寝ぼけた事を言う岸田氏と朝日新聞

電力

あーあ。

(社説)福島の事故から11年 原発回帰は未来に禍根残す

2022年3月22日 5時00分

東日本大震災が発生したその日に、政府が出した「原子力緊急事態宣言」は、いまだ解除されていない。東京電力福島第一原発事故の痛手は11年たっても重くのしかかる。原発は、再び事故が起きれば国が立ちゆかぬ恐れがあるうえ、核のごみ問題も未解決だ。にもかかわらず、気候変動対策を名目に原発を積極活用する声が増えてきた。脱炭素は原発なしで達成可能であり、イメージ先行の原発回帰は未来に禍根を残す。事故の風化が懸念されるいま、脱原発の決意を再確認する必要がある。

「朝日新聞」より

朝日新聞もヒドイ社説書いていたけれども。あの新聞社、3.11以降、ずっと思考停止状態だよね。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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矛盾だらけの再生可能エネルギー発電

「多様性を」というなら原発再稼働しろよ

同じ主張の記事はちょっと前にも書いたので、紹介して内容については割愛させて頂く。

使えるモノは使おうよ。3.11から11年の歳月が経っているので、思わぬ所の老朽化が進んで、案外ヤバい原子炉もあるかも知れないのだけれどさ。電力会社が国に損害賠償請求をしたら、天文学的な額になりそうだな。

地震で停止の火力の復旧「数週間から数カ月」 経産相

2022年3月22日 13:18

萩生田光一経済産業相は22日の参院予算委員会で、16日の地震を受け運転を停止している火力発電所の復旧に数カ月ほどかかる可能性を示した。「設備損傷により数週間から数カ月程度を要するものがある」と述べた。「6基がとまっているうえに2基、不具合が発生した」と話した。

岸田文雄首相は「エネルギー源の多様化に取り組むなど、エネルギー安全保障の観点からも政府として様々な取り組みを進めていかなければならない」と語った。

「日本経済新聞」より

残念な事に、先の地震発生によってダメージを受けた火力発電所の復旧には、数ヶ月かかかるようだ。そこで岸田氏は「エネルギーの多様性に取り組む」などと宣った。

いやそれ、具体的にどうやってやるのさ。

原発再稼働しようぜ。それも多様性の一環だったはずだぜ。

社説で混乱する朝日新聞

首相の岸田氏の発言も大概意味不明なのだが、朝日新聞の社説は更に意味が分からない。

一言一句困った感じの内容で、どう突っ込むべきなのか。

> 東日本大震災が発生したその日に、政府が出した「原子力緊急事態宣言」は、いまだ解除されていない。

・原子力緊急事態宣言は避難指示の根拠となっているため、避難指示が解除されたいとこれも解除が出来ない。

> 東京電力福島第一原発事故の痛手は11年たっても重くのしかかる。原発は、再び事故が起きれば国が立ちゆかぬ恐れがあるうえ、核のごみ問題も未解決だ。

・事故の痛手と、核のゴミ問題は無関係である。別々に解決する必要がある。 

> にもかかわらず、気候変動対策を名目に原発を積極活用する声が増えてきた。

・無駄に遊ばせている発電施設があるのだから、活用しろの声は当然である。

> 脱炭素は原発なしで達成可能であり、イメージ先行の原発回帰は未来に禍根を残す。

・どうして達成可能なのか説明されていない。冒頭から朝日新聞の社説が全てイメージ先行である点は、どう説明するのだろうか。

> 事故の風化が懸念されるいま、脱原発の決意を再確認する必要がある。

・「事故の風化」は寧ろ良い事だろう。忘れ去られるように回復した地域もあるということなのだから。そして、脱原発の議論と事故の風化は無関係である。

こっちが混乱するわ!

結局、途中にも書いたが、朝日新聞は「脱原発」の結論ありきで社説を書いているので、意味が分からない話になってしまうのである。

もちろん、脱原発は可能であればやっていただいて結構だし、その方が望ましいと思うのである。しかし、現状で実際に電力は足りないのだし、原子炉は停止していても燃料棒や使用済み核燃料を冷却する必要があるために、かなりの電力を必要とするのだ。

即時廃炉が可能であれば、その後に出る放射性廃棄物の処分先が決定出来ていれば、こんな議論はそもそも必要がないのだが、それが出来ないことを国民の多くに説明をしていない。

大体、停止中の原発が大事故を起こしてしまうことは、他ならぬ福島第1原発の4号機の実例で示しているでは無いか。同じく停止中だった5号機、6号機は、1~4号機とはやや離れた場所の高台にあって、ディーゼル発電機が使えたのである。それ故、建屋が爆破することも無かった。

尤も、4号機も1~3号機の建屋と共通で、3号機の建屋から4号機建屋に水素ガスが漏れた為に、水素爆発が起こってしまったのだとされているのだが、建屋が離れていたとしても電源が喪失していた4号機が問題となった可能性は否定できない。

故に、全電力喪失(SBO:Station Blackout)こそが問題だったことから、全力で目を背けているというわけだ。

再エネで支えろ!

でまあ、再生可能エネルギー発電の話が出てくるワケなんだけど。

政府は昨年、2030年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標を示し、50年の排出実質ゼロを法律に明記。エネルギー基本計画も改定したが、原発の将来を本格的に考える議論にはならなかった。「再生可能エネルギーを最大限導入し、可能な限り原発依存度を下げる」という計画の目標に、真摯(しんし)に取り組む姿勢はみえない。

「朝日新聞」より

もう、勘弁して下さいよ。

こちら、東京パワーグリッドの電力供給の様子を示すグラフである。

22日の状況と24日の状況の2つを並べているのだけれど、お分かりだろうか。22日は太陽光発電実績が極めて残念な事になっている。そりゃ、雨降ってたからね。

え?これで再生可能エネルギー発電?冗談じゃ無いよ。風力が増えたらどうかって議論はあるかも知れないけれど、洋上風力発電にはまだ時間がかかるし、22日は東京周辺は風も穏やかだったようだよ。

日本では風力発電向きの風況の良い場所は少ないのだが、22日はけっこうションボリな感じだったようだ。風が弱くても多少は発電はするんだけどね。

太陽光も風力もダメだとするとあとは水力くらいしかないのだが、これはまた増やすのが難しい発電方法で、敢えて言えば小水力発電はあるのだが、抜本的な改善と言うことにはほど遠い状況にある。小水力発電は、発電効率は良くないから、よっぽど増やさないと無理なのだ。

再生可能エネルギー発電は未熟な技術

結局のところ、再生可能エネルギー発電は太陽任せ、風任せ、水任せなのである。曇っていて、風も吹かず、雨も降らないときに、どうやって電力を供給すれば良いのか。大体、太陽光発電は夜間に発電が出来ない。風が吹かない夜にはいったいどうしろと。

地熱発電は火山とセットになっている事が多いが、そういった場所は大概が国立公園に設定されているのが現状である。そうで無い場合は温泉地だ。地熱発電を増やすのもそう簡単ではないのだよね。

日本は「平地面積あたりの太陽光発電の設備容量が既に世界最大水準」「洋上発電に適した遠浅の海が少ない」との主張もある。しかし、環境省の推計では経済性を加味した適地に限っても、再エネ発電の潜在力は今の年間電力供給量の最大2倍ある。自然エネルギー財団やNGOなどはそれぞれ、原発なしで30年度の政府目標を達成し、50年に原発や火力発電なしで実質ゼロを実現できると試算する。

「朝日新聞」より

環境省の試算ねぇ。

https://www.renewable-energy-potential.env.go.jp/RenewableEnergy/doc/gaiyou3.pdf

確かにそんな寝言を言っていたけど、経済産業省は違う事言うと思うぜ。そして、当の環境省も苦笑いだろう。

これが環境省の試算なんだけど、控えめに言ってもメチャクチャな試算である。これを真顔で出すあたり、流石小泉進次郎を担いじゃうだけはあるんだなと思うよ。

だって、例えば風力発電だが、推計の方法が全国を500mメッシュ単位に区切って、高度80mにおける風速が5.5m/sより大きな地区を選定し、そこから国立・国定公園などの法整備や居住地からの距離など土地利用状況から開発不可能条件を選定したとか書かれているんだけれど、設置可能な場所には500m沖に巨大な風車が立ち並ぶことになる。で、それが何処に乱立することになるかというと……。

実際の導入ポテンシャルマップを見ると、北海道に集中していることが分かる。確かに現状でも北海道には陸上風力発電所が多数あるのだけれど、赤字で倒産したところも多い。机上の空論じゃ無いかな。そもそも、地域分散型がウリじゃないの?再生可能エネルギー発電は。

洋上風力発電はもっと乱暴で、陸地からの距離30km以上で海面上140mにおける風速が6.5m/s未満のメッシュを除き、水深200m以上のメッシュ及び国立・国定公園と重なるメッシュを除いたとある。

その結果がこちら。

漁業関係者や港湾関係者はビックリするだろうよ。

自然エネルギー財団に関しては、以前もこのブログで取り上げたが、会長が孫正義氏だという時点で論じるに値しない。

未熟なのは、朝日新聞の社説だよ。

太陽光パネルの住宅設置だって、僕自身が採用はしているけれども、碌なもんじゃ無い。あれは、施主の趣味で採用するレベルのシロモノ。住宅建設時に全戸義務付けなんて狂気の沙汰である。誰がその費用を出すんだという話。

そして、本末転倒な話だが、上で紹介した様に自然任せの発電技術は、単体で技術が成熟しているとは言え、その根本、自然任せの部分が解決出来ない以上は同等以上のバックアップ電源を要する。今回の電力需給逼迫の原因は、まさにそのバックアップ電源たる火力発電所が落ちちゃったことが問題なのだ。

22日の社説であんな寝言を書けるのだから、大したものである。

地域分散は根本的な問題解決にならない

こうした再生可能エネルギー発電の根本的な問題に、朝日新聞は全力で背を向けているわけだが、更にこんな惚けた事まで書いている。

エネルギー自給や防災を考えても再エネは有利だ。自給電源であり、分散型で地域や家庭で電力を賄えれば、送電網や発電所の被災時への備えになる。

「朝日新聞」より

地域に分散しても、再生可能エネルギー発電の課題解決には繋がらない。一番の課題は、電池だからだ。電気は基本的に溜めておくことが出来ない。辛うじてそれを可能としているのが二次電池で、EVなどに搭載するバッテリーがあれば、1軒に必要な電力をまるまる賄うことは出来る。

だから、EVやプラグインハイブリッドを非常時の電源と見做して利用する構想があるのは知っているが、あくまで非常時の話。戸別に二次電池を備える話も出回ってはいるが、アレも趣味の域を出ない。水没リスクや出火リスクなど、まだまだクリアしなければならない課題は多いし、そもそもお高いのである。

大体、太陽光発電にしても風力発電にしても、安定的な電力供給が難しいので、これを使える電力にならす為のシステムが必要で、その拠点を地域に作るとなると莫大な費用が必要となる。

商用発電の集約というのは、経済性に大きな意味があるのだ。分散すればする程効率は悪化する。

EUでは巨大な電力網を作って、電力を融通し合うことで不足分を補う手法を採用している。だが、要となっているのは、フランスなどの原子力発電と、露西亜から輸入する天然ガスで、現状ではこれが崩れてしまったので大騒ぎである。中東からLNGを買ったら良いじゃ無いかという人もいるのだろうが、現実は、ロシアのパイプラインから格安で天然ガスを得られたから成り立っていた話なので、それは成り立たないのだ。

朝日新聞はウクライナ危機で一体何を学んだのかと。

核のゴミの破綻した議論

そして、極めつけはここ。

核燃料サイクル計画の問題も忘れてはならない。高速増殖原型炉もんじゅの廃炉など、計画は破綻(はたん)している。使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地をめぐる「文献調査」は始まったが、決まる見通しはなく、地震や火山が多い日本は地下の長期安定性の確認にも限界がある。

「朝日新聞」より

確かに、核燃料サイクルは上手くいっていないし、今後も可能性は薄かろう。だが、放射性廃棄物処理問題は、廃炉とセットなのを忘れていないか?

中間処分場、最終処分場が決まらないのに、廃炉を求めてしまう辺り、ダブルスタンダードと非難すれば良いのか、論理破綻していると笑えば良いのか。

放射性廃棄物の処分場を決めるのは嫌だけど、原子炉を使うのも嫌。じゃあもう、各地の原子炉、全て石棺で囲んで無かったことにするか。

それも朝日新聞的にはダメなんだろうねぇ……。

EV普及推進!

とまあ、日本国内ではそんな感じで「電力が足りないよー」「節電してね」といっているこの頃なのだけれども、経済産業省はこんな政策を打ち出した。

EV充電 マンション設備で最大400万円の補助金の方針 経産省

2022年3月19日 6時58分

EV=電気自動車の普及に向けて、マンションでの充電インフラの導入がなかなか進みません。

こうした課題に対処するため、経済産業省はマンションでの充電器に欠かせない高圧の受電設備を導入する場合、最大で400万円の補助金を支給する方針を固めました。

「NHKニュース」より

いやー、19日付けだから「しまった」と、今頃思っているかも知れないんだけど、どうなのよ。EV普及って、もっと電力が必要になるよね。

何というか、EUもそうなんだけど、本当に先のことを考えて政策を立案しているのか?と、疑問に思う。

具体的には、出力が50キロワット以上90キロワット未満の設備には最大で200万円、150キロワット以上の設備には最大で400万円を補助する方針です。

さらに、充電器の設置費用なども補助することにしています。

「NHKニュース”EV充電 マンション設備で最大400万円の補助金の方針 経産省”」より

補助金の額は、全然足りないんだけどねー。そもそも、マンションに駐車場が足りないトコロすらあるのに。十分な充電設備を用意するというのはかなり困難だろう。

岸田氏に、しっかりとしたビジョンがないから、エネルギー政策もこんな感じのおかしな感じになってしまっているんだよ。長期ビジョンと国家観は大切だよ。

コメント

  1. 個人的には新しい安全基準をクリアした原発から再稼働させるべきと考えてます。
    安定供給はもちろんだけれど、
    稼働させなくても維持費はかかるはずです。
    そして電力会社はそのコストは電気料金に乗せなければ経営が圧迫されます。
    反対派は二言目には福島と騒ぐけど、
    あれは頭のおかしな元総理が引き起こした人災でしょう。
    仮に津波や地震のせいだとしても想定外の規模の地震、想定外の高さの津波で、
    想定外につぐ想定外だから起きた事だと思います。
    停滞している経済を上向かせるためにも原発再稼働は必須だと思います。
    それにしても岸田総理・・・色々とセンスがない。
    安倍さんが後継者に選ばなかったのもわかります。

    • 電力の安定供給は日本の産業界の最低限の要請ですからねぇ。
      それに加えて電力を安く供給するとなると、やはり一時的に再稼働は避けられないと思っています。
      これについてはもう1本同じ趣旨の記事を書いてしまいました。

  2. 風力は、風が吹いてないときはエンジン付けて回すしかないんですけどね、結局。それを逆手にとって、併設火発を増やしまくるカモフラージュには使えるかもですが。しかし台風災害にも見舞われまくりな昨今、洋上風力発電とか…なんとも頭が痛いというか、とことんセンスないなぁ、と…

    • 風力は、洋上風力ならマシなんですが、それでも使える海域は限定的だと思うんですよ。
      陸上の風力は、あっちこっちで失敗しています。アレを維持するのは相当大変なんじゃ無いかな。