インドネシア空軍、フランス製ラファールを購入する

インドネシア

前からインドネシアが購入する噂が出てはいたのだけれど、ラファール購入は本格的に進んでいたようだ。

Indonesia awaits ‘contract activation’ for Rafale multirole fighters

25 JANUARY 2022

The Indonesian Ministry of Defense (MoD) has moved ahead with a plan to procure Rafale multirole fighter aircraft from Dassault Aviation.

In his response to questions at the MoD’s annual leaders’ rally for 2022 on 20 January, Indonesian Minister of Defense Prabowo Subianto told reporters that negotiations for the programme have been completed, and that the “contract” is now “awaiting activation”. He did not provide further details.

However, in response to queries, Janes was informed on 25 January by a source close to the Indonesian MoD that a preamble contract worth EUR5.8 billion (USD6.56 billion) was signed with Dassault Aviation on 7 June 2021.

「JANES」より

記事によれば、インドネシアはラファールを36機導入するようだ。

フランス製戦闘機のラファールか。現役の戦闘機としてはなかなか優秀な機体だと思う。次世代機には及ばないものの、選択肢としては十分にアリだ。

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戦闘機が欲しいインドネシア

インドネシアは韓国とのKF-21共同開発

このブログでは大人気、KFX改めKF-21戦闘機は現在絶賛開発中である。

報道されている内容から判断すると、かなり順調なようで、2月からはエンジンの稼働テストが行われているはずで、順調に行けば4月頃にはタキシングに入る予定だろう。

ただ、この戦闘機、韓国が単独で開発しているのではなく、インドネシアとの共同開発ということになっていて、インドネシアは開発費の2割ほどを負担する予定となっている。

South Korea’s future fighter program at risk, even as development moves along

Oct 16, 2019

SEOUL — South Korea’s indigenous fighter jet development program has entered the phase of prototype development following critical design review, or CDR, , according to developers.

~~略~~

Despite development progress, there are signs of challenges in the jet fighter program, including a potential funding loophole. That’s because Indonesia, the only international partner of the KF-X, has been backtracking from its original commitment to investing 20 percent of the development costs. KAI is obliged to pay for 20 percent, and the government is to fund the remainder.

「Defense News」より

記事にもあるが、インドネシアはこの代金の支払いに応じたくないらしいけれども。

ともあれ、インドネシアは金を出し、実際に作るのは韓国ということになっているのだが、インドネシアが撤退してしまうと資金調達に大きな問題が起きてしまう。

インドネシア空軍は装備が貧弱

インドネシア空軍は、複数の戦闘機を保有している。

  • ロシア製スホーイSu-30戦闘機:11機
  • ロシア製スホーイSu-27戦闘機:5機
  • アメリカ製F-16戦闘機:33機
  • イギリス製ホーク200軽戦闘機:23機
  • ブラジル製エンブラエルEMB314軽戦闘機:15機
  • 韓国製KAI T-50i練習機:14機

戦闘機にカウントして良いかどうか悩む韓国製T-50iもリストアップしてあるが、この内訳としてT-50練習機が12機にTA-50軽攻撃機(LIFT機仕様で、サイドワインダー空対空ミサイルやマーベリック空対地ミサイルが使える)が4機となっていると事前に報じられていたが、最終的には全部同じ仕様にして攻撃手段は持っている模様。

ただ、インドネシアは国家規模に対して航空兵力が極めて脆弱である事は、このリストからも理解出来ると思う。

そして、Su-27、Su-30やF-16の機体が老朽化によってそろそろ更新を必要としているのである。だから新しい戦闘機をという話になったのだが、インドネシアはKF-Xの開発に手を染めたのもそうした背景があったからだし、ラファール購入もその文脈に連なる話だろう。

インドネシアの軍事費事情

さて、そんなインドネシアだが、最近軍事費が増えている。

右肩上がりの軍事費というのは何処の国でも同じだが、アレもコレも増強する必要があるため、けっして潤沢な予算を持っているというわけでは無い。加えて今の大統領は左派系で軍事費増強に消極的なジョコ・ウィドド氏である。

過去に言及したが、日本が受注すると噂されていたインドネシア高速鉄道を支那に受注させてしまい、お安く済ませるはずがかなりの高額になりそうである。自業自得としか言いようがない。日本が受注していたとしても成功できたかどうかは分からないところなので、日本は寧ろ関わらずにいて良かったのかも知れないが。

ともあれ、この他にも様々な分野でお金を必要としているので、金欠である。

そんな訳でKF-21の支払いが物納になるという噂まで出る始末。パーム油で支払うんではないかという噂まで出てきた。

それはそれで楽しい感じなのだが、金が無いと言いつつ、フランスからラファールを買っちゃったからビックリである。流石に、韓国としても気が気ではないだろう。一応、公式にはフランスからラファールを買う件と、KF-21に出資する話は「別だ」ということらしい。

However, in response to queries, Janes was informed on 25 January by a source close to the Indonesian MoD that a preamble contract worth EUR5.8 billion (USD6.56 billion) was signed with Dassault Aviation on 7 June 2021.

The contract, which stipulates a delivery of 36 airframes to the Indonesian Air Force, is not yet active given the lack of clarity over funding. Janes also understands that Indonesia is in the process of seeking a foreign lender to fund this programme.

「JANES」より

65億6000万USドル支払う事になっているらしいのだが、良くそのお金があったなと。

The contract, which stipulates a delivery of 36 airframes to the Indonesian Air Force, is not yet active given the lack of clarity over funding. Janes also understands that Indonesia is in the process of seeking a foreign lender to fund this programme.

「JANES」より

いや、お金がないので外国から「金貸してくれ」と、その様な状況みたいだね。スゲーな、インドネシア。

KF-21は48機購入予定

まあ、KF-21が完成するのは早くても2026年以降なので、今、お金がなくとも問題は無いのかも知れない。ただ、借金してラファールを多数導入する話になっているので、場合によってはKF-21の購入代数が減る可能性とか、やっぱり買わなくていいやという結論に至る可能性は否定できない。

個人的には、既に存在する戦闘機をそこそこの数揃えるというのは悪い選択肢ではないし、ラファールそのものは優れた戦闘機である。導入する事に多少の問題、例えば規格とか搭載兵器の問題とかはあると思うが、意外に西側諸国で使われる兵器が使えるので、既に持っている戦闘機と共通で使う事はできそうである。

問題はKF-21が導入されるときに、ラファールが使える兵装を共用できるかということなのだが、そこは今後の韓国側の努力次第かもしれない。現状では採用できる兵装が揃えられておらず、かなりヤバそうだけどね、アメリカからサイドワインダーやマーベリックの統合にすら協力して貰えないらしいので。

そもそもこの話、インドネシア側から言わせればKF-21戦闘機の開発が予定通り2020年に終わっていれば、こんなに悩まずに済んだ。そういう意味ではインドネシアは被害者と言えなくもないのである。まあ、インドネシアも良いタマなので、被害者という印象は薄いんだけどね。

追記

インドネシアのラファール導入は確定のようだ。

Six Rafale military aircraft in Indonesia

02/09/2022 10:21

The government of Indonesia has purchased six Rafale military fighter planes built by the French company Dassault Aviation. No further details of the purchase are known at the moment, but according to French media, the Jakarta Defence Ministry has committed a budget of almost 600 million dollars to the deal. It has also ordered 24 F-15 EX Eagle II aircraft from Boeing. 

「Avio News」より

うんうん、6機のラファールを購入……ん?24機のF-15EXを注文しただと?!

This could be an opportunity to discuss the completion and modernisation of the Indonesian Air Force fleet which, according to French rumours, could lead to a larger order of 30-35 airplanes.

「Avio News」より

どうやらフランスは、ラファールが30~35機は買って貰えるらしいと噂しているようなのだけれども、根拠のない噂でもなさそうである。

まあ、6機だけで終わりという可能性もあるが、インドネシアの需要を考えれば6機だけで運用するのもおかしな話である。F-15EXを買ったという話が本当かどうかによっても、話は変わってくるのだろうけれども、買い増しはしそうな雰囲気だな。

問題は、KF-21はどうなっちゃうのか?というトコロなんだが。

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