韓国政府、アメリカの「インフレ削減法」施行に大慌て

大韓民国

何か韓国がとんでもない事を言い始めたな。

政府「米電気自動車補助金の中断はFTA違反」… 与野党決議案の推進

入力2022.08.19 21:23

米国政府が16日(現地時刻)「インフレ削減法」施行により、北米で組み立てていない電気自動車に対する補助金の支給を中断し、国内電気自動車の生産業者が被害を受けることになると、韓国政府と国会が本格対応に乗り出した。

国民の力は19日、「(米国政府の措置家)韓米FTA(自由貿易協定)と衝突する可能性が非常に高い」とし、韓国政府に米国政府と直ちに問題を議論することを要求した。

「朝鮮日報:韓国語版」より

米韓FTAと本件は無関係だと思うんだが?

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韓国の対米貿易危機

インフレ削減法案(Inflation Reduction Act)

えーと、何処から解説を加えたら良いのかな?先ずは「インフレ削減法」という法律からか。

アメリカのバイデン政権が主導して「インフレ削減法案」が提案され、コレが議会を通過している。

米国、「インフレ削減法案」成立

2022年8月12日に議会を通過した「Inflation Reduction Act(「IRA」)」が、本日(米国時間8月16日)バイデン大統領の署名をもって成立しました。法人税関係では会計利益を課税標準とする15%のCorporate Alternative Minimum Tax (「CAMT」)と、自社株買いに対する1%の懲罰的課税が盛り込まれました。その一方で、昨年下院で可決されながらも上院で審議が頓挫した当初の予算調整法案(Build Back Better Act法案)に盛り込まれていたGILTIおよびBEATの改定、新たな支払利息損金算入制限規定、インバージョン規制強化、レバレッジ・スピンオフ制限、そのほかの多くの増税案は廃案となっています。

「EY.com」より

この法律、施行目的はアメリカ大統領のバイデン氏の金看板、「気候変動対策」に対応するもので、「再生可能エネルギーへの移行」を加速することと、「現状では支那や東南アジアへの依存度が高い製品の生産について、アメリカ回帰を進めていく」という狙いがある。

前者はともかく後者、つまり雇用対策という側面がある以上は、アメリカ議会としても何としてもこの政策を推し進めたいところだろう。気候変動対策に関しては、まあ、正直どうでもイイ。

ただ、「インフレ削減」と銘打ったこの法律、恐らくインフレ対策にはならない。

まあ、それでも将来的にはアメリカの市場の活性化などの影響から、生産活動が活発になる事でインフレ抑制に繋がる可能性はある。現在、世界で巻き起こっているインフレの波はアメリカにとっても外的要因の影響が大きいのだから。

電気自動車に補助金が出るよ!やったね!

というわけで、アメリカでも猫も杓子も電気自動車推進という事になるのだが、ここで注意したいのが、現状で電気自動車のコア部品となる二次電池やモーターなどの供給は殆どがアジア頼み、もっと言えば支那の寡占状態が続いているという点である。

その点を鑑みて、IRAの補助金対象となる車種が決定されて、リストが公開されたのだが……。

見て頂くと分かるように韓国車は1台も入っていない。アジアでリストアップされたのは日産リーフのみである。これ、リストに加わる条件に課されたのが「北米で最終組み立てが行われる2022年モデル及び2023年モデル」「支那製部品の使用率が一定割合以下」というものだった。

慌てる韓国企業

コレに不満たらたらなのが韓国企業である。

ジョー・バイデン米国大統領が16日に署名して施行されたインフレ削減法は、米国内の電気自動車購入者に最大7500ドル(約1000万ウォン)の税金を減免するという内容を含んでいる。ところが減免特典は北米で最終組み立てられた電気自動車を購入する場合にのみ適用され、電気自動車バッテリーに中国で採掘・加工された素材・部品が一定比率以上入った場合には適用されない。

「朝鮮日報:韓国語版」より

基本的にはアメリカ国内で最終組み立てがなされた電気自動車が補助金対象ということもクリアが難しい上、支那製の素材・部品を使わないというのも韓国にとっては有り得ないのである。

一方、アメリカの対支那政策を考えれば、インフレ抑制法に当然入って然るべき項目であり、明示された条件である。アメリカにとって国防上、コレは譲れない部分であろうと思う。背景にアメリカ有意の状態を続けたいという思惑があったとしても、それは国家運営上当たり前の判断なのだ。

米韓FTAに抵触?

ただ、FTAを結んでいる国同士では、こういった条件付けが「非関税障壁」にあたるのか?という点は考慮が必要である。アメリカと韓国との間には米韓FTAが結ばれているからね。

2019年初に発効した改定米韓FTAの影響は限定的か

2019年2月13日

改定米韓FTAが2019年1月1日に発効した。自動車を中心に従来のFTAが改定されたが、米韓FTAの改定が韓国の産業界に与える影響は限定的というのが韓国の見方だ。他方、米韓FTA改定とともに合意された米国の韓国産鉄鋼輸入制限を巡る問題では、対米輸出の減少といった影響が顕在化している。

~~略~~

トランプ大統領も同年4月、ロイター通信とのインタビューで「KORUS FTAはひどい取引だ。われわれは再交渉または破棄をする予定」と述べた。当初、改定に消極的だった韓国は、米国側の圧力により同年10月、米韓FTA改定交渉の開始に同意した。

「JETRO」より

2006年に結ばれた米韓FTAは、トランプ政権下の2017年に見直された。アメリカの韓国との貿易不均衡状態を解消する為で、時間と共に状態の変化する貿易状態に伴う条約の見直しというのは、当然と言えば当然ではある。

当時のトランプ氏が何を懸念したのかというと、韓国の通貨安誘導政策で、韓国は頻繁に市場介入をしてウォンを通貨安(韓国に有利な一定のレートに維持する政策)に誘導している点で、米韓通貨スワップが通貨安政策に利用されたことなども槍玉にあがった。韓国は為替操作国に認定されてリストにのる様な事態を迎えそうになったのである。

韓国を「監視リスト」に分類、米国の外国為替報告書

2022年06月13日

米国財務省が6月10日に公表した「外国為替政策報告書」で、韓国を含む12カ国・地域が「監視リスト」に分類された(注2)。米国の「貿易円滑化・貿易是正法」に基づく為替操作認定国の3要件のうち、韓国は2つの要件に該当した。

1.対米貿易黒字

「対米貿易・サービス貿易の黒字額が150億ドル以上」に関し、韓国の黒字額は220億ドルで、要件に該当した。

2.経常収支黒字

「GDPに対する経常収支黒字額の比率が3%以上、またはGDPに対する経常収支ギャップの比率が1%以上」の基準に対し、韓国はGDPに対する経常黒字額が4.9%で、要件に該当した。

3.為替介入

「純外貨購入がGDP比2%以上の金額で8カ月以上」の基準に対し、韓国は純外貨購入額がGDP比マイナス0.8%で、要件に該当しなかった。

「JETRO」より

実際に、今なお韓国は監視対象になっていて、アメリカからの信用は相当毀損された状態にある事が分かる。

この様な改正を踏まえた米韓FTAなのだが、条文に目を通した感じでは、アメリカが新たに設けたとされる「インフレ削減法」が非関税障壁にあたるとしても、米韓FTAに抵触するとは思えない。条文改正前がどうだったのかまでは追いかけていないんだけど、現状では恐らく韓国側の主張は通らない。

むしろ、米韓FTAに抵触するのであれば、条約の定めに従って「投資家対国家の紛争解決」の手段を使えば良いのである。おそらくセーフガードに当たると判断されて「問題なし」という事になりそうだが。

価格競争力で負ける?!

で、そうなると、韓国にとっては「インフレ削減法」によってこれから成長するだろう分野の電気自動車のシェアを失う可能性が高いのは、極めてマズイ。

何故ならば、補助金対象にならない韓国製自動車は販売価格で他国の製品に負けることになる。性能の部分で優位を示せない韓国製自動車が、価格で負けては話にならない。

ところが減免特典は北米で最終組み立てられた電気自動車を購入する場合にのみ適用され、電気自動車バッテリーに中国で採掘・加工された素材・部品が一定比率以上入った場合には適用されない。今年上半期、米国電気自動車市場シェア9.0%を記録した現代車をはじめ、韓国産電気自動車は減免の恩恵を受けにくい。米国産だけに事実上の補助金を与えることで、韓国産の価格競争力が落ちて米国市場シェアで大きな損害を受けることになるという懸念が出ている。実際、米国政府はバイデン大統領署名直後、補助金支援対象電気自動車のリストを公開したが、現在米国で販売中の電気自動車の70%が北米外で製造されるという理由で支援対象から除外された。現代車が販売中の電気自動車の5つのモデルもすべて脱落した。

「朝鮮日報:韓国語版」より

何というか、条件に適合すれば韓国製の電気自動車も補助金対象になるのだから、その努力をすれば良いのだが。

キム・ジンピョ国会議長はフィリップゴールドバーグ駐韓米国大使に会った席で「韓国の電気自動車企業がインフレ削減法の恩恵を受けにくい状況」とし「こうなると現代自動車など韓国企業が韓米首脳会談当時バイデン大統領に約束した大規模対米投資が遅れる可能性がある」とゴールドバーグ大使を圧迫した。

「朝鮮日報:韓国語版」より

ところが、韓国政府は駐韓米国大使に対して、「大規模対米投資が遅れる可能性がありますよ」と伝達(脅し)をかけてしまった。

いや、逆なんだが。

アメリカは、「アメリカ国内で最終組み立てをし、支那製部品の割合を減らせ!」と言っているのだから、対米投資を促進してアメリカに韓国製自動車の工場を建設すべきだと、そういう選択を韓国に迫っているに等しい。それなのに、「対米投資を減らしますよ」と脅すのだから、何を勘違いしているのか。

アレだね、構図としては日本に対する「ホワイト国復帰要請」と似たような話だな。韓国側はコレについても変な要求をしているのだが、韓国側の曲解による話である。詳しくはやらないが。

補助金を検討

なお、この問題についてこの韓国国会議員は韓国政府にこんな対応を求めている。

国民の力クォン・ソンドン院内代表は「被害が予想される(国内)完成車企業と関連業者に対する一時的補助金支給や法人税軽減など支援策を積極的に検討しなければならない」とした。

「朝鮮日報:韓国語版」より

要は韓国政府が韓国企業に対して補助金を出して、或いは税金を軽減して、韓国企業を助けろという事らしい。

しかし、この対策の方が非関税障壁に当たるのではないかと懸念してしまう。

更に、支那に輸出している韓国製電気自動車について、支那は補助金を付けていないが、韓国に輸入される支那製電気自動車は韓国政府から補助金を受けている状況にあり、これも韓国企業の競争力を削ぐ事になっていると問題視しているようだ。

絶対的な競争優位にあった自動車部門も、赤字構造化する動きだ。 貿易協会の統計によると、自動車部品分野は2011年の貿易収支黒字が23億1000万ドルでピークに達した後、2017年に赤字に転換され、毎年赤字幅が拡大する傾向にある。今年7月までの中国での韓国新車販売台数が前年同期比37%ほど減少するなど、輸出は減り、輸入は増加している。

「yahooニュース」より

まあ、韓国の自動車部門は赤字体質になりつつあるからね。危機感が募るのも当然という事にはなるだろう。

日本政府としてもこの件は焦る必要はあるのだが、どうにも動きは鈍いね。日本政府の話はともかくとして、韓国政府としてはこうした対米貿易でも赤字になるリスクを何としても解決したいところ。どんなカードを切ってくるかは見物ではあるが、少なくとも冒頭のニュースで主張されるような内容は、アメリカには通用しないだろう。

対支那貿易にも影響

ちなみに、この話は恐らく韓国の対支那貿易にも関わってくるし、現在激しくウォン安方向に振れている通貨政策にも大きく関わってくる可能性がある。

「ウォン」為替レート変動の一因・・30年間続いた「韓国が中間財、中国が完成品」構図が揺れ、対中貿易は4ヶ月連続赤字
中国が中間財を自力で作れるようになり、経済において韓国と中国の関係が大いに揺れています。さっそくウォンドル為替レートにその結果が現れています(2022年8月22日時点の情報です)。

このブログでもよくお世話になっているシンシアリー氏の記事でもこんな分析が出ているのだが、要は韓国の貿易依存体質の崩壊が近づいているという意味だ。

「韓国が支那に中間財を送って、支那がそれで最終製品を作り、米国に輸出する仕組みが、作動しなくなった」とどこぞの韓国教授が憂いているが、そんなものはトランプ政権時代に既にダメになっていたではないか。今更である。

現在、ウォン安が荒ぶっている理由もこの辺りにあるんだろうね。

コメント

  1. トランプ政権による米韓FTA見直しは、韓国をカタに嵌め直すためのもの。
    韓国は今も為替操作の常習犯だから、米財務省に締め直されたんでしょうな。

    ところで、ユンユンもA4大統領という噂が(いやB5か?)
    https://www.wowkorea.jp/news/korea/2022/0812/10359568.html

    • 韓国政府もなかなか困難な局面に立たされていますから、判断は難しそうですね。
      何故、あんな難しい地域のトップを望むのか。それも、退任後は服役することが確定しているのに。

  2. こんにちは。

    これは、アレですね、「朝鮮人操作マニュアル」
    http://www.mirun.sctv.jp/~deus/Son32cyonnmanyu.html
    で言うところの、

    4.理由は聞くな。どうせ大したことは言っていない。

    ですね。

    文句があるなら、工場建てて量産車ラインオフしてから言えと。

    ※中華バッテリ積んでる車はどっちみちダメでしょうけれど。

    • アメリカ政府関係者はこのマニュアルを熟読して欲しいですね。
      最近のアメリカの対応は、その流れにある様に思いますが。