ガス不足のドイツ、シャワーの時間まで制限をする

欧州ニュース

本気かネタかわからないようなニュースだが、夏からこんな事を言うようでは冬期は本当に悲惨だな。

ガス不足で省エネ要請強化 シャワーは5分、ギリシャで越冬?―ドイツ

2022年07月17日07時16分

ロシアとの対立により、同国に頼っていたガスの供給不足への懸念が広がるドイツで、政府が国民にシャワーの節約など省エネの要請を強めている。温暖なギリシャで冬を過ごすよう、同国からドイツ国民へのラブコールも届き始めた。

「時事通信」より

紙面を費やす必要もないドイツの悲しい実情なのだが、どうするんだろうな、ドイツ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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エネルギー政策で行き詰まるドイツ

定期点検に入った

ドイツの天然ガス供給の5割程度がロシア産であることは既に知られていることではあるが、この影響がモロに出た格好だな。

ロシアのガス輸送管、点検入り 供給が長期停止も―独

2022年07月12日07時13分

ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム」は11日、定期保守点検作業が始まった。作業終了は21日の予定で、この間、ガス供給は停止する。ウクライナ侵攻を非難して制裁を強化する欧州に揺さぶりをかけるため、ロシアが点検を長引かせ、供給再開を先延ばしにするのではないかとの懸念が強まっている。

「時事通信」より

冬までに解決できれば良いのだが、完全にノルドストリームが人質に取られた格好であり、ロシア側から譲歩を要求されていることだろう。

ロシアは6月、ノルドストリーム経由のガス供給量を最大輸送能力の4割に削減した。カナダで修理した輸送管のタービンが制裁の影響で戻ってこないためだと主張。返還されれば供給を増やすとしている。

「時事通信」より

このノルドストリームの定期点検が本当なのかは分からないが、ロシア側の主張をドイツが疑ったとしても、打つ手があるわけではない。

石炭火力発電を増やす

まあ、とはいっても石炭火力発電を推進するなどの手は打っているし、液化天然ガス基地の建設にも着手はしている。

ただし、一般家庭の暖房が天然ガス頼みであるという現実は変えられないし、「暖房を全部電気にしろ」などとは言えまい。

ドイツの住宅の暖房はガスが主流で、約5割を占める。現在のガス貯蔵率は6割強と夏期の間は十分だが、冬期は予断を許さない状況だ。

ドイツはガス供給に懸念がある際に出す警報の第2段階を発令済みだが、最高の第3段階まで引き上げられれば、政府がガスの供給先に優先順位を付けることも可能になる。ハーベック経済・気候保護相は、こうした「悪夢のシナリオ」を回避するためにも、国民一人一人の協力が不可欠だと呼び掛けている。

「時事通信”ガス不足で省エネ要請強化 シャワーは5分、ギリシャで越冬?―ドイツ”」より

果たして、ドイツ国民の理解は得られるのだろうか?

独エネ大手、公的支援申請 ガス高騰で損失1.4兆円も

2022年07月09日07時33分

天然ガス価格の高騰を受けて経営危機に陥ったドイツのエネルギー大手ユニパーは8日、政府に公的支援を申請した。ロシアからの天然ガス供給が減ったことによる影響は、ドイツのエネルギー業界を揺るがす事態に発展した。

「時事通信」より

ドイツのエネルギー大手ユニパー(Uniper)といえば、水力発電、火力発電などの従来型の葉電を手掛けるエーオン(E.ON)の子会社である。もともとドイツのエネルギー政策に翻弄されてきたこの会社、2016年頃から巨額の赤字を抱えるようになっている。これは発送電分離を進めたドイツ政府の責任でもあるのだが、イロイロ上手く行っていないらしい。

で、優良だった天然ガス火力発電部門も足を引っ張るようになってしまったというから笑えない。

ユニパーのマウバッハ社長は記者会見で、年末までに損失が100億ユーロ(約1兆3800億円)に膨らむ恐れがあると説明。資本注入を含め、支援の詳細を政府と協議していると語った。

「時事通信”独エネ大手、公的支援申請 ガス高騰で損失1.4兆円も”」より

石炭火力発電云々という話をする前に、電力会社が破綻してしまう可能性が高いというからなかなか笑えない。ああ、そういえばお隣の国も似たような事情を抱えていたな。

支持率の急激な低下

何にせよ、ドイツの試練は続きそうである。

ドイツ最大州でも選挙敗北 ショルツ与党に打撃

2022年5月16日 9:12

ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州で15日投開票された州議会選挙で、ショルツ首相の所属する中道左派のドイツ社会民主党(SPD)が支持を大きく下げた。物価高をめぐる有権者の不満のほか、ウクライナ危機への対応の混乱などが響いたもようだ。8日の北部の州議会選挙に続く連敗で、同氏の政治的な求心力に打撃が広がっている。

「日本経済新聞社」より

防衛政策やエネルギー政策の転換など、大きな決断をしたドイツではあるが、国民の理解が得られているかというと、なかなかそうは言い難い実情である。

政界引退したメルケル前首相が党首を務めた国政レベルの最大野党・中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)は第1党を維持する。環境政党「緑の党」も支持を広げた。

「日本経済新聞社”ドイツ最大州でも選挙敗北 ショルツ与党に打撃”」より

その結果、人権重視の売国政策を推進したCDUが勢力を伸ばし、環境テロリスト的な政策を掲げる「緑の党」も支持を拡大したようだ。

歴史的に、ロシアとドイツが手を組むなどという事態を迎えたのは三帝同盟(1873年~1887年)の時期だけで、その後、第一次世界大戦(1914年7月28日~1918年11月11日)の時期にはロシアとドイツは敵対関係となるのだが。

案外、ドイツがロシア側に寝返る日もそう遠くはないかもしれない。

追記

ドイツは世論で脱原発にブレーキをかける流れも出ているようだ。

ドイツ、「脱原発」で激論 年末停止か延期か―政府が影響精査へ

2022年07月20日07時07分

ドイツで「脱原発」をめぐる議論が激しさを増してきた。国内で稼働中の原発3基は全て年末で停止する予定だが、ウクライナ侵攻を続けるロシアとの対立を背景に、エネルギー危機が深刻化。与野党から原発停止の延期を求める声が上がっている。

「時事通信」より

コメントでも頂いていたが、ドイツ国内で「脱原発ちょっとまった!」という感じになってきたようだ。

ただ、前与党のCDUやら緑の党などは猛烈に反対していて、この2つの党の支持率は高い。

このほか、産業界に近い連立与党の自由民主党(FDP)は稼働延長を主張。また、メルケル政権時代に脱原発を決断した野党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のシュパーン副院内総務も延期に前向きで、緑の党に受け入れを促している。

「時事通信”ドイツ、「脱原発」で激論 年末停止か延期か―政府が影響精査へ”」より

そうすると、与党FDPの主張の説得力が果たして何処まで出てくるかという話になる。

もちろん、合理的に考えれば原発の延命という選択肢はアリなんだけど、ドイツもかなり国内の議論が極端から極端に振れる国なので、どう転ぶかはサッパリ予測ができない。敢えて予測すると、選挙で与党2連敗の現状で、横車を押すことは難しかろうとは思う。ロシアに頭を下げてガスを送って貰う方が、まだありそうな気がするよ。

コメント

  1. こんにちわ、

    岸田政権がとりあえずこの冬は原発を運転すると言明したことを受け、ドイツでは”日本を見習え”とSNS上でドイツ政府へのやっかみや非難が満開状態ですが、ショルツさんは「原則を曲げない」と16の石炭/重油火力発電所の再開を発表し、環境テロリストたちに喧嘩を売りました。これを受けて反ショルツ政権デモがセットされたそうです。

    こんなんでドイツ連立政権はもつんでしょうか。面白いので、引き続き見ていきたいと思います。

    • ドイツにとって、原子力発電を増やすというのは実のところあまり現実的ではありません。
      動かせるヤツは今未だ動いていますし、老朽化で色々とトラブルが出る様になっているようで、再稼働が厳しい原発が多い様です。
      かといって原発の新設には時間がかかりますから、シュルツ氏としても「動かしたいけど容易に動かせない」というのが本音だと思います。