ポーランド、韓国から大量に兵器を買ってしまう

陸軍

あーあ。

ポーランド、韓国から戦車や戦闘攻撃機を購入へ

2022年7月23日 11:44

ウェブサイト「wPolityce」がブワシュチャク氏の話として伝えたところによると、FA50戦闘攻撃機48機、K2戦車180台、K9自走榴弾(りゅうだん)砲を購入する。自走砲と戦車の第1陣は年末に、戦闘攻撃機は来年に引き渡し予定としている。

「AFP」より

ポーランド軍が手持ちの兵器の更新時期に来ているという話があって、色々と交渉が進んでいるという情報は掴んでいたが、ここまで纏まった金額での取引になるとは思っていなかった。

まあ、正直言おう。羨ましい。うん。

注:諸事情によって病院からの投稿となってしまい、色々とフォーマットが整っていませんでした。内容に関して少し追記をしております。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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K兵器世界に羽ばたく

今そこにある危機

ポーランドの地理的条件を考えると、ロシア軍のウクライナ侵攻問題は他人事ではない。ウクライナがロシア軍に占領されてしまうと、ベラルーシとウクライナに接するポーランドにとっては他人事ではない。

ベラルーシは親露派だし、バルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)もNATO及びEU、OECDへの加盟などを果たしてはいるものの、ロシアからの影響は強い。

ポーランドにとってウクライナという緩衝地帯を失うことは、深刻な事態を招くことを意味する。そういう意味では、今軍拡を行っておかないと間に合わない。

差し迫ったロシアの脅威…欧州各国、国防費増へ続々

2022/03/31 10:00

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州諸国が国防予算の増額に動いている。ロシアの差し迫った脅威に対処する狙いで、米国の防衛戦略の補完も期待される。欧州全体の統合的な防衛につなげられるかが課題だ。

~~略~~

欧州ではほかにもポーランドが、国防支出をGDPの2・1%から3%に増やすと表明し、ルーマニアやリトアニアなどは少なくとも2・5%への増加を目指している。

「讀賣新聞」より

ポーランドは、最終的にはGDP比5%にまで引き上げるとされている。当然、人を増やすだけでなく兵器も見繕う必要がある。

いや、分かる。早急に兵器が欲しいと言う事情は。でも、韓国製の兵器を纏まった数買うというのはかなりハードな展開が想定される。

ポーランドは今月、伊防衛大手レオナルド(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>AW149」32機を計17億5000万ユーロ(約2430億円)で購入すると発表。米国製戦車「エイブラムス(AFP通信より

他の国からも色々買う予定らしいのだが、韓国からも大量に買うよというのが今回のニュースだ。

戦車が足りなくなる

さて、ポーランド陸軍が保有している戦車だが、レオパルド2系である。凡そ250両のレオパルド2を保有しているのだが、このレオパルド2がまず問題であるようだ。

ドイツ最新鋭戦車「レオパルト2A7V」連邦軍で運用スタート

2021.09.19

ドイツ連邦軍は2021年9月15日、新鋭戦車レオパルト2A7Vを実戦部隊に配備し、運用を開始したことを明らかにしました。最初に搬入されたのは、ドイツのほぼ中央に位置するテューリンゲン州バート・フランケンハウゼンに駐屯する第37装甲擲弾兵旅団第393戦車大隊です。

~~略~~

ドイツ連邦軍では2023年までに104両を導入する予定であり、ほかに隣国デンマークも2022年までに44両調達するとしています。なお両国とも、既存の旧式化した車体を改造する形を採るため、現時点ではレオパルト2A7Vに関して、新造される予定はないようです。

「乗り物ニュース」より

ドイツは既存の戦車を改造する形で更新を行っていて、各国でも引く手あまたという状況になっている。そして、ドイツでは新造のレオパルド2を供給していない。

ポーランド陸軍の保有する130両のレオパルド2A4も、レオパルド2PLにアップグレードされる予定となっているが、近代化改修している間に兵力が減少してしまうという問題を抱えていて、エイブラムスを366両購入するという話も出ているものの、スムーズに調達できるかどうかはハッキリしない。

M1エイブラムスも、アメリカ陸軍が更新したがっているので恐らくスムーズには行かないと思う。従って、K2戦車購入は保険的意味合いが強いんじゃないかとは思っている。

そして、前回の記事でも書いたが最大の動機は、主力戦車部隊のT-72シリーズ382両の更新問題だろう。

在庫一掃

実はウクライナ陸軍の主力兵器T-72が随分とロシア軍に潰されてしまい、ポーランド陸軍からレンタルする形で大量の戦車が送られている。

武器の在庫一掃か、ウクライナ援助で見えたNATO各国のしたたかな算盤勘定

2022.6.27(月)

ロシア・ウクライナ戦争も4カ月が経過、ウクライナ東部では激しい攻防戦が続き、NATO(北大西洋条約機構)をはじめ西側・民主主義陣営はウクライナ軍への多大な武器供与で前線を支える

~~略~~

まず「兵器の新陳代謝」だが、現在使用する旧式の旧ソ連系兵器をウクライナに送り、代わりに西側製兵器で更新、NATOの一員として共通化を加速させるというもの。いわば「ところてん方式」で、特に旧東欧諸国や旧ソ連邦構成国のバルト三国がこれに当たる。

「JB Press」より

ポーランドから送られたのはT-72系戦車約230両だそうな。

今回のロシア軍のウクライナ侵攻によって露呈した問題として、T-72系戦車の脆弱性である。これは湾岸戦争時にも指定されていた問題らしいが。

この時は「Jack in the BOX」と揶揄されていて、T-72系戦車の脆弱性が世界に明らかになってしまった事案であった。

で、ウクライナ戦争において、ウクライナ陸軍が使うT-72系戦車が損耗し、直ぐに使える兵器の補充を望まれたことから、ポーランド陸軍からのT-72系戦車提供という流れになった。戦争中の国が戦車の訓練など悠長にやっていられないので、乗り慣れたタイプが欲しかったウクライナ陸軍と、老朽化してそろそろ更新を考えていたポーランド陸軍との利害が一致した結果であるとも言えるだろうが。

で、その代替がK-2戦車というわけだが、しかしそれにしたっていきなり180両買うかなぁ。

あ、前回の記事でも書いたが、韓国側がK2-PLと呼ばれるポーランド向け輸出モデルの提案をしたことも大きかったのだと思う。

ただ、K9自走砲はノルウェーやエストニアが運用していて、比較的NATOの兵器との相性も良いらしく、相互運用能力を発揮したとの評価があるようなので、割と真面目に運用する気はあるのかも知れない。K9自走砲に関しては技術移転を含めてポーランド側にもメリットが大きいしね。

FA50軽攻撃機も買うぜ

ちょっと意外だったのはFA50軽攻撃機も買う判断をしたことだ。

安いけど使い勝手も微妙なのがFA-50軽攻撃機だ。なにしろ、練習機ベースだから兵装がショボくて余裕がない。足が短く鈍足ときている。兵器をたくさん積んで飛べないので、使える作戦に幅が出ない。

マルチロール機っぽいから、使い勝手が良さそうに見えるのが問題だなよ。

T-50高等練習機からFA-50軽戦闘機への変更経緯など軽く触れているので、こちらの記事を参考にして欲しい。

まあ、単純に数を増やす位の位置づけなら使い道あんのかな?

性能的には劣化版F-16という位置づけで、F-16ファミリーに連なる日本製のF-2戦闘機には言うに及ばず、台湾製のF-CK-1経国号戦闘機にも性能的に勝てるか(経国号戦闘機は、政治的事情でエンジンの出力がショボイ)という程度のシロモノである。まあ、この2つの何れも政治的事情によって輸出する事はできないために、選択肢にはなり得ないんだが。

そんな訳で、まさに政治的背景によって嵌まった大量購入計画ということになる。チャンスをものにできた韓国には称賛を送りたい。が、ポーランドには先にお悔やみを申し上げておきたい。恐らく、韓国はコレだけの大量受注を受けきれるだけの能力はなく、様々なトラブルがついて回るだろう。上手く解決してください。

コメント

  1. 西側規格への諸々の切り替えとその訓練。には、ぴったりハマるのかな。とは、思うところですな。特に計器類の違いには早めに慣れなきゃでしょうし…飛行機の水平儀からして違いますものね。
    スホイとミグへの殺意が特に高いグリペンとかあたりを揃えられるかは、これからの話になるんでしょうかね。今後の露空軍機体の顔ぶれ次第では、それこそKF21で良いんじゃね?という話にもなるのかも。Su57なんかは結局数が全然足りてなかったっぽいですし…

    • 何というか、タイミングが良かったんでしょうねぇ。
      日本が武器輸出を許可できるのであれば、チャンスがあったかも知れませんが、日本企業がそんなガッツがあるとは思えないので、結果は同じだった気がします。

      グリペンの採用は前回検討され、結果的にF-16を選んでしまったので、選択肢としては考えいにくいですよ。
      F-35を買うことを決定していますし、今後ポーランド空軍はアメリカ製の戦闘機で揃える気なのかも知れません。韓国製はその繋ぎの意味合いが強いのでしょう。

  2. 速報です。K-2は最低でも980両、K9を648輌、FA-50を48機調達するらしく開発中のKF-21にも関心を示している様です
    また今回の多くの兵器の決め手が「他では導入速度が足らない」だそうです
    FA-50に関しては以前にM-346を導入したのですがイマイチだったらしく練習機の再トライアルだった様で性能云々は知ってて使う様です
    本気で「今度こそ道路になんかさせないつもり」ですね
    https://defence24.pl/polityka-obronna/polska-kupi-1000-czolgow-blaszczak-planujemy-pozyskanie-dodatkowych-f-35-lub-f-15-wywiad

    • 態々ありがとうございました。
      参考にさせて頂きました。

  3. こんばんわ、

    本件の概要は木霊さんの指摘通りと思います。韓国製装備の採用は、タイミングの良さ(ポーランド政府はウクライナの惨状を見て、次世代主力戦車調達計画”ウルフ・プログラム”を爆速した)と対ロシア戦を意識した国防強化の緊急性が為せる結果でしょう。

    もっとも、ポーランド政府は今後ポーランド軍の装備を国産化していく方針をもっています。
    ポーランドは強かな国なので、少なくとも、韓国製装備を丸飲みして運用することは無いと思います。

    • ウルフ・プログラムは大変先進的というか、意欲的なプログラムのようで。
      そして、ポーランドは実に強かなようです。
      これまで、韓国製の兵器は海外に採用されず、頑張ってロビー活動をしてきた背景がありますが、これを「一気に拡大」するような印象を植え付けることで、韓国に利がある以上にポーランドに利益をもぎ取ったような恰好ですね。
      まあ、韓国製の兵器、色々問題があるのですが、その辺りを上手く解決出来れば、という条件付きではありますが。