岸田政権決断の時か

ロシアニュース

米の露原油禁輸 日本は制裁とエネ安保両立に苦慮

2022/3/9 20:23

バイデン米政権が表明したロシア産原油の輸入禁止措置などについて、日本政府は現時点では慎重な立場だ。岸田文雄首相は先進7カ国(G7)と歩調を合わせ、ロシアのウクライナ侵攻を受けた制裁を打ち出してきたが、原油を海外に依存する日本が同様の制裁に踏み切れば、自国のエネルギー安全保障に直結するからだ。首相は対露制裁とエネルギーの安定確保の両立という難しい課題に直面している。

「産経新聞」より

現状のアメリカの方針が、本当に日本の国益と合致するのかはイマイチ不安な面がある。だから、日本は日本の考え方で判断するというのは、アリだとは思うんだ。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク
スポンサーリンク

エネルギー政策的に、切り替えられる国、切り替えられない国

ロシア産原油を禁輸の方針を固めたアメリカ

これに先んじて、こんなニュースがあった。

ロシア産原油禁輸、米が追加制裁即日発効 英は年内停止

2022年3月9日 5:25 (2022年3月9日 7:52更新)

バイデン米大統領は8日、ホワイトハウスで記者会見し、ロシア産の原油、天然ガス、石炭と関連製品の輸入を全面的に禁止すると発表した。同日に大統領令に署名し、即日発効した。まず米国単独で禁輸に踏み切り、英国も年末までにロシアからの原油輸入を停止する。

「日本経済新聞」より

アメリカがロシア産の原油と天然ガス、そして石炭とその関連製品を輸入するのをやめると言い出したのである。

バイデン氏は8日の記者会見で「米国はロシア経済の大動脈を標的にしている。ロシアの石油、ガス、エネルギーの輸入を全面的に禁止する」と述べた。「世界中の同盟国、特に欧州と緊密に協議して決めた。欧州の同盟国・有志国の多くが参加しないと理解したうえで禁輸する」と強調した。

「日本経済新聞”ロシア産原油禁輸、米が追加制裁即日発効 英は年内停止”」より

アメリカは国内でシェールガス・シェールオイルが生産できる。イギリスには埋蔵量には不安があるものの北海油田からある程度の原油を掘ることが可能だ。

とはいえ、何れも環境問題もあって、増産をすることはそれほど容易ではなく、肉を切らせて骨を断つというような決定であることは間違いなさそうだ。

効果の程は怪しい

ただ、倍電子のこの決定が果たして正しかったのか?というと、なかなか悩ましいところだ。日本経済新聞でも指摘があるし、そんなことはアメリカ自身も理解はしている。

img

このグラフを見るとわかるように、ロシア産の原油の5割は欧州で消費されている。ロシアは一大原油の生産国なのである。

米国がロシア産原油・石油製品の禁輸に踏み込めるのは、輸入量が少ないという事情がある。米エネルギー情報局(EIA)によると、米国が2021年に輸入した原油・石油製品に占めるロシア産の割合は7%台で、同年12月単月では4%台まで減らした。一方、欧州連合(EU)は原油輸入量の3割弱をロシアに頼る。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、ロシア産原油輸出全体に占める米国向け比率は2020年時点で2.3%にとどまる一方、欧州向けは約5割を占める。

「日本経済新聞”ロシア産原油禁輸、米が追加制裁即日発効 英は年内停止”」より

特にドイツなどはシャレにならないだろう。

ドイツがエネルギー政策の転換を発表したことは言及しているが、現状はかなり厳しい。

ロシアは、ドイツにとって最大のエネルギー供給国である。英国の石油会社BPの報告書によると、2020年のドイツの天然ガス輸入量の内55.2%はロシアからだった。ドイツ経済輸出管理局によると、2020年にドイツが輸入した原油の33.9%はロシア由来。石炭輸入量の48.5%もロシアからだ。

「yahooニュース」より

エネルギーの大半をロシアに頼っているドイツにとって、ロシア産の原油・天然ガス・石炭から脱却することは容易ではない。

EUは方針転換を表明

だが、EU全体としては、ロシア産の輸入に対する規制を始めるようだ。

EU、ロシアへのガス依存脱却計画を発表 一時的に排出量増加も

2022年3月9日

ロシアのウクライナへの侵攻を受け、各国がロシアの原油・天然ガスへの依存度を減らそうと躍起になっている中、最も危険にさらされているのは欧州連合(EU)だろう。

EUは、ガスの約40%をロシアから調達している。調査機関「トランスポート・アンド・エンヴァイロンメント」によると、このガス依存には1日あたり約1億1800万ドル(約137億円)のコストがかかっている。

しかしEUは、誰も予想していなかったスピード感で、ロシアへの燃料依存を1年以内に3分の2に削減し得る戦略を打ち出した。

「BBCニュース」より

スゴい事を発表してしまったEUだが、この計画は余りにも杜撰だ。僕の目から見てもかなりヤバい。

欧州委の計画ではさらに、再生可能エネルギープロジェクトを迅速に進める必要があるとし、特に家庭での屋根上太陽光発電に大きな可能性があるとしている。

同委によると、EUの電力消費の4分の1までが、家庭や農場、商業ビルに設置したパネルで発電できる可能性がある。

「BBCニュース”EU、ロシアへのガス依存脱却計画を発表 一時的に排出量増加も”」より

いやいや、商業発電の集中政策というのは、エネルギー安全保障の観点から見てもある程度理に叶っている。地域分散型程度の話であれば分かるが、屋根上太陽光発電を電力消費の1/4まで拡大って、流石に無理だろう。

夜は発電できないんだぜ?太陽光発電では。

どう考えても、支那が裏でニヤニヤしている絵しか見えない。東トルキスタンで行われているウイグル人弾圧の話はどこにいっちゃったんですかね??

また、天然ガスへの依存を減らすために、農業廃棄物や生ゴミから作られるバイオガスの利用を大幅に増やすよう呼びかけている。

自然エネルギーへの追加投資により、風力発電や太陽光発電から製造できるグリーン水素の大幅な増加も期待できるという。

欧州委は現在、2030年までに水素の利用を4倍に増やすことを求めている。

「BBCニュース”EU、ロシアへのガス依存脱却計画を発表 一時的に排出量増加も”」より

水素の利用を増やすというのも、決定的な問題があって技術的な問題を解決出来なければ難しい。

記事を読んだ限りは、この計画、絵に描いた餅で、解決策が提示されている状況だとは言い難い。現実的には石炭火力発電所を新設していくというのが最適解なんじゃないかな。

日本の苦しい立場

ちなみにお花畑のEU方針や、アメリカやイギリスだってかなり厳しい話になっていると思うのだが、日本はどうなんだろうか。

首相は9日、官邸で記者団に米国の露産原油輸入禁止は同盟国の同調を前提としていないとの認識を示した上で「(エネルギーの)安定供給と安全保障を国益として、G7をはじめとする国際社会と連携し、取り組んでいきたい」と語った。

首相はこれまで対露制裁に関しG7との連携を重視してきたが、エネルギー問題は様相が異なる。日本はエネルギー安保の観点から中東依存の脱却を進めてきており、原油の3・6%、液化天然ガスの8・8%(2021年)をロシアから輸入している。米国のような産出国ではない日本が同様の制裁を行えば、供給懸念が高まりかねない。

「産経新聞”米の露原油禁輸 日本は制裁とエネ安保両立に苦慮”」より

未だに8割以上を火力発電頼みとしている日本において、ロシアからの輸入量が多くないとはいえ、他の輸入先を探すというのは安全保障上のリスクを伴う。

アメリカが売ってくれれば解決する話だが、そもそも日本のエネルギー政策は中東頼みだった背景があって、これを解消する方向で動いていただけに、新たな方策を早急に立てなければ方針転換は難しい実情はある。

日本企業などが参画するロシア極東サハリンの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」「2」についても欧米企業は撤退を表明した。ただ、萩生田光一経産相は7日の参院予算委員会で「日本が抜け、どこかの第三国が権益を取ってしまっては制裁にならない」と述べた。日本が権益を手放せば、中国に奪われる恐れもある。

「産経新聞”米の露原油禁輸 日本は制裁とエネ安保両立に苦慮”」より

サハリンの石油・天然がス開発事業からの撤退も、支那への牽制を考えると良い手段とは言い難い部分はある。

決断が簡単ではないことは事実だ。

起死回生の一手

しかし、もはやP5は瓦解し、第二次世界大戦後に構築された世界秩序はプーチン氏にとって破壊された。ここで言うP5は「パーマネント5」、つまり国連の常任理事国5カ国のことである。

「アメリカ、イギリス、フランス、ロシア連邦、支那」この5カ国が世界秩序を守るという位置づけであったが、そのうち2カ国は寧ろ破壊者であることがここ数年で明らかになった。

習近平氏、国際情勢緊迫で「全軍が戦争準備を」…軍を海外派遣する根拠法を整備へ

2022/03/08 18:33

新華社通信によると、中国軍トップの 習近平シージンピン 中央軍事委員会主席(国家主席)は7日、全国人民代表大会(全人代=国会)の軍と武装警察の分科会に出席し、「海外関連の軍事活動に関する法治作業の加速」を指示した。具体的な内容は不明だが、中国軍を海外に派遣して活動させる根拠法の整備を進める意向とみられる。

「讀賣新聞」より

そして、支那は「やる気」である。ロシアはやってしまったし。

つまり、日本国憲法の前文は前提が崩れているのである。

日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。

われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。

「日本国憲法”前文”」より

赤字にしてあるところは、既に前提が崩壊している部分だ。こうした前提の上に成り立っている憲法は、やはり見直さねばならないだろう。

だが、憲法改正手続きはただでさえ時間がかかるのだから、今こそ始めるべきだろう。そして、もっと現実的な問題として、エネルギー問題の解決を目指す必要があると思う。ソレが起死回生の一手になるのか?というのは開発次第だが。

4日に原油高対策の閣僚会議「重層的対策」まとめる

2022/3/3 12:21

松野博一官房長官は3日の記者会見で、原油価格高騰を受けた関係閣僚会合を4日に開き、今後の対策を決定すると明らかにした。「激変緩和措置の大幅な拡充強化、業種別の対応策についても盛り込んだ重層的な対策を取りまとめたい」と述べた。

「iza」より

メタンハイドレートで地域活性化 新潟県などで高まる期待と課題

2021/7/7 10:00

資源小国の日本で、自前のエネルギー資源の一つとして注目されているメタンハイドレート。日本海では新潟・上越沖が最も資源量が多いとみられ、新潟県は日本海沿岸の府県とともに開発推進への活動を展開している。

「産経新聞」より

一時はSDGsなどのおかしな方針で開発に逆風が吹いていたが、エネルギーの価格が急騰する中でメタンハイドレートの採掘が採算ベースに乗る可能性が出てきてしまった。

埋蔵量は十分にある事は分かっていて、採取方法もある程度目処が付いている。石油メジャーの邪魔がなければ開発しない手はないわけで。日本が資源国になると、一気に情勢は変化する。自前資源を持っているというアドバンテージは、採算ベースに乗らない高コストなエネルギーであっても意味がある。今回の様な危機に強くなるのだ。

防衛費の見直しも含め、こういった分野への資金投入も、今こそ積極的にやるべきだろう。大丈夫、失敗しても誰も文句は言わない。

コメント

  1. こんにちは。

    皆さん、お感じになっている事と思いますが、我々は今、後の歴史書に書かれるであろう期間に居るのだと思います、切実に。
    特に、これを契機に国連が(無くなるとはさすがに思わないですが)何らかの変革を迎えざるを得ないだろうという事もあり、二次大戦からの戦後体制は終わりを告げるのでしょう。

    惜しむらくは、それが書かれた歴史書(中学の教科書あたりが丁度良いかも)を読むまでは生きていないだろう、という事でしょうか。
    それが書かれる程度までは、人類というか人間は存続している事を願います。

    • 第三次世界大戦、その引き金をプーチン氏が引いたのかも知れません。
      もし、人類の歴史がこのまま続くのであれば、何故あの指導者はそんな選択をしたのか?という議論になるような話ですよね。
      世界中の指導者が正しい選択をして欲しいものです。