慌てて金利を上げた韓国、ウォン安が進んでしまう

大韓民国

ご愁傷様だね。

韓国中銀が0.5%利上げ、1999年以来最大幅 家計負担に懸念も

2022年7月13日10:34 午前

韓国銀行(中央銀行)は13日、24年ぶりの高水準にあるインフレを抑制するため、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、2.25%とした。

「ロイター」より

韓国としては官民の累積債務がヤバい状況になりつつあるので、利上げを避けたいところなのだが、そうも言っていられない状況になっているようだ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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アジア発経済危機はどこから?

アメリカが金利を上げるぞ!

事前予測は出てはいたが、実際にその数字を見るとインパクトはあるな。

アメリカの消費者物価指数(CPI)が発表されたのだが、なんと9.1%上昇となっている。あーと、引用する前に少し用語を整理しておくか。どうも各社使っている用語の統一性がなくて比べにくいんだよね。

  • CPI:消費者物価指数のこと。全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの。総合指数ともいう。
  • コアCPI:すべての対象商品によって算出される「総合指数」から生鮮食品を除いて計算された指数のことを示す。
  • コアコアCPI:「総合指数」から酒類を除いた天候や市況など外的要因に左右されやすい食料と、エネルギーを除いた指数のこと。

物価動向の分析にあたっては、現実に観測される消費者物価の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(いわゆる「コアCPI」)がよく利用されている。その際には、特定のコアCPIに依存するのではなく、様々なコアCPIを総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握することができると日銀は考えているようだ。

なお、上の定義は日銀が使っている用語の説明なのだが……、海外の指標を参考にする場合には注意が必要となる。

  • CPI=CPI
  • コアコアCPI=コアCPI

僕は知らなかったのだが、外国の報道で使う「コアCPI」は日本の報道で使われる「コアコアCPI」のことらしい。いや、普通分からないよね。仕方が無いので、色わけして同じものということにしておく。

【速報】6月のアメリカ消費者物価指数 前年比9.1%上昇 40年7か月ぶりの高い伸び

2022年7月13日(水) 21:41

アメリカの先月の消費者物価指数は前の年の同じ月に比べて9.1%の上昇となり、およそ40年半ぶりの高い伸びとなりました。

「TBS NEWS DIG」より

<6月のアメリカ景気動向>

  • CPI 9.1%上昇
  • コアCPI 5.9%上昇

FRBは急激に金利を上げすぎたとして自粛する話もあったが、6月の消費者物価指数は9.1%増とちょっと看過できないレベルになってしまった。落ち着くんじゃ無かったのか?インフレが。

ともかく、流石にFRBもこれを放置する事は容認できないはずなので、6月に引き上げたばっかりの政策金利をおそらく大きく引き上げる可能性が高い。

米FRB、政策金利を0.75ポイント引き上げ、2022年末までに3.4%まで引き上げの見通し

2022年06月16日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は6月14、15日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の現状の誘導目標0.75~1%から0.75ポイント引き上げ、1.5~1.75%にすることを決定した(添付資料図参照)。予想外に上昇した2022年5月の消費者物価指数(CPI)を受けて(2022年6月13日記事参照)、前回の会合で実質的に予告していた引き上げ幅(0.5ポイント)を上回り(2022年5月6日記事参照)、27年7カ月ぶりの引き上げ幅となった。なお、今回の決定に関して、11人のFOMC委員(1人は補欠委員)のうち、エスター・ジョージ委員(カンザスシティ連邦準備銀行総裁)のみが引き上げ幅を0.5ポイントにすべきとして、反対票を投じた。

「JETRO」より

6月には政策金利を0.75ポイントも引き上げたのだが、消費者物価指数は更に上昇してしまった。思い切った引き上げも、効果は薄かったようだ。

したがって、7月も恐らく何処かのタイミングで上げるだろうと予想される。そうした中で、ウォン安が進行しているようだ。

ここのところ心理的抵抗線の1ドル1300ウォンをあっさり突破してしまって、なかなか滑稽だ興味深いが、韓国当局としては笑い事ではあるまい。

ウォンがウォンが!

でまあ、グラフにも示した通り、ウォンが上がってしまったと。

13年ぶりの最安値、1ドル=1316ウォン…韓国経済に悪材料が山積み

登録:2022-07-13 06:38 修正:2022-07-13 07:56

ウォン相場が取引中1ドル=1316ウォン(約137円)までウォン安ドル高が進み、13年2カ月ぶりの最安値を記録した。米国の雇用好調とインフレ加速化の見通し、ユーロ圏の景気低迷などがドルの価値をさらに引き上げた。国内では今月末、韓米の政策金利逆転の可能性や、外国人投資資金の流出、社債市場の梗塞のニュースなどが外国為替市場に一気に押し寄せた。グローバル金融危機の時の1300ウォン台の為替レートが固定化する可能性まで高まっている。

「ハンギョレ」より

なかなか見ないレベルでのウォン安で、韓国としても大騒ぎになっている。「金利を上げたのに!」という恨みの声が聞こえそうだが、そもそも政策金利と通貨市場は必ずしもリンクしない。

韓国が政策金利を引き上げた理由は、外資が逃げていくキャピタルフライトを何とか阻止したいという思惑があるからなのだが、この政策は巨額の負債を抱えている韓国社会にとって諸刃の剣でもある。進むも地獄、留まるも地獄というのが韓国の現状なのだ。

批判される日銀

一方で、日本国内ではこんな記事が氾濫している。

円安加速も緩和策は継続、なぜ日銀は“今すぐ”政策修正に踏み切らないのか

2022/07/14

世界ではインフレが進行し中央銀行が金融引き締めに向かっているが、日銀は消費者物価上昇率が2%を超えてもなお金融緩和を続けている。こうしたことから、市場関係者の間では日銀の政策への批判的な見方が高まっている。たとえば、日銀が現状の金融緩和策を維持することにより、「日米金利差の拡大を通じて過度な円安を招き、それが日本経済に打撃を与える」といった声がある。また、「10年金利を0.25%以下に抑え込む政策は限界」との見方も広がっている。日銀の路線変更(引き締め)せざるを得ない将来を見越したヘッジファンドは国債売りを進めているが、日銀はいつまで現在の金融緩和を続けるのだろうか。

「FinTech」より

日銀が金融緩和政策を続けている理由は簡単で、日本の消費者物価指数が上がらないからだ。

5月 消費者物価指数 前年同月を2.1%上回る 2%超は2か月連続

2022年6月24日 18時16分

家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる先月・5月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、去年の同じ月を2.1%上回りました。政府・日銀が目標としてきた2%を超えたのは、2か月連続です。

「NHKニュース」より

NHKは9ヶ月連続で上昇とか、口角泡を飛ばして騒いでいるが、これは天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数のコアCPIと呼ばれる数字である。

5月の全国コアCPIは2.1%上昇、2カ月連続で日銀目標超え

2022年6月24日 8:31 JST 更新日時 2022年6月24日 10:04 JST

5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比2.1%上昇した。伸び率は4月から横ばいで市場予想と一致した。ウクライナ情勢の悪化を受けたエネルギーと食料品の値上がりや円安が全体を押し上げ、2カ月連続で日本銀行が物価目標とする2%を上回った。総務省が24日発表した。

エネルギー価格は17.1%上昇と引き続きコアCPI上昇への寄与度が最も大きかった。ただ、政府のガソリンや軽油、灯油を対象とした補助金による効果で、4月の19.1%上昇から伸びが鈍化した。一方、生鮮食品を除く食料は2.7%上昇と4月の2.6%上昇から伸びが拡大した。

~~略~~

・生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.8%上昇(予想は0.8%上昇)ー前月は0.8%上昇

「Bloomberg」より
  • CPI 2.5%増
  • コアCPI 2.1%増
  • コアコアCPI 0.8%増

要は、経済は好転していないというわけだ。それでも、ガソリン価格に補助金を乗っけているお陰で、多少低めに推移しているというのが実情である。ここで政策金利を引き上げようものなら、再び僅かに動き出している経済の足を引っ張りかねないというのが現状なのである。従って、日銀は政策金利を上げたくとも上げられない。マスコミは、日銀の政策が悪いと批判するんだけど、現状の政策は日銀にとっては極めて正攻法なのだ。

韓国は大幅な物価上昇

ところが、韓国はまた状況が違う。

韓国CPI、6月は24年ぶり6.0%上昇 大幅利上げ観測強まる

2022年7月5日8:24 午前

韓国統計局が5日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年比6.0%上昇し、前月(5.4%)から加速した。伸びは約24年ぶりの大きさで予想の5.9%も上回った。

~~略~~

変動の激しい食品とエネルギー価格を除いたコアCPIは前年比3.9%上昇し、2009年2月以来の伸びだった。

「ロイター」より
  • CPI 6.0%
  • コアCPI 3.9%

韓国の場合は、コアCPIが3.9%にまで上がっている。もちろん原油価格もかなり影響しているため、日本よりもエネルギー価格のコアCPIへの寄与度は大きい可能性はある。だが、こうした数字を見ると、日本の物価上昇よりも韓国の物価上昇は上げ幅が大きいのである。

韓国の政策金利は2.25%だが、アメリカの政策金利は現在1.5~1.75%。ただし、6月の結果を受けてさらに0.75~1.0ポイント引き上げる可能性が出てきた。そうすると、韓国中央銀行としては再び引き上げを検討せざるを得ないんだが、どうなんだろうな。その余裕が外貨準備に果たしてあるのかどうか。

コメント

  1. ウォン高ではなく、ウォン安です。

    • はっ、どこかでウォン高と…と思ったらタイトルだった!
      すみません、ご指摘感謝。

  2. こんにちは。
    経済指標で思い出しました。

    先日、F横聞きながら通勤中、「ミザリー指数(悲惨指数)」という聞き慣れない経済指標の話を聞きました。
    要するに、インフレ率と失業率を加算した値だって事なのですが、これで見ると、前年比で日本は2倍近く悪化している、と。
    で、話はここで終わらなくて、その数値は現時点で5だか6だか、半年前だか一年前だかは2.5だか3だか(運転しながらの流し聞きだったので、正確で無くてすみません)。
    これ、G20でスイスに次いで二番目に低いと。
    先進国、軒並み10以上と。
    トルコなんか80行ってると(インフレ率が70台近いとか)。
    なんだ、日本全然問題無いじゃん、と思った次第。
    こういう事を、マスコミは全然発表しませんね……

    そして。
    韓国さんは……5月時点で8.4だそうで。
    なんだ。韓国もまだまだイケるじゃん。
    イケイケドンドンで利上げしろ!
    ※ムンムンのマジックで、この数値が信用出来ない事はさておきます(笑)

    • マスコミさんは彼らに都合の良いデータを使いたがりますから。
      そんな都合の悪い指数は無視でしょう。

      ヘルコリアといっても、まだまだ余裕があるのでしょうか。
      トルコと比べれば、流石に。

  3. 先日加がいきなり100bps上げして、国内外で大顰蹙を買いました。
    それで、FRBは100bps上げはやめようと。今回は75bpsで手打ちにしそうです。
    https://jp.reuters.com/article/usa-fed-idJPKBN2OP21H

    ですが、未曽有のインフレに見舞われている米国なので、誰も1回で済むとは
    考えておらず、9月にもう1回上げて来るとマーケットは予想(50bps)しています。
    https://www.reuters.com/markets/europe/fed-lift-rates-by-75-basis-points-july-50-bps-september-2022-06-22/

    ドルがどんどん米国へ逆流していく。
    ¥が酷いことになっていますが、Wは為替介入していまの有様ですからもっと酷い。
    (それで徳政令….。)

    • アメリカさんも、インフレ加速に苦しんでいますから、何とか食い止めたいのでしょうね。
      ご指摘の通り、もう1度か2度は利上げが来るでしょう。
      日本も随分と苦しんで這いますが、コレばっかりはどうしようも無いというか。露骨に介入するのもどうかと思いますし、介入して効果があるかどうかはまた別ですしね。

  4.  日本だけですよ、アメリカの金利上昇などどこ吹く風と気にもしない中央銀行は!

     世界中が不景気なんだからどこの国も金利アップなどしたくない、世界で唯一超好景気のアメリカにあわせて金利アップなどとんでもない。
     超好景気に9.1%上昇したインフレのアメリカの異常な金利上昇とは距離をおきたい…が、そうもいかない。
     なんといってもキャピタルフライトが怖い!のでしょうね。

     使いようのない膨大なドルが溢れる我が国、キャピタルフライトするならするが良い…というところでしょうが、なんとも凄まじい金融力!…ですね、日本という国は。

    • 日本のインフレは金利を上げても解決しませんから、日銀としても打つ手なしですね。
      とはいえ、口先では介入したいという意向も見え隠れしますので、恐らく日本も何処かでは挙げざるを得ないでしょう。ただ、今はその時ではないと言うだけで。