ロシアが人民元で石炭を売る時代

ロシアニュース

通貨戦争の様相を呈してきたな。

中ロの原油・石炭取引、人民元建て決済で進行-今月以降に中国に到着

2022年4月7日 17:00 JST

中国企業が人民元で代金を支払ったロシア産の石炭と石油が中国に流入しようとしている。ロシアのウクライナ侵攻を受け、国際社会が対ロシア制裁を強化する一方で、中ロ両国はエネルギー商品の取引継続を図っている。

「Bloomberg」より

このニュース、何がスゴイって、支那がロシアに人民元を使って原油や石炭を買ったという事である。つまり、人民元で国家間の取引をしたわけだ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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ハードカレンシーへの道

ロシアにとって人民元は価値があるか

ロシアは今回の騒ぎで外貨獲得が極めて困難な立ち位置に立っている。前の記事に書いたけれども、ドル決裁しなければならないところ、ルーブルを使って国債の利払いをやってしまった。

ロシア ドル建て国債を初めてルーブルで支払い ロシア大統領報道官「人為的デフォルト」

4/7(木) 5:35配信

ロシア財務省は今月4日に支払い期日を迎えたドル建ての国債の利払いなどについて、初めて自国通貨のルーブルで行ったと発表しました。

ロシア財務省は、今月4日に支払い期日を迎えたドル建て国債の利払いや償還、あわせて6億4920万ドル、日本円でおよそ800億円を初めて自国通貨のルーブルで実施したと6日、発表しました。

「Yahooニュース」より

ロシアは、SWIFTから排除された関係で、外貨準備として保有していたドルの大半が使えなくなってしまった。故に、何処かの段階で利払いが出来なくなる可能性というのは示唆されていて、「ついに来たか」という感じではあった。

ただ、このSWIFTから排除されたことで、ロシアへの投資やら何やら一斉に外貨が遠退く状況を迎えてしまっており、外貨獲得は今後絶望的である。

ところが今回、支那が「人民元で原油や石炭を買うアル」と持ちかけたらしく、元建て決済での商品輸出が可能となった。既に決済は行われて、4月中にはロシア産石炭が支那に輸入される運びなのだとか。

中国のコンサルティング会社、汾渭エネルギー・インフォメーション・サービスによれば、幾つかの中国企業が3月に人民元で購入したロシア産石炭は4月中に中国に到着する。米欧がロシアに制裁を科し、国際金融システムからロシアの銀行数行を排除して以降、元建て決済を通じた初のロシアからの商品輸入になる。

「Bloomberg」より

ロシアは今後も支那との取引をする意味で、人民元を手に入れることは悪い話では無いだろう。それどころか、人民元のハードカレンシー化を推し進める上では支那にとって非常に大きな意味があると思われる。

過去にこんな記事を書いて、ロシアと支那との間で築く巨大経済圏の構築という流れになりつつある。ロシアとしては支那の経済圏に絡め取られる可能性が高くなるため、諸手を挙げて喜ぶわけにはいかないのだろうが、背に腹は代えられないのかも知れない。

支那のロシアへの経済支援

こうした流れは、支那のロシアへの経済支援という風にとられかねない。

中国、ウクライナ巡りロシア支援なら制裁に直面=米国務副長官

2022年4月7日8:12 午前

シャーマン米国務副長官は6日、ウクライナでの戦争を巡り米国や同盟国が協調して導入したロシアへの一連の制裁は、中国がロシアに物質的支援を提供した場合に直面し得る結果を十分に理解させるものだとの認識を示した。下院外交委員会の公聴会で述べた。

中国はウクライナを巡る西側諸国の協調対応から、民主的に統治された台湾を武力で奪おうとする行為が許されないものであるという「正しい教訓」を得るべきだとも語った。

「ロイター」より

アメリカは、支那がロシアに近づくことを恐れていて、経済制裁の穴になることを懸念して、支那に対しても文句を言う感じになっている。

となると、今回のこの取引に関しても「経済制裁の穴」というような受け止めかたをされかねない。今のところ何も言われていないようだが、この取引が拡大すれば支那はアメリカに公然と批判される立場になるだろう。

ハンガリーはルーブルで?

ちなみに、似たような構図でルーブルを使ったのはハンガリーである。

ハンガリー、天然ガス代金をルーブルで支払いへ

2022/4/7 06:42(最終更新 4/7 16:38)

ハンガリーのオルバン首相は6日、ロシアから輸入する天然ガスの取引代金について、ロシアの通貨ルーブルで支払う方針を明らかにした。欧州連合(EU)の欧州委員会は、ロシア側が求めるルーブルでの支払いを拒否する姿勢だが、EU加盟国から早くも離反の動きが出たことになる。

「毎日新聞」より

もともとハンガリーはロシアから揺さぶりをかけられていた状況であり、EU加盟国でありながらロシアに屈した格好となる。

ハンガリーはエネルギーを巡りロシアとの関係が深く、多くの天然ガスをロシアから輸入しているほか、原発の建設もロシア国営ロスアトム社と契約している。これまでもロシアのウクライナ侵攻は非難しつつ、EUによるロシア産エネルギーの禁輸に反対する姿勢をみせ、ロシアに配慮してきた。ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相は6日、ガスの購入契約は2国間で実施しており、欧州委員会が「口を出す」問題ではないと述べた。

「毎日新聞」より

まあ、ハンガリーとしてはエネルギーをロシアに依存している格好なので、ロシアからの圧力があればそれに応えざるを得ない弱い立場である事は間違い無いだろう。

一方、オルバン氏は6日、プーチン氏と電話協議したことを明らかにした。オルバン氏は即時停戦を要求し、ロシア、ウクライナと仏独の4者首脳会談をハンガリーで開くことを提案したという。オルバン氏によると、プーチン氏は「実施には条件がある」と述べたが、反応は前向きだったという。

「毎日新聞」より

ハンガリーがどれ程の役割を果たせるのかは知らないが、流石にロシアが即時停戦の要求を飲むとは思えない。が、ハンガリーのような国は次々と現れると予想されるため、この流れは余り宜しく無いだろう。

そして、ハンガリーがルーブルでの天然ガス取引代金支払いは、ロシアのガスプロムバンクを通じて行われ、この時にハンガリーが支払いのためのルーブルを得る為にユーロを振り込み、同行がルーブル口座へ両替した資金を移して、その口座からロシアの資源会社にルーブルを支払う格好になる。いずれにせよ、ロシア政府が外貨を獲得する格好になる。

ロシア企業にとっては外貨獲得の機会が失われるので、たまったものではないのだろうけれど。

つまりハンガリーのような例は、ロシアの外貨獲得手段になるのだが、支那はこれを拒み、人民元決済を望んだというわけだ。ロシアと支那との力関係が伺える話だね。

追記

あー、支那絡みのニュースでちょっと気になる内容が。

中国、今年の石炭輸入量は最大30%減も 国内供給拡大で価格割安

2022年4月8日7:34 午後

世界最大の石炭輸入国である中国が今年の輸入量を最大30%削減する可能性がある。国内の生産が記録的高水準にある上、ロシア以外の石炭に対する需要の高まりで輸入価格が跳ね上がっていることが背景。

「ロイター」より

去年、発電量が確保出来なくなって方針転換して、国内の石炭生産量を増やしていたのだけれども、今度は沢山掘れたから、海外から買わないというニュースである。

中国は、昨年に深刻な電力危機に見舞われ、火力発電に使われる石炭の国内価格に上限を設定した。国営メディアによると、今年の1日当たりの石炭生産目標は、昨年12月の過去最高を上回る1260万トンに設定された。

「ロイター”中国、今年の石炭輸入量は最大30%減も 国内供給拡大で価格割安”」より

まあ、生産を推奨されればそれなりには採掘が出来る環境にあるのは事実だ。とはいえ、環境問題的にはかなり宜しくない話だが、当面は電力需要の積み増しに力を割くハズなので、石炭を燃やす方針を変えないだろう。

オーストラリア産一般炭先物<NCFMcは8日、1トン=281.65ドルを付けた。これに対し、中国の石炭先物は802.4元(126.15ドル)で半値以下となっている。

北京の石炭トレーダーは「市場は非常に静かだ。海外価格が国内よりも高く、買い手は契約をためらっている」と述べた。

「ロイター”中国、今年の石炭輸入量は最大30%減も 国内供給拡大で価格割安”」より

まあ、オーストラリア産が高値を付けているのは事実だし、国内で沢山採れれば買う必要は無くなる。そうしたら、他の諸外国はオーストラリア産の石炭の値が下がって嬉しい。是非とも、支那は買い控えて欲しいよね。

そもそも、国内で沢山掘れているハズの石炭をロシアから人民元建てで買ったというのだから、そりゃなにか裏にあるんじゃないかと疑うさ。ロシア経済への支援という形を採りにくいから、余り必要性のない石炭を大量に買う選択をしたのだろう。

石炭は沢山買って、積み上げておけば良いしね。

コメント

  1. 木霊さん皆さん こんばんは

    この流れでちょっと思いついただけですが、ロシアルーブルは現在一時的に持ち直しましたが、また近いうちに紙屑でしょう。

    だとした時、ロシアが法定通貨として「人民元」を採用したらどうなるのかなあ?
    ハイパーインフレに陥った国がよく使う手ですし、、、

    (ごめんなさい、新宿会計士さんの所に質問した方が良いかもですね、(笑)

    • あはは、いやー、新宿会計士さんに質問下さい。
      僕はこの金融の分野は触れる事はありますけど、苦手分野なのですよ。
      ロシアが人民元を法定通貨に追加する事態、それがあるとすれば、一時的に安定する可能性はありますが、人民元はそもそも支那の都合の良いように価格が操作される通貨ですから、ロシアにはデメリットも多い。そして、将来的にロシアは支那に呑み込まれる事になるでしょう。ロシア国民がルーブルよりも人民元を信用するようになったら、目も当てられませんよ。