電力逼迫、原子力発電所の再稼働を目指せ

経済

大したトピックスでもないので、軽く説明するに留めよう。皆さん、このブログでは何度も目にした話だしね。

政府が電力逼迫警報 東電管内、家庭・企業に節電要請

2022年3月21日 21:39 (2022年3月22日 1:30更新)

経済産業省は21日、東京電力管内の電力需給が22日に極めて逼迫する恐れがあるとして「電力需給逼迫警報」を初めて出し、一般家庭や企業に節電を呼びかけた。東京電力ホールディングス(HD)は21日、他の電力会社からも電力の融通を受ける調整に入った。

最大震度6強を観測した16日の地震で停止した火力発電所が復旧していないほか、気温低下で電力需要が高まることが見込まれる。需給が逼迫すれば周波数が乱れて大規模な停電につながる恐れがある。

「日本経済新聞」より

これ、22日の電力需要が増えそうだということで、急遽、経済産業省から「節電の呼びかけ」を行ったものである。東京電力の努力だけでは解決できそうもないので、国民や民間企業に協力を要請したわけだ。日本政府は「協力要請」が大好きだな!

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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原発再稼働は何故出来ないのか

どうして電力が足りないのか?

原発再稼働の話をすると、「今動かしていなくても、足りている」との回答をする人が結構な割合でいる。それは事実なのだけれど、「ギリギリ」なのもまた事実である。

何かトラブルがあれば直ぐに「足りなくなる」わけで、それが本日起きている事態に繋がっているとも言える。

初の「電力逼迫警報」で節電呼びかけ…真冬並みの冷え込み予想、東電管内9都県対象

2022/03/22 08:04

政府は21日、東京電力の管内で電力が22日に足りなくなる恐れがあるとして、初の「電力需給 逼迫ひっぱく 警報」を出した。家庭や企業に節電への協力を求める。16日に福島県沖で起きた地震の影響で一部火力発電所の停止が続く中、悪天候で気温の低下が予想され電力需要が増える見込みのためだ。

「讀賣新聞」より

政府は、21日付けで22日に「電力逼迫警報」を以下の地域に向けて出した。

雑な地図で申し訳無いのだけれど、逼迫対象地域は1都8県(東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、山梨、静岡東部)となっている。

この地域の電力消費量が多いことも要因の1つではあるが、一番の問題は火力発電所が地震の影響で止まっているということである。

地震の影響で停止した火力発電所

停止している火力発電所は南相馬市と新地町の2基のようだ。(注:追記で説明しているけれども合計6基が地震の影響で止まった模様)

福島の火力発電所、損壊相次ぐ 東電の電力需給にも影響

2022年3月21日 6:00

福島県沖で16日に起きた最大震度6強、マグニチュード(M)7・4の地震で、同県浜通り地方に立地する火力発電所が相次いで被災した。震源域に最も近い相馬共同火力発電の新地発電所(新地町)は石炭を陸揚げする巨大な設備が損壊、復旧の見通しが立っていない。東北電力の原町火力(南相馬市)も停止中。いずれも東京電力管内へ送電しており、東電の供給力にも打撃を与える結果になった。

新地発電所は相馬港に隣接し、石炭燃料の1、2号機はいずれも出力100万キロワット。地震発生時は1号機が運転中で強い揺れで自動停止した。その後の調査で、専用埠頭(ふとう)に4基ある揚炭機のうち2基が大きなダメージを受けたことが分かった。輸送船から石炭を陸揚げする重要な設備で、復旧には相当の時間がかかるとみられている。

100万キロワットの石炭火力2基がある原町火力も運転中の1号機が地震で自動停止し、ボイラーや燃料用設備の被害が判明した。「被災状況を調査している」(東北電)と、復旧時期の見通しが立っていない。

「河北新聞」より

東北電力、地震で停止の火力発電所 5月上旬までに復旧

2022年3月22日 19:56

東北電力は22日、16日夜に発生した地震の影響で停止している2つの火力発電所が5月上旬までに順次復旧する見通しだと発表した。新仙台火力発電所(仙台市)3号系列の1号機は4月上旬、原町火力発電所(福島県南相馬市)1号機は5月上旬の運転再開を見込む。

「日本経済新聞」より

いや、仙台市の火力発電所も止まっているみたいだね。

このうち新地発電所は石炭火力発電所で、1994年7月に1号機が運転を開始し、1995年7月に2号機が運転を開始している。それぞれ100万kwの発電能力があって、超臨界圧での運転を行っている、割と効率の良い発電方式である。

実は、2011年3月11日の東北大震災の時にも被災して、2号機が自動停止し、定期点検中だった1号機とあわせて運転が出来ない期間があった。2022年3月16日の福島県沖地震では1号機が自動停止し、専用埠頭にある4基ある揚炭機のうち2基が損壊したため、機能回復までには時間がかかりそうである。

原発再稼働に対する足枷

東京電力が設定している予備率(電力需要に対する供給の余裕率)は僅か3%である。何ともピーキーな仕様だな。

だが、そもそもこんなに電力需要に対して脆弱だったのか?というと、そうではなかった。複数の原子力発電所を擁していたからである。

東電新再建計画、柏崎刈羽再稼働は令和4年度以降に

2021/7/21 19:49

東京電力ホールディングス(HD)は21日、政府に新たな経営再建計画「第4次総合特別事業計画(4次総特)」を申請した。経営計画の改定は4年ぶり。柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働時期については、信頼回復を大前提とし、早くても2022(令和4)年度以降にずれ込むと想定した。また、福島第1原発事故の賠償や廃炉に必要な年間約5千億円の資金を確保しつつ、年4500億円規模の利益を出す目標を維持した。

一方、二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルに向け、グループを挙げて取り組むことを新たに掲げた。30年度までに最大3兆円を投資し、販売電力由来のCO2排出量を13年度比で30年度に半減、50年にエネルギー供給由来のカーボンニュートラルを達成する。

「産経新聞」より

ところが、多くの原発が軒並み運転停止している。特に大きいのが柏崎刈羽原発で、世界最大の発電能力を持っているのに、現状では再稼働が見込めない状況にある。

こうした背景には、単純に原発再稼働反対派の活動によるものだけでなく、原発の施設そのものが抱える問題もある。

柏崎刈羽原発の大量ずさん工事 柏崎市長「洗いざらい恥をさらして」

2021年12月25日 11時29分

東京電力は24日、柏崎刈羽原発7号機の溶接不良で、約1600カ所の工事をやり直す意向を表明した。同原発はテロ対策不備で「セキュリティー」が問題視され、再稼働の見通しが立たなくなっている。安全対策工事の未完了に加えて、ずさんな溶接の実態が明らかになり、施設や設備の安全といった「セーフティー」でも問題を抱えていることが改めて示された。

「朝日新聞」より

これ、全容が追えていないのだけれど、どうやら3.11以降に安全対策を強化しようという話になり、その工事を大急ぎでやった結果、お粗末な状況を迎えているような感じだ。建設当初からの問題というわけでは無さそうである。

とはいえ、安全面の懸念について隠していたことそのものが問題なので、こうした問題を抱えているという事実を真剣に考え直さねばならないだろう。

一方で、この朝日新聞のニュースはこの本質を見据えてはいない。原発は存在してはいけない、だから問題があれば徹底的にというスタンスがキモチワルイが、この柏崎刈羽原発の話は、安全面全てに問題があって再稼働すれば直ちに事故に繋がるという話なのか、そうではないのか。どの程度の時間で修正が可能なのか、等という観点が一切ないところが致命的である。

原発問題は、良くも悪くも今なおタブーなのである。理性的で客観的な論調で分析する記事は殆ど見かけない。そのために、「原発=悪」という構図で多くの人が見ているのが残念な事である。これで更に石炭火力発電所も老朽化したものから廃止しているのだから、電力供給に不安が出るのも無理はない。

再稼働は必須である

結局のところ、電力の安定供給を行う為には原発の再稼働は必須であると思う。

折しも、ウクライナ危機によってロシア産のエネルギーの扱いについて非常にリスキーであることが明らかになってしまい、よりエネルギー確保には困難性が増したという状況である。

もちろん、埋蔵化石燃料は世界各地に分散しているので、ロシアから資源に頼らずとも成立する可能性はあるが、それだって安定供給が確立するまでの時間を稼ぐ必要はあるだろう。

僕自身、現在国内に存在する原子力発電所が3.11以前のように使えるとは思ってはいない。しかし、動かせるヤツは動かすべきで、危険性が高いヤツはさっさと廃炉を決定すべきなのだ。そして、それを調査するためのリソース投入は必要だとその様に考えている。そして、動かせる原子炉は動かして、電力を生み出すべきなのだ。

電力の安定供給は、日本国内に企業誘致する上でも国内で製品を製造する上でも、経済活動を活発化させる上でも極めて重要である。

近年はリモート会議や、在宅勤務、テレワークなどが推奨されているが、しかし、電力がなければ全て立ちゆかない。

当然ながら、同時に石炭火力発電所、天然ガス火力発電所の増設をすべきだし、もっと効率の良い再生可能エネルギー発電(特に、小水力発電を増やすべきだと考えている)を増やして稼働すべきなのである。ただ、そうしたことには時間がかかるため、そこまでの繋ぎとして原発の再稼働をすべきなのだ。

時間を区切っての再稼働であれば、国民も納得するのではないか。方針が明確でないからこそ、国民が不安に思うのである。

逆に、調査の結果、全ての原発が再稼働に資するものではないという判定であれば、新たな原発を既存の原発の敷地内に建設すべきかを検討すべきだろう。ただ、その場合は大型の原子炉ということではなく、比較的小型の原子炉か、それに準ずる発電設備を建設する必要がある。大型の原子炉はとにかく建設に時間がかかるからね。

国力を増すためにも

今後の日本の経済発展のためにも、安い電力を安定的に供給することは必須である。

そのために、電力の分散が必要ということであれば、小規模の石炭火力発電所を市役所や学校施設など公共施設に併設して電力を生み出し、排熱を利用するシステムを構築すべきだろう。

排熱によって地域の暖房を賄うという発想は、実のところ珍しい考えではない。公共施設の屋根に太陽光発電パネルを設置していくという事でも良いのだが、エネルギー密度の低い発電設備は、分散型の発電所に適さないため、あくまで呼びといった位置づけである。

現在稼働中の火力発電所も、老朽化の進んでいる所が結構あるので、そういった旧型炉の刷新も急ぐべきだろう。

更に、自前のエネルギーの獲得も急ぐべきだ。幸い、日本近海には多数の海洋資源が眠っていることが分かっている。少々コストは高くとも、こうした海洋資源の採掘方法は確立すべきだし、無駄にすべきではない。

こんな節電呼びかけをしなければならない国のままにしてはいけないのである。

追記

東京電力管内の電気使用量100%を超えたようだ。

東電管内、電力使用率100%超え さらなる節電呼びかけ【更新】

2022年03月22日 10時53分

東京電力管内の電気使用量が3月22日の午前10時台に4455万kWとなり、「でんき予報」では供給予測値(実際の供給量とは別)の101%に達した。午前11時には4498万kWとさらに増加した。送電を担当する東京電力パワーグリッドによると「現在は足りない分を揚水発電所の出力調整で対応している状況」という。

「IT media」より

あっさり超えたねぇ。

実は現時点で停電している地域もあるようだ。

停電情報|東京電力パワーグリッド株式会社
東京電力パワーグリッド「停電情報」サイトです。当社サービスエリア内で発生している停電情報を、地図および地域名から検索いただけます。

情報はこちらで開示されているようだが、停電してしまうと該当地域からこのサイトにアクセスすることは難しくなる。何とも皮肉な話だ。

既に、断続的に停電が発生する不安定な電力供給状況に陥っているようだ。使用可能な発電能力100%で発電して(停止中の原子力発電を除く)これなので、夜半に書けて不安定な状況が続くと思われる。

追記2

序でにこちらも。

原発再稼働 規制委“ウクライナ理由で安全に妥協は許されず”

2022年3月16日 20時31分

自民党の議員連盟が、ウクライナ情勢の影響を理由に、停止中の原子力発電所を速やかに稼働させる目的で、テロ対策の施設に関する規制基準の運用を見直すべきだなどと原子力規制委員会に申し入れしたことについて、更田豊志委員長は見直す考えがないとしたうえで「原発事故の厳しい反省に基づき安全への妥協は許されない」と述べ、再稼働の審査に影響しないとする考えを示しました。

「NHKニュース」より

安全への妥協は許されない。

まあ確かにその通りだとは思うよ。でも、その基準は本当に妥当なの?厳しすぎる安全基準は誰も幸せになれないよ。

規制委員会は「ダメ」って言っていれば良いんだろうけど、後付けの規則が山盛り出てくる今の体制はどうかと思う。

追記3

えー、情報が少し間違っていたようでお詫びして訂正します。

東京電力管内の需給ひっ迫警報を解除します【需給ひっ迫警報(最終報)】 (METI/経済産業省)

経済産業省の発表によると、地震の影響で停止していた発電所は6箇所である模様。

<参考>地震の影響で停止中の火力発電所の復旧見通し

※3月16日(水曜日)の福島県沖の地震の影響で停止した火力発電所(計14基約647.9万kW)のうち、現在も停止中の発電所(計6基334.7万kW)の復旧見込みは以下のとおり。

計6基334.7万kW<東北エリアに送電>
・原町火力発電所1号機(東北電力) 100万kW
: 5月上旬頃(揚炭機損傷、ボイラー損傷など)
・新仙台火力発電所3-1号(東北電力) 52.3万kW
: 4月上旬頃(タービン関係付属弁の分解点検が必要なため)
・相馬石炭・バイオマス発電所(相馬エネルギーパーク) 11.2万kW
: 復旧時期未定
・仙台パワーステーション(仙台パワーステーション) 11.2万kW
: 復旧時期未定(ボイラー損傷のため)

<東京エリアに送電>
・広野火力発電所6号機(JERA) 60万kW
:1ヶ月程度(主変圧器の損傷のため)

<東北エリア・東京エリアの両エリアに送電>
・新地火力発電所(相馬共同火力発電) 100万kW
: 復旧時期未定(ボイラー、タービンの内部点検が必要なため)

※3月17日(木曜日)以降のトラブル停止している火力発電所
・磯子火力発電所新1号機(電源開発) 60万kW
: 3月23日復旧予定
・磯子火力発電所新2号機(電源開発) 60万kW
: 復旧時期未定(変圧器故障のため)

「経済産業省のサイト」より

なるほどー、あちこちで止まっているね。

なお、地震の影響で原発は止まらないのか?というと、多分止まる事もあるだろう。ただ、3.11の時でも明らかであったように、原発そのものは安全停止できる。3.11の時は津波の影響で予備電源が損傷してしまったことが、原因だったからね。

そして、安全停止できれば復旧もそれなりに早くできる。原発は既存の火力発電所より、余程耐震性が高いからね。

じゃあ、既存の火力発電所も耐震性を高めれば良いじゃないか、という議論にはなると思う。それはそうすれば良いと思うのだが、耐震性を高める工事の最中は発電が出来ない。結局、原発を再稼働してその間の穴埋めをした方が効率が良いって話になってしまう。

簡単な話ではないのは事実なんだけど、是非とも検討すべきではあると思う。

コメント

  1. こんにちは。

    この話になると、毎回言うことなんですが。

    原発、「運転を停止」は商用発電を停止する為、制御棒突っ込んで核反応を抑えているだけであって、冷却だなんだは稼働し続けてるんですよね。
    ※運転停止してりゃ安全、ならば、最初の地震で緊急停止したはずの福島原発が吹っ飛ぶはずがない。
    なので、動いてようが停まってようが、原発は「存在する」だけで危険性に大差は無い。
    だったら、今すぐ廃炉解体して核物質の無害化が出来ない以上、自分の冷却用の電気代くらいは稼いでもらった方がよっぽど建設的。

    実に現実的な解だと思うのですが、「反対する事が是」である方々には、現実解を受け入れる事は不可能なんですよね……

    ※核に関するあれこれは、一切合切、無い方が良い、という原則論そのものは賛成です。
    ※小学校の頃だっけ、上級生が、「第三の炎」を賛美する出し物を学芸会でやってた記憶があって、しかし時代背景的(S40年代末期)に疑問符もつくので、自分の記憶が信用出来ない。

    • そうなんですよねぇ。
      稼働しても停止していてもそれなりにリスクはありますし、廃炉にするのは順番待ちの状況です。
      動かせる打ちに電力を生み出すというのは実に合理的だと思うのですよね。

      そして、そもそも原子力発電所が国内に存在しなければ、僕も「核を持ち込むな」という発言に一理あると思います。でも、現実は、多数の原子炉があり、積み上げられた放射性廃棄物、ウランやプルトニウムがありますから。

      学芸会ではどうだったか覚えていませんし、先生がどう言っていたかも覚えていませんが、鉄腕アトムといい、ドラえもんといい、ガンダムもそうでしたっけ?原子炉を積んでいる設定のロボットは結構多かった気がしますよ。