有識者会議が訴える外国人学校への保健室の設置

報道

……勝手に設置すれば良いのでは?

外国人学校、保健室25%設置なし 法制度や財政難で 文科省調査 /京都

2022/6/1

保健室に行けば養護教諭が手当てをしてくれるという当たり前の環境が整っていない学校がある。文部科学省は2021年12月、外国人学校の25%に保健室がないとの調査結果を公表した。法制度や財政上の問題が背景にあり、専門家は「子どもの健康を守ることは、平等で差別のない基本的人権だ」と環境整備を訴える。

「毎日新聞」より

毎日新聞には、比較的頻繁にちょっと事実認定のおかしな記事がでる。この記事もそんな内容である。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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事実認定のおかしな新聞

一条校とその他

何というか、記事の第2節に答えが書いてあるんだな。

外国人学校161校の保健衛生に関する文科省の調査では、回答した80校のうち、保健室があるのは60校、養護教諭がいるのは28校にとどまった。学校教育法上、外国人学校の多くは「各種学校」に当たり、学校保健安全法が適用されず、保健室の設置義務がない。

「毎日新聞”外国人学校、保健室25%設置なし 法制度や財政難で 文科省調査 /京都”」より

設置義務がないから、設置されないだけでは?

そもそも、外国人であろうと日本人であろうと、日本国籍を有する子供達は、文部科学省の管轄する一条校と呼ばれる学校に通うこととなっている。

第一条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。

「e-Gov」より

これが、学校教育法の1条に定められる学校で、これ以外の学校は第134条に定められる各種学校扱いという事になる。

で、この関連条文としては、教育基本法なる法律があって義務教育について定められている。

憲法第26条第2項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

「九年の普通教育」 普通教育とは、通例、全国民に共通の、一般的・基礎的な、職業的・専門的でない教育を指すとされ、義務教育と密接な関連を有する概念である。 九年の具体的な内訳については、教育基本法は特に規定せず、学校教育法に委ねている

「義務を負う」 親には、憲法以前の自然権として親の教育権(教育の自由)が存在すると考えられているが、この義務教育は、国家的必要性とともに、このような親の教育権を補完し、また制限するものとして存在している。

「文部科学省のサイト」より

日本国籍を有する子供達には9年の普通教育を受けさせる義務が保護者にはあり、日本国籍を有する子供達には義務教育を受ける権利を有するというわけだ。

で、学校生活の充実のために保健室が設置され、養護教員が配置される。

ちなみに、各種学校にはこうした義務や権利の外にある。だから、保健室設置も自由なのだ。

義務教育のカテゴリーから外れる外国人学校

誤解が多いのだが、外国人学校であっても一条校のカテゴリーに属する学校は存在する。一条校の条件を満たしていれば良いのである。ただ、その条件は比較的厳しいので、外国人学校で一条校となっているのは数校に留まるようだ。

何が厳しいかというと、「学習指導要領に基づく教育を行う」というところだ。何しろ、学習指導要領に定める内容は、その要求に基づいた教科書を用いて教育をする必要があり、教科書はほぼ日本語で書かれている。したがって、日本語での教育を必要とするというところがなかなかハードルが高いわけである。

こうした実態を踏まえると、一条校からその他の外国人学校への転校、或いはその逆も不可能である。

子供をインターナショナルスクールへ通わせたいという人もいる様だが、民族学校とかインターナショナルスクールとか「日本に在住する外国籍の児童のための教育施設」は、各種学校なのだ。一条校ではない。

これについて文科省のQ&Aにこんな説明がある。

11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について

Q 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合、保護者は就学義務を履行したことになるのでしょうか。

A いわゆるインターナショナルスクールについては、法令上特段の規定はありませんが、一般的には主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設であると捉えられています。インターナショナルスクールの中には、学校教育法第1条に規定する学校(以下「一条校」といいます。)として認められたものがありますが、多くは学校教育法第134条に規定する各種学校として認められているか、又は無認可のものも少なからず存在しているようです。

一方、学校教育法第17条第1項、第2項には、学齢児童生徒の保護者にかかる就学義務について規定されています。そこでは保護者は子を「小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部」、「中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部」に就学させると規定されています。よって、保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。

学校教育法においては、小学校等の課程を修了した者が中学校等に進学することを予定しています。これは、同法第45条に規定しているように、中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的としているからです。

このことを踏まえると、例えば一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります。インターナショナルスクールの中学部の途中で我が国の中学校へ編入学を希望する場合も同様です。

「文部科学省のサイト」より

厳しいようだが、当たり前と言えば当たり前である。この仕組み、義務教育を実施するために一条校というものが作られている。そこのカテゴリーから外れるのだから、義務の対象外というのは当然である。

なお、親の仕事の都合で外国に居住していた子供が帰国した時には、例外的に一条校への入学が認められるケースがある。また、病気などの理由から学校に通えていなかった子供が、病気が完治してから学校に通うことが出来るようなケースもあって、相当な理由があった場合に例外的には一条校への入学は認められる。

理由があれば救済措置は認められているんだよね。

解決を目指す政府

ところで、毎日新聞の記事は有料記事の設定になっているので、結論がどうなっているのかよく分からない。が、どうやら「サベツガー」とか「基本的人権ガー」とかという記事になっているようだ。ウケる。

似たような記事を探したら日本経済新聞がこんな記事を書いていた。

保健室「設置なし」25% 外国人学校で文科省調査

2022年1月10日 21:24

日本で暮らす外国人の子どもたちが通う外国人学校の保健衛生環境に関する文部科学省のアンケートの結果、回答校の25%で保健室が設置されておらず、21%で健康診断が行われていないことが10日までに、分かった。

背景について予算や情報の不足を指摘する声が上がっており、文科省は2022年度当初予算案に関連費として6300万円を盛り込み、環境改善に乗り出す構えだ。

~~略~~

新型コロナウイルス下の外国人学校の保健衛生対策を議論する文科省の有識者会議でも「国による情報提供とサポートが不可欠」との声が上がる。文科省は22年度、学校側からの相談を一元的に受け付ける窓口を設置するほか、学校現場でのコロナ対策を4つの言語で伝えるメールマガジンの発行などに取り組む。〔共同〕

「日本経済新聞」より

同じ様な趣旨だが、毎日新聞は一体何だって今頃になって同じ様な記事を書いたのだろうか。だって、これ1月の記事だぜ。

日本経済新聞がこの記事を書いたのは、どうやら共同通信が配信した記事を使ったからこんな感じになったようなのだ。

んでもって、この日本経済新聞の記事が書かれるに至った理由がこちらの有識者会議の内容が公開されたからということらしい。

この会議は第1回が令和3年(2021年)6月2日に開催され、武漢ウイルスの蔓延に伴って、そのクラスターとなった場所の1つとして外国人学校があって、文部科学省が統括的な指導をやろうとしたらできなかったと。

今後の感染症対策を考えると、衛生環境の改善が必要だよねという訳だ。

こういった切り口から、多少予算を付けてでも外国人学校でも衛生環境の改善が出来るような方法を模索し始めたというのが国の取り組みなのである。ただ、保健室設置となるとなかなか資金が必要となるため、一条校でないところに多額の税金を投入というわけには行かないというのが実情である。

つまり、「基本的人権」とか「平等」とかそういう話ではないのである。外国人であっても一条校に通うことは認められているからだ。

13. 外国人の子等の就学に関する手続について

Q 外国人の子の就学に関する手続について、どのような点に留意が必要でしょうか。

A 我が国においては、外国人の子の保護者に対する就学義務はありませんが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、その子を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れているところです。

「文部科学省のサイト」より

平等だよね?

毎日新聞の記事は、基本的事実から目を背けるからピンぼけになってしまっているんだな。どうしようも無いな。

そもそも、外国人学校・インターナショナルスクールはかなりえげつない学費をとって学校運営をしているのだ。そのお金を使って保健室とか作れば良いんじゃないのかな。

コメント

  1. 「基本的人権(在日韓国・朝鮮人の優越権)」、「平等(朝鮮学校の特別扱い)」ですね、分かります。
    毎日新聞の云う「専門家は『子どもの健康を守ることは、平等で差別のない基本的人権だ』と環境整備を訴える。」とは、何の専門家が誰に向けて訴えているのでしょうかね? 真菌感染症の専門家が新型コロナの有識者会議に推薦された例もあるので、「専門家」というボカシた記載は怪しく思うこの頃です……

    • 特別扱いして欲しい方々が多いのでしょう。
      国に帰ってくれれば、きっと国の政府が保護してくれるんではないかと。