支那で住宅購入意識が減退する

支那

未だ、不動産バブルで賑わっている支那経済だが、減速傾向が加速してきた。

住宅購入ためらう中国の若者、経済急減速で不安高まる

2022.6.9

中国南東部の仏山市で2年間も物件を探していたボラー・イップさん(32)は、新築マイホーム購入の夢をいったん棚上げした。中国経済が急減速している今、大きな買い物をすることに不安を感じたからだ。

「日経ビジネス」より

ちょっと不穏な内容の記事であるが、支那の経済に大きな影響があることは間違いない。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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支那経済減速

バブル崩壊の足音

よく知られている話だが、支那の不動産業がGDPに占める割合はかなり高い。

日本の不動産取引というと、土地も含めた話になるのだが、支那の場合は土地取引はできないので、住宅の取引ということになる。それ故、事情も色々と異なるのだが。

中国の不動産セクターは国内総生産(GDP)の25%を占める。その市場に冷や水を浴びせている要因の1つが、イップさんのような若年層の間に広がる住宅購入をためらう姿勢で、何とか住宅市場を再び活性化させようと躍起になっている中国政府に大きな課題を突きつけている。

不動産セクター向けに最近、幾つか政策支援措置が講じられたものの、4月の取引額は前年比47%減と2006年8月以降で最大の落ち込みを記録した。

「日経ビジネス」より

ともあれ、支那の巨大なGDPのうち25%が不動産取引によるものだというから、なかなか衝撃的である。

ここにダメージが入ったのだから、支那共産党としてもかなり焦っているとは思う。

原因は何だ?

で、この不動産取引の低迷が、一体何の影響かというと……。

今年初めから5月までの不動産取引も大幅に減少し、近く需要が持ち直す気配は見えない。このため第2・四半期中に市場が底を打つと期待してきた不動産開発会社は、通年の売上高見通しを下方修正している。

こうした不動産市場のより深刻な調整への懸念と建設活動の停滞に加え、政府の厳しい新型コロナウイルス感染対策によって、政府が掲げる5.5%の年間成長率目標達成は怪しくなってきた。これは物価高騰と金利上昇という逆風に悩まされている世界経済にとっても先行きのリスク増大につながる。

「日経ビジネス」より

武漢ウイルスである。自業自得だな。

不動産取引は現物を見て行われることの多い取引形態であるため、武漢ウイルスの影響で外出が制限されてしまうと、取引が鈍ることは避けられない。

したがって、武漢ウイルスを抑え込むことが目的のロックダウン政策とは極めて相性が悪いのだ。

中国、不動産業者の土地需要が総じて減少 封鎖脱却の上海は回復

2022年6月9日6:15 午後

中国の主要都市が今年実施した初回の土地入札では、不動産開発業者からの需要が総じて減り、価格が上昇した都市数は少なくなった。一方、上海は新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)から脱したことにより販売が回復した。

「ロイター」より

なお、ロイターは不動産開発業者からの需要が減っていると指摘している。そりゃ、若者が住宅の買い控えをしているのだから、開発業者としても手を広げようという気にはならないだろう。

規制当局は2021年、価格統制のため22大都市の土地販売を年3回に制限し始めた。借入制限措置はすでに債務を抱えている開発業者を圧迫し、昨年半ばから土地に対する意欲が弱まっていた。

「ロイター」より

不動産開発業者は巨額の債務を抱えているところもあって、利益を生みそうにない不動産に手を出している余裕がないということなのだろう。支那当局も不動産開発業者の銀行からの借り入れ条件を厳しくする措置を取っていたし、実際に不良債権が膨らんで大変なことになった業者がいくつも報じられもした。

際限なく膨らむ住宅需要というのは、幻想だったということなのだろう。

当局はテコ入れを図るが

もちろん、こうした状況はちょっと前から明らかになってきて、支那当局としても手をこまねいていたわけではない。

政府は先月、住宅購入を促進する狙いで住宅ローンの指標金利を予想以上の幅で引き下げた。その1週間前には、初めて家を買う人向けのローン金利の下限を下げたばかりだ。

「日経ビジネス」より

だが、さほど効果は上がっていないようだ。

ムーディーズは先週のリポートで、住宅ローン金利が既にレンジの底に近いことや、新たにロックダウン(都市封鎖)を巡る混乱が生じた点を挙げ、金利の低さだけでローンの伸びを押し上げるには時間がかかるとの見方を示した。

実際に人民銀行(中央銀行)のデータによると、4月の住宅ローンを含む家計向け融資残高は、5283億元増加した前年同期と逆に2170億元減少した。

「日経ビジネス」より

まあそれも仕方はあるまい。

住宅ローンの金利下限が下げられ、仮に0金利になったにせよ、お金が無ければ住宅など買えないのである。支那のロックダウン政策は、単に人民を家に閉じ込めるというやり方だったために、ロックダウン中の収入に大きな打撃を受けた人が多かった。

そして、雇用状況も悪化した。

中国で失業率が上昇、ロックダウンで消費と生産に打撃

2022年5月16日

中国の当局は16日、先月の失業率が6.1%に上昇したと発表した。新型コロナウイルス流行初期の2020年2月に6.2%のピークを記録して以来の高水準となった。

「BBC」より

ロックダウンによって小売業などは壊滅的な被害を受けたところも多かったようで、失業率が増加したという。尤も、支那の「数字」はあてにならないので6.1%という数字を信用できるかというと、そうではないのだが、まあ、失業者が増えたことは事実なのだろう。

収入が減ってしまえば、住宅を買うどころではなくなるね。

ゼロコロナ政策が続く限り

というわけで、支那経済はかなり傷んできていることは間違いがない。

ただ、武漢ウイルスの蔓延がなくとも、かなり無理な状況を続けていたのは事実で、それが早いか遅いかだけの話であったとは思うのだ。

少子高齢化が世界中で進む中、支那もまた同じ問題を抱えている。尤も、同じ問題を抱えているからと言って、同じ結果になるとは限らない。社会の構造が違うために支那では常識では考えられない解決方法があるのかもしれないからね。

もしかして、支那共産党にはとっておきの秘策があるのかもしれないが、残念なことに不動産バブルとゼロコロナ政策は極めて相性が悪い。両立は不可能だろう。

習近平体制は、果たしてどちらを諦めるのだろうか?

コメント

  1. おはようございます。

    すべてを解決する「支那共産党とっておきの秘策」が、”台湾侵攻(併合)”でなければいいのですが。

    それは中華帝国主義を宣言するようなもので、今のロシアのように主要諸国から忌避されますし、戦争になれば本土内のインフラを破壊されて社会経済が大打撃を被るでしょうから、台湾に仕掛ける旨味なんて無いと思うのですが…. 

    プーチン大統領に観るように、大陸国家はときに常識外の行動を取りますから、やっぱり習近平総書記も警戒すべきではあるでしょうね。

    • とっておきの秘策、というか台湾侵攻は寧ろ決定事項なので、いつやるかだけなんですよねぇ。
      軍事侵攻を出来るだけしたくないというのが本音ではあるんでしょうけれど、「手に入らないくらいなら破壊してしまえ」的な考え方をする人々ですから。
      警戒は必須だと思います。

  2. こんにちは。
    不動産の冷え込みでエラいことになりそうなのは、大中華だけでなく小中華も同じ(というか、もっと早くから言われていて、もっと大惨事になりそう)ですが。

    「中国がくしゃみすると、半島は肺炎で死ぬ」見たいにならないことを祈ります(建前)。

    • ユンユンが、不動産取引規制に動くかと思ったんですが、結局、今のところ手を付ける気配はありませんね。
      「全国に250万戸の住宅を供給」とか言っていましたが、正直、全国に供給しても意味は無いんですよね。
      そんなことするくらいなら、ソウルから首都機能を別の都市に移転してしまえば、色々と解消しそうですけれど。