真っ当な回答を突き付ける経済財政諮問会議と、安全運転に逃げ回るな首相

政策

二日連続で岸田批判かよ!と思った方、僕だって批判ばかりしたいわけじゃないんだぜ。でも、あまりにも岸田氏は「見えて」いない気がするよ。

首相 脱炭素など新分野へ重点投資の考え強調 経済財政諮問会議

2022年3月23日 18時13分

ウクライナ情勢に伴うエネルギー価格の上昇などを踏まえ、岸田総理大臣は経済財政諮問会議で、日本経済の体質を強化するため脱炭素など新たな成長が期待できる分野に重点的に投資していく考えを強調しました。

「NHKニュース」より

経済財政諮問会議が開かれたようだ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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経済財政諮問会議

経済財政諮問会議って?

先ずは、経済財政諮問会議がどんな組織かについて言及していこう。

経済財政諮問会議は、日本の内閣府に設置されている経済財政政策に関する重要事項について調査審議する機関で、内閣総理大臣の諮問を受けて調査審議が行われる。

会議は、議長と10人以内の議員からなり、現在は以下のメンバーから構成されている。

  • 議長 : 岸田文雄 内閣総理大臣
  • 議員 : 松野博一 内閣官房長官(衆議院議員議員)
  • 同  : 山際大志郎 内閣府特命担当大臣「経済財政政策」(衆議院議員議員)
  • 同  : 金子恭之 総務大臣(衆議院議員議員)
  • 同  : 鈴木俊一  財務大臣(衆議院議員議員)
  • 同  : 萩生田光一 経済産業大臣(衆議院議員議員)
  • 同  : 黒田東彦 日本銀行総裁 (元財務官僚)
  • 民間議員 : 十倉雅和 住友化学株式会社 代表取締役会長 (経団連第6代目会長)
  • 民間議員 : 中空麻奈 BNPパリバ証券株式会社 グローバルマーケット総括本部副会長
  • 民間議員 : 新浪剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長
  • 民間議員 : 柳川範之 東京大学大学院経済学研究科教授(専門は金融契約、法と経済学)

民間からも、色々とお偉方の名前が連ねられているが、短期的な経済状況を把握する上ではそれなりの人材が参加していると見て良いだろう。民間有識者を議員数の4割以上確保することが、内閣府設置法により定められているため、議員は当然ながら民間有識者の意見を尊重すべきである。寧ろそうでなければこんな会議を設ける意味がないのである。

ただ、首相がこの経済財政諮問会議の意見をどの程度取り入れるかに関しては、首相のさじ加減1つというのが実情である。

民間有識者側からの提言

さて、冒頭のニュースでは民間有識者側からこんな発言が出たと報じている。

この中で民間議員は、ウクライナ情勢で海外への依存度が高い日本のエネルギーのぜい弱性が浮き彫りになったとして、安全性を確保した原発の再稼働も含めて、利用可能な技術や資源を総動員するとともに、水素など、革新的な技術開発を進めるべきだと指摘しました。

「NHKニュース”首相 脱炭素など新分野へ重点投資の考え強調 経済財政諮問会議”」より

第3回経済財政諮問会議は、3月23日に開催されておりその議事要旨に関しては今のところ開示されていない。

会議情報一覧 令和4年- 経済財政諮問会議 - 内閣府
経済財政諮問会議は、経済財政政策に関し、...

従って、ニュースで報じられた内容が正確であるかは分からないが、前提として今回の会議では2つのお題目が与えられていたことを知っておかねばならない。

(1)マクロ経済運営、脱炭素社会に向けて

(2)経済・財政一体改革の重点課題

その上で、民間議員が切り出したのは日本のエネルギー政策の拙さであり、安定的な電力供給と、資源の確保に関する懸念であったと理解される。

つまり、「脱炭素社会に向けて」というお題目はあったが、現実的には「それどころでは無い」「海外への依存度が高い日本のエネルギーのぜい弱性が浮き彫りになった」「経済的にも危機的だ」と、その様に指摘しているわけだ。

これは全く正しいと思う。

こちらでも指摘したが、「資源の無い日本」という前提で話をすると、資源確保に懸念がある現状はまさに危機的な状況なのである。現在はなりを潜めているが、中東の政治情勢が現在も安定的であるとは言えないし、ロシアからの資源確保も困難になりつつあり、テーマには出ていないが、支那からの資源輸入にも懸念がある状況となっているからだ。

より詳しくは、民間議員からこんな発言があったようだ。

2030年エネルギーミックスの実現には27基の再稼働が必要だが、現在は稼働しているのは7基のみ。新・増設、リプレース、SMR等を推進し、将来の核融合につなげていく必要がある。

2050年のカーボンニュートラルのためには、イノベーションが不可欠。研究開発、実装、ブラッシュアップなどには10年から15年掛かる。今すぐ研究開発の上、着手するべき。

~~略~~

グリーンの分野については、外交、国際経済戦略をセットでやらないと回らない。サステナブルファイナンスは金融と一体となって大きく盛り上げていける分野であり、民間議員の提案にあることも実現してもらいたい。また省エネ住宅や蓄電池の設置など、省エネも改めて重要と認識しているという御発言でした。

山際氏記者会見より

報道の内容とは若干異なる部分もあるのだが、もうちょっと具体的に突っ込んでも良いかなと言う印象だね。実はここで下手なことを言って、政治団体から突き上げを喰らったこともあったので、発言は慎重になっている部分はあるかもしれない。

原発の再稼働に関して

現政権ではタブー視しているようだが、「安全性を確保した原発の再稼働も含めて」というキーワードを民間議員から突き付けられたことはそれなりに意味がある。

一般人からすれば、期間を切ってでも原発再稼働すれば良いんじゃ無いの?という感覚はよく分かる。いや、人によっては絶対に嫌という人もいるのだろうが、先日もあったような電力需要逼迫というような状況で、命に関わるリスクがある事を説明すれば、容認してくれる人は大半だと思う。

3.11以降、原発が突然危険なものに変わった訳では無い。

人々の危機意識が高まったことと、原発安全神話が崩壊したことは大きな意味はあったが、放射性廃棄物処理場の問題は以前からあるし、安全性の確保が重要であることも以前から知られていた。

改めて精査して再稼働可能な原子炉があれば、動かせば良いだろうとそう思うのは、おかしな事ではないだろう。

揚水発電の問題点

ちなみに、22日の騒ぎで電力供給に貢献したのが揚水発電所の存在なのだが……、これは実は現状ではかなり問題のある発電方法である。ちょっと簡単に説明しておこう。

単純にその構造を説明すると、高い位置にある調整池に水を貯めておいて、使う時には低い位置にある調整委家に水を落とすことで発電を行うという構造である。やっている事は実に簡単だね。

ところで、この発電方法、高い位置にある調整池に水を貯めるためには、ポンプを使って水を吸い上げねばならない。つまり、電力を使って水を汲み上げるのだ。

つまり、電池のような働きをするのだが、準備に使う電力は、発電する時に得られる電力よりも多い。どんなに効率を上げても、電力を位置エネルギーに変換しているだけなので、メカロスがある分だけ電力は目減りするのである。現状でかなり効率は改善されているが、それでも総合効率は65~75%程度であるといわれている。2/3程度に電力が目減りしてしまう発電だというのが実情なのだ。

厳しい電力需給 しのいだのは「揚水発電」 | NHK
【NHK】東京電力管内に出ていた「電力需給ひっ迫警報」は23日午前で解除されました。厳しい電力需給をしのぐため大きな役割を果たした…

それでも今回はかなり活躍をしたのは事実である。しかし、「だから増やそう」という話には残念ながらならないだろう。だって、電力の供給量が足らないのだから。揚水発電所は調整に使うのが正しい使い方なのである。

深夜電力に関する不都合な事実

もうちょっと説明をしておきたい。

これは過去に説明されていた揚水発電を動かすタイミングを示すイメージである。原子力発電をベースロード電源と位置づけて、夜間に余った電力を使って揚水し、需要のピークにあわせて揚水発電をする説明になっている。ところが昨今ではこんな説明になっている。

太陽光発電をして昼間余った電力を使って揚水をし、足りない時に使うというイメージらしい。なんと、火力発電がベースロード電源になっているというのが何とも苦しい。 

要は、元々、揚水発電は原子力発電が「発電量が一定で変化が無い」という特徴があるので、夜間に電力が余るからそこで余剰電力を使って水を汲み上げようね、という発想だった。現在では昼間の電力が余りがちなので、昼間に揚水するという発想に変わっているのだが、不都合な事に太陽光発電は曇天や雨天の場合に発電が出来ない。だから、揚水発電をいつもあてにしていると、天候不順によって電力供給予定が破綻してしまう。

話はちょっと変わるのだが、各家庭に普及した給湯器、実は、深夜電力が安く設定されている時代に作られたシロモノである。

これはエコキュートの動作イメージを示したグラフなのだが、太陽光発電が増えるとこの想定が破綻する。この話は製造業にも結構当てはまっていて、安い深夜電力を使って製造する事でコストを下げることが推奨されていた時期があったが、これも破綻するだろう。

要は、エネルギー政策の方向転換をしなければならないタイミングに来ているのだ。だから、「脱炭素社会を実現」などという寝言は控えて欲しいのだが、岸田氏はこれに対してどのように応えたのだろうか?

相変わらずの岸田節

相変わらず脱線してしまって申し訳無いが、冒頭の記事に戻っていこう。

で、岸田氏が何を言ったかといえば、こんな感じだ。

岸田総理大臣は「エネルギーをはじめとする原材料価格の上昇に対しては、影響を緩和すべく機動的な対応を行う。そのうえで、より本質的には持続的な成長力を高め、日本の経済をショックに強い体質に変えていく必要がある」と指摘しました。

そのうえで「オイルショックの時代の省エネへの取り組みが、その後の成長の基盤を構築したように、エネルギー価格の上昇というピンチにある今こそ、脱炭素の取り組みを一気に進めるチャンスへ転換すべきだ」と述べ、脱炭素など新たな成長が期待できる分野に重点的に投資していく考えを強調しました。

「NHKニュース”首相 脱炭素など新分野へ重点投資の考え強調 経済財政諮問会議”」より

は?

  • エネルギーをはじめとする原材料価格の上昇 → 機動的な対応
  • 経済政策は? → 持続的な成長力を高め、日本の経済をショックに強い体質に変えていく
  • 脱炭素の取り組みを一気に進めるチャンスへ転換すべき

「ピンチはチャンスだ!」って、精神論かっ!

第3回記者会見要旨 会議結果 令和4年 - 経済財政諮問会議 - 内閣府
経済財政諮問会議は、経済財政政策に関し、...

こちらは第3回経済財政諮問会議の内容に関する記者会見なのだが、これまた意味がよく分からない。

  • マクロ経済運営、脱炭素社会に向けて
    • マクロ経済環境の安定化に資する政策対応を行う
    • ショックに強い経済をつくることが大事
    • 経済のキャパシティを高める政策、特に可処分所得と国内投資の同時拡大を目指すことが重要
    • 労働市場のダイナミズムを活かして、賃金・所得を拡大する
    • 脱炭素をはじめ、社会課題の解決に向けた国内投資を官と民で協力して進める
  • 経済・財政一体改革の重点課題
    • 多年度にわたる計画的な投資を含めた官民のロードマップを策定し、民間の予見可能性を高めることで官民の投資を継続的に喚起する
    • 経済、財政、社会保障を一体として議論し、65歳以上人口比率がピークを迎える2040年頃を見据えた給付と負担の議論を始める

精神論かっ!

(問)本日総理との面談の後に公明党の山口代表が記者団に対して、「経済対策についてしっかり臨んでいく必要がある」と総理がおっしゃったという旨の発言をされました。山際大臣としては経済対策の必要性や規模感について、どのようにお考えでしょうか。

(答)まだ、総理から経済対策についてのお話は頂いておりませんので、現段階において私の立場で何か新たなことをご提案したり述べたりというような状況にはないと思います。

山際氏記者会見より

これも総理の発言に関する質疑のようだが、「経済対策はまだない」ということらしいぞ。大丈夫か?

まあ、第2回の議事などを見ると、実際にはもっと突っ込んだ内容も話し合われているような印象である。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0303/gijiyoushi.pdf

よって、もっとマシな議論だった可能性もあるが、ニュースにするほどでは無かったと言うのが実情なのだろう。

岸田氏、「夏の選挙までは安全運転で」という積もりかも知れないが、手を打たなければピンチがピンチのままで、ピンチをチャンスに変えるためには大胆な改革が必要なんだろうと思う。

エネルギー政策、見直そう

日本の最新エネルギー政策は見直し必須

折角なので、日本の現在のエネルギー政策を眺めていこう。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_02.pdf

https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_01.pdf

長いので簡単に抜粋する。

全体的にはこんな電源構成を考えているようなのだが、今の方針で原子力発電は使う想定になっているようで、電力の約2割を原子力でまかない、火力は41%(LNG 20%、石炭19%、石油など2%)とし、再生可能エネルギー発電を現状18%から36~38%にするらしい。

火力は減らす方向で考えているとして、再生可能エネルギー発電で最大38%(水力発電11%を含む)とするためには、バックアップ電源を火力だけでまかなうことが出来るのかどうか不明である。うーん、これで大丈夫なのだろうか?

ところで、もう1つ気になるのが「最終エネルギー消費」の項目で、2019年と2030年で同じ数値となっている。徹底した省エネルギー(節電)の推進して(「省エネ」6200万kl程度)、2019年度と同じ「最終エネルギー消費」(35000万kl)を目指している。(注:単位がklになっているのは、エネルギーを原油換算しているから)そんな事が可能なのかと。

2019年から2030年までの増加分を「省エネ」で吸収しましょうという意味だ。

また、原発を動かせていない状況が続くのであれば、そもそもエネルギー基本計画は見直す必要があるはずだが、政府はその辺りをやる気はないようだ。エネルギー政策が経済に影響するとなれば、ここも見直しは必須。

だが、2019年の計画でも、再生可能エネルギー発電18%→38%というのも無理があると思うのだけれど、更に増やすとなると、火力発電とのバランスも考え直す必要がある。上に挙げた揚水発電所はあくまでバランス調整に使う設備なのでカウントしてはいけない。

そしてエネルギー資源の輸入が滞るようになれば、火力発電が今まで以上にアテにならない状況になりつつあるので、これも考慮が必要である。

EV推進

一方で、EV推進の方は経産省主導で進められているようで。

https://www.meti.go.jp/press/2020/03/20210309005/20210309005-1.pdf

インフラ設置も推進はしていくようなのだが、そもそもEV充電は時間がかかるために、家で充電というのが基本である様だ。

自動車ジャーナリストの佐藤篤司氏は「10年あればトヨタが全ラインアップをEVにすることは可能だが、問題は電力供給だ。簡単に電力需給が逼迫(ひっぱく)する日本が、技術的なインフラが整わないままにEVを普及させることはできない。EVを“善”として期限を設けることに現場が首をかしげることも理解できる」と解説する。

「ZAKZAK」より

そもそもインフラが整わないと、EV推進など夢のまた夢である。

でも雪国はどうするんだろう?カーポートとか作らないと、充電もままならない気がするんだが……。

さておき、EV推進のためには、発電量を増やさねばならないのだが、ガソリンで車を動かすより電気で車を動かす方が、原油換算でエネルギー消費をカウントする場合には効率が悪くなる。

例えば、「石油(原油) → 火力発電 → 送電 → EVに充電 → EV走る」と、「石油 → ガソリン車走る」という流れで考えれば、一度、発電をしなければならない分、効率が悪化する。なお、実際には、火力発電に使うのは重油などで、ガソリンとは成分比が違うのでフェアな比較とは言い難いが。

原油の2割くらいしかガソリンにならないのだが、火力発電に使われる重油(減圧軽油)も2割くらいなので、ほぼ同等の(重量比は違う)換算にしてある。

ちょっと話は逸れたが、EV車は発電ロス、送電ロス、充電時のロスなどを考慮する必要がある分、効率が悪化する。逆にいえばその分、需要は増える事を意味するのである。これが考慮されているのかは飼料からはよく分からなかった。

どうするんだろう?

追記

ちょっと、このタイミングか!

EV購入、補助85万円に増額

2022/3/25 12:42 (JST)3/25 12:57 (JST)

経済産業省は25日、電気自動車(EV)の購入者への補助金を最大85万円にすると発表した。昨年11月の2021年度補正予算案決定時は80万円としていたが、ガソリンなど燃油の価格高騰を受け、化石燃料からの脱却を促すとして5万円を積み増した。補助金の申請受け付けは31日に始める。

「共同」より

何というか、理由がスゴイ。「ガソリンなど燃油の価格高騰を受け、化石燃料からの脱却を促す」ってことらしい。そして、5万円プラス!ショボイ!

よく考えて欲しい。EVを走らせるためには充電が必要なんだよ!でも、電気が足りないっていう話で騒いでいる。

省庁が縦割りで仕事をしているのをアリアリと感じられる事例もあるんだけど、菅義偉政権の時は一体感があったんだ。やりゃ出来ると思うんだけど、縦割り上等ってことらしいな。

コメント

  1. こんにちは。

    >縦割り上等ってことらしいな。

    八方美人の完全調整型、とでも言うのでしょうか。
    小泉某氏のような、言い出しっぺ世にはばかる型も困りますし、平時は調整型が好まれるものですが、今は風雲急を告げるお国の一大事。
    先見の明のある提案型の首相に、とっととすげ替えてくれませんかねぇ……

    ※該当する人材があるかって言うと、無いのがなんともしがたい所でもありますが……
    ※無いなら無いなりに、突破力のある人を神輿にすえて、ガッチリ手綱を取れれば良いのですが……

    • 多分、岸田氏は「人の話を聞きすぎる」調整型の人間なのでしょう。ご指摘の通りだと僕も思います。
      以前も指摘しましたが、岸田氏は平時には有用な首相になる可能性はあると思いますが、今じゃないんですよねぇ。せめて、菅義偉氏に戻して頂きたいなぁ。あ、外務大臣は安倍氏でお願いします。そういうパターンも面白そうです。

  2. 木霊さんみなさん、こんばんは お久しぶり

    >原発再稼働

     是非とも急いで。 なお 自衛隊・迎撃ミサイル駐屯の法制化を急いで欲しいものです。

    >揚水発電

     電力効率はちと悪いですが、①メンテ次第で50〜100年は使える ②桁違いの電力容量 個人的には「インフラ」バッテリーとしては現状、一番理想に近いなものに思えるのですが(リチウムイオン電池:メンテ不可、寿命長くて10年、と比較して)
     インフラ役割としてはA原発バッテリーとしては夜間充電・昼間放電電力、B太陽エネルギーバッテリーとしては昼間充電・夜間放電 という汎用性が、どうして不都合な事実なのでしょう?

    将来エネルギー像に対する私の考え

     火力・原子力は、頑張ってあと100〜150年、最悪70年しか燃料が持たない技術。太陽エネルギー等の比率をそれまでに100%化が必要。使うためにはインフラバッテリー技術、揚水発電の増設は急務でしょう。

     核融合? 初の水爆から70年でチャンピオン持続時間100秒程度、100年以内に実用化なんてはギャンブル以外の何者でもない。しかひ付け加えるなら、ソーラーセルなどという家電の延長、最長寿命10年程度でメンテ不可の技術は最悪ですね。

     太陽熱発電:鏡で太陽光を集めボイラーを動かす。は そこそこ実用化されてますしメンテ容易。本命ではないでしょうか?

    • お久しぶりです。
      揚水発電に関しては、その価値については疑っていません。天然の電池としては既存のバッテリーに頼るよりも優秀だと思いますよ。
      ただ、「不都合」と書かせて頂いたのは、設計思想が原発のようなベースロード電源の存在ありきなんですよね。化石燃料を燃やして発電する火力発電に依存している現状で、「余剰で無い電力」を使って夜間に発電するスタンスが不都合だと思うワケです。原子力発電だと必ず夜間に電力が余りますから、サイクルが決まっていて都合が良かったのですよね。
      太陽光発電の余剰で発電するというスタンスの場合、晴天が続いて余っている時に蓄えるという考え方なら良いのですが、曇天が続くと途端に電力不足に陥り火力で補助しつつ、揚水発電もしなくては、なんてことになるかと思います。
      考えようによっては、余力のある夜間に発電しておくという手法が使えるだけマシなのですが、足りなくなるケースが出るのは不都合ですよね。揚水発電所はスペースを必要としますから、あっちこっちに作るのも簡単ではありませんし。

      太陽光発電ではなく、太陽熱で発電する手法は試されているようですが、日本では世界に先駆けテストしたにも関わらず、未だに商用発電は存在しません。スペインなど積極的に採用している国もあるようですけどね。スペース効率的な問題で他の発電方法が主流になってしまったのは良かったのか悪かったのか。日本では安定して発電できないと言うこともネックなようですよ。研究費が積極的に投入されていないことが一番の問題かも知れませんが。
      核融合発電も、世界の最先端を走っているとはいえ(報道だと支那の方が進んでいる部分もあるようですが)、商用発電に結びつくには予算も時間もまだまだ必要なようで、直ぐに実現できる発電とは言い難いです。

      僕は、現時点では石炭火力発電(IGCC)か小型原子炉(SMR)、高温ガス炉(HTTR)あたりを積極的に開発してリプレースしていくことが良い様に感じています。二次電池のブレイクスルーがあれば、また状況は変わるかも知れませんけど。

      • 木霊さん お返事ありがとうございます。

         私の危惧は、化石燃料どころか、ウランも有限な資源で、恐らく核融合発電の実用化以前に枯渇(50〜100年以内)するだろうという個人的予測によるものです。

         ですので「つなぎ」が必要。

        つなぎ候補のひとつは太陽エネルギー発電ですが、太陽電池はインフラとしてスジが悪すぎるという意見で、太陽熱発電に拘っているわけではありません。

        もうひとつの候補としては「増殖炉」があります。ですので
        >小型原子炉(SMR)、高温ガス炉(HTTR)あたり
        は、老朽炉のリプレイスには良いですが、そちらに多くの予算をかけるより、懲りずに高速増殖炉(FBR)か進行波炉(TWR)に予算をかけるべきではと思います。

        余談、核融合発電の実用化まで100年以上かかる予測の根拠

         確か現在の反応持続時間チャンピオンが支那トカマクの約100秒ですが、これが24時間になってもまだ1歩目ぐらいで、レーザー等を含めた現在本流の核融合炉では、燃料がD-T(2重水素-トリチウム)で、出力エネルギーの大半は「高速中性子」
         すなわち燃料は核反応生成物、出力は最悪の放射線と、成功してもただちに商用発電は不可能な技術です。

         次の一歩:普通の水素を燃料とし、熱を出力とする技術には、現在までの技術開発と同等の研究努力かあるいはブレイクスルーが必要と言われています。しかも安全管理も含め非常に高額な技術ゆえ一人の天才によるブレイクスルーも起こしにくいのが現状。

         まともなハードSFで言及される核融合炉はミューオン触媒
        https://ja.wikipedia.org/wiki/ミューオン触媒核融合
         とか常温核融合とか、現時点ではオーバーテクノロジー or 自然科学としてやっと認められ始めた科学によるもの。
         画期的ブレイクスルーが期待薄なら、100年で実用化出来たら早い方だろうなあ、という個人的見解です。