ロシアがサハリン2を取り上げる日

ロシアニュース

もう、諦めたら?

サハリン2、ロシア新企業に譲渡と大統領令 三井物産 三菱商事が出資

2022/7/1 09:53

ロシアのプーチン大統領は6月30日、日本の商社も参画する極東サハリン(樺太)州の天然ガス採掘事業「サハリン2」の運営会社「サハリンエナジー」の資産を、ロシア側が新たに設立する運営会社に譲渡すると定める大統領令に署名した。タス通信が伝えた。

「産経新聞」より

日本政府の判断が不味かったかといわれると、なかなか悩ましいところではある。が、もはやロシアとは決定的な関係悪化が避けられない状況ではある。サハリン2の権益は、諦めるしかあるまい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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もう、諦めたら?

だって2回目だぜ?

サハリン2事件(2006年9月18日)再びという状況だな。

サハリン2事件に関しては以前も触れているので、簡単に説明しておくと、サハリン2とは、サハリン州北東部沿岸に存在する石油および天然ガス鉱区と関連する陸上施設の開発プロジェクトのことである。1991年にロシア政府が国際入札を開始。1994年にロイヤル・ダッチシェルと三井物産、三菱商事の合同でサハリン・エナジー社を設立。その上でロシア政府と生産物分与協定を締結している。

そして、開発が始まったのだが、開発が順調に進んで、原油及び天然ガス産出の目処が付いた段階で、ロシア政府は突然「環境対策を!」と言いだし、2006年9月に環境アセスメントの不備を指摘してサハリン2の開発中止命令を出した。

この交渉の後、2006年12月にはガスプロムがこのプロジェクトに参画が決定、2007年4月にガスプロム社がサハリン・エナジー社の株式の50%+1株を取得。これ以前はロシア政府には6%しか利益を得られない状態だったので、因縁を付けて乗っ取りをやらせた(ガスプロムはロシアの国営企業)というのがこの時の騒ぎの全容である。

2009年2月にはサハリン2の稼働式典が行われて、天然ガスの出荷が始まっている。

2度目は全てを取り上げる

で、今回は何が起こったかというと……。

サハリンエナジー社の株式は現在、露国営天然ガス企業ガスプロムが50%、英石油大手シェルが27・5%、日本の三井物産が12・5%、三菱商事が10%を保有。タス通信によると、新会社の設立後、従来の株主はこれまでと同等の比率の株式を保有する権利を与えられるものの、露政府の承認が必要。露政府が承認を拒否した場合、保有する株式は売却される。また、株式の売却先は露法人のみに限定される。

「産経新聞”サハリン2、ロシア新企業に譲渡と大統領令 三井物産 三菱商事が出資”」より

ロシア政府が「NO」を突き付けるだけで、株式を勝手にロシア企業に売却できるようだ。

大統領令は今回の対応を「非友好的な行為に関する特別経済措置」としており、事業会社が新会社に移管されることで、日本の調達に影響が出る恐れがある。

「時事通信」より

ロシアなんて信用したって何の良い事も無いな。

シェル、ロシア全事業から撤退 日本企業出資の「サハリン2」も

2022年3月1日5:54 午前

石油大手シェルは28日、主要な液化天然ガスプラントを含むロシアの全事業から撤退すると発表した。

声明で、サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からも手を引くと表明。ロシアからの撤退が低炭素エネルギーや再生可能エネルギーへの転換計画に影響を与えることはないとした。

「ロイター」より

なお、ロイヤル・ダッチシェルは、さっさと撤退しているので、たいしたダメージはなかろうが、日本企業にはそれなりにダメージが出るだろう。

「権益損なってはならぬ」 サハリン2で木原官房副長官

2022年07月01日11時47分

木原誠二官房副長官は1日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領が日本企業も参加する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の事業会社変更を命じたことに関し「わが国の資源に関わる権益が損なわれることがあってはならない」と述べた。

「時事通信」より

まあ、官房副長官が寝ぼけたコメントを出しているが、こんな惚けた事を言ったところで意味はないのだ。海軍ではダメージコントロール(ダメコン)が重視されるが、国益に際しても当然考慮すべきである。或いは、投資の分野で重視されるロスカットか。

合法か違法かでいえば、今回のロシア政府の決定は明らかに違法だと思う。実行してしまえば企業との契約違反という事にもなるはずだ。ただ、ロシアでは問題にならないだけで。

いずれにせよ、もはや取り戻せる類のものではないのだから、さっさと撤退すべきである。

支那が目を付ける

なお、日本のサハリン2からの撤退について注目している国がある。支那だ。

中国石油大手、サハリン2の権益「関心もって注視」

2022年4月28日 21:59

中国国有石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)の香港上場子会社、中国海洋石油は28日、同業の英シェルが撤退を表明した極東ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」などの権益について「関心をもって注視している」と明らかにした。シェルは権益の売却交渉を始めたと報じられており、CNOOCは買収に意欲を示しているもようだ。

「日本経済新聞」より

本来であれば、支那に交渉の余地はないはずなのだが、しかし相手はロシアである。独裁国家であれば、胸先三寸で様々なことが決定出来る。

今回のロシアの決定によって、支那も手を出しにくくなったという側面はあるが、そもそもの話、今回の様な決定は、如何なる理由付けをしてどんなタイミングでも可能であった。

ロシアはそういう国なのだ。

故に、日本が撤退したら支那に利益を掠め取られるので、撤退する事は悪手だと主張される自民党議員が複数人いたが、この話はそもそもムリがあったのだ。何度、ダマされるつもりなのか?諦めた方が良いだろう。

コメント

  1. こんばんわ、

    サハリン2については、記事の通り、2006年にプーチン政権による一方的な横ヤリがあり、今回は2度目。さっそく三菱商事と三井物産の株価が急落しました。

    ロシアはハッキリと日本を標的にしていますね。プーチン政権はS2の国有化も視野に入れているかもしれません。

    個人的には、物産は逃げ遅れた、商事は政府からの横ヤリで逃がしてもらえなかった、と観ています。

    • 恐らく、ご指摘通り日本企業も撤退するつもりだったはずです。しかし、日本政府がストップをかけた。
      国益のために支那に割り込まれるのを恐れたというのは表向きの理由ですが、おそらくロシア・スクール派からストップがかかって、綱引きの結果、宙ぶらりんになったのだろうと見ています。文字通り逃げ遅れた、逃してもらえなかったという感じでしょうか。

      その判断が良かったかどうかは、後世になってからしかわからないと思います。
      ただ、ロシアはやり過ぎました。そのことを日本政府は読めなかった。欧米の強硬な態度も理解できていなかった。そんな感じなんでしょうね。

  2. こんにちは。
    露助を信用するからこうなる。

    二次大戦の、占守島あたりの教訓がまるで生きてないですよね>ロシアスクール

    もう諦めて、代わりに、いろんな「置き土産」を置いていく方が良いかと。

    ※ロシア語「以外」で考えないと動かないコンピュータとか(笑)

    • 分かった上でやっている官僚も少なくないのでしょう。
      やっぱり、スパイ防止法は必要です。