ヌリ号、打ち上げ延期とトラブル発覚

迷走韓国宇宙開発史

あらら。

韓国型発射体ヌリ号2回目の打ち上げが延期…16日には可能だろうか

2022.06.14 13:44

ヌリ号の2回目の打ち上げ日程が強風で一日延期になった。科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院は14日午前6時に飛行試験委員会、7時に打ち上げ管理委員会をそれぞれ開いてヌリ号の移送と打ち上げを当初の計画から一日ずつ延期すると明らかにした。追加の日程変更がない場合、2回目の打ち上げのための移送作業は15日に、実際の発射は16日に行われる予定だ。

「中央日報」より

14日の時点で、予定されていた15日の打ち上げは一日繰り越しで、16日に打ち上げられる予定に変更された。

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トラブル多発

気象条件での打ち上げ延期は珍しくない

延期理由は、強風だったようで。

この日、ヌリ号発射場がある全羅南道高興(チョルラナムド・コフン)には平均風速秒速8~12メートルの風と5ミリ前後の弱い雨が予報された。午前9時現在も風は非常に強く吹いている。秒速8~12メートルの風自体も相当な強風だが、この予報は地上10メートルが基準だ。

「中央日報”韓国型発射体ヌリ号2回目の打ち上げが延期…16日には可能だろうか”」より

この時期の韓国の気象条件など知らないが、風速10m/sを超えるような条件では流石に危ない。順当な判断だったと思う。

全長47メートルほどになるヌリ号を垂直に立て、発射体のアンビリカル・タワー(発射体に電気や推進体などを供給する構造物)を連結しなければならないが、この作業は人間が高所で作業しなければならない。この時、作業員は地上からおよそ40メートル以上のところにいることになる。高さがこれくらいになると地上10メートルの予報基準よりもはるかに強い風が吹くため、作業員の安全を確保しにくいというのが航宇研側の説明だ。

「中央日報”韓国型発射体ヌリ号2回目の打ち上げが延期…16日には可能だろうか”」より

記事に指摘のある通り、高所作業において強風はかなり厳しい。

安全の為のも延期は止む無しという事だと思う。

トラブル発生

ところが、どうやらトラブルが発生した模様。

打ち上げを翌日に控えた韓国型ロケット、会見突然延期…「追加点検発生」

2022.06.15 18:01

韓国型ロケット「ヌリ号」(KSLV-2)が打ち上げ予定日を翌日に控えた中、打ち上げ準備過程でヌリ号と発射台の間の信号がつながらない現象が発生し、韓国航空宇宙研究院が追加点検に乗り出した。

「中央日報」より

接続線のミスだろうか?

航空宇宙研究院側は現場に技術陣を送って点検作業を始める状況という。ヌリ号は現在起立作業と固定作業を終えており、燃料注入はしていない状態だ。

「中央日報」より

ロケットの搬送は無事終えて、規律作業と固定作業までも終わっていたようなのだが、信号チェックで接続を確認できなかったので、燃料注入をしなかったと。

更に酸化剤タンクにもトラブル

そして、続報である。

韓国初の国産ロケット 前日にトラブルで打ち上げ延期

2022.06.15 18:35

国航空宇宙研究院は15日午後、韓国が独自開発した初の国産ロケット「ヌリ」の2回目の打ち上げについて、ロケットの酸化剤タンクでトラブルが発生したため打ち上げ準備を進められなくなったと伝えた。これにより16日に予定していた打ち上げは延期を余儀なくされた。

「聯合ニュース」より

酸化剤タンクトラブル!

いやー、前回もそんな話がありましたな。

前回は、ロケットの3段目の酸化剤タンク内にあるヘリウムタンクが、金具の設計ミスで外れてしまって、酸化剤の中をプカプカと浮いてタンク内にぶつかり、その衝撃でホースが外れて燃料が漏れてしまったとか。

今回のトラブルが、果たして何段目のエンジンなのかは不明なので、前回のトラブルの続きか、あるいは75t級エンジンの方に新たなトラブルが発生したのか。

トラブルの原因を確認するためロケットを一度発射台から下ろして、点検するという。組み立て棟での補完作業を終えた後、再度打ち上げの日程を決める予定だ。航空宇宙研究院は「どの部分にどのような問題が発生したかによって、いつ打ち上げられるかが決まる」と伝えた。

「聯合ニュース”韓国初の国産ロケット 前日にトラブルで打ち上げ延期”」より

大した話でなければいいけど、どうなるんでしょうな。

少なくとも、明日の花火大会は延期になってしまった。ちょっと残念である。

追記

もうちょっと詳しい情報が出てきたな。

韓国型ロケット「ヌリ号」、「酸化剤タンクセンサー」の異常で打ち上げ延期

登録:2022-06-16 06:55 修正:2022-06-16 07:41

強風で一日延期された韓国型ロケット「ヌリ号」の発射が15日、準備過程で酸化剤充電感知器に異常が見つかり、再び延期された。

科学技術情報通信部(科技部)と韓国航空宇宙研究院(航宇研)は同日午後5時頃「ヌリ号に対する発射前に点検を実施したところ、酸化剤タンクの充電水位を感知するセンサーに異常が発見されたことにより、16日の打ち上げを取り消すことに決めた」と明らかにした。

「ハンギョレ」より

センサー異常か。「酸化剤タンクの充電水位」というのは意味が分からないが、残量を確認するセンサーという意味だろうか。うーん、「充電」じゃなく「充填」水位かな?韓国語の訳にはありがちなミスだが、充填水位などという言い方をするのかもよく分からないな。

航宇研は同日午前7時20分から、ロケット組立棟から発射台に移送したヌリ号を発射台に立てた後、電気を連結し、段別にセンサーの点検に入った。しかし午後2時頃、1段部の酸化剤タンクの充電水位を感知するセンサー信号を点検していたところ、センサーの数値が変わらないことを発見した。

「ハンギョレ」より

で、問題があったのは1段目の酸化剤タンクのセンサーらしい。

ともかく分解して整備しなければならないが、燃料注入前に下ろしたのは不幸中の幸いだろうか。点検が早めに済めば23日迄に間に合うと思うが、そうで無ければ月単位で延期になりそうである。

ムリせずにしっかりと点検して欲しいね。

追記2

中央日報に弱音が出ていたので少し面白かった。

韓国型発射体「ヌリ号」、今後の打ち上げ日程は五里霧中に

2022.06.16 11:36

16日に打ち上げる予定だった「ヌリ号」が機体欠陥が見つかって打ち上げは無期限延期となった。韓国航空宇宙研究院は15日、記者会見を開いてヌリ号の1段酸化剤タンクレベルセンサー問題で打ち上げを延期すると発表した。

「中央日報」より

ヌリ号の1段目は4つの75t級エンジンをクラスタリングして使う前提なのである。その燃料タンクは当然ながら、均等に燃料を供給しなければならないために、おそらく中央寄りに燃料タンクが配置される構造になっているはずである。

となると、こんな感じの複雑な形状になっているエンジン上部をバラさなければならない。

航空宇宙研究院によると、15日午後10時30分、ヌリ号は問題部位の把握のために組み立て棟に移送が完了した。問題部位を確認する作業は16日から行われる予定だ。今後の打ち上げ日程を決定する変数の中の一つは実際にレベルセンサー(感知器)が問題なのか、レベルセンサーにつながる電気回路の問題なのかだ。

「中央日報”韓国型発射体「ヌリ号」、今後の打ち上げ日程は五里霧中に”」より

電気回路も複雑だろうが、レベルセンサー(上に書いてあった充電水位はやはり充填水位の間違いだろうが、単純に水位計と書けば良いのに)の確認はタンクを開けなければならない。

コイツはロシアのエンジンだが、系列は同系列なので似た構造になっていると考えてイイと思うが、なかなか込み入っている。コレをバラして組み上げるだけで数日は必要っぽい。

やはり23日までには間に合いそうにないね。

コメント

  1. こんにちは。
    上がった、というニュースが聞こえなかったので(積極的に調べに行く気はなかった)、どうなったのかと思っていたのですが。
    延期、しかも先が見えないと。
    この手は、延期すると、故障が回る傾向があるので、違う所で別のトラブルが出ないことを祈ります。
    いや、本気で。
    ロケット自体には、キチンと上がって欲しいので。

    • 残念な事です。
      打ち上げとなると、気分も上がるんですけどね。

      とはいえ、この手のトラブルはロケット打ち上げにはついて回る話です。
      頑張って万全の態勢にして欲しいものですね。

  2. 木霊さん、ご無沙汰です。

    ヌリ号2号機は予想通りいきなりトラブル発生とか、さすがK-クオリティご開陳ですね~。
    何はともあれ安全優先でお願いしたいもんです。

    • ご無沙汰です。

      ヌリ号、準備期間が長かったのでしっかりとトラブル対策して欲しかったのですが、仕方のない面もアリマスヨネ。
      まあ、頑張って欲しいところであります。

  3. 充電水位は充填水位でしょうね(充填を日本語>韓国語>日本語で訳すと充電になりました)

    ロケットの燃料計測に関しては日本では液位センサーと呼んでいて燃料の種類により静電容量方式や測温抵抗タイプなどが使用されているそうです。

    三菱の名古屋航空宇宙システム製作所の技術者による「ロケットにおける測定技術」というpdfに詳しく書かれてます(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhts/34/5/34_220/_pdf)

    • 資料の提示ありがとうございます。
      なかなか面白い内容ですが、知識がないと読むのは難しそうですね。

      まあ、だからこそ韓国などは苦戦をしているのかもしれませんが。

  4. タンクの図面を買わなかったのが原因でしょうかね?
    韓国お得意の「核心部分だけ注目して、周辺環境は軽視(下手すれば蔑視)する」が発動していたら、今後もメインとなるロケット以外でトラブルが続出することでしょう……

    • おそらくタンクは自作なんでしょうねぇ。
      そうでなければ、ステーの強度不足なんて話にはなりませんし。

      この手のトラブルはつきものではありますが、1つ1つ事象を丁寧に潰していくしかないと思います。

  5. 木霊様、Rodney 様、皆さま、今晩は

    酸化剤タンクのセンサー系だそうですが、トラブったものがタンク内の場合、タンクを分解~修理~組み立て、になりますね。そうならば【かなりの時間】がかかるでしょう。

    悪い事に酸化剤(液体酸素)のタンクらしい。圧力容器でしょう。分解~再組立てを考慮した設計かしら? 新しいタンクに交換?

    • 減少としてはレベルセンサーが反応しない、ということなので、配線系のトラブルだけということであれば、さほど時間はかからないでしょう。
      問題は、構造的なトラブルだった場合ですが、その場合はそれなりの期間を費やして変更とか修理が必要になりそうですね。