韓国野党が謎の妥協、検察捜査権完全剝奪法案に合意し大混乱に → ちゃぶ台返しで更に混乱

OINK

おおーい、斜め上の結果なんですけど!

韓国 検察幹部が一斉に辞表 捜査権を警察に移管の法改正に抗議

2022年4月23日 5時11分

韓国では、検察の捜査権の多くを警察に移管するための法改正に与野党が合意したことを受け、これに反対する検事総長をはじめとする検察幹部が、一斉に辞表を提出する異例の事態となりました。

「NHKニュース」より

あまりの結果に、顎が外れそうになった。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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検察に捜査権を残さず

検察庁法改正案に野党が合意

この話題は、ちょっと前に取り上げている。

こちらの記事で、韓国を騒がせていた「検察捜査権完全剝奪法案」について触れている。

簡単に言うと、現職の韓国大統領ムン君が、自らを捜査されては困るということで、検察から捜査権を取り上げることにした法案がこちらの、「検察捜査権完全剝奪法案」(注:検察法改正案らしいが)である。

これまでの歴史で、韓国検察は政治腐敗と戦い、前政権の大統領やその側近や親族を逮捕・起訴してきた。もちろん、元大統領のクネクネこと朴槿恵氏のように、一体何の罪を犯したのかイマイチ意味がわからない方もいるのだが、基本的には犯罪に手を染めている人ばかりである。

それだけ韓国の政治腐敗が進んでいるとも言えるが……。

ともあれ、こうした積極的な捜査をされては困るということで、検察の捜査権のうち一部は「高位公職者犯罪捜査処」というムン君が作った組織(トップは大統領が任命する)に移管し、今回は残った捜査権を警察に移管する流れになったのが前回までの話である。

元検察庁長官が次期大統領

で、次期韓国大統領の尹錫悦氏は検察総長であった時代にムンくんと対立。検察の捜査権を政権が取り上げたことに反対して辞任し大統領候補となった経緯があるだけに、今回の改正案にも断固として反対する……、と思っていたんだが。

当初は保守系の最大野党「国民の力」が反対していましたが、国会議長が22日、一部の捜査権は検察が当面維持するなどとした仲裁案を示したところ、「国民の力」はこれに合意し、与野党は来週の成立を目指すことになりました。

「NHKニュース」より

何故か妥協してしまった。

その妥協内容だが、現在、検察庁は以下の6つの重要な犯罪についての捜査権を保持している。そして一部は一時的に保持し、一部は即時剥奪ということになった。

  1. 政治腐敗の犯罪 → 一時的に保有し後に剥奪
  2. 経済犯罪    → 一時的に保有し後に剥奪 
  3. 公職者の犯罪 → 即時剥奪
  4. 選挙犯罪   → 即時剥奪
  5. 防衛事業犯罪 → 即時剥奪
  6. 大型惨事   → 即時剥奪

尹錫悦氏はムン君が辞任後に捜査をして牢屋にぶち込みたいと、そのように考えていたハズなので、まさかの妥協である。

ムン政権の要職は逮捕を免れる?!

これがどのような話になるのかということなんだが、朝鮮日報ではこのように言及している。

韓国与野党が「検察捜査権完全剥奪」仲裁案に合意、政治家や高位公務員が検察の捜査から逃れることに

記事入力 : 2022/04/23 09:36

~~略~~

与党・共に民主党の朴洪根院内代表と野党・国民の力の権性東院内代表はこの日、朴議長が呼びかけた話し合いの場で仲裁案合意文に署名した。仲裁案には検察の直接捜査権と起訴権を分離し、検察の既存6大犯罪(腐敗・経済・公職者・選挙・防衛事業・大型惨事)捜査権のうち「腐敗」と「経済」だけを一時的に残して残りは削除するというもの。検察が行ってきた捜査は将来的に重大犯罪捜査庁(仮称)に引き渡すことになる。与野党は国会に司法改革特別委員会を設置し、6カ月以内に同庁の設置に向けた法律の制定を終わらせることにした。この法律が成立した後は1年以内に重大犯罪捜査庁を発足させ、発足の時点で検察の捜査権は完全に廃止される。時期が18カ月ほど遅れるだけで、最終的に検察捜査権の完全剥奪が実現することになる。

「朝鮮日報」より

これがトバシ記事ということならばよかったのだが、どうやら本当に合意したようだ。となると、現政権に係わるムン君以下多数の政治家は罪に問われなくなる可能性が高い。公職者の犯罪については、即時剥奪となったからだ。

韓国メディアによりますと、与野党の合意を受け、法改正に強く反発してきた検察トップの金洙検事総長や全国6つの高等検察庁の検事長など、検察の幹部が相次いで辞表を提出しました。

 「NHKニュース」より

で、検察のトップを始め、全国6つの高等検察庁の検事長らが相次いで辞表を提出する騒ぎになった。

意味がわからない。

次期大統領だって、辞任する頃には検察の影に怯えることにはなるのだろうから、今のうちに合意しておくということは益のある話かもしれないけれど、韓国の政治腐敗の取締は一層難しくなること請け合いだ。

これは公捜処(高位公職者犯罪捜査処)が完全に大統領の下位機関となって、政治家の逮捕など考えない可能性が高く(実際に、設置されてから仕事をやっていない模様)、一方の警察は捜査権を与えられたところで捜査はできない(警察も政権側の立ち位置となる)可能性が高いためだ。

尤も、警察がいつまでもそのままということはないかもしれないが、当面は政治家に対する捜査のノウハウもない状況であろうから実質的に機能しない期間は長いと思われる。

つまり、韓国では政治家になれば勝ち組?!

ま、まあ、法案が通ったわけではないので(実質、与野党合意が成ったなら、通ったも同然だが)、まだ慌てる時間じゃないかもしれない。

追記

おっと、昨日記事を書いた時には、こんな話はなかった気がするんだが……。

尹次期大統領、「検捜完剥」合意案に「このままではいけない、調整が必要」

Posted April. 25, 2022 08:40,   Updated April. 25, 2022 08:40

尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が、与野党が電撃合意した朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長の検察捜査権調整仲裁案に対して、「このままではいけない。調整が必要だ。法案審査の時、再び議論が必要だ」と話したことが24日、確認された。尹氏は昨年3月、「検捜完剥(検察捜査権の完全剥奪)」は「腐敗が完全に幅をきかせる社会」だと反発して検事総長を辞任した。尹氏が合意案の再検討の必要性に言及したことで、早ければ28日に行われる国会での関連法案の処理に影響を及ぼすものとみられる。

尹氏側関係者は同日、「尹氏は、国民世論と刑事司法システムを考慮して、(与野党合意案は)このままではいけないと考えている」とし、「特に、6月の地方選挙を控え、選挙犯罪や公職者犯罪などを検察の直接捜査の対象から外すことに深い問題意識を持っている」と話した。

「東亜日報」より

尹錫悦氏が、「ちょっとまったー!」とちゃぶ台返ししてきたぞ。

いわゆる「尹核関(尹氏の核心関係者)」とされる権氏も、対策づくりを約束した。当初、権氏は、合意直後に「(検察の)補完捜査権と2次捜査権は維持した」と説明した。しかし、権氏は24日、フェイスブックに、「6大重大犯罪のうち選挙と公職者犯罪を死守できなかった」とし、「機能していない高位公職者犯罪捜査処の問題をはじめ、この部分への強力な対策を『国民の力』が準備する」と明らかにした。このため、週明けに開かれる国会法制司法委員会で、刑事訴訟法・検察庁法改正案をめぐって与野党が再び激突する可能性もある。

「東亜日報」より

うーん、合意とは一体何だったのか。

辞表を提出してしまった検察高官の扱いは?

これ、どうして合意する前にしっかり影響を考えなかったのかなぁ。次期大統領の立場って、結構弱いのか?そして、23日に出た記事、余りに内容が内容だったので、記事で取り上げて突っ込みを入れるのを躊躇って時間を置いたのだけれども、その後で再びこんな話が出てくるとは。

ちゃぶ台返しは、「ギリギリセーフ」といった感じで間に合った感はあるが、この話が良い方向に向かうのかは依然として不明である。注視していきたいと思う。

コメント

  1. え、え?
    良く分からないんですが、つまり政治家による国家の独占とでも言えば良いんでしょうか。
    政治家内での権力闘争があるから独裁とは違うのでしょうが、政治家の権力が圧倒的に強い国になるということ・・・?
    これ、権力闘争に勝利した政治家による独裁国家の前触れでは?
    まさかトップに対する監視体制が無くなるとは。

    • 正直、僕も詳しい事まで把握できているわけではないのですが、そもそも韓国では三権分立が怪しい所がアリマス。
      立法・行政・司法がお互いに監視し合うというのが、民主主義国家の基本でありまして、国によってはこれが四権とか五権とかに増えたりもしますが、とにかく相互に監視をしないと独裁になってしまうリスクがあります。実際に、一箇所に纏まっているのが支那なんですが。
      で、韓国の場合はOINK(オンリー・イン・コリア)と言うくらい特殊な司法環境で、かなり政府の方針に司法の判断が引っ張られ、時には遡及法(法理宇tの世界では最悪の法律)が公然と出来たりして、ビックリします。検察は警察と対立構造にあって、警察が国家権力、つまり行政側の組織なので、検察の力が弱まると更に行政の力が強まりブレーキが効きにくくなります。
      では立法は?というと……、そもそも行政と立法の境目は怪しい所が多いので、日本でも問題視されています。韓国は大統領の権限がアメリカなどよりも余程強力なので、立法機関の力は弱い。もともと独裁色の強い韓国ですが、更にその傾向に拍車がかかると言うことでしょう。

  2. 木霊様、皆さま、おはようございます。

    今までも酷い法律とかをいっぱい作ったようですが、コレは酷いですね。国会の勢力を見ると、原案どおり可決成立なんでしょう、きっと。
    もう法、制度の体系なんか「ぐちゃぐちゃ」でしょうね。

    5年毎に国王が変わる独裁制を目指しているように見えます。
    「立法府がやった事だ。三権分立なので、大統領も手出しできない」・・・かな?

    新興国で一見民主的な選挙で選ばれた大統領が独裁者になる過程をライブで見ているような気がします。

    • 控えめに言ってもかなりヤバい話だと思いますよ。
      とはいえ、大きな問題になるかというと、多分さほど大問題にはならないんでしょう。所詮、韓国の国内問題です。
      長期的に見れば混乱は避けられない気がします。腐敗は加速しますしね。
      この影響が、将来どんな影響として現れるのかは想像の域を出ませんが、独裁を拗らせた大統領の登場と軍事クーデター発生くらいの流れになりそうです。ええ、警察が仕事をしてくれれば良いのですが、地味に警察の権力が増えて、検察の仕事は形骸化しそうなので、司法の混乱が真っ先に起こるのではという気はします。

  3. この記事を読んで何となく浮かんだのがこれでしたw

    白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき

    まぁ、もっとも、南朝鮮に至っては改革しても白河というほど綺麗になるはずもなく、ヘドロが濁りになる程度と思いますけども。
    新政権側も「5年後は我が身」と思えば、骨抜き法案に同意もするでしょう。
    政権が終わった後に思いが及ぶようになった分、政治的には進歩したと思ってよいのでは?その方向性は濁りがヘドロと、水質悪化の一途をたどりますが。

    • なかなか劇的な梃子入れなのですが、これが腐敗撲滅にプラスに働くのかはサッパリ分かりません。
      次期大統領が「まった」をかけたという報道がありましたので、どう転ぶのやら。

  4. こんにちは。
    エビデンスはありませんが……
    ・今この法案通しておけば、1.自分が離職する時に安泰 2.現時点で、最大勢力の反発を抑えられる
    からの、
    ・検事総辞職と世論の高まりから、掌クルー
    程度の事しか考えていないのでは。
    ムンムンがユンユンに替わったところで、東洋一の火薬庫で政治素人がトップというクソおっかない状況に変わりがあるわけではないし、「朝鮮人取り扱いマニュアル」に言うところのアレですね。
    「理由は聞くな。どうせ大したことは言っていない。」
    https://ameblo.jp/umi-39/entry-11230289305.html

    • 尹錫悦氏にとっては、案外、政府直轄に近い公捜処があれば、政権をとりさえすれば捜査ができると踏んだのかもしれません。
      検察権力を残しておくと、現役大統領の時期に捜査されて仕事が出来なくなる可能性も?
      まあ、あくまで可能性があるってだけの話ではありますが。