KDDI(au)の通信障害によって様々なトラブルが発生

政策

僕はdocomoユーザーなのでauの通信障害についてはピンと来ないのだが、結構大変な騒ぎになったようだね。

auなどに通信障害【速報中】音声通話はつながりにくい状況続く

2022年7月4日 9時12分

携帯大手のKDDIは、2日未明から続いている大規模な通信障害は3日午前に復旧作業を終えた西日本に続いて東日本でも午後5時半ごろに復旧作業を終えたとしています。 ただ、ネットワークの検証を行っていて、流量制御などの対処を講じているため、音声通話が利用しづらい状況が続いているということです。

「NHKニュース」より

トラブルの復旧と通信障害の復旧はちょっと話が違う様で、通信障害は今も続いているようである。しかしこれ、IoTの弱点を露呈した感じだな。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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脆弱性を見せた社会インフラ

通信インフラを支える企業の責任

今回、2日未明から続いている通信障害は4日になってもその影響を引き摺っていて、社会の混乱は未だ続いているようである。

3日18時 au回線使用の店舗外の銀行ATM 大部分復旧 岐阜

岐阜県大垣市に本店を置く大垣共立銀行では、今回の通信障害の影響で、愛知県、岐阜県、三重県、それに滋賀県の店舗外に設置している、合わせて221台のATMのうちau回線を使用している190台のATMが2日から使用できなくなっていました。

「NHKニュース”auなどに通信障害【速報中】音声通話はつながりにくい状況続く”」より

なんと、銀行のATMが利用できないという恐るべき事態を引き起こした。電話が通じないだけでも問題なのだが、何故、銀行のシステムまで障害を受けてしまったのかといえば、KDDIの回線を使っていたからと言うことのようだ。

尤も、ATMが使えないからと言って、銀行に行けばお金を引き出せる状況だったようで、銀行の業務そのものがストップしたわけではないのだけれど。

3日15時時点 気象庁アメダスデータ「102か所で配信できず」

気象庁によりますとKDDIの通信が不安定になっている影響で、気温や降水量などを観測しているアメダスのデータについて、午後3時時点ではこのうち102か所で配信できない状態となっているということです。気象庁は今のところ天気予報や台風の気象予報などに大きな影響はないとしています。

「NHKニュース”auなどに通信障害【速報中】音声通話はつながりにくい状況続く”」より

他にも、気象庁の利用しているアメダスのデータの送受信にトラブルがあって、102箇所でデータ配信ができなかったという問題も発生したようだ。

このような様々なトラブルが生じてしまったようで、不便を感じた方も少なくはなかった模様。

何が起こったのか

しかし、今回のこの話、実はスタートは大したことではなかったようなのだ。

2日未明、通信ネットワークの保守・管理のため機器の交換を行っていたところ、不具合が起き、15分間にわたって音声通話ができなくなるトラブルが発生しました。

このため、もとの機器にデータを戻す作業を行いましたが、音声通話を管理する交換設備にアクセスが急増し「ふくそう(輻輳)」と呼ばれる状態になりました。

アクセスの集中により完全にネットワークが使えなくなることを防ぐため、通話やデータ通信を制限せざるをえなくなり、通じにくい状態が全国に広がったということです。さらに、通話や通信に必要なデータ処理が追いつかなくなったことも、障害が長引いた要因だとしています。

「NHKニュース”auなどに通信障害【速報中】音声通話はつながりにくい状況続く”」より

機器の交換をやったら通話にトラブルが出て、慌てて機器を元に戻したのだけれど、混乱が広がってデータ通信量が増えてしまって、繋がりにくい状態に。

そこで、ネットワークを守る為にKDDIが通話やデータ通信を制限したのだが、そのお陰で全国規模で通話や通信が出来なくなると言う感じになったらしい。

結局最初のトリガーは、7月2日午前1時30分頃に行われた「コアルーター交換」というメンテナンス作業である。それが問題では……ということになるのだが、このメンテナンス自体は特別なものではないようだ。

吉村専務は「あくまで通常の作業で、毎月あるようなもの。ただ今回は、いつもは起きないことが起きた。なのでしっかり原因を調査したい」と話す。

「Impress Watch」より

しかし、トリガーとなったコアルーター交換は、割と頻繁に行われる作業であり、今回の様な大規模な障害に繋がった直接的な原因とは考え難い。

トラブルの要因となった「輻輳(ふくそう)」と言う現象だが、お正月に電話が繋がりにくくなる現象や、大規模災害が発生した時に、多数の人が安否確認をした結果に繋がりにくくなる現象の事を指す。だが、今回は、割と発生し易い輻輳の現象とは少々異なる結果をもたらした。

つまり、KDDIが説明している問題とは別の問題が発生していた可能性は否定できない。

総務省、KDDIへの行政指導検討の方針 通信障害は「重大な事故」

2022年7月4日 10時50分

携帯電話大手KDDIの大規模な通信障害は、発生から丸2日以上が過ぎた4日午前も、音声通話がしにくい状態が続いている。KDDIは4日午前7時時点でデータ通信が全国的におおむね回復したと発表したが、全面復旧のめどはまだ見えていない。

~~略~~

総務省は「重大な事故」に当たるとみて、KDDIへの行政指導も検討する方針だ。

「朝日新聞」より

流石に、行政指導しなければならないレベルの重大事故だったわけだが、個人的な感想で申し訳ないのだけれども、これは簡単に解消できない問題のような気がする。

KDDI、別件で総務省から行政指導を受ける

ところで、話は変わるのだが、6月初めにはKDDI、総務省から行政指導を受けている。

KDDI、総務省から行政指導 5G基地局の開設に遅れ

2022年6月13日 19:38

総務省は13日、高速通信規格「5G」の基地局の開設が遅れているとして、KDDIを行政指導した。同社は2021年度内に設置するとしていた基地局、約9400局のうち6割の約5900局しか開設していなかった。総務省は22年9月末までに不足分を設置するよう求めた。5G基地局の整備遅れでは、総務省は21年にソフトバンクも行政指導している。

「日本経済新聞」より

世界各国で5Gのへの切り替えが進んでいて、日本も急いでいるのだけれども、KDDIやソフトバンクの作業が遅れているようだ。

こうした作業の遅れが、何らかの影響を及ぼしている可能性もある。完全な憶測なんだけれども。

実は、今回の騒ぎに乗じて、こんな問題点が提起された。

この図は2018年に発表された調査結果なのだが、この時点で、Softbankは支那系の通信機器を主力機器として使っていた。

もちろん、世界シェアを考えれば、ファーウェイの機器を使っていることに不思議はないのだけれど。

マジデスカ。

恐らく、多くの方は流石にファーウェイ製の通信機器は採用されないだろうという風に理解していたと思うのだが、実態はこんな感じだ。

いや、2018年のデータだから、流石に状況が変わっているんじゃないかな。かな。

あんまり変わっていなかったー!

というか、2019年はアジアベンダーが減ったのに、2020年には再び増えちゃったよ。国内ベンダーが増えているのは良い傾向なんだけど、これはちょっとヤバいよね。

あらゆるデータを運ぶ通信インフラを中国メーカーが握れば、機器を通じて機密情報が漏えいする恐れが生じる。自動運転など重要な社会インフラの基盤に5Gが使われることになれば、そのリスクはさらに高まる。

米国政府は8月、政府の調達や政府と取引する企業に対し、安全保障上の理由からファーウェイなど中国企業の機器の利用を禁じる方針を示した。その動きにオーストラリアやニュージーランドも同調。欧州でも大手通信事業者である英BTがファーウェイ製品を基幹ネットワークに採用しない方針を表明した。

「Wedge ONLINE”5G幕開けで変わる産業構造、出遅れる日本の通信業界”」より

2018年には「ヤバイヤバイ」言われていたのに、喉元過ぎれば熱さを忘れるとはこの事である。

国内ベンダーの機器は高い?

NTTが国内ベンダー製の機器に拘っている理由は、NTTとNECや富士通が組んで機器開発をやっているというような実態があるためであると考えられる。

NTTグループとNEC、5Gを活用した企業向けソリューション開発を加速

2021年6月28日

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:澤田 純、以下「NTT」)、株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:本間 洋、以下「NTTデータ」)、日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之、以下「NEC」)は、グローバル市場において、5Gを活用した企業向けソリューションの共創活動を開始します。NTTデータ子会社NTT DATA Deutschlandのイノベーションラボ “Ensō – The Space for Creators”(以下、Ensōラボ)でのお客さまとの共創活動を通じて、市場ニーズを基にした事業開発、5Gソリューション開発を行い、ビジネスモデル・事業創出をめざします。

「NECのサイト」より

当然ながら、NTTと組んで開発しているNECが、NTT以外のキャリアに機器を提供するかというと、恐らくそういうワケには行かないだろう。供給するにしても、コストはNTTに比べて高くなるハズだ。

富士通、NTTドコモ、NTTと6G実用化に向けた共同実験に合意

2022年6月6日

当社はこのたび、株式会社NTTドコモ(注1、以下 ドコモ)および日本電信電話株式会社(注2、以下 NTT)と、第6世代移動通信方式(以下 6G)の実用化に向けた共同実験を行うことで合意し、実証開始に向けて取り組みを始めます。本共同実験では、6G で利用が検討されている100GHz帯および300GHz帯の高周波数帯(サブテラヘルツ波)の電波を用いた、障害物による遮蔽に強い高速通信技術を開発するとともに、化合物半導体(注3)を活用した高周波無線装置の実現を目指します。

「富士通のサイト」より

富士通の事情もまあ似たようなものだろうと予想される。

そういう意味ではauが欧州系ベンダーと組むのは理解出来る。恐らく、世界的なシェアを持っている価格の熟れた機器を採用できることが魅力的、かつ他に手段がないという感じなのだろう。理解出来ないのはSoftbankで、何故、未だにアジア系ベンダーに拘るのか

何れにしても、安い機器を提供されてなお、5G通信基地の整備が進んでいないことを考えると、docomo系に比べてau系、Softbank系は資金力に不安があり、インフラ整備が疎かになっているのだろうと予想される。

そうだとすると、ネットワークの冗長性に関しても、NTTに比べてKDDIは弱い可能性が高く、幾ら総務省から行政指導が出されたとしても、改善するのはなかなか困難なのだろう。

こういった状況を見るに、通信が民営化されて競争原理を働かせることが果たして正しい選択だったのかは、なかなか悩ましい。

通信インフラは社会基盤に大きく食い込んでいる社会インフラとしての性格があって、簡単に止まってもらっては困るのだが、今回の様な脆弱性を見るに付け、IoTやDXの推進をしても人々の生活が豊かになるとは言い難いのではないかという気がしてしまう。

有事の時に、何処までこういった社会インフラの保全ができるのか?と言うことも含めて、改めて課題を突き付けられた気がする。

追記

スゴイ記事を見つけた。

「auの信頼度爆上がり」通信障害でも社長の“有能さ”に驚く声多数 一方で「まだ圏外だぞ…」など報告続く

2022年07月04日 17時00分 公開

7月2日未明から続いているauの大規模な通信障害を巡り、KDDI社長が記者会見で見せた対応が素晴らしかったと話題になっています。

「ねとらぼ」より

この記事だけかと思ったら、不自然にKDDIの社長を褒める記事があっちこっちに。

KDDI社長謝罪会見に「逆に信頼できそう」「安心した」の声も…不通続きで困惑するユーザーも多数

2022/7/4 13:34

KDDIの大規模な通信障害を受け、高橋誠社長が3日に行った会見に称賛の声が止まらない。影響は最大3915万回線に及び、携帯業界では過去最悪の規模となったが、専門知識や状況把握の高さを感じさせる高橋社長の簡潔な説明にネットでは、「逆に信頼できそう」「事細かに説明してるとこ見て安心した」といった謝罪会見としては異例の反応が広がっている。

「iZa」より

会見を見ていないので、どんな素晴らしい解説をしてくれたかは知らない。

しかし、後から報道資料を見る限り、今回のこの事態を招いたのは、KDDIの企業姿勢そのもので、社会インフラを長期間麻痺させてしまった責任が払拭されるものでは無い。

現場上がりの社長だろうが、どんなに才覚があろうが、KDDIが実際にしでかしたこと、そして、「回復した」と言いつつ、現実的に通信状況が改善していない点を勘案すると、企業姿勢として許容できないレベルの不信感を感じた。

何より、一部で輻輳が起こった程度で、全国に問題が波及する脆弱なシステムを組んでいることが大きな問題だし、一般人のスマホのデータ通信、通話サービスと、企業に使う回線が同じというのもちょっと信じられない。

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