繰り返される「商標登録騒ぎ」~ゆっくり茶番劇

報道

「またか」というウンザリした気分になったけれど、ネットでは見当違いな騒ぎになっているようだね。

「ゆっくり茶番劇」がYouTuberに商標登録され大騒動に

2022.05.15 18:53

5月15日、YouTuberの「柚葉」(登録者数22万人)が「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得したと発表し、大きな波紋を呼んでいます。

「modelpress」より

結論から言うと、本件も大した話では無い

今後、動画を作成する人も「ゆっくり茶番劇」「ゆっくり動画」「ゆっくり解説」など何れの文字を入れても問題にはならないし、以前から使っている人にも問題にはならないだろう。若干の制限は出るけれど、殆どの人の創作活動に影響はでない。

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この手の騒ぎは定期的に発生する

商標登録はされたのか

まずは、騒ぎになっている権利が正式に登録されたかどうかはJ-PlatPatで調べて見た。

第6518338号で確かに登録されている。気になる方は調べて見て欲しい。

登録の態様は標準文字商標で「ゆっくり茶番劇」となっている。権利者は「石氷匠」となっていて、区分は「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,移動図書館における図書の供覧及び貸与,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),図書の貸出し,書籍の制作,オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,コンピュータを利用して行う書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),ビデオオンデマンドによるダウンロード不可能な映画の配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」となっている。

1区分ではあるが、随分と幅広いところに網をかけたな。狙いは、同業者への牽制といったところだろう。登録者が「使いたければ金を支払え」「年間11万円だ」とか言ったらしいので、炎上したようだが。

出願日は令和3年9月13日で、登録日は令和4年2月24日となっている。登録公報発行日は3月4日ということなので、現時点で騒いでいるのだが登録異議申し立ての期間(2ヶ月:商標法43条の2)を経過しているので、即時対応というのは難しそうだ。

一体何が起こるのか?

で、形式的には、石氷氏の商標使用が特許庁に認められたので、彼が区分に示された範囲内での商標の使用は独占的に行う事ができる。

ただ、上にも書いたが、この商標権が存在したとしても、これまで同名のタイトルで動画を提供してきた方が、YouTubeで動画提供できなくなるなどと云うことは起こらない

これは、「オンラインによる映像の提供」にあたるYouTube動画の提供のタイトルに、「ゆっくり茶番劇」なる「商標」を付した場合に、「商標的使用態様にあたるかどうか」という懸念があることと、既に使用(ただし、出願日の令和3年9月13日以前から使っている事実が必要)をしてきたという権利が守られる規定(先使用による商標の使用をする権利:商標法32条)があるためだ。

もちろん「ゆっくり実況」や「ゆっくり解説」などのタイトルも、ほぼ問題無いと考えられる。

これについては後に解説するのだが、騒ぐだけ時間の無駄だね。多分、探せばそろそろ専門家が解説している文章が出てくるとは思うんだけど。

「商標的使用態様」

ちょっと聞き慣れない言葉だとは思うが、商標を用いる場合には「商標的使用態様」というヤツが問題となる。

簡単に言えば、商標として使われているか?という話だ。

一つ実例を挙げると、判例の1つにTシャツの柄に商標登録されたマークを使ったというケースがある。良くありがちなのは、オタクグッズ的な柄Tシャツで、キャラクターの顔が描かれたもの。その手の絵柄が商標として登録されていたのだが、勝手に使ったヤツがいたので裁判になった。

ところが、このケースでは商標法的には無罪だった。

詳しくはこちらのサイトなどで説明されている。

他人の登録商標をTシャツに印刷しても商標権侵害にならない?商標的使用について | 知財FAQ
【概要】装飾的な商標の表示が「商標的使用」とならない場合他人が登録した商標を、同一・類似の商品等区分において「使用」すると、不法行為に基づく損害賠償や、使用差止めを請求されるリスクが生じます。しかし、この「使用」は商標法2条

が、素人には取っつきにくいので、簡単に要約すると、通常、Tシャツに商標を表示する場合には、タグやTシャツを入れるパッケージに表示している。これが、商慣習的な使用と呼ばれることで、多くの場合にその様な使い方がされているのであれば、需要者(買う人)はそこを見て、「あ、ここのメーカーが作ったんだ」と理解する。

ところが、Tシャツの柄を見ても、その柄が商標登録されていたとしても、買う人はそのメーカーが作ったとは考えない。

つまり、Tシャツの柄に他人の商標を採用しても、商標法は問題としないのだ。著作権法的には問題となるんだが。

こういった一般的な常識(業界の常識も含む)が、商標の「使用」には問題となるんだよね。

実例を考えよう

じゃあ、本件ではどうなるのかというと、少々ややこしい話なのだが、商標法は商標の独占使用を認める法律で、一般的にタイトルと考えられるものの文言を規制する法律では無いのだ。タイトルに商標を入れる人は殆どいない。見る人もそれを「商標の利用」とは認識しない。

別の例を挙げよう。

商標登録されている「プリウス」という言葉(注:実は5件も登録されている)だが、車の車種名「プリウス」の意図で、「プリウスに乗ってみた」という動画タイトルを付けたとする。或いは、雑誌のタイトルでも良い。そうすると、「プリウス」の権利を持っている権利者から一斉に訴えられるのか?というと、そんな事にはならないし、実際にそんな事態を招いたという話は聞いたことが無い。

理由は簡単で、例えば5件のうちの1件である令和3年に登録された商標「プリウス」は、株式会社ロータスが保有する商標であるが、商品区分は「木製の可搬式作業用ブースなど」である。

商標と商品の関係で商標法の規制がかかるのだが、動画の提供や雑誌の製作は、木製の可搬式作業ブースとは全く無関係である。つまり、商品(役務)が関係なければ、これは「商標の使用」と認められないのである。

「プリウス」の動画のタイトルを見て、「ああ、これは木製の可搬式作業ブースのことだ」と思う人はいないだろう。これを商標の世界では「混同」と呼ぶのだが、凡そ混同が発生し得ないシチュエーションでは、登録の効果は及ばないと考えられている。

なお、自動車を製造・販売するトヨタ自動車は「プリウス」ではなく「PRIUS」で商標登録をしている。では、「PRIUS」で登録されている権利はというと、7件ある。うち2件はトヨタ自動車なのだが、他社がこの商標をトヨタが登録している範囲外で使う分には問題は発生しない

動画の提供

さて、本件では、「インターネットを利用して行う映像の提供」「映画の上映・制作又は配給」などが問題になると考えられるのだが、これは「商品」ではなく「役務」と呼ばれる範囲にあたる。

YouTubeで動画提供する場合、商標的使用態様は標準文字商標「YouTube」の文言が問題となるが、このブログでYouTubeと書いたところで商標法違反にはならない。これは、文脈上出てきた単語であって、「商標の使用」にはあたらない。

こういった、画像の貼り付けに関しても同様(Google社は同画像の商標も取得している)である。社会通念上「商標の使用」にあたる行為でなければ、権利侵害に至らないのだ。

当然、動画のタイトルにYouTubeと書いても、誰もそれを「商標の使用」だとは認識しない。したがって、「ゆっくり茶番劇」「ゆっくり解説」「ゆっくり実況」などの文字をタイトルに入れる行為に関して問題とはならない。動画の提供はYoutube社がやるので、Youtube社が「ゆっくり茶番劇」という動画提供を開始するという話なら別だが、そういう話にはならないだろう。

本件で、出願者が自身の動画に「ゆっくり茶番劇」との文字をサムネや「○○提供」「製作○○」などの画面に入れて使う、そういうシーンが想定されて、出願され、登録されたものと考えられる。これを「タイトル」に組み入れたから問題になるかというと、それはタイトル(内容を説明する文字)だと認識され、誰も商標とは認識しない(ここで言う「タイトル」はタイトル画面のことではなく、動画の名前という意味である)。出願人が使う場合と同様に、他人が使ってもそれは「商標だ」ということにはならず、タイトルに入れるくらいなら問題にならない。

どういううケースが問題視されるのか

では、何が問題になるのか?というと、これは少々判断に困る部分はあるが、サムネや提供を表す画面に「ゆっくり茶番劇」と入れる行為だろうと思われる。

商標法上の「使用」とは | 商標登録「スマート商標」
商標権者は登録商標を指定商品・役務について独占的に「使用」する権原を有しますが、この「使用」とはどういうことでしょうか。 商標法第2条第3項各号によれば、下記の通り規定されています。 商品又は商品の包装に標章を付する行為 商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引...

「タイトルとサムネでは違うのか」といわれるとちょっと悩ましいが、動画のタイトルは、動画の内容を説明する機能を持っているので、商標的な使用態様には該当しない。一方のサムネイルでは動画を見たいという欲求を引き出すツールであるため、言わば「看板」となる。ここに入れる文字のうち、タイトルに入れる文字は除外されるのだが、「ゆっくり茶番劇」の文字を単独で何処か、例えばタイトル画面の中に入れるとなると、商標的使用態様と「とられる場合がある」のだ。

この「とられる場合がある」という所が微妙ではあるが、「ゆっくり茶番劇」が動画の「カテゴリー」に過ぎないと判断されれば、これはサムネに入れたところで問題がないのだが、入れ方によっては「商標的使用態様」にとられるケースがあるということになる。

具体例は判例などが今のところ無いので判断は難しいが、少なくともタイトルの帯に【ゆっくり茶番劇】と入れる行為は除外されるだろう。サムネに入れる文字は、入れる場所によっては商標的使用と判断される可能性はある。あとは、「提供○○」「製作○○」というような所に入れれば、商標だと判断されるかもしれないね。

標準文字制度について | 商標登録「スマート商標」
<標準文字制度とは>  「標準文字」とは特許庁長官が指定する文字のことをいい(商標法5条3項)、「標準文字制度」とは、「標準文字」によって商標出願することができる制度をいいます。ここで重要なのは、「標準文字はフォントを問わない」ということではない!ということです。実際に...

ちなみに、当該商標は「標準文字商標」で登録されているが、これは「どんなフォントを使っても適用される」という意味ではない。だから、「明朝体に似たフォント」以外での使用であれば、問題にならないケースが殆どだろうと思う。

あと、商標の話をすると「類似」の概念を説明する必要があるんだけど……、分かりにくくなるので割愛したい。

よく似た先例

のまネコ事件

2005年に有限会社ZENが文字商標と図形商標を出願し騒ぎになった。これが後に云う「のまネコ事件」である。

実は、当時のインターネット掲示板「2ちゃんねる」では、「モナー」と呼ばれるキャラクター(アスキーアート)が使われていて、後から出願されたので騒がれたのだ。

ただ、騒ぎになって、最終的には商標登録は中止されたので、グッズ販売などに問題は発生していないのだが、これに絡んで殺人予告や放火などの過激な手段にでてしまった残念な方々もいたので、事件として記憶されているのである。

個人的な見解で申し訳無いが、2ちゃんねるで使い続ける場合には登録されても問題になる可能性は殆ど無かっただろう。商品に付して使う場合には問題になるケースがあると思うが、グッズ販売をするケースでは問題視されない可能性が高いだろう。

阪神優勝事件

他の事例としては、阪神優勝事件というのがある。

阪神タイガースが弱い時代は長く続いているのだが、時々優勝することがあって、その時には熱狂的なまでの騒ぎになることがある。

1985年に優勝した阪神は、その後長く成績が低迷したが、星野仙一氏による名采配によって2003年に優勝を実現している。

ところが、この優勝の可能性かけた男がいて、2001年3月15日出願、2002年2月8日登録の商標登録第4543210号は「阪神優勝(文字の背景に別途マークあり)」の文字が商標化されたものであった。指定商品は「被服,履物(第25類)」および「運動具(第28類)」等で、グッズ販売が行われたときに権利を主張して「ウハウハ」とか考えたのだと思う。

この登録自体には瑕疵はなかったように思われたが、結局のところ登録無効となった。出所の混同と、公序良俗に反するという辺りが認められたのだと思う。

要は、阪神タイガース球団と無関係にこういった権利の取得というのは、かなりハードルが高く設定されているのである。

パテント・トロール

こういった失敗した先例がそこそこあるのに、何故人々はこういった行為を繰り返してしまうのか?というと、成功例もそれなりにあるからだ。

こういった権利を先取りして利益を得ようとする人のことを「パテント・トロール」と呼ぶのだが、このパテントトロール被害に先に出したトヨタ自動車などは何度もあっている。トヨタだけではなくて、大企業ならば1度や2度は経験があるのではないだろうか。

パテントトロールにとって、登録された商標(パテントトロール行為は商標に限らないが)は、金の卵を産むガチョウであって、「数打ちゃ当たる」の精神で出願しているのだから厄介である。

そして、いざ、権利に擦っていそうな例を見つけると、喜んで訴訟を起こすのである。事前に企業に「訴訟に巻き込まれたくなければ金を払え」と言って。

企業にとっては、訴訟を起こされる事自体がマイナスイメージに繋がるし、商品の販売差し止めなどに繋がろうものなら大打撃である。それだったら、お金を払って解決させたい。或いは、買い取りたい。そんな風に思うのは不思議ではない。そこに付け入るのである。実際にお金を支払った事例はあるので、あたればデカいのだろうね。

実際に、「プリウス」などの商品を販売前に出願して権利取得するのは通例になっていて、登録さえされれば、訴訟になったとしても「自らの権利を行使しているだけだ」と言い張れるので、避けては通れない道と言えるだろう。

登録無効の可能性

さて、本件に戻って、この「ゆっくり茶番劇」がどうなっていくのかを考えたいのだが、上で解説してきた通りに、避ける方法(使い方を注意する)はあるし、ほぼ実害は無いと考えられる。

ただ、「東方Project」の関係者としては、無関係な人間に権利取得をされて面白くはないだろう。僕だったら放置推奨というところだが、先例に倣えば「登録無効(商標法46条)」を模索するというのはアリだろう。

商標登録されるためには、商標登録の要件(同法3条)を満たす、或いは商標登録を受ける事ができない商標(同法4条)に該当していない事が必要で、これを満たさずに登録されれば無効理由を有する権利と言うこととなり、訴えによって無効にする事が可能だ。

本件の場合は、3条1項2号の要件を満たさない、或いは、同条1項5号の要件を満たさない可能性がある。また、4条1項10号、15号、16号、19号辺りに該当する可能性はある。4条1項7号を持ち出してくる可能性も僅かだがある。

そんなわけで、無効理由も存在する可能性はあるのだが、そもそも権利行使が難しく放置しても問題なかろうと、個人的には思うワケである。まさに「茶番劇」で終わるだろう。

追記

おっと、取り扱った特許事務所が謝罪したらしいな。

「ゆっくり茶番劇」商標取得者の代理人が謝罪 「皆様に愛されている商標であることを存じておらず」「爆破予告については直ちに通報致しました」

5/16(月) 12:59配信

「ゆっくり魔理沙」や「ゆっくり霊夢」で人気の「ゆっくり茶番劇」が第三者に商標登録された件について、取得の代理を請け負った海特許事務所がおわびのコメントを発表しました。多くの人に愛されている商標であることを把握していなかったことを謝罪するとともに、見解や爆破予告があったことを記しています。

「yahooニュース」より

出願業務を行うにあたって「代理人」を立てることができ、今回の場合は海特許事務所というところが請け負ったようだ。

これ、「代理人」は出願業務などを代理するのであって、何か責任が生じるかというと、そんなことは無い。上にも書いたように、多くの人には関係ない権利取得となるので、騒ぐのはバカバカしい話。

それを「爆破予告」とか、それはそれで犯罪なんだが、大丈夫か?

また、一連の件についての見解も発表。まず出願については、商標取得者が「自身のYouTubeチャンネルで使用する」ことを希望していたため、調査を行った上で出願の代理を行ったそうです。しかし、当時の調査ではネットの検索でもヒット数は数万件程度であり、周知と呼べるレベルではないと判断したとのこと。また、出願の段階で不正の目的があったのであれば、弁理士の責任としてストップをかけていたとしています。

「yahooニュース」より

ただ、それはそれとしてこの代理人、嘘つきだな。「不正の目的」(商標法第4条1項19号)は、「ヒット数は数万件」という段階で推認できる。「弁理士の責任としてストップ」の下りは止めておくべきだったな。尤も、多分これを書いておかないと弁理士法の倫理規定に引っかかる可能性があるので、敢えて書いたのだろうけれど、どちらかといえば、商標の「使用」に関する下りで説明すべきだった。

それと、上に書いたように商標的使用態様に関する話はクライアントとしたハズなので、しなかったとすれば業務怠慢だし、していたとすればクライアント側の悪意だろう。何れにしても、実際に登録されたという事は、特許庁の調査を突破したということを意味するし、出願そのものには問題がなかったとは言えよう。

さらに、登録後には異議申立期間がありますが、ここでも何の異議もない状況だったため商標取得社が権利行使をしたのではないかとのこと。ただし、もし単に周知商標を独占することで利益を得ようとしているのであれば不正の目的(商標法第4条第1項第19号)に該当する可能性があることを指摘しています。

「yahooニュース」より

結局は、この話はこの辺りに尽きる。

実のところ、この「不正の目的」(商標法第4条1項19号)というのは、多くの場合は出願段階において見破ることは難しい。これは代理人にも特許庁側にも瑕疵が無い事を意味する。その点は理解して、この部分において騒ぐべきでは無いのだ。

法律に従って問題は修正される法体系になっているし、他人の「使用」については多くは問題にならないし、本件出願前から使っている方にとっては継続して使う事が可能なので問題にならない。先走っておかしな行動を起こさないように気をつけて欲しい。

そしてこれは勝手な予想だが、万が一出願人が商標法に詳しいのであれば、炎上は寧ろ狙っていた可能性がある。炎上させることで「信用」を獲得するというのは、アリだからだ。上手いこと着地が出来れば、の話ではあるが。そして、動画もアクセス数は増える可能性はあるね。

追記2

ネットでは特許庁に問い合わせて答えを得た人の文章も出回っているようだ。

特許庁の見解としては以下のようなもののようである。

  • 無効理由(4条1項19号:不正の目的)が推認されると認識しているので、無効審判によって取り消しになり得る権利である(注:審判合議体による判断なので、覆される可能性はある)。
  • 「ゆっくり解説」「ゆっくり実況」に関しては類似として判断されないのでこれまで通り使用可能。
  • 「ゆっくり茶番劇」に関して、動画中で喋る程度であれば問題とならない。

とまあ、拾えたところでこんな所だろうか。

特許庁がこの様な見解を出すというのは、行政としては少々行きすぎであるため、少なくとも公式見解として理解すべきでは無い。でも、内容は概ね僕の見解と同じである。

タイトルやサムネに「ゆっくり茶番劇」という文字を入れる行為は特許庁は判断していないのか、或いはNGの可能性があると考えている可能性はあるが、タイトルコールで入れる行為は問題ない(出願者は音の商標の取得をしていないので、権利範囲外)。

そして、個人的にはタイトル文字に「ゆっくり茶番劇」と入れることに関してもOKと考えていることは、現状では変わっていない。

コメント

  1. 気になるのが、この登録者自身が商標登録を理解していないことで、ニコニコ動画やYouTubeで「ゆっくり茶番劇」を含んだタイトルの動画を投稿した際、登録者が権利者削除を申し立ててきて、もしも削除されたら動画投稿者がいちいち対応しないといけないのが大変でないかと。挙げ句「金を払わずに『ゆっくり茶番劇』を使ったから訴える」とかやりだしたときに、果たしてきちんと自衛できる人が何人いるかと思うと、本当に腹立たしいです。

    • 恐らくですが、その様な行動を幾つか起こして問題となれば、それは無効理由があるという話になるのでしょう。
      ただ、動画の作成者にしてみれば、何がOKで何がダメなのかが理解されていないので、心理的にはとても嫌でしょうね。

      この件、どうやら権利者が諦めたようで、これ以上の騒ぎにはならなそうですけど。