河野太郎氏が注文を付ける政府のワクチン接種体制

政策

ひでー記事だな。

河野氏、接種停滞歯がゆい? 注文続々、官邸から恨み節も

2022年02月09日07時11分

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種をめぐり、自民党の河野太郎広報本部長が政府への注文を強めている。菅内閣でワクチン担当を務め、1、2回目接種を加速させたとの自負があり、接種のペースアップに手間取る岸田内閣に歯がゆさを感じているようだ。

「時事通信」より

時事通信の記事がヒドイのは平常運転ではあるし、河野太郎氏を個人的に応援しているというワケでも無いのだが、それでもこれは無いだろう。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク
スポンサーリンク

岸田内閣推しのメディア

報じられない事実

何処から突っ込みを入れれば良いのか分からないが、先ずは参考になる動画があるので紹介しておきたい。

河野太郎氏本人の解説になるので、ある程度割り引いて事実把握をする必要はある。だが、見る価値のある動画なので、是非とも見て欲しい。

さて、で、何が報じられていないかということなんだけれども、先ずは厚生労働省のサイトを紹介しておきたい。

追加接種|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省
新型コロナワクチンの接種についての質問を紹介していきます。

多くの人が感じている疑問として、「何故ブースター接種が必要なのか」ということと、「副反応よりオミクロン株に感染した方が症状が軽いのではないか」ということだろう。

厚生労働省のサイトより
厚生労働省のサイトより

このような説明がある一方で、ブースター接種で余り知られていない事実もある。

新型コロナワクチン接種状況は?

首相官邸の公表結果によると、2022年1月21日時点で、国内における新型コロナワクチン総接種回数は2億回を超えており、全国民の約8割が2回の接種を終えています。新型コロナワクチンの追加接種は、医療従事者と高齢者から順次進められていますが、追加接種するワクチンの量は、ファイザー社のワクチンでは、1回目・2回目と同量(1回0.3mL)です。一方、武田/モデルナ社の方は、1回目・2回目接種の半分の量(0.25mL)となります。

「厚生労働省のサイト」より

実は、追加接種に使う予定になっているモデルナ製ワクチンは、1回目、2回目の半分の量となっている。つまり、1本のバイアルで1回目、2回目の倍の量の注射が可能であることを意味している。

また、ブースター接種の目的はハッキリ示されていないが、入院予防効果を高めることが一番の目的である。もちろん、重症化予防、死亡予防の目的もあるが、先ずは入院者を減らすメリットが大きい。

デルタ株と比較するとオミクロン株に対する発症予防効果は低下しているものの、入院予防効果は一定程度に保たれています(オミクロン株流行期における、2回接種14日後以降の入院に対する有効率は70%)。また、ワクチン製造の元となったウイルス(武漢株)に対して反応するリンパ球の少なくとも70%以上がオミクロン株に対しても応答することが示されています(※6)。

「厚生労働省のサイト」より

そして、オミクロン株に対してもそれなりに効果があるのだ。

「感染者」の不都合な真実

さて、現在、日本国内は絶賛感染拡大中である。

こんな感じのグラフで皆さんもウンザリしている事と思う。過去に見たことの無い「感染者数」となっているのだが、これがちょっと問題である。

大阪市で新たに9200件計上漏れ コロナ感染者数

2/8(火) 14:15配信

新型コロナウイルスの感染急拡大により、大阪市保健所で感染者数のカウントが追いつかず、1・2万人超が統計に反映されていなかった問題で、大阪市は8日、新たに政府の情報共有システム「HER―SYS(ハーシス)」への保健所による入力作業が遅れ、4日から7日にかけても1日当たり最大4700人を新規感染者数に計上できていなかったと発表した。計上漏れは9200人分。

「yahooニュース」より

ハーシスへの入力漏れが、多数出ている模様。政府の情報共有システム「HER―SYS(ハーシス)」は、保健所で入力する事になっているのだが、FAXを使うレガシーシステムが足を引っ張っていて、入力作業が追いつかないらしい。

……去年もやってたよね、それ。

まあ、要は陽性判定者数が、グラフになっていない部分があるので、グラフはあまり参考にならないという事だ。

これは東京のデータなのだが、陽性判定者数と陽性率をグラフにしたものである。

陽性率に関しては、PCR検査数と一緒に並んでいるグラフでは1/30までのデータしか無いので、検査陽性率単体で表示されているグラフも参考に載せておく。

新規感染者(新規陽性判定者)は東京都では頭打ちになっているというグラフになっているが、陽性率は上がっている。検査件数は頭打ちになっていると言われているので、検査能力を超えてしまっていて、新規陽性判定者が減っているように見えて、実態が見えていないグラフになっている可能性が指摘されているのだ。

ブースター接種のネガティブ情報

ちなみに、ブルームバーグで気になる情報が。

ブースター接種の繰り返し、免疫反応に悪影響も-EU当局 (訂正)

2022年1月12日 4:45 JST 訂正済み 2022年1月13日 2:52 JST

欧州連合(EU)の医薬品規制当局は11日、新型コロナウイルスワクチンのブースター(追加免疫)接種を頻繁に行うと免疫反応に悪影響を及ぼす恐れがあると警告した。

欧州医薬品庁(EMA)は、4カ月ごとのブースター接種を繰り返すと最終的に免疫反応が低下する可能性があると指摘。各国はブースター接種の間隔をより空け、インフルエンザ予防接種戦略で示された青写真のように寒い季節の到来に合わせるべきだとの見解を示した。

「Bloomberg」より

追加接種を繰り返すと、免疫機構に影響があるという話が出てきたのである。

まあ、当然考えられる話ではあるが、免疫機構を緊張状態にしておくのがワクチン接種の効果なので、常に免疫機構を緊張させておくと異常を来すというのは余り宜しく無い。リスクの高い時期に使うべきだというのがこの記事の趣旨であろうと思う。

感染のピークは6ヶ月周期くらいで来ているので、半年毎にワクチンを打つのか、という話になって、それもワクチンに対してネガティブな感情を醸成する原因となっている。

それでもブースター接種は必要ですか?

そんな訳で、様々な情報がある中で、誰を信用したら良いのか?という不安はある。

ただ、日本政府が戦略的にブースター接種を進めると言う事であれば、その戦略には狙いが必要である。そして、上に示したデータなどから考えると、ブースター接種の狙いは「1.入院者数を減らす」「2.死者数を減らす」「3.重症化を抑制する」という事になるべきで、そうであるならば、感染拡大が分かった早い段階で、ブースター接種の前倒しをすべきであった。

そして、それ以前に感染拡大の波は第5波収束の時に分かっていたのだから、第6波到来する前に打てる手があった。

表立った発信も目立つようになった。3回目接種の有効性をアピールするため、堀内詔子ワクチン担当相との対話動画に出演してほしいと官邸から依頼されると、河野氏は快諾。ツイッターでは堀内氏を支えるワクチンチームの体制を「人数が激減。私のときは大臣室の隣にいたけれど、今は隣の建物の地下」と批判した。官邸はこれを踏まえ、堀内氏のスタッフ体制を改善する方針だ。

「時事通信」より

時事通信では、殆ど表に出てこないワクチン担当大臣に対して、河野氏が注文を付けるシーンについて文句を付けている。しかし一方で、記事にはワクチン担当大臣と、厚生労働大臣を分けた意味とか、どのような仕事のスタンスなのかとか、そうした話は語られていない。

もう一つ参考になる動画を紹介しておきたい。

厚労大臣とワクチン担当大臣が分けられた理由や、どんな体制であったかは、河野氏の動画とあわせて見るとよく分かると思う。上でも書いたが、本人談の部分を差し引いても、参考になる。2つ見るのは大変だが。

そして、結果論からいえば、この二人は内閣改造で変えるべきでは無かったのだと、その様に思うワケである。岸田人事の拙さを感じる。

職域接種の嘘

ちなみに、時事通信ではこんな事が書かれている。

もっとも、河野氏の在任中も全てがうまく運んだわけではない。職域接種ではワクチン不足に陥り、企業からの応募を急きょ停止する失態を演じたこともあった。官邸からは「菅政権時代の混乱のトラウマが今も接種が進まない原因の一つなのに…」(幹部)との恨み節も漏れる。

「時事通信」より

この「職域接種でのワクチン不足」の話だが、「企業からの応募を急きょ停止する失態」という事実は確かにあったし、メディアは「ワクチンが足らないとは何事だ」と政府を批判していた。

確かに政府の見込みが甘かったのは事実だが、河野氏の動画を見ると、その時のことが解説されている。本人も「失敗した」ことは認めている一方で、その時点で1日100万人のワクチン接種が行われていた事実を考えると、供給体制に問題があったのではなく、思った以上にワクチン接種が進んでしまった事が問題であったと理解すべきだろう。

それは国民にとって悪いことではない。

そして、現在、職域接種は稼働していない。

職域接種に関するお知らせ
職域接種に関するお知らせ

いや、募集はなされているのだが、宣伝されていないのでイマイチ浸透していないのである。現時点で、申し込みは進んでいるが前回よりも低調のようだ。

職域接種を21日開始に前倒し…堀内ワクチン相

2022/02/08 19:30

堀内ワクチン相は8日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、企業などで行う職域接種を21日から始めると発表した。当初は28日を想定していたが、一部企業で実施のめどが立ち、前倒しした。

「讀賣新聞」より

それでも、第6波には間に合わなかったが、やらないよりは良いかもしれない。

今から1000床

ちなみに、岸田氏は本日こんな事を宣ったらしい。

岸田首相「東京・大阪に約1000病床増設」表明

2/9(水) 15:26配信

岸田総理は9日午後、東京都の小池知事と会談し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、入院患者を確実に受け入れるため東京都と大阪府に臨時の医療施設をおよそ1000床を増設する考えを示しました。

「TBS NEWS」より

いや、河野太郎氏じゃないけど、「今からじゃないでしょう」と。去年の11月は何をしていたのかと。

岸田氏を責めても仕方がないのだが、全てが後手に回っているように見えるのは、非常に印象が悪い。だって、大阪はもう限界ですよ?

この臨時の医療施設は、いつ出来るんですかね。

何が足りなかったのか

ブースター接種をやらなかったのは誰?

話がいつものようにとっちらかってしまっているが、構図だけ見ると、時事通信が河野太郎氏を「出しゃばるな」と責める構図となっている。

しかしながら、責められるべきは岸田政権であり、河野太郎氏の思想や信条には個人的に異論はあるものの、その実績は高く評価すべきだとその様に考えているので、時事通信の記事の書きっぷりには大いに不満がある。

ブースター接種に使う予定のモデルナ製ワクチンの在庫は、安定して供給される見通しとされている。

新型コロナワクチンの供給の見通し
新型コロナワクチンの供給の見通しに関する情報を掲載しています。

しかし、12月時点で市中にワクチンが5600万回分あったのに、ブースター接種はやらなかった。岸田氏は2回目接種から8ヶ月経過に拘ってきたらしいのだけれど、それを主張していたのは厚労省だったようだ。

モデルナ製ワクチンの不思議

ちなみに12月にはこんな記事が出ていた。

モデルナ製ワクチン、国内供給1.5倍に 3回目は接種量が半分

2021/12/7 18:33(最終更新 12/7 18:33)

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を巡り、後藤茂之厚生労働相は7日の記者会見で、追加接種分を承認申請中のモデルナ社製について、接種量が1、2回目の半分の量で済むため、1瓶あたり少なくとも15回の接種が可能であることを明らかにした。従来の1瓶の接種回数は10回。政府は来年以降に5000万回分の供給を受ける契約を結んでいたが、7500万回分に増えることになる。

「毎日新聞」より

この記事がオカシイのは、バイアル1瓶で接種回数10回が1回目2回目だったと書いてあるのに、「半分の量で済む」にも関わらず、厚生労働大臣は「1瓶あたり少なくとも15回の接種が可能」等と言っているのである。

いや、半分で済むならば20回はとれるでしょう。ロスがあったとしても、18回~19回はとれるはず。河野太郎氏の動画を見ると、「現場に確認して問題なく20回取れることを確認した」とあって、現厚生労働大臣がいかに現場を見ずに役人の話を聞いていたかが分かる。

要は、厚労省が新しい大臣に適当なことをレクチャーしたからこの始末であり、素人内閣丸出しだからこんな事になるのである。

菅義偉氏は役人が如何に政策の障害になるかを知っていたからこそ、ワクチン担当大臣を作って、河野太郎氏はその責務をしっかりと果たした。だからこそ世界に希に見る早さで接種が進んだのである。それは現場の努力があったからこそなのだが、それを統轄する人物は重要なのである。

河野太郎氏は現場で嫌われる大臣という評価ではあったが、確かに五月蠅いことを言う大臣は嫌われるのだろう。でも、結果が出たのである。そこをメディアが伝えたくないらしい。

コメント