武豊火力発電所の営業運転が8月に開始

報道

当然、喜ぶべきことなんだが。

武豊火力、8月営業運転 JERA、電力安定供給へ

2022/7/14 19:57

東京電力グループと中部電力が出資する発電会社JERA(ジェラ)は14日、試運転中の武豊火力発電所5号機(愛知県武豊町)を報道関係者に公開した。1基当たりの出力が国内最大級の石炭火力発電で、出力は107万キロワット。8月上旬の営業運転開始を予定する。夏の需給逼迫を避けるため電力の安定供給への貢献が期待される。

「産経新聞」より

これは産経新聞からの引用だけれども、朝日新聞は同様の内容の報道で発狂していると言うから笑える。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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朝日新聞はきちんと取材したのか?

何が問題なのか

こちらがその記事だ。

電力不足の緩和に期待、最大級の火力発電所が完成 でも別課題が浮上

2022年7月15日 6時00分

愛知県の海沿いに最新鋭の火力発電所が完成した。東京電力と中部電力が出資する火力発電会社JERAは14日、8月5日から営業運転を始めると明らかにした。原発1基分の発電能力があり、「電力不足」の緩和につながると期待される。ただ、主な燃料は二酸化炭素(CO2)を多く出す石炭で、「脱炭素」という別の課題が浮かび上がる。

「朝日新聞」より

何言っているんだ?コイツ。

「別の課題」なんて浮かび上がっていないぜ。

5号機の燃料は石炭と木質バイオマス。木質ペレットを混焼することで、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に努める。年間の発電量は一般家庭約240万世帯分に相当する。1~4号機は既に廃止している。

「産経新聞”武豊火力、8月営業運転 JERA、電力安定供給へ”」より

元々、この武豊火力発電所は「木炭火力発電」の問題点に気が付いていたからこそ、木質ペレットを混焼する計画になっている。

武豊火力発電所5号機における木質バイオマス燃料の混焼計画について

2017年02月28日

当社は、地球温暖化対策をはじめとした環境保全への取り組みを重要な経営課題のひとつと位置づけています。地球環境に優しい再生可能エネルギーの開発の一環として、現在石炭専焼火力としてリプレース計画を進めている武豊火力発電所5号機において、木質バイオマス燃料の混焼による発電を実施することといたしましたのでお知らせいたします。

2022年3月に営業運転開始を予定している武豊火力発電所5号機において、バイオマス燃料である木質ペレットを混焼することで、石炭を専焼する場合と比較してCO2排出量を年間約90万トン削減することが可能となる見込みです。

「中部電力のサイト」より

この様に平成29年(2017年)には「対策」が発表されている。着工が翌年なので、この計画が承認されて建設が開始されたことになる。

どの程度の二酸化炭素排出量が削減されるのか

分かりにくいのは年間約90万トンの二酸化炭素排出量の削減を実現するという話である。大型の石炭火力発電所1基(100万kW)は、年間約600万トンの二酸化炭素を排出する。武豊火力発電5号機は、107万kWの発電能力があるので、通常であれば年間約600万トンの二酸化炭素を排出するところ、90万トンの削減に成功していると報じている。

実に15%程度の二酸化炭素排出量の削減に成功しているのである。

日本における二酸化炭素の排出量

それが火力発電で言えば、一般的な石炭火力発電から一般的な石油火力発電レベルになるという事を意味する。

お分かりだろうか、二酸化炭素排出量のレベルでいえば「さほど誇れない」のである。なお、武豊火力発電所5号機の発電方式は超々臨界圧(USC)なので、こちらの図で行くと、平均値より8%程度の二酸化炭素排出量の少ないのがUSCである。

しかし、武豊火力発電所5号機は、超々臨界圧(USC)でありながら、木質ペレットを使うことで、IGCCクラスの二酸化炭素排出量を実現しているのである。これは発想の転換としては面白い。

あまり語られない発電コストの話

そして、実は武豊火力発電所は1号機から4号機までは既に廃炉にしてある。

JERA、火力発電9基廃止 老朽化で採算合わず

2022年3月31日 16:05

東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が折半出資するJERAは31日、同社が保有する火力発電所9基を廃止したと発表した。合計出力は383万3000キロワットで、原子力発電所4基分の出力に相当する。設備の老朽化で維持費用がかさみ、投資回収できないと判断した。夏と冬の電力需要期に向け、安定供給への懸念が募る。

「日本経済新聞」より

そして5号機を作ったわけだ。計画時点で石炭火力で行く予定だったのだが、世論にあわせて二酸化炭素排出量の削減策を捻り出した。

これは2020年版のコスト計算なので、参考くらいにしかならない(注:この後燃料費が高騰したために石油やLNGを使う発電方法のコストが高くなっている)が、石炭火力のコストとバイオマス(混焼5%)の所を見て頂くと良いのだが、おそらく5号機の発電コストは15円/kWh程度になるのではと予想している。

すなわち、武豊火力発電所5号機は発電コストもそれなりに抑えることが可能になっている。

おそらく、朝日新聞はこの事が気に入らないのだろう。

下らない解説

コストと発電効率のバランスまで考えると、現時点では割と最適解なのではないか?というように思えるのだが、石炭火力と言うだけで悪者にするという発想の貧困さに辟易とする。

ちなみに、朝日新聞の記事は有料になっていて途中までしか読めないので、別記事を引用していく。

朝日の言う「別課題」とは、火力発電が「燃料に石炭を使うこと」。燃料が石油だった建て替え前より二酸化炭素の年間排出量が7割ほど増える見込みだと指摘。記事では、「政府は石炭火力を活用しつつ、CO2を出さない燃料の実用化を後押しする。その一つがアンモニアだ」とするものの、アンモニアの「調達先の確保やコストなど」といった課題も挙げている。

さらに、環境NGO「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表の「新燃料のような確立していない技術に頼っていると、脱炭素の確実な達成が難しくなる。そこに使うお金を、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの促進に振り向けた方がよい」といったコメントで記事は締められている。

「SAKSIRU」より

サキシルの記事がこの朝日新聞の内容を引用して批判しているのだが、どうやら朝日新聞は「アンモニア」を使えとそんなことを宣っているようだ。

朝日新聞の記事では、「燃料が石油だった建て替え前より二酸化炭素の年間排出量が7割ほど増える見込みだ」などと主張していて、これが事実かどうかはわからない(僕の分析では、同等の二酸化炭素排出量になると思っている)のだが、アンモニアを使えと。しかし、ご存じだとは思うがアンモニア混焼技術はNEDOで開発中の技術なので、既に建設が終わった石炭火力発電所に直ちに適用できるものではない。

何言っているんだコイツは。

更に、環境テロリス……ちがうNGO「気候ネットワーク」の代表サマによれば、「再生可能エネルギー発電の促進に金を使え」と明後日の方向の結論を出している。もはや、電力供給量のバランスとかそういう話は一切すっ飛ばされて議論している。

朝日新聞社はおそらく環境に配慮して新聞紙面を紙で出さなくなるに違いない。そして、社内で使う電力はきっと100%再生可能エネルギー発電だ。そうでなければ物知り顔で文句を付けるな。

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