現代のシベリア抑留政策は拡大する

ロシアニュース

うーん、この続報はできれば聞きたくなかった。

ロシアが最大50万人のウクライナ人を強制移住 「ろ過収容所」で拷問か

2022年4月28日(木)14時50分

ロシアは侵攻以降、占領地域および親ロシア派支配地域の人々をロシアに強制移住させている。ウクライナ当局によると、その数は最大で50万人にのぼる。戦闘の激化するマリウポリからも、数百人が連れ去られた。詳細な行方はわかっておらず、多くは「ろ過収容所」と呼ばれる施設に送られたとみられる。

「Newsweek」より

強制連行50万人……、だと。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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現代のシベリア抑留政策か

ちょっと前まで人道回廊設置で5万6000人以上だった

前回の記事はこちら。

この記事で紹介した時は3月末で、ロシア側の発表で5万6000人以上という数字であった。強制連行したウクライナ人の人数が、だ。

ところが、冒頭のNewsweekの記事では既に50万人という規模になっていると言うから、驚くべきなのか。2ヶ月余りで10倍以上の人々がロシアに連れて行かれているという。

これが、「自ら望んで」と云うことであれば誰も非難はしないのだが、そうではない。

もちろん、ロシア側の発表では自ら望んでということになっている。

ろ過収容所の「ろ過」とは、民間人と反体制思想者の選別を指す。ウクライナに潜むとロシアが主張する「ネオナチ」を民間人のなかから探し出すことが目的だ。急ごしらえのテント村などに収容され、衣服と身体の検査を受け、活動グループの記章やタトゥーなどが刻まれていないかを徹底的に調査される。

「Newsweek」より

しかし、現実はロシアは「濾過収容」なるやり方をしていると。

「ふるい」にかける

この「濾過」の意味するところは、端的に云えば思想選別である。

ロシアにとって、「ネオナチ」判定したウクライナ国民は、ロシアに入国させないという立場で、それは彼らにとって理に叶っているのだろう。

しかし、西側の理屈から云えば、そもそもこれはそれ以前にここに誘導されてきたという事実と合わせて考えても、辻褄が合わない。

戦地となったウクライナから避難したウクライナ国民が、ロシア側にしか道が開いていない人道回廊に沿ってロシアに辿り着き、思想選別される。

彼らに選択肢などなかったし、思想選別されてNGだった人々は何処へ行ったのか。

ロシアは、1990年代に勃発したチェチェン紛争においてもろ過収容所を設けている。収容されたチェチェン人は拷問を受けており、その多くは消息不明だ。米CNNは当時のろ過収容所からの生還者の証言として、「粗末な部屋に入れられ、電気ショックや殴打、そして容赦ない尋問を受けた」と報じている。

「Newsweek」より

チェチェン紛争(第一次1994年~1996年、第二次1999年~2009年)では、ロシアが実際に濾過収容所を設けて、そこに収容された人の多くは消息不明になったという。

その被害者数は明らかにされていないが、数千人のチェチェン人が連行されたのではないかと言われている。

ロシア軍に深く根付いた「残虐行為の文化」
ウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外の町ブチャで撮影された凄惨(せいさん)な写真の数々は、ロシア軍による戦争犯罪とみられる行為があったことを示す強力な証拠になっている。写真には路上で息絶えた民間人の姿が写り、中には両手を縛られその場で銃殺された人や、無差別に殺されたとみられる人もいる。 - (1/3)

残念ながら、ロシアではこれは実績のあるやり方なのである。

天然ガスの供給バランス問題

今後、ロシア軍のウクライナ侵攻がどうなるのかは予測がつきにくいが、既にロシアはヨーロッパ諸国の結束を招いてしまい、エネルギー問題を梃子にしても切り崩しは難しかろうと思われる。

ロシアはガス供給停止という手に出たが、これに対してヨーロッパ側は結束する方向に向かってはいる。

EU諸国、ポーランドとブルガリアに天然ガス融通 ロシアからの供給停止受け

2022.04.28 Thu posted at 07:49 JST

欧州連合(EU)の行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長は27日、ポーランドとブルガリアがEU諸国から天然ガスの供給を受けると発表した。

ロシアのエネルギー大手ガスプロムは同日、両国への天然ガスの供給を停止した。両国がルーブルでの支払いを拒否したことを理由としている。

フォンデアライエン氏は、供給停止は「ロシア政府からの新たな挑発」で、ロシアが天然ガスを使ってEUを「ゆすろうと」していると非難した。

さらに「これは欧州委員会が加盟国や国際的なパートナーと緊密に調整、連携し準備してきた事態だ。我々の対応は即座で団結した、調整されたものとなる」と述べ、ガスプロムの決定が欧州諸国に及ぼす影響を最小限にとどめるとの決意を示した。

「CNN」より

欧州委員長のフォンデアライエン氏は、「準備をしていた」と強がっているが、天然ガス市場のの高騰は避けられないし、生産量を考えても十分な供給は難しいだろう。

そもそも、安価に大量に天然ガス供給が可能なら、ロシアから天然ガスを買いはしないのだ。

それ故に、前の記事では日本は原発再稼働をしてヨーロッパへのサポートをしろという事を書いた。日本が買う天然ガスの量は2019年度データで世界第2位。1位は支那、3位はドイツなので、日本が購入量を減らせば天然ガスの供給量は増える。つまり、ヨーロッパも喜ぶというわけだね。

4位のアメリカはシェールガスの採掘量を増やしている段階なので、輸入量は必然的に下がるわけだが、バイデン氏はシェールガスの採掘を止めるといって当選した大統領なので、バイデン氏の政権下では大量増産の見込みは薄い。

日本が貢献すべきは自明である。

5月9日にかけて

一つの分岐点として考えられるのは、5月9日の対ナチスドイツ戦勝記念日とロシアが記念日としている日である。

5月9日の対ナチスドイツ戦勝記念日 → 第2次世界大戦を知ろう

2022.04.28

ロシアのウクライナ侵攻の戦況に5月9日という日が大きな意味を持ってきています。5月9日は対ナチスドイツ戦勝記念日で、ロシアでは国民の団結を示す大切な日として毎年大々的な軍事パレードがおこなわれます。プーチン大統領は今回、ここで何としても戦果を高らかにアピールしたいと考えているようで、この日を目指してロシアによるウクライナへの攻撃は激しくなるとみられています。

「EduA」より

まあ、この記事については話半分にして読んで頂ければ良いと思うのだが、少なくともロシアはこの日にあわせてパレードの準備をしているので、国民に誇るべく何らかの戦果をこの日にあわせて得なければならない。

だからこそ、この日に勝利宣言をする為に小型核の使用まで視野に入れていると考えるべきだろう。

核抑止力という考え方は、既にロシアには通用していない疑いもあって、使ってくる可能性は否定できない。

ロシアは「戦勝記念日」の前に大勝利を収めたい…ソビエト「勝利の旗」がウクライナの占領地域に出現

Apr. 25, 2022, 09:00 AM

CNNは、ロシアが占領したウクライナの町に第二次世界大戦の「勝利の旗」が出現していると報じた。西側の情報機関は、ロシアが5月9日の「戦勝記念日」を前に、侵略の大きな進展を確保したいようだと述べている。

CNNは2022年4月21日、ロシアが占領したウクライナのいくつかの地域にこの旗が「現れ始めている」と報じた。旗には、ソビエトのハンマーと鎌が描かれ、「第150狙撃師団、クトゥーゾフ二等勲章、イドリツァ師団、第79ライフル隊、第3突撃軍、第1ベラルーシ戦線(150th Rifle, Order of Kutuzov Second Class, Idritz Division, 79th Rifle Corps, 3rd Shock Army, 1st Belorussian Front)」と書かれている、とCNNは報じている。

「BUSINESS INSIDER」より
大祖国戦争(第二次世界大戦)におけるソ連軍の勝利旗のレプリカ。2016年、モスクワの大祖国戦争中央博物館前で。

プーチン氏がウクライナにどのように勝ったとアピールするのか。力の信奉者であるプーチン氏が、力を誇示するためには「勝利」が分かり易い。

だからこそ、現在ロシアはウクライナ侵攻の手を更に強めているのだが、実のところあまり上手くはいっていない。では、何が起きるのか?小型戦術核の使用リスクがあるとは言われているが、ABC兵器の使用リスクは高くないと僕は見ている。

大規模攻勢をかけて、ドンバス地域の掌握を演出、というのがロシアの狙っていることだとそんな風に思う。

その先は

ただ、「演出」だけだとそのうちに「未だ掌握できていない」という状況が明らかになった時に、ロシア国内でトラブルが増えるのでは、という気がする。

ロシア国防省の研究施設で火災、6人死亡…ウクライナ攻撃で使用のミサイル開発

2022/04/23 08:18

タス通信によると、モスクワ北西のトベリ州にある露国防省の研究施設で21日に火災が発生し、6人が死亡、24人が負傷した。施設は露軍がウクライナ侵攻に投入している短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や、防空ミサイルシステムの開発に携わっており、出火の背景に関心が集まっている。

「讀賣新聞」より

実際にこの手の不自然な出火が相次いでいるロシア。国内で工作部隊が蠢いているという風にも言われているんだけど、ハッキリした事は分かっていない。

ロシア西部の石油貯蔵施設で大規模な火災…ウクライナ側工作の可能性は指摘なし

2022/04/25 18:14

インターファクス通信などによると、ウクライナと国境を接するロシア西部ブリャンスク州にある石油貯蔵施設で25日未明、大規模な火災が発生した。負傷者は確認されていない。露連邦捜査委員会は出火原因を調べるため現地に捜査員を派遣した。ロシアでは今月21日以降、重要施設の火災が相次いでいる。

「讀賣新聞」より

怪しいとは思うけれど。

つまり、プーチン氏の足下も怪しい。

現状を考えると、ロシアの勝利で終わるシナリオはもはや見通せないので、ロシアの内部崩壊とプーチン氏の首がロシアから差し出されることが終わる条件なのではないかと。

逆に言えばそれまで破壊と殺戮は何らかの形で続くのだと思う。

プーチン氏は「ロシアの無い未来は意味がない」といい、プーチン氏の言うロシアとは、偉大なロシア帝国のことである。彼のイヴァン雷帝を崇拝している世界観を考えると、最期まで突き進むだろう。

最悪のシナリオであるプーチン氏が自暴自棄になって、世界と共に自殺する事だけは止めなければならず、西側諸国は難しいハンドリングを迫られていると言えると思う。

コメント

  1. こんにちは。

    返す返すも、「国連の方から来ました」の方々は、カビの生えた徴用問題などより、今目の前で進行中のこういった人権問題に注目して戴きたいものです。
    あと、急進的な環境保護団体の方々も。石油備蓄施設その他バンバン燃やして、環境保護活動の成果をチャラにしているのは誰?って話ですよね>グレタ嬢

    • 国連はもはやこの手の人権問題に対して機能することはないのではないでしょうか。
      ロシアを退場させたとはいえ、随分と支那に牛耳られていますし、元々まともな判断能力があったかも怪しい。
      環境詐欺もバイデン氏の中間選挙の結果次第ではかなり下火になる可能性が。良くも悪くもアメリカの意向に左右されますからねぇ。