来週予定されている日米首脳会談で、IPEFに参加表明か

外交

アメリカは色々と新しい概念で主導権を握りたがるねぇ。それやるのならTPPで良いんじゃ?

日米首脳会談 岸田首相 米主導の新経済連携「IPEF」参加表明へ

2022年5月18日 5時19分

来週予定されている日米首脳会談で岸田総理大臣は、アメリカが主導して立ち上げを目指す新たな経済連携「IPEF(インド太平洋経済枠組み)」に参加を表明する方向で調整を進めることになりました。

「NHKニュース」より

未だ決まった話ではないので、サクッと解説していこう。

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中身の見えないIPEF

インド太平洋経済枠組み(IPEF)

唐突に出てきた感のあるIPEFだが、アメリカ・バイデン政権が推進しようとしている経済連携の名前である。調べて見ると、このIPEF構想は、去年の10月に開催された第16回東アジア首脳会議(EAS)でバイデン氏が持ち出した話だった模様。

IPEFでは半導体などのサプライチェーン・供給網の強化や質の高いインフラへの投資などでの協力が想定される一方、現時点ではTPPのような関税の引き下げは対象になっておらず、岸田総理大臣はTPPへのアメリカの復帰も引き続き粘り強く働きかけていく方針です。

「NHKニュース”日米首脳会談 岸田首相 米主導の新経済連携「IPEF」参加表明へ”」より

経済連携協定と言えば、TPPが有名ではあるが、アメリカはTPPから自分勝手に離脱してしまった。関税自主権の放棄というのはアメリカにとっては都合が悪いんだろうね。

日本は、他国からの輸入品に対して殆ど関税をかけていない(一部の製品に対しては高い関税をかけている)ために、TPPに参加する前と後で大きな変化はなかったように思う。

だが、アメリカは関税障壁を利用して、貿易を有利に進めたいという意向があるので、TPPには加われない。アメリカはいつもそうだな。

日本にとってはメリットか?

多分だが、日本にとってはそれなりにメリットはある。

米商務長官 IPEF発足表明の見通し明らかに

アメリカのレモンド商務長官は、バイデン大統領が来週日本を訪問する際に中国への対抗を念頭に立ち上げを目指しているIPEFの発足を表明する見通しを明らかにし、多くの国の参加に期待を示しました。

IPEFはアメリカのバイデン政権がこの地域で影響力を拡大する中国への対抗を念頭に立ち上げを目指す経済連携で、サプライチェーンやデジタル貿易などの分野で共通のルールをつくる構想です。

~~略~~

IPEFはアメリカのバイデン政権がこの地域で影響力を拡大する中国への対抗を念頭に立ち上げを目指す経済連携で、サプライチェーンやデジタル貿易などの分野で共通のルールをつくる構想です。

「NHKニュース」より

支那と対抗する為には、どうしてもアメリカの協力は必要となる。アメリカ主導だとはいえ、こういった経済連携の枠組みを作ることそのものは歓迎したい。

ただ、その中身が腐っているので、日本としてはTPPに引き込んでいけるのが望ましいんだけどね。

韓国もIPEF加盟を狙う

で、厄介なのはここに韓国も関わって来るようなのだ。

韓国外相「IPEF参加を前向きに検討」

2022.05.17 18:27

韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官は17日、米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に韓国が参加する可能性と関連し、肯定的に検討しているとし、バイデン大統領の訪韓、訪日を機に枠組みの発足が決定するとの見方を示した。

「聯合ニュース」より

半導体関係と聞いて、韓国としても黙っていられないようなのだが、韓国にとってはそう簡単な話ではないらしい。

中国外相「韓中はデカップリング警戒すべき」 米IPEF構想をけん制

Write: 2022-05-17 12:32:38/Update: 2022-05-17 13:42:15

中国の王毅外相は、アメリカが提唱するインド太平洋経済枠組み(IPEF)に韓国が参加することをけん制して、「韓国と中国はデカップリングの否定的な側面を警戒し、グローバルサプライチェーンを安定的に維持する必要がある」と指摘しました。

中国外務省のホームページによりますと、王毅外相は16日、朴振(パク・チン)外交部長官とのテレビ会議で、両国間で強化すべき事項としてコミュニケーション強化、互恵協力、人的交流、国際協力や地域安定の4つに言及し、互恵協力を実現するためには「デカップリングを警戒すべき」と強調しました。 この発言は、アメリカのバイデン大統領が今月下旬、韓国と日本への歴訪を機に発足するとみられる、インド太平洋経済枠組み(IPEF)に韓国が参加することをけん制するねらいがあるものとみられてます。

「KBS WORLD」より

なお、支那からはクギが刺されているようで。

今のところ、IPEFに参加表明している国は、アメリカ、日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、フィリピン、そして韓国らしい。

インドとインドネシアにもアメリカが声をかけてはいるようだが、この2カ国は難色を示しているようだね。

IPEFに関連する発言

さて、ここまで言及して、IPEFの中身が見えて来ていないのにはお気づきだろうか。

米国のインド太平洋経済枠組み(IPEF)構想

2022.01.31

バイデン大統領は「インド太平洋経済枠組み」の構想を昨年10月27日,テレビ会議形式で開かれた第16回東アジア首脳会議(EAS)で明らかにした。昨年10月は,中国がCPTPPに加盟申請を行った翌月だが,米国が中国の加盟申請に刺激され,急ごしらえで「経済枠組み」構想を発表したのではないように思われる。

~~略~~

昨年10月27日のEASにおけるバイデン大統領の発言は,ホワイトハウスが短い声明として発表している(注1)。発言は3点ある。第1は,インド太平洋に対する米国の永続的コミットメントの表明,第2は米国が「インド太平洋経済枠組み」(Indo-Pacific Economic Framework,以下IPEFと略)の具体化をパートナー諸国と進め,経済的枠組みの柱は,米国とインド太平洋諸国の共通の課題である①貿易円滑化,②デジタル経済と技術の標準化,③サプライチェーンの強靭化,④脱炭素化とクリーン・エネルギー,⑤インフラストラクチャー,⑥労働基準,およびその他の共通課題に置くこと,第3は同盟国およびパートナー国とともに,米国は民主主義,人権,法の支配,海洋の自由を支持すること。

「world economic」より

……「脱炭素化とクリーン・エネルギー」って、もはや時代錯誤なんだが、この辺は修正できたのだろうか。

IPEFは、データ流通のルール作りや貿易の円滑化、サプライチェーン、インフラ整備・脱炭素、税・反腐敗などの分野でそれぞれ参加国を募り、ルール作りや政府間協定を目指す。

米国では、TPPのような自由貿易協定に対し、雇用の悪影響を懸念する声が強い。IPEFは、関税引き下げといった市場開放は目指さない方針だ。東南アジア各国にはメリットが小さく、中国との経済的な結びつきもあるため、交渉が難航する可能性もある。

「讀賣新聞」より

これ、5月11日付け讀賣新聞の記事だが、IPEFは未だに中身がハッキリ決まっていない協定のようだ。「枠組みは必要だから検討を始めよう」って、バイデン氏もハッキリしない人だな。まあ、岸田氏も似たような感じだから、案外馬が合うのかも知れないが。

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