支那、世界最大の液化天然ガス貯蔵タンク建設を始めてしまう

支那

いやー。

中国 世界最大の液化天然ガス貯蔵タンク6基の建設工事始まる

2022年2月21日 21:12

石油・ガス資源開発の国有企業、中国海洋石油集団(中国海油)が江蘇省(Jiangsu)塩城市(Yancheng)で実施する「緑能港」プロジェクトで20日、容量が世界最大となる27万立方メートルの液化天然ガス貯蔵タンク6基の台座の工事とコンクリートの流し込み作業が完了し、貯蔵タンク本体の建設工事が本格的に始まりました。

「APF」より

これは色々勘ぐってしまうな。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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ロシアと支那とを結ぶ「シベリアの力」

LNGをしこたま買うぜ!

支那が抱えるエネルギー問題に関しては、石炭採掘トラブルもあって割と深刻ではある。

実際、2021年秋頃には、脱石炭方向に向けて突っ走っていた支那が、一転して石炭の増産をすると言い出した。

支那が脱石炭の話をするのは、欧米で流行っている(或いは流行っていたというべきか)SDGsの流れをうけてのものだが、僕自身はこのSDGsの仕掛け人はロシアや支那ではないかと疑っている。

さておき、石炭不足で電力不足に陥るなど、とんでもない事になっていた支那だが、この流れ弾を喰らったのが韓国だった。

輸入尿素の大半を支那に依存していた韓国、支那で石炭が不足することで尿素の輸出規制がかかってしまった結果、国内の輸送系統に深刻なリスクを抱えることになった。

実は韓国、欧州並みにディーゼル車が普及していて、このディーゼルエンジンを動かすために尿素から作られる薬液が必要になるのである。ところが、支那から尿素が手に入らなくなって大慌てということになる。

まあ、そんな騒ぎに発展して、じゃあLNGを溜めておこうという話になったのは分かり易いストーリーだ。ただ、実際にはそんなことはなく、寧ろ事実関係は逆だろう。LNGの大量輸入の目処が付いたので、石炭の使用量を絞っていたら計画が狂って停電した、と、そんなところでは無いだろうか。

世界最大規模

建設中の貯蔵タンクは世界最大規模なんだとか。

何でもビックスケールだな!

中国が自主的に設計し、建設する27万立方メートルの液化天然ガスタンクは、完成後には高さが60メートルに達し、ボーイング747旅客機3機を積み重ねた高さに相当します。

中国海油の塩城「緑能港」プロジェクトは、江蘇省の沿海地域にある液化天然ガス受け入れステーションプロジェクトで、国の天然ガス生産供給・販売システムの建設および相互接続における重点計画プロジェクトであり、国内で建設中の液化天然ガス備蓄基地で最大規模のものです。

「APF”中国 世界最大の液化天然ガス貯蔵タンク6基の建設工事始まる”」より

何故、同じ大きさのタンクを複数用意せずに、馬鹿でかいタンクを作ってしまうのかはよく分からないな、という月並みな感想を抱いたが、どうやらデカいタンクを並べようという発想らしい。

同プロジェクトは、先に建設された22万立方メートルの貯蔵タンク4基と、建設中の27万立方メートルの貯蔵タンク6基からなる大型の液化天然ガス貯蔵タンク計10基を建設します。2023年末までに利用が始まる予定で、その後、液化天然ガスの年間処理能力は600万トンに達する見込みです。600万トンの液化天然ガスは、ガス状天然ガス85億立方メートルに相当し、2020年の江蘇省全住民の1日当たりのガス使用量を約1000万立方メートルとすると、全住民の生活用ガス約28カ月分に相当し、二酸化炭素2850万トン、二酸化硫黄23万2500トンの削減を実現でき、6000万本の植樹に相当するとのことです。

「APF”中国 世界最大の液化天然ガス貯蔵タンク6基の建設工事始まる”」より

スゲーな。

購入はもちろんロシアから

記事には書かれていないが、液化天然ガスの購入はロシアからだと思われる。

江蘇省といえば、ロシア側からのアクセスの良い場所でもある。そして、上海に近く北京とも離れてはいない。立地条件としては良好なのだろう。

流石にロシアからパイプラインを引くような真似はなかなか難しい。まあ、1つは既にあるんだけどね。

歴史上初のロ中ガスパイプライン「シベリアの力」開通

2019年12月12日

ロシア極東から中国東北部へ天然ガスを輸送するパイプライン「シベリアの力」の稼働が始まった。両国をつなぐ天然ガスパイプラインの開通は初めてで、12月2日に行われた開通式には、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がテレビ会議形式で参加した。

「JETRO」より

なるほど、「シベリアの力」からの延長計画はもう既にある様で、多分、支那国内でのパイプライン建設も進んでいるのだろう。冒頭の巨大な貯蔵タンクのニュースはこれに関連する話なのだね。

2019年12月2日、5年の建設期間を経て、パイプラインの北側のセクションが開業した。2025年にフル稼働に至るまでの5年間で50億立方メートルのガスを供給する予定だ。「両国が2014年に結んだガス供給の契約は、国内のガス産業史上最大の合意だった。ガスパイプライン『シベリアの力』は今後30年間で1兆立方メートル以上の天然ガスを中国に送るだろう」とプーチン大統領は考えている。

「Russia Beyond」より

「シベリアの力」は、どうやらウラジオストック辺りまで伸ばされる計画のようで、初期は海路を使って輸入するのかも知れないが、そのうちパイプラインからの供給という事になりそうである。

支那国内のパイプライン建設

ちなみに、支那国内でもすでにパイプラインの建設は進んでいるようだ。

図7 「シベリアの力」から中国国内に接続する中露東線天然ガスパイプラインの現状と計画

なんと、北京辺りまでは建設が終わって稼働中で、上海までの区間も2024年を目処に完成するらしい。もちろん、こうした計画は今に始まったわけではなく、2007年の「東方ガスプログラム」から2014年の中露による政府間合意まで7年、稼働開始まで5年の歳月をかけて計画が進められている。

巨大な貯蔵タンクの建造というと、「爆発の危険が?!」などと天津爆発事件(2015年)を思い出してしまうわけだが、あの時は倉庫に危険物が入っており、これが爆発したという風に派票されていたのだが、支那当局からの具体的な説明は一切なかった。

似たような事件が?という懸念はもちろんあるが、それよりもこうした壮大な計画をしっかりと練っていたということの方が気になる。

そして、ロシアにとって欧州と取引が出来なくとも、支那との取引で外貨を手に入れられればさほど困らないのではないか?という気はしてしまう。

実際にはそう簡単には行かないのだろうが、ロシアとしては外貨獲得のツールとして使えると言う意味では、今後の生命線になりそうな話でもある。

コメント

  1. 知らない情報が盛りだくさんで、たいへん勉強になりました。
    P大統領とS総書記はペキン・オリンピック中に大量のLNG契約を交わしたのでしょう。
    中東の原油・ガスを中国に引き込むために、パキスタンから新疆にパイプラインを敷くCPECもありますが、こちらは止まっているようですね。

    • パイプライ絡みの話は、ウクライナ危機になってから何本か書いたのですが、ロシアと支那の間に結んだパイプラインの話しは忘れていたなと。
      それを冒頭の記事を読んで思い出しまして、記事にした次第です。
      たまたま知っていたレベルですが、参考になれば幸いでアリマス。