ゼロコロナ政策の切り替えは、五輪終了と共に、だ。
若干悪意のあるタイトルである事は自覚しているけれども、どう考えても北京五輪の終了を待ってこの発表をしたとしか思えないようなタイミングではある。北京パラリンピックは3月13日に閉幕したらしいからね。
中国でコロナ感染者が過去最多 深圳でも都市封鎖へ
2022年3月13日 14:30 (2022年3月13日 22:00更新)
中国で新型コロナウイルスの感染が全国規模で急拡大している。12日の感染者数は約3400人となり、過去最多を更新した。政府は感染を抑え込む「ゼロコロナ政策」を強化。東北部の吉林省長春市に続き南部の広東省深圳市も都市封鎖を実施する。上海市も移動制限を敷いた。
「日本経済新聞」より
この記事では、支那の稼ぎ頭、深圳市で大規模な感染が確認されて、都市が封鎖されたということを報じている。「感染者数は3,400人」といわれても、これが支那全土でということになると、多くの日本人にとっては「少ない」と感じるだろう。
日本では未だ、1日に報告される陽性判定者の数は5万人を超えているからね。
感染者は、本当は何人ですか?
近隣諸国の感染状況
近隣諸国の感染状況を見るに、支那だけよくもまあ感染を押さえ込んでいると関心する。その報告された数字が正しければ、驚異的な成果と言えるだろう。





縦軸をあわせていないので比較しにくいが、1日の感染者数が20万人を超えているベトナムの感染状況は凄い。だが、韓国は35万人を超えたらしく未だ韓国の方が多いようだ。これ以上の感染者数が報告されていたのは一時期100万人を超えていたアメリカくらいだ。しかし、人口当たりの感染者数は世界トップで、そして、ベトナムも韓国も絶賛感染拡大中である。
この状況で、支那では未だに1日3,400人なのだから、圧倒的に少ない。
もちろん国毎に指標が異なるので、ある程度は割り引いて考える必要があるし、水際対策を徹底的に行っている台湾と同様に支那が感染症拡大を押さえ込めている可能性は否定できない。
が、一旦感染が広がってしまうとこれを抑える事はなかなか難しいのも、オミクロン株の現状である。
深圳と上海
冒頭のニュースでは、深圳市の他に、上海でも感染者が増え、移動規制が為されていると報じられていた。
上海市、新型コロナ対策を一層強化
2022年3月14日 10:10
中国上海市の新型コロナウイルス感染症予防・抑制活動指導グループ弁公室は12日夜、感染拡大を効果的に遮断するため、対策を一層強化すると発表した。市民は市外への不要不急の移動を避け、移動する場合は48時間以内に受けた核酸検査の陰性証明を提示しなければならない。市外から訪れる人にも同様の証明が求められる。
「AFP」より
データでは上海でのピークは既に過ぎていることになっているが、感染拡大がオミクロン型であったとするのであれば、ちょっと信頼できない情報ではある。特に、支那では無症状感染者の数はカウントしないことになっているので、無症状感染者の数の多いオミクロン株の場合には、感染拡大の実情が把握しにくい。
中国・江蘇省がコロナ感染者を「通報」した人に19万円の「報奨金」贈呈を発表…ネット上で炎上後に撤回か
2022/03/14 07:07配信
中国・上海市における新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、同市に隣接する江蘇省の一部地域が、上海からの来訪者を「通報」した人に報奨金を贈呈すると発表した。
中国メディア「鳳凰網」によると、江蘇省無錫市新呉区は12日、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者で「隔離措置」を取っていない者を通報した人に、2千元(約3万7千円)の報奨金を贈呈すると発表した。また、「自宅観察」の期間中に外出している者を通報したら1千元(約1万9千円)、感染危険地域から申告せずに来訪した者を通報したら500元(約9300円)が贈呈されるとしている。
「WowKorea」より
だが、こんな情報もあるのでかなり武漢ウイルス感染症の拡大については、未だにピリピリしている感じだ。多分、陽性判定者数は内部でカウントはしていると思うので、その辺りの数字がえいきょうしているのだと思う。
2月中旬までは毎日、数十~200人台で推移していた。「オミクロン型」など感染力の強い変異型が感染拡大の原因という。
深圳市政府は13日、14~20日に実質的なロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。全地域で不要不急の外出を禁じ、バスや地下鉄の運行を止める。水や電気など生活インフラ関連以外の全ての企業に在宅勤務や生産活動の一時停止を求め、スーパーや薬局などを除く店舗も休業する。全市民を対象に1人3回のPCR検査も実施する。
「日本経済新聞”中国でコロナ感染者が過去最多 深圳でも都市封鎖へ”」より
流れとしては、北京冬季五輪が終わって外国人が支那に武漢ウイルス感染症を持ち込んだんだ!ということが言いたいと思うのだけれども、そういう話をする場合には、北京で感染が広がっていないと厳しい。
実際に、北京で感染が広がっている事実が明らかになると、封じ込め失敗が明らかになってしまう。よって、五輪のせいにするのは悪手だろう。だから、都市をロックダウンしてでも感染を封じ込めたいと言うことなのだろうね。
経済的不安
ただし、深圳や上海は支那にとっては経済の中枢と言うべき、大切な都市である。ここをロックダウンしてしまうと、支那経済に大打撃を受けることになりかねない。
ほかにも天津市や北京市、東北部の吉林市、東部の青島市、南部の東莞市など広範囲で感染が広がった。感染者が増えた地域では大規模なPCR検査や移動制限を展開している。吉林省政府は12日、感染拡大の責任を問い、吉林市長の解任を発表した。
「日本経済新聞”中国でコロナ感染者が過去最多 深圳でも都市封鎖へ”」より
更に感染症の不安が拭えない地域が拡大していることも問題であるが、ゼロコロナ政策を維持し続けている為に、いざ感染が拡大するとパニック状態になりそうな気配すらある。パニックになると、治安部隊の出動なんてことにもなりかねない。

さらにこれ、複数の地区で感染拡大が広がると、全てロックダウンという決断をなかなかしにくいという問題がある。
ゼロコロナの中国、感染者増加…学生に解熱剤与え新規感染の「隠蔽」試みた疑いも
2022/03/13 00:06
中国吉林省長春市は11日、新型コロナウイルスの感染者急増を受け、事実上のロックダウン(都市封鎖)に入った。中国政府の発表では、中国本土で11日の新規の市中感染者は無症状を含め1500人以上となり、データをたどれる2020年3月末以降では最多となった。
~~略~~
吉林省吉林市では大学で集団感染が起きた。香港メディアによれば、所属する学生の告発から、大学当局が発熱した学生に解熱剤を与え、新規感染の情報を 隠蔽いんぺい しようとしたとの疑惑も出ている。当局は12日、市長の免職を発表した。感染拡大を許した責任を厳しく問い、全国の防疫担当者の引き締めを図る狙いとみられる。
「讀賣新聞」より
当然ながら、習近平政権にとってはゼロコロナ政策を継続するのであれば、ロックダウンをしないという選択肢は無いが、ロックダウンをしてしまうと支那経済の中枢たる地域が多数含まれるため、経済が麻痺するだろうことが予想される。
ただでさえ、ロシア軍のウクライナ侵攻によって支那は微妙な立ち位置にいて、経済的な不安定要因を抱えている。ここに武漢ウイルス感染症の要因まで加えるとなると、なかなかマズイ事態になるだろう。
支那がどのタイミングでこの政策を放棄するのかが見物だが、そういえば韓国は今なお「K防疫は成功した」というスタンスであるので、共産圏の国ではなかなかこういった政治的決断というのは難しいのだろう。特に、ゼロコロナ政策は習近平氏の肝いり政策らしいからね。
追記
更に増えたね。
中国 コロナ感染者1日5000人超 各地で外出制限など相次ぐ
2022年3月15日 17時55分
中国では新型コロナウイルスの感染が各地で急速に広がっていて、中国政府は14日、一日で5000人を超す感染者が確認されたと発表しました。
「NHKニュース」より
製造業が集積する南部の広東省でも相次いで市民の外出が制限される中、中国政府は企業の生産活動などに影響を与えかねないとして警戒を強めています。
まだ、5000人ですか。
このペースだと明日には1万人コースかな?
コメント
こんにちは。
パラリンピック終了と同時に、深圳でロックダウンだそうで。
やる事がわかりやすすぎる……
偶然……、ではないのでしょう。
何処まで影響が出るのやら。