「チップ4」という踏み絵を踏まされる韓国

大韓民国

この記事を取り上げようかちょっと迷っていたが、軽く触れるだけ触れておきたいと思う。

一段と緊密化する米日、「経済版2プラス2」初開催

記事入力 : 2022/07/29 11:03

米国と日本は29日(現地時間)、ワシントンで両国の外相と経済閣僚が出席する「米日経済政策協議委員会(EPCC)」、いわゆる「経済版2プラス2」を初めて開催する。米国務省は「ブリンケン国務長官とレモンド商務長官が林芳正・外相と萩生田光一・経済産業相が同席する初めてのEPCCを共同で主管する」と発表し「両国はEPCCを通じ、インド・太平洋地域と世界でルールに基づく経済秩序の強化に向けた経済面での協力を進めていくだろう」と説明した。

「朝鮮日報」より

「チップ4」は半導体供給網に関する連携で、日本、アメリカ、台湾に加えて韓国の4カ国で連携して半導体供給網を構築しようという構想である。

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韓国を取り込むか否か

アメリカの提唱するチップ4は韓国を取り込むための連携

既に、台湾のTSMCを軸とした半導体供給網が日本、アメリカ、台湾で構築されつつある。これはアメリカの対支那経済政策の一環であり、「産業の米」と呼ばれる半導体を確実に確保するための政策である。

実際に、半導体供給網が武漢ウイルス騒ぎを契機に崩れて大きな混乱を招いた。

深刻化する半導体不足、納期が1年以上、価格が20~30倍に跳ね上がるものも

2021年07月01日 07時30分 公開

半導体や電子部品の通販Webサイトなどを手掛けるコアスタッフは2021年6月30日、不足が叫ばれている半導体に関する考察と、これらの状況に対する同社の取り組みについて発表した。

「MONOist」より

この記事によれば、世界的に発生した半導体価格の高騰の原因について以下のように分析している。

  1. 世界的な半導体不足の影響
  2. 「ルネサス エレクトロニクス、旭化成による火災の影響」
  3. 米国テキサスにおける寒波の影響

1番目の半導体供給不足は「COVID-19により一時生産が止まった反動」「5Gスマートフォン端末の拡大」「巣ごもり需要による家電販売の増加」「テレワークによるPCやデータセンター需要の堅調」などの全体的な需要の急速な増加と、武漢ウイルスの影響による製造現場の混乱による供給の減少が複合的に発生して起こっている。

2番目と3番目は主に供給にブレーキをかける要因として挙げられているが、何れも外的要因と内的要因によって影響を受けたと考えられる。

特に2番目の日本国内の重要製造拠点が攻撃された点については、内部的に製造量の限界に来ているタイミングであったとはいえ、不可解な外的要因があった可能性を排除できないところが問題である。

アメリカの製造業にとっても大きなダメージ

そして、こうした影響は世界的なモノ造りに大きな影響を出した。当然ながら、アメリカでも深刻な影響が出たが、アメリカは支那との貿易戦争をおっ始めた最中での出来事であったことも関係すると思うが、潜在的なチャイナリスクの内在に気がついたのである。

つまり、アメリカ国内で使用する半導体の多くが、メイド・イン・チャイナ製に置き換わってきており、この中に不審なバックドアを仕掛けられるような痕跡が幾つも見つかった。

アメリカでは数十年にわたって、支那への技術漏洩が続いていて、コレが深刻な問題と受け止められ始めたのはつい最近のこと。特に深刻さを印象付けたのは、米軍の採用する兵器に使われるチップにメイド・イン・チャイナ製が多くなったことと、明らかにアメリカのギジュで作られたであろう兵器が、支那の人民解放軍に配備され始めたことが影響していると思われる。

事態を深刻に捉え始めたのがステルス戦闘機のコピーで、J-20と名付けられた自称第5世代戦闘機は、F-22戦闘機の影響を色濃く受けた機体である。そもそも、支那の戦闘機はソ連製の戦闘機のコピー製品ばかりだったのに、ある日突然アメリカ以外が保有したことのないステルス機に似た機体が登場し、その中にはF-35戦闘機用に開発した技術も盛り込まれていたというのだから、怪しむのも無理はない。

印象的だったのはこちら。

アメリカも実戦配備し始めたばかりの電磁カタパルトを採用した空母が登場したことだ。アメリカ以外、どの国も手に入れていない技術なのだが、蒸気カタパルト技術すら持たない支那が、いきなり電磁カタパルト装備の空母を作ったというのだから、驚きよりも呆れが先に立つ。

もちろん、軍事だけではなくて電子機器など様々な分野で支那製の「優秀」な商品が市場を席巻した。

かつては日本にも似たような経緯でやられただけに、放置できないとアメリカが考えるのも無理はない。

あっちにふらふら、こっちにふらふら

そんな訳で、半導体のシェアを支那が握ってしまうと、世界のパワーバランスにかかわる懸念がアチラコチラで出始めて、アメリカではトランプ氏が大統領の時代についに支那との決別を選択した。

しかし、そこで問題になるのが、既に大きなシェアを握っていた日本、台湾、韓国である。日本は既に半島帯のシェアを大きく落として負け組の様相であったが、台湾は既に世界トップレベルのシェアを誇る状態。韓国にはサムスン、LG電子、SKハイにクスがあって、巨大投資による営業利益の叩き出しに成功していた。

西側陣営という一括りで考えれば、アメリカはこの三カ国を囲い込むことには旨味がある。特に、技術を持つ台湾と、基礎研究を進め経済的影響力を残す日本は必須である。そして、今後の展開に影響は薄そうだが、一線の技術を持っている韓国を囲い込むことができれば、支那の影響を切り離せると考えた。

米主導の半導体同盟「チップ4」、日韓台が参加へ=聯合ニュース

2022年7月14日3:34 午後

韓国大統領府は14日、半導体製造分野での協力強化策を米国と協議していると表明した。

「ロイター」より

実際にある程度は計画が軌道に乗ったかに見えたのである。

中国、韓国の「チップ4」参加にまた牽制「客観的・公正な立場を」

2022.07.27 07:26

米国が推進する半導体供給同盟「チップ4」(米国・韓国・台湾・日本)に韓国が参加することに対する中国の牽制が続いている。

中国外交部の趙立堅報道官は26日、定例記者会見で韓国政府がチップ4に対して「加入提案と言い難い」として慎重な意見を示したことに対する立場を聞く中華圏メディアの記者の質問に「両国関係の安定」を強調してもう一度深い関心を表明した。

「中央日報」より

【リセットコリア】中国のチップ4反対、無視できない理由

2022.08.01 10:01

中国は韓国・米国・日本・台湾が参加するチップ(Chip)4同盟に強く反対している。中国外務省・商務省はチップ4が自由貿易に合わず、半導体サプライチェーンを混乱させると批判した。

~~略~~

とはいえ、韓国は中国の反対を完全に無視できる状況でない。韓国の半導体輸出の約60%が中国に向かう。もちろん韓国企業が輸出した半導体のすべてが中国国内で消費されるわけではない。中国が輸入した半導体の半分ほどは完成品になって海外に再輸出される。米国半導体協会によると、半導体の最終消費地を基準に米国と中国はほぼ似た水準だが、2025年前後に中国が米国を上回ると予想される。

「中央日報」より

しかし、韓国は支那の圧力を受けて立場をハッキリできない状況が続いている。

今や、支那は韓国にとって最大の顧客であり、かつ原料供給元なのだ。

貿易一本足打法で食べている韓国にとって、支那は代替することのできない貿易相手国である。貿易面で見れば、日本とアメリカとの関係を断っても支那の方に付く方がメリットがある可能性すらある。なにしろ、半導体の大半は支那に販売していて、そこから多額の貿易黒字を叩き出している状況である。

IPEF会合

ちょっと話は逸れるが、先日IPEFの会合があった。

インド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚級会合が開催されました

2022年7月27日

7月26、27日の2日間で、インド太平洋経済枠組み(IPEF)に関する閣僚級会合が開催され、経済産業省から萩生田経済産業大臣が出席しました。概要は以下のとおりです。

7月26、27日、米国主催で「IPEF閣僚級会合」が開催され、「将来の交渉開始に向けた議論」として、①貿易、②サプライチェーン強靱化、③脱炭素・クリーンエネルギー、④税・腐敗防止の4つの分野における各国の関心等について意見交換が行われました。

日本からは、萩生田経済産業大臣が参加し、IPEFが、この地域の自由・公正・包摂的な経済秩序の形成に繋がるように、デジタルやサプライチェーン、脱炭素等の21世紀型の課題に対し、ルールと協力の両輪で、バランスの取れたパッケージを目指すことの重要性等を表明しました。

「経済産業省」より

このIPEFという枠組みは、あくまで対支那包囲網という側面はあるものの、参加国に対する強制力はない。そしてアメリカ以外の参加国にとっては強制力もないがメリットも薄い。寧ろ、支那市場にアクセスしにくくなるというデメリットの方が大きい。

そもそもIPEFという枠組みは、目的こそハッキリしているものの、どんなルールに基づいてどんな貿易をやるのかがハッキリしない。TPPのようにハッキリした貿易協定ならば理解し易いのだが、IPFEで何ができるのか。

バイデン氏は本当に何を考えているのやら。

ホワイトハウスの報告書によると、2021年に世界に供給された先端半導体のうち、92%は台湾の半導体ファウンドリー(受託生産)最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が占めている。米国の当面の最優先課題は、台湾を中核として、半導体生産の中心地であるアジア地域で、中国を排除した形での半導体調達のネットワークを構築していくことだろう。

「NRI」より

飴の一環として台湾を取り込んだ連携に加えるというような流れをアメリカが目論んでいるのかもしれない。明確に支那と一線を引くことは、それだけでメリットにもなり得るが。

チップ4もIPEFと似た側面があって、雰囲気的には半導体調達のネットワーク構築を!という感じになっているけれども、実際にはどんな連携をするのかがイマイチ明らかになってきていない。韓国側の報道を見ていると「緩い同盟」というような印象だが、しかしIPEFの目的やチップ4の導入経緯を考えると、おそらく支那との決別は避けられないだろう。

気の毒なことに、韓国は「西側に残るよな」という脅しをアメリカにかけられた状態で決断を迫られているのである。

韓国メディアのチップ4に関する分析は的外れな事が多いようで、どれもあまり参考にならなかった。アメリカの狙いを考えると、コレまでのようにアメリカにも支那にも「いい顔をする」という訳には行かないのだろう。

尤も、アメリカ側の求めるところは日本にとってもかなりリスキーな話ではあるので、日本、台湾共にそれなりの対価を支払わされることになるだろう。支那との衝突で苦戦するのは支那に近い日本と台湾なのである。そして、日本にとって頭の痛い問題は国内に多数存在するスパイをどう処理するか?ということだ。

ルネサスや旭化成の出火がテロに近い性格のものだったら、今後再び似たような事は起きかねない。

台湾にとってもTMSCで出火した件の事を考えると、守りが万全であるとは言い難い。そして、これらはチップ4(韓国が抜けてチップ3になる可能性は高いが)の枠組みがあろうが無かろうが対策が必要なことである。

日本と台湾は、外交と防衛に経済安全保障まで含めてレベルを上げていく必要に迫られているというわけだ。

一方の韓国は、恐らくこの踏み絵を踏まずにアメリカに切り捨てられる可能性は高い。アメリカにとって韓国をパージするのは織り込み済みではあるが、対価が高いために出来れば取り込んでおきたいという願いはあるだろう。韓国はそこに如何につけ込めるか、ということが問題なんだな。

結局、アメリカの判断1つという部分が大きいんだけど、トップがバイデン氏だから不安だよね。チップ4が転けてグダグダになってしまうと、支那にやられてしまうだろう。韓国は完全にあちら側だから、さっさと手を切るべきなんだが……。

追記

そうそう、記事中で触れるのを忘れていたのだが、韓国は半導体貿易関係もまあまあヤバい状況である。

半導体輸出「39.7→2.1%」急減、30年ぶりに3ヶ月連続で対中赤字… 「輸出前線、下半期より暗い」

入力2022.08.01 午後4時19分  修正2022.08.01 午後5時23分

上半期中、有価上昇発貿易赤字に苦しんだ韓国経済が下半期には輸出鈍化という二重悪材に苦しむ可能性が大きくなった。ドバイ油など国際原油価格水準がバレル当たり100ドル前後で固着化する状況で、半導体など主力商品の輸出増加率が緩やかに低下している状況だ。昨年7月に39.4%に達した半導体輸出増加率は先月2,1%に急減した。2020年6月以降25ヶ月ぶり​​に最低値だ。

~~略~~

主力商品である半導体輸出増加率は先月2.1%で2020年6月以来25ヶ月ぶり​​に最低値に落ちた。半導体輸出増加率は3月37.9%で頂点を取った後、4月16.0%、5月14.9%、6月10.7%、7月2.1%で、8ヶ月連続下り坂を歩いている。

「NAVER」より

これ、半導体についての韓国の支那に対するアドバンテージが失われつつある事を意味している。

高くてさほど性能が良いわけでも無い韓国製品を支那が買う訳も無く。未だ一部商品は支那で作る事が出来ていないために輸出が直ぐに途切れたりはしないが、次第に先細りになることは確定である。おそらく、今後この分野での黒字を稼ぐというのは困難だろう。

韓国では、今までの傾向からして基本的に新しい技術は生まれない。基礎研究をほとんどしないためである。必要なモノは外国から盗ってくる。韓国のスタンスは大抵ソレなのだ。

チップ4、アメリカは考え直すべきだろう。

コメント

  1. ひょとすると、韓国には「踏み絵」という認識すらないのではなか、と思ってしまいます。「踏み絵?? 何それ、美味しいの??」状態かも知れません。彼らが日本の切支丹の歴史を知っているとも思えないし。
    現状は思いっきりヤバいのに、ウクライナ、エネルギー高、ウォン安・・・一過性だ、くらいの認識かもしれませんね・・・

    • ユンユンの支持率は確実に落ちていて、既に死に体です。
      この状況が続くと、始まったばかりのユンユン政権が本格的に機能しなくなるので、韓国はいよいよマズイ状況に突入するでしょう。

  2. 韓国半導体企業は、チップを造っても販売市場を失えば、チップを腐らせるだけでなく、新たな技術革新からも取り残され、数年先には自社が衰退することを理解しているでしょう。

    • 企業家はそうでしょうね。でも政治家はどうなんでしょうか。理解していないような気がします。

    • 韓国の主要企業は海外に生産拠点を持ち、何とか生き延びる道を模索していますが……。
      そもそも韓国財閥系企業は韓国政府から甘やかされて今の地位を確立していますから、本当に危機感を感じてリスク回避出来る力があるか否かは判断が難しいところだと思います。気が付いていても、現状を打破する力は無いかも知れません。