東圏)と沖縄の選挙問題は、根っこが似ていて、
        「(理由はともかく)一時的にそこに住民票がある奴が、あまり考えずに流行にのって投票する」
        が原因の一翼を担っていると考えてます。
        沖縄などで、選挙があると一時的に(法改正により三ヶ月程度前から?)思想的に偏った住民が増える、なんてのは今更チャメシ・インシデントだと思ってますが、東京に集中する、シチーボーイ・ガールを気取る連中も、その意味では思想的に流されやすい浮動票だと感じます。
        そこに根付いていると、それじゃまずい、と感じるんですが、根無し草は話題性だけで物事を判断しがち、マスコミに誘導されがち、というのは、元東京都民で現在神奈川県民の当方の目が曇っているのでしょうかね。

      • 七面鳥さん

         普通に日本のハイブリッド戦・敗戦だと思いますよ。 そもそもハイブリッド戦争ってのは何も新しい概念じゃなく、孫子・マキャベリも提唱してた「戦う以前に勝つ諜報戦略です」日本にも歴史的・世界的に有名なハイブリッド軍「ニンジャ」が存在してましたよね?
         現在の日本は、、、 GHQ青年将校達が日本という大国の政治基盤作成という世にも稀な大権限を与えられて舞い上がり、理想の民主主義国家を作ることに燃え、良い仕事をしてくれましたが、こうした影の部分は認めなかった。そこに古くからの東側調略が忍び込んだ。 と言うことと思っています。

        みなさん

         戻ってエネルギー政策ですが、、、省庁・政治家が理解していないか、理解していても利権orハイブリッド戦にはまっているのが、自然エネルギーの実態なのではないでしょうか?

          福島の時に感じましたが、既存原発も利権・政治・責任逃れまみれで「技術的に正しい」方向からは明後日の方向を向いている。

         未曾有の災害の副作用を(勿論東電の歪みも醜いですが)東電ひとつに責任を押し付け、、、責任論以前に日本国民の危機なのですから、米・仏の支援(申し出)のように、核戦争処理軍・部隊の出番のはず。

         具体的な自然エネルギー規制案

        そもそも「環境アセス」を義務付けるソーラー等のワット数がでか過ぎ、ウルトラ・メガ・ソーラー以外はアセス不要となっている。&抜け道、分割が容易。 立地から考えて1km以内のシステムは一帯と見做すぐらいの義務付けをしないと「管理者不在・無人」のメガソーラー・風力発電の乱立で、更に酷いことになりそうです。

         次に蓄電設備併設の義務化&蓄電設備の安全確保義務化。現在主流のヘヴィー・リチウムイオン電池は、現代IONICやテスラ、GM、VWのEV火災に代表されるように、燃えつきるまで消火不可能&延焼防止の放水時に有害物質を環境に垂れ流します。
         ヘヴィー・リチウムイオン電池を使うなら、放水すれば電池が安全に水没するウォータープール型安全囲いを義務付ける必要がありますね。
         まあここまでするぐらいなら鉛蓄電池・ニッケル水素・ライトリチウムイオン、等色々選択肢はあります。中韓は儲かりませんが