核共有に反対する公明党

防衛政策

反対なのは分かったんだけど、ロジックはかなりメチャクチャだな。

核共有、かえって危険 山口公明代表「使う国出るかも」

2022年04月25日17時55分

公明党の山口那津男代表は25日、熊本市内で街頭演説し、米国の核兵器を共同運用する「ニュークリア・シェアリング(核兵器の共有)」について「かえって危険性が高まる」と述べ、反対の立場を改めて示した。理由として「日本が共有すれば、核拡散防止条約(NPT)を破る国が世界中にたくさん現れるかもしれない。間違って使う国が出ないとも限らない」と指摘した。

「時事通信」より

何故、「使う国」が出てくるのか理由が分からない。

核共有やNPTに関しては、ちょっと前にも触れているので「またか」という感想を持たれる方もいるとは思うが、少しお付き合い願いたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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ヨーロッパ型の核共有は日本に有効なのか

公明党の寝言とtweet

この記事に関して、僕はこんな事を呟いた。

核共有をしたら日本は核兵器を使えるのか?といえば、「否」だ。したがって、核拡散防止条約(NPT)を破る国が出てくるとか、使う国が出てくるという議論はオカシイ。核共有してもアメリカの合意がなければ核の使用はできないからだ。

とまあ、そんな事を考えていたのだけれど、ここにコメントを付けて頂いた方がいて、「山口氏のロジックは成立する」旨のコメントを頂いた。

え?そうなのかなぁ。

核共有とNPT

というわけで、本日は、核拡散防止条約(NPT)について少し言及していきたい。

NPTとは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、支那の5カ国以外の核兵器の保有を禁止する条約である。ところが、今や核保有国はこの5カ国の他にもインド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの4カ国まではほぼ確実に核兵器を保有しているとみられている。更に開発しているのは、イラン、シリア、ミャンマーの3カ国であると言われている。なお、インド、パキスタン、北朝鮮はNPTを批准していない。

一方で、核共有している国だが、核兵器を提供するのがアメリカただ一国で、共有を約束しているのが、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコであるとされている。なお、カナダやギリシャも過去には共有を受け入れていたようだ。

ところが、この核共有が「NPTの1条と2条に違反しているのだ」という議論があるのはご存じだろうか。Wikiにはその事に触れられているのだが、折角なのでNPTの条文を引用しておこう。

第一条 [核兵器国の不拡散義務]

締約国である核兵器国は、核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者に対しても直接又は間接に移譲しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造若しくはその他の方法による取得又は核兵器その他の核爆発装置の管理の取得につきいかなる非核兵器国に対しても何ら援助、奨励又は勧誘を行わないことを約束する。

第二条 [非核兵器国の拡散回避義務]

締約国である各非核兵器国は、核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者からも直接又は間接に受領しないこと、核兵器その他の核爆発装置を製造せず又はその他の方法によって取得しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造についていかなる援助をも求めず又は受けないことを約束する。

「JAEAのサイト」より

NPTの1条と2条の和訳版である。

素直に読むと、核共有はNPT違反であることは明白である。「直接または間接に移譲しない(1条)」「直接または間接に受領しない(2条)」と定められてその例外は記載されない。

アメリカの説明

では、アメリカは核共有に関してどのような説明をしているのだろうか?

  • 核爆弾及び核コントロールの移転は許されない。
  • ただし許されないのは戦争勃発の時点までであり、戦時にはNPT条約の規制は及ばない。
  • したがって、NPTに違反はしない。

核攻撃は、平時にではなく戦時に行われる非常手段であり、NTPは平時における条約であるから、戦時においてNPTの規制は及ばないというような説明をしているとされる。完全に屁理屈ではあるが、この理屈が各国にも納得されているものとして解釈すると、NATOの安全保障もこの前提で成り立っているものと考えられる。

つまりどういうことかというと、NATOの加盟国は、他の加盟国に軍事侵攻があれば「自動参戦」という事になっている。したがって、例えばドイツがロシアと戦争を開始したとして、自動的にアメリカはその戦争に参加する形になる。そうすると、アメリカにとって「戦時」という事になって、NPTの枠外における核の作戦投入が可能と言う解釈になる。

平時においてアメリカはドイツに核兵器を持ち込んでいるのだから、戦時にNPTの適用除外を受けるといったところで説得力に欠けるのだが、まあそれはさておこう。

何れにしても、NATOが強固な軍事同盟として機能する背景には、この核共有と自動参戦(集団的自衛権)の規定が機能しているからという事があるのは事実で、NATO加盟国は、NATOが1949年4月4日に調印され、創設されて以降、一度も戦争に巻き込まれてはいないという実績がある。

なお、NPT条約の交渉中にNATOの核共有合意は秘密事項であったため、1968年に締結されたNPTに署名したほとんどの国が、その時点では合意の存在とその解釈を知る事は無かった事も書き添えておく。

つまり、NPTの前にNATOの核共有合意があったのだから、NPT違反にならないとの考え方だが、それはちょっと違う。NPTでは例外を設けていないことは言及したし、NPT加盟国がNPT締約にあたって議論をした際には密約について明かされてはいなかった。

尤も、NPTの後の会合でこの話は問題視されたが、各国とも一応は了承した形となっているため、NPT違反ではあってもNATOの核共有は黙認されているというのが現状であろう。

日本でヨーロッパ型の核共有は難しい

さて、先日、安倍氏が「日本でも核共有の議論を」と呼びかけた時に、日本のメディアは蜂の巣を突いたような騒ぎになった。

それについては先日触れていて、幾つかの誤解があることについても指摘している。

「核の傘」に関する誤解

先ずは、日本がアメリカに提供して貰っているとされている「核の傘」というのは、幻想に過ぎないということで、アメリカは公式には一度も日本に対して「日本が核攻撃された場合に、アメリカの核兵器で報復する」などということは言った事がない。

では、「核の傘」とは何なのか?といえば、日本に米軍が駐屯している状況があるため、日本を他国が攻撃した場合に、アメリカの判断で核兵器を用いた報復を「するかもしれない」という程度の話なのである。

しかし、核抑止力とは、「使われるかも知れない」という疑念が抑止力として働くのであって、それ以上の意味はあまりない。だから、必ずしも「核の傘」の意味がないとまでは言えない。

「“アメリカの核の傘があるから大丈夫”は思考停止ではないか。日米安保があるから大丈夫だと無思考になってはダメだ」石破元防衛大臣がロシアのウクライナ侵攻に危機感

3/9(水) 14:20配信

自民党・衆議院議員の石破茂元防衛大臣が7日の『ABEMA Prime』に出演、ロシアのウクライナ軍事侵攻を踏まえ、日本の安全保障環境について危機感を示した。

~~略~~

意味がないとするなら、日本はどうするのかということだ。“アメリカの核の傘があるから大丈夫”と言うが、その傘はどれくらい大きな傘なのだろうか。いつ差してくれて、いつ差してくれないのだろうか。穴は開いていないか、つまり有効性を常に確認することも大事ではないか。NATOの国々は、ずっと検証をしている。それをしないで、“いざとなったら核の傘があるから大丈夫”というのは、一種の思考停止ではないか」。

「yahooニュース」より

しかし、石破氏のように「核の傘」についての懸念、「核の傘」に対する不信が広がれば、その抑止力は容易く弱体化する。厄介なのは、日本が「核の傘はありまぁす」と信じていても、日本を攻撃する国がそれを信じなければ意味が無いという点だ。

「核の傘」は口約束レベルなので、アメリカがそれを破っても何のペナルティーもない。アメリカに利益がなければ核兵器を使うことは無いから、そうなると実質的に核の傘が機能しないことは当然あり得る。特に、アメリカと日本を攻撃する国との間に密約でもなされれば、それこそ致命的だろう。

核の先制使用は不可能

それでは、日本が核共有によってアメリカの核を形として手に入れたとしたら、「核の先制使用」は可能か?というと、コレは不可能である

何故ならば、先述したアメリカの解釈にもあるように少なくとも「戦時」でなければ核兵器は使われないからである。

【独自】米が核「先制不使用」宣言せぬよう、日英仏など水面下で働きかけ…抑止力低下を懸念

2021/11/10 05:00

日本や英仏など米国の同盟国がバイデン米政権に対し、核兵器で攻撃されない限り自国は核兵器を使わない「先制不使用」を宣言しないよう、水面下で働きかけていることがわかった。各国の安全確保には、米国の核抑止力の維持が不可欠なためだ。複数の日本政府関係者が明らかにした。

「讀賣新聞」より

尤も、実際に抑止力という意味では「核の先制使用の可能性」を残しておくことは重要な意味があるため、西側諸国の中でもアメリカは「先制不使用宣言するな」と説得して回っている状況にある。これを逆説的に捉えれば、基本的には先制使用は出来ないととれる。

嘘つきなロシアや支那は「先制使用をしない」と言いながらも、平気でコレを破って使うだろうと思われるが、西側諸国にとっては「先制不使用宣言」は戦略の幅を狭める悪手であるのは間違いがない。

<社説>核の先制不使用 日本は米国の後押しを:東京新聞 TOKYO Web
バイデン米政権は新しい核戦略の指針である「核体制の見直し(NPR)」で、核兵器の先制不使用を打ち出すことを目指している。日本政府はこれ...
「核先制不使用」宣言求める 野党議連、米国議員と連携し共同書簡:朝日新聞デジタル
 立憲民主党などの野党議員でつくる「日本プログレッシブ議連」(会長・中川正春衆院議員)は1日、政府に「核兵器先制不使用」の宣言を求める書簡を提出した。米国議員と連携した動きで、日米両政府への働きかけを…

そうしたロジックを理解した上で、西側諸国の防衛力を削ぐ事を社是としているメディアが日本に沢山あることは嘆かわしい。ロジックを理解出来ないとしたら頭が悪いのかも知れないが。

日本海を越えての核兵器の使用

加えて、日本の場合、仮想敵として認識されるロシア、支那、北朝鮮の何れも核保有をしている3カ国は弾道ミサイルも保有している。

仮に日本に対して戦端が開かれた場合に、核兵器が使われるケースは核弾頭を備えた弾道ミサイルによっての攻撃のリスクだ。コレは限定的な条件下ではありうる。だからこそ、自衛隊が迎撃手段を備えているのだ。

しかし、日本にとっての核兵器の先制使用、或いは反撃というのは、弾道ミサイルを使われた場合には、敵対している国に「直接撃ち込む」ケースしかなく、これはNATOのNPTも想定していないのである。

この点はこちらの記事でも指摘したが、ヨーロッパ型のNPTは、爆撃機を使った核ミサイルの投下であって、仮想敵国ロシアに対して使う事が想定はされているが、その範囲はモスクワを含んではいない。

img

もちろん、作戦に使われるF-15E戦闘機に巡航ミサイルに核弾頭を搭載して発射すれば狙える位置にはあるのだが、NPTで使用が前提となっているのはB61核爆弾であり、これは投下型の爆弾なので、建前としてはモスクワは射程範囲に入らない。

じゃあ、この核兵器は何に使われるのか?というと、「同盟国が自分の手で自国の国土で核兵器を使用」である。

だからこそ難しい

よって、日本海を越えての攻撃など核共有でも不可能。加えて言えば、日本で敵基地攻撃を想定した核保有というのは、正しくNPTの枠を超えた配備という事になる。

では、ヨーロッパ型の核共有を実現した場合に使用を考えると、日本に敵が上陸したシーンを想定して、自国の領土に使用するパターンだ。

だが、海に囲まれた日本にとっては、陸地に囲まれたヨーロッパ諸国とは条件が異なるのだ。陸続きではないために自国を核兵器で焼いたとしても、敵の進撃を止める事が優先というような事態にはなりにくい。

そんなことをするくらいなら、潜水艦を多数備えて強襲揚陸艦などの船を次々と沈めていくか、空で戦闘機によって攻撃する方が現実的だ。

現実的な核保有

NPTはそもそも機能していない

さて、冒頭の山口氏のロジックに戻っていこう。

上で説明した踏まえれば、冒頭に紹介した公明党の党首、山口氏の「かえって危険性が高まる」というのは妄想の域を出ない話で、全く根拠がなく、「間違って使う国が出ないとも限らない」というのも意味のない発言だ。

理由として「日本が共有すれば、核拡散防止条約(NPT)を破る国が世界中にたくさん現れるかもしれない。間違って使う国が出ないとも限らない」と指摘した。

「時事通信」より

ちょっと脳味噌の腐り具合が気になる発言だが、NPTは既に機能していないという現実を先ず理解されていない。

そもそも核拡散防止条約と言いつつ、加盟国は以下の通り。

全世界の国や地域が参加しているのか?というと、実は保有国が脱退や未署名となっているので、有効的に機能しているとは言い難い。特に北朝鮮等は、保有を目指して脱退しているのだから、これに続く国が出てくる可能性は高かろう。

つまり、日本がアメリカとの核共有に踏み切ろうと踏み切らまいと、既にNPTの効力はかなり疑わしい。現在、加盟または継承している国の中にも核開発をしている国があって、核開発を完了し、「使用出来る」と宣言して脱退する可能性はある。

ウクライナ危機はNPTの無意味さを浮き彫りにした

ウクライナ危機において核共有の話が出てきた背景には、こういった事実が既にあり、その上で核保有国のロシアが「使うかも」と宣言したために大騒ぎになった。

核保有国は理性的であるという前提がNPTにはあったのに、そこが名実共に崩れたからである。

そもそも、「核拡散防止」というのは「核軍縮交渉義務」と連動して行われていて、「将来的には核兵器を廃絶しよう」というロードマップの上で、先ずは拡散を防止する。そして、保有国は核軍縮を行うという流れの議論である。

まあ、この事も、支那が既に怪しい発言をしていたため、「今更」という部分はあるが、それでも保有国が公然と非保有国に対して「使用」を口にしたことは、衝撃をもって受け止められた。事実上のNPT体制の崩壊と言い換えても良いだろう。

よって、今更「NPTを破る国が世界中にたくさん現れるかもしれない」もない話だ。

非核三原則の撤廃

じゃあ、現実的に日本に何ができるのだろうか?

僕は、「核共有」というのは有り得ないと思っている。理由は上に書いた通りであり、NPTが機能していないからと言って、核共有にアメリカが賛成するとも思えない(アメリカは割と条約を破ることを躊躇しない国だが、それは自国に利益がある場合に限る。現状はNPT堅持の方がメリットが大きい。ただ、日本が核保有をして極東の平和維持に貢献するという考え方をすれば、アメリカはそれを呑む可能性はある。実際にトランプ政権時には、「日本は核保有すべき」という議論もあった)し、説得できたとしても有効に使えるかというと、多分無理だ。「核共有?だったら自前で保有しろ」という話になりかねない。

何しろ、日米同盟は日本の有事にアメリカが自動参戦する規定にはなっていない。アメリカにとって、日本の防衛は必ずしも自国の利益にならない可能性があり、実際に、アメリカは支那と手を組む流れになっていたのだ。トランプ氏のお陰でその流れは断ち切られたのだけれど、バイデン氏はなんとなく、その流れを引き戻す方向に舵を切っている節があるので、油断できない。

となると、一番現実的だと思うのは、日本が「非核三原則」を撤廃することだ。具体的には、「持ち込ませず」をやめて、アメリカ軍に対して「持ち込んで良いよ」と表明する事だろう。

現実的に、非核三原則は机上の空論であって、アメリカ軍によって核兵器は日本に持ち込まれている。だって、第7艦隊は日本の佐世保に来ているし、核武装可能な戦闘機だって日本に何機もいる。アメリカの潜水艦だって日本で補給を行っているのだ。

実質上、「日本に核兵器は無い事になっている」だけで、非核三原則など有名無実である。

しかしこれを「止める」と宣言することで、アメリカ軍からの報復可能性が高まるのだから、妄想の域を出ていなかった「核の傘」が実質的に機能し始める可能性は高い。

先ずはこれを整理する必要があるだろう。

域外攻撃能力の獲得

そして、「敵基地攻撃能力」等と言われていた能力の獲得を目指すのが、先ずは現実的だろう。何やら、「反撃能力」などという言葉に置き換える話になっているらしいが、言葉遊びに過ぎないな。

「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」に名称変更 提言を了承 自民

2022年4月26日 14時38分

政府の国家安全保障戦略などの改定に向けて自民党は26日、いわゆる「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」に名称を変更し、保有することなどを盛り込んだ政府への提言を了承しました。

~~略~~

会合では「今の日本の『専守防衛』では限界がある」といった指摘が出されたものの、安全保障調査会の幹部が「今は概念を変えずに必要なことをやっていく」などと説明し、提言は了承されました。

「NHKニュース」より

バカバカしい、とは感じるものの、現実的に敵基地に届く攻撃手段を手に入れる事には意味がある。「概念を変えずに」などと寝言を言っているが、専守防衛の概念こそ覆すべきである。

なお、概念だけの話でいうのなら、「反撃能力」は自衛隊は既に保有している。そして、この概念に準じるのであれば、依然として先制攻撃を甘受するというアホな考えは根付いている。

しかし、本来的には先制攻撃があるか無いかに関わらず、自国を防衛するために長距離攻撃能力を保有すべきであって、それが「域外」に届く必要がある。

段階的には、域外攻撃を可能とすること、その法整備をあわせて行うことは、最低限手に入れるべきで、これに加えて核共有の議論をしっかりすべきだろう。核共有の議論をすることで山口氏のようなおかしなロジックを振りかざす政治家は駆逐しなければならないのだ。

防衛力の強化が一番のキモ

そもそも、核共有というフレームを持ち出す前に、何を目的に核共有議論が出てくるのかということを整理する必要がある。

もちろん、大原則は「危ない隣国がある」という現実を捉えて、「防衛力強化」を図る必要があると言うところが現実における日本の課題である。

ウクライナ危機の事案からも分かるように、ウクライナのように単独で国を守るというのは、ウクライナが現状で相当善戦しているという現実を前にしても、あれだけ国土が蹂躙されてしまったことを考えると、「無理だ」と結論づけなければならないだろう。

ウクライナの市街地

こうなる前に対処する必要がある。

正直、核共有というのは手段の1つに過ぎず、僕の考えでは余り良い方法とは言えないと思う。少なくともその前に「集団安全保障」体制の獲得という事を考えるべきであり、そのためには、日米同盟の強化、日英同盟の実現、日豪同盟の推進、そしてクワッドの深化とファイブアイズへの加入とAUKUAへの参加が必要だ。

仮に、核共有の話があるとすれば、同盟強化の延長線上にある話。その前に法改正なども行う必要があり、憲法改正も必要、スパイ防止法も必要と、やることは山盛りである。

間違って使う国が出るのか

正直、核兵器を「間違って使う」などということが有り得るのか、その点についてまず疑念がある。少なくとも、未だかつて「間違って核兵器が使用された」という実例は見たことも聞いたこともない。

核兵器なら公然と日本に対しては使われているが、アレが「間違って使われた」という認識である人はいないだろう。

もし、リスクがあるとすれば、独裁国家が核保有をすることの方がリスクは高い。アメリカ、フランス、イギリスなどの民主主義国家は、核兵器の使用についてその国のトップが独断できるようにはなっていない。確率の問題ではあるが、独裁国家の方が使用リスクが高いことは説明するまでも無かろう。

そして、日本の周りには、ロシア、支那、北朝鮮と、何れも独裁国家で、何れも核兵器を保有している国がある事実を考えると、日本だけが頑なに「使わない」と宣言することに何のメリットがあるのかはよく分からない。「間違って」は使わないが「意思を持って」使ってくる可能性は高まった。事実、ロシアはそれを口にしている。

実情を考えれば、最終的に目指すべきは日本の核保有であろう。

だが、それは現実的に日本にとって非常にハードルが高いのも事実である。直ぐには無理だ。故に、先ずは非核三原則を放棄するのが現実的ではないのかな。その上で、核共有の議論を戦略的にし、しかし現実的にはNATOへの加盟という道でしか核共有は出来ないと思われるので、その先、つまり核の単独保有ということをまで(実際に保有するかは別にして)視野に入れて動くべきだ。

この時に、「日本が軍国化への道をひた走っている」と国内外から批判はあるだろう。だが、現状では敵性周辺国に対して対抗できる手段を獲得するに過ぎない。「軍拡競争ガー」とあるが、最小限の戦力も持たないで「軍拡」とは笑わせる。現実を見れば、ウクライナのような状況を迎える可能性は低くない。

だとすると、自民党が真っ先にすべきは、公明党と手を切ることだろうな。

追記

集団安全保障について記事中言及しているが、この話はアベマニュースでちょっと前に取り扱われた内容でもある。

この中で石破氏が「15年前から提唱している」として紹介したのが、ANZUS条約に日本が参加しろという話で、そこから発展してアジア版NATOにという文脈で説明していた。

石破氏の主張について賛否があるのは事実だが、僕は軍事に関しては石破氏のロジックは理解出来る部分はそれなりにある。

これは動画からキャプチャーしたものだが、なる程、環太平洋の枠組みというわけだ。TPPも発展させる必要があるが、こうした環太平洋軍事同盟という流れにもして行くべきだろう。

ただ、NATOの事情と環太平洋の国々の事情は異なる。だから、NATOのような枠組みまで実現できるかという、直ぐには難しいだろう。だからこそ、既に枠組みとして機能しているANZUS条約かその後継に位置づけられるAUKUSに乗ることと、クワッドの関係をもっと深めていく必要がある。アジア版NATOがあるとしたら、少なくともその先の話となるだろう。

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