【ウクライナ戦争】ロシアとの終戦交渉は現段階では「不可能」

ウクライナニュース

実に正しい。

領土2千平方キロを解放、終戦交渉は不可能 ウクライナ大統領

2022.09.11 Sun posted at 15:30 JST

ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、同国軍が今月に入って解放した領土はこれまで2000平方キロ以上に達したことを明らかにした。

同日夜の国民向け演説で述べた。東部ハルキウ州で要衝バラクリアの奪還に成功するなどの戦果を示しているウクライナ軍に謝意も示した。

一方、同大統領はロシアとの終戦交渉にも触れ、現段階では「不可能」との考えも示した。ウクライナの首都キーウ(キエフ)で10日に開かれた国際会合で述べた。

「CNN」より

CNNのタイトルは「現段階では」という言葉を抜かしている点に悪意を感じるけれども、そこはさておき、ゼレンスキー大統領の判断は正しいと思う。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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信用出来ない相手・ロシア

ウクライナ戦線は詳細不明

日本の報道は信頼できなくなって久しいが、このウクライナへのロシア軍侵攻に関するニュースは特に注意して取り扱う必要があるように感じる。少なくとも複数の外国メディアからの情報を入れながら判断した方が良い様に思う。

ウクライナ「陽動作戦」成功 要衝イジューム奪還 動き始める戦線

毎日新聞 2022/9/12 19:14(最終更新 9/12 19:55)

ロシアの侵攻を受けるウクライナは、東部の要衝イジュームを奪還し、さらにハリコフ州の大半の地域を取り戻した。南部で反転攻勢を進める構えを強調し、混乱したロシア軍の隙(すき)を突く「陽動作戦」に成功した。両軍の間で膠着(こうちゃく)してきた戦線が動き始めている。

「毎日新聞」より

とはいえ、引用したこちらの毎日新聞の記事ではウクライナの反転攻勢が成功しつつあるというような内容になっていて、ロシア軍の一部撤退が始まっている「らしい」ということは伝わってくる記事となっている。

毎日新聞のソースもISWのレポートを分析したものをベースにしているとしているが、確かにISWのレポートによれば、ウクライナ軍によるハリコフ州の奪還は成功した旨の記載がある。

成功の秘訣(ひけつ)は、露軍の虚を突く陽動作戦にあった。ウクライナ軍は8月29日、ヘルソン州など南部の奪還に向けた作戦を開始したと発表。その後にゼレンスキー氏が南部の2集落を解放したと表明し、この方面での軍事作戦に力を入れる姿勢を強調していた。

ところが、わずか1週間後にハリコフ州での反撃にも着手。南部の支配地域の防御に力を注ごうとしたロシア軍は混乱し、敗走を余儀なくされた。戦争研究所によると、ウクライナ軍は今月6日からの5日間で、東京都の面積の1・3倍に当たる約3000平方キロの解放に成功した。

「毎日新聞」より

この「約3000平方キロの解放」という部分は、ウクライナ軍側の主張によるものをベースにしているようで、信頼して良いかは悩ましいところ。

6000平方キロの解放

何しろ、ウクライナ大統領のゼレンスキー氏は結構勇ましい事を発言している。

ウクライナ軍、6000平方キロの領土奪還 ゼレンスキー氏発表

2022.09.13 Tue posted at 07:55 JST

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が今月に入り同国東部と南部で6000平方キロの領土をロシア軍から奪還したと発表した。

専門家によれば、これは今年2月の侵攻以降にロシア軍が占拠した地域の1割近くに当たる。

「CNN」より

13日には6000平方キロを解放したと言っているので、冒頭の11日の記事で「2000平方キロを解放」から日増しに増えている計算になる。

ウクライナ軍トップが、自国の兵士達を鼓舞する目的で情報を大げさに言うことは当然考えられるわけで、この情報を何処まで信頼したものか、という点は悩ましいところだ。

経済的に困難に直面

ただ、アメリカから貸与されたHIMARSが相当な働きをしている様子は予想できるし、ロシア軍が撤退線を余儀なくされている事実には目を向ける必要があると思う。機械化部隊の活躍も大きかったようだしね。

ウクライナ軍、東部で反転攻勢続く ロシア軍は補給拠点から撤退

2022.09.12 Mon posted at 11:01 JST

反転攻勢を続けるウクライナ軍は11日、ロシア軍が東部ルハンシク州の補給拠点スバトボから撤退したと発表した。

スバトボは、ドネツク州との境界に沿った10日時点の前線から40キロほど北に位置し、ロシア軍が前線への補給拠点にしていた。

「CNN」より

特に、ロシア軍が戦線を維持する為の補給拠点をロシア側が失っていることは大きく影響しているのだろう。そして、補給拠点維持が難しい理由は、おそらくロシア経済の困窮である。

プーチンが大失政、ロシアのエネルギー産業崩壊の危機

9/10(土) 11:02配信

~~略~~

対露経済制裁措置が強力に効いているがゆえに、プーチン大統領は外資に対して「ロシアから出ていけ」と言ったが(大統領令416号)、外資が出ていくと石油・ガス生産に支障がでることを理解すると、今度は「出ていくな」という矛盾した大統領令(大統領令520号)を乱発しているのです。  

上記より、欧米メジャーが撤退すればロシアのLNG構想は全面崩壊の可能性大となり、ロシアの国益を標榜するプーチン大統領自身が、図らずもロシアの国益を毀損していることが判明します。

「yahooニュース」より

この記事の内容の正確性はさておき、ロシアにおける「優位」がプーチン氏の失策によって崩れ去ろうとしているのは事実である。

ロシアによる安易な天然ガスを用いた欧州への圧力は、ロシアにとって諸刃の剣でもあったのだが、どうやら情勢的にロシアにとって宜しく無い方向に転がっているらしい。プーチン氏の目論見としては、天然ガスを盾に脅すことでロシアへの譲歩を引き出す事が可能だという読みだったと思う。

しかし、欧州にとってソ連時代の所行、特に第二次世界大戦前後におけるやり方は、ドイツを抑えるに留まらず、欧州各地に災厄を振りまくようなやり方であったために、欧州各国にとっては恐怖として刻まれている。プーチン氏の所行は、まさにその恐怖を刺激してあまりあるものだったと言うことになる。

ロシアとの交渉は現時点では不可能

つまり、だ。冒頭に引用したウクライナ大統領のゼレンスキー氏の発言は、まさに欧州を代弁するようなものだと理解すると、分かり易いと思う。

「ロシア側がやると言ったことを実行に移す保証はなく、彼らはやらないだろうと判断している」とし、「誰も彼らを信用していない。握手出来るような相手ではない」と非難。

「我々がロシアと外交的な回廊を開くためには、外国領土を返す用意があるとの政治的な意思を示さなければならない」と主張した。

「CNN”領土2千平方キロを解放、終戦交渉は不可能 ウクライナ大統領”」より

あっはっは、辛辣!

欧州諸国でのロシア国民に対する査証(ビザ)発給にも触れ、「ロシアをテロ支援国家と公式認定する動きがまだない。テロ国家の市民が欧州に休暇や買い物に出かけ、欧州のビザをまだ取得できる。その中にウクライナの占領地から帰ったばかりの処刑人や殺人者がいるかは誰もわからない」と述べた。

「CNN”ウクライナ軍、6000平方キロの領土奪還 ゼレンスキー氏発表”」

ゼレンスキー氏の不満は、そう簡単に解消できるような類のシロモノでは無く、欧州としても未だ戦火の煙が届いている段階とは言い難い。

が、「ロシアを信用出来ない」という認識の共有は可能であるし、欧州だけではなくその事を肌を以て実感しているのは他ならぬ日本であるハズだ。8月15日過ぎてからの侵攻開始で、北海道を危うく失いそうになった歴史は、多くの日本人に実感として浸透していないことが甚だ遺憾ではあるが……。

ロシアの態度は、言ってみれば朝鮮と同じなのである。寧ろ、朝鮮は韓国も北朝鮮も等しくロシアからやり方を学んでいる。歴史的に見ても朝鮮半島はロシアからも支那からも脅威を突き付けられてきた土地で、そこに住まう人々は潜在的に彼らのやり方を嫌という程知っている。そして、ソレを模倣しているのが現状の外交なのである。

つまり、朝鮮の例を出すまでも無く、ロシアとは話し合いにはならないのだ。

これはウクライナの国家安全保障・防衛会議書記による発言だそうで、「戦争終結の条件として「ロシアの完全降伏と非軍事化」を求め、それ以外の交渉は受け付けない」んだそうな。

そこ(戦力的に不可逆的なところまで追い込む)までしないと信用出来ない相手という意味でもある。

追記

ロシア軍が撤退している話、一応追記しておきたい。

ロシア軍、ウクライナ東部ハリコフ付近からほぼ撤退=米政府高官

2022年9月13日8:03 午前

米軍当局者は12日、ロシア軍が制圧していたウクライナ東部ハリコフ付近からほぼ撤退し、兵士の多くが国境を越えてロシアに戻ったと明らかにした。

米国はロシア軍が撤退に伴い装備を放棄しているという報告を受けており、「ロシアの指揮統制の乱れを示している可能性がある」という。

「ロイター」より

米軍当局者もロシア軍の撤退を確認した模様。

コメント

  1. こんにちわ、

    初夏のころ、今年中にこの戦争の趨勢を左右するような転機がやってくるだろうと言われていました。今回のハルキウ攻勢がそうなのかもしれません。
    CNNによると、ウ軍はオシキル川を渡ってさらに進軍、ルハンシク州方向へ向かっているそうです。
    展開が速すぎて、何が何やら???ですが、昨日NYTが米当局者への取材を元に、ハルキウ攻勢の舞台裏-計画から実行まで-を掲載していました。ご参考まで。
    https://www.nytimes.com/2022/09/13/us/politics/ukraine-russia-pentagon.html

    • 一時期は、「ウクライナ、もうダメかも」くらいな状況まで追い込まれていましたが、よくもまあここまで盛り返したものです。
      戦況について何を信頼して良いか?という感じの情報があっちこっちに出ていますが、それでも潮目が代わっているのは事実なのでしょう。
      情報には感謝します。

  2. こんにちは。

    >アメリカから貸与されたHIMARSが相当な働きをしている

    当方、むしろ、虎の子と言えるHIMARSを南部戦線に貼り付けた(ように見えた)ところが陽動の陽動たる所以ではないかと。
    もちろん、南部への攻撃(橋を落とすetc)には最適だったのでしょうけれど、執拗に「虎の子」で補給線を分断されれば、誰だってそっちに兵力を回したくなるでしょう。

    その上で、北東部はある意味古典的な機甲部隊、機械化部隊による機動戦術で戦線をぶち抜いた模様。「マンシュタインのバックハンドブロー」並に、後世に残る電撃戦だったのではないかと思ってます。

    とはいえ、戦争は終わらせるのが難しい。
    ロシア国内でも、一部政治家から反対勢力がくすぶり始めたとも聞きますが、果たしてどうなる事か……

    いずれにしても、このままでは、ロシアは大博打に負けて相当な負債を抱え込む事だけは間違いなさそうですね。
    ※ここからの赤軍の再攻勢もなきにしもあらずなので、油断は禁物ですが。
    ※北朝鮮の兵隊や補給に頼るようでは……

    • ロシアは散々「HIMARSを破壊した」と公表していましたが、結局生き残っているのでしょうね。
      実に巧いこと、ウクライナ軍は他国から供与された武器を利用しているのでしょう。

      電撃戦の話はどこまで信用して良いか分からない部分があるのですが、ロシアが負けが込みつつある、そんな印象ですね。

  3. 捕らぬ狸の皮算用にはなるのですが、例えば露が全面降伏を申し入れたところで。こいつらを戦後どうすべきか。どうしたいか。そこから先の展望が全く見えないのも、日本含め西側陣営の頭の痛いところ。でしょうかねぇ…露軍さえ退けば戦争は終わって…戦争なんて無かったかのように元通り。と、いうワケにはいきますまい。

    • 終戦後の事も考えて対応を、と言うのは日本政府にとっては難しいでしょうね。なにしろそういった外交をやってこなかったのですから。

      国際社会にしても、プーチン氏に全責任を押し付けての敗戦処理。ロシアに巨額の賠償金を支払わせる流れになりそうですが、ロシアが戦争を始めた責任を認めて、「二度とやらない」と言うところがスタートなので、そうするとロシアという国が保たないでしょう。ロシアが更に四散分裂するにしても、支那が共産主義の敗北に納得するとも思えませんから、横槍は確実ですしね。
      落とし所は極めて難しそうですね。