【アジアでの戦争危機】幸せの国?ブータンの危機

支那

地政学的に難しい場所にあるブータン王国だが、浮雲急を告げる事態になっている。もしかしたら台湾よりもリスクは高いかもしれない。

ブータンとの係争地域に入植の中国、領土拡張のお決まりの手法

2022.2.1(火)

最近、中国は陸地における領土拡張の動きを活発化させている。

ロイター電(2022年1月14日)によれば、2020年以降、中国は国境紛争が続く隣国ブータン西部のドクラム地域で入植地を盛んに建設し、今年に入って加速させている。ロイターが行った人工衛星画像の分析では、2階建ての建物を含む200以上の構造物が6カ所で建設中だという。これが完成すれば、中国政府は中国人を入植させた後、辺境の管理と監視を強化し、軍事基地化する可能性もある。

「JBpress」より

これはいつもの支那のやり口で、チベットもウイグルも南モンゴルも満州もこの手でやられて植民地と化してしまった。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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領地拡大の野望

辺境の管理と監視

えーと、先ずはブータン王国について、外務省の示している地図を紹介。

この地図ではハッキリ分からないのだが、支那との国境線について争いがある場所があるようで。

こちらの図の方が分かり易いか。一見するとインドと支那との領土争いにブータンが巻き込まれたような感じの話になるのだが、支那の人民解放軍が拡大路線を続けている以上は、この手の話はついて回ることになる。

中国が陸地で国境を接する国は14カ国あり、境界が画定せず紛争が続いているのはブータンとインドの2カ国だけだ。

「幸せの国」として日本でも知られるブータン王国の人口は80万人。中国との477キロに及ぶ国境線の画定協議は40年以上も続けられてきたが、未だに合意に達していない。昨年来の中国の強引な入植地建設は、ブータンにとって自国の領土保全だけでなく、主要な同盟国で経済的パートナーでもあるインドにとっても、安全保障に対する重大な脅威だ。

「JBpress”ブータンとの係争地域に入植の中国、領土拡張のお決まりの手法”」より

幸せの国ブータンを謳っているブータン王国だが、常に支那からの侵略の脅威に晒されている。何故、支那がこのブータンとの国境について拘っているのかと言えば、一説には冬虫夏草の採取が関係しているとも言われている。

……冬虫夏草(囊菌類のきのこの一種で、土中の昆虫類に寄生した菌糸から地上に子実体を作る。ちょっとグロイので写真はご自分で検索されたい)は、料理や漢方薬として珍重されるらしく、支那では高値で取引されるとのこと。んなバカな。

一帯一路の野望

一時期、ブータンと支那との間で国境策定作業が進んでいるという話もあったが、支那は2017年にいきなり道路建設を始めてしまう。ブータン国境付近で。

中国がドクラム高原やアルナーチャル・プラデーシュ州に執着する一つの理由には、「一帯一路」構想があります。

習近平国家主席が主導する「一帯一路」構想に基づき、中国はインド洋への出口を確保するため、インドの宿敵パキスタンに猛烈なアプローチを展開しており、中国西部の新疆ウイグル自治区にあるカシュガルとパキスタンのグワダル港を結ぶ中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の開発計画には560億ドルが投じられているといわれます。

その一方で、中国はCPEC以外にもインド洋への出口を構築しており、ミャンマーでの道路建設なども進めていますが、バングラデシュもやはりその候補。ところで、バングラデシュの北部にあたるインド領は細長く東西に延び、その形状から「ニワトリの首」とも呼ばれます。「一帯一路」の観点からすると、「ニワトリの首」は中国からバングラデシュに抜ける途上にあります。そのため、中国政府が「一帯一路」構想を推進するにつれ、この地をめぐってインドとの摩擦は大きくなるとみられます。

「Newsweek」より

冬虫夏草の話よりも寧ろ一帯一路の野望に関係していると考える方が話は分かり易い。

要は、支那からバングラデシュに抜けるための道を作りたいから領土を侵略しているというのである。おぞましい支那の野望が見える話だ。支那はインドの鶏の首(ドクラム高原)を切断したいのである。ブータンの悲劇はこのドクラム高原に面した国土を有している事だね。

手打ちを画策したブータン

しかし去年、ブータンは支那との手打ちを模索していた。

ブータン、国境画定目指し中国と覚書 インドは接近に神経とがらす

2021年10月23日20時35分

ヒマラヤの王国ブータンが、中国と国境画定に向け覚書を交わした。軍事・外交面でインドの強い影響下にあるブータンへの中国の接近に、インドは神経をとがらせている。

中国とブータンは、1984年以降24回にわたって国境画定に関する交渉を実施。今月14日に締結された覚書の詳細は、3段階の行程を定めたという以外明らかにされていないが、ブータン紙クエンセルは「交渉の新たな推進力となるだろう」と強調するブータン外務省の声明を伝えた。両国国境は約500キロで、中国は全体が未画定と主張している。

「時事通信」より

だが、この話はちょいとヤバい。

インドにとってブータンが支那に寄っていってしまうと、この地域での活動がより難しくなる。味方は一人でも多い方が良いのだが、この時のブータンは一体何を考えていたのだろう。

これと相前後して、中国は、2021年10月に「陸地国境法」を制定し、2022年1月から施行開始した。同法の規定では、「国家主権と領土保全のため、国境の中国側に交通、通信、監視、防衛施設などを建設でき、戦争発生時には国境地帯を封鎖できる」と明記している。また「違法な越境者が暴力行為に及んだ場合、武器使用も可能」であると定めている。今後、軍事基地化する可能性が極めて高いだろう。

「JBpress」より

何しろ、この時期に支那は「陸地国境法」なる危険な法律を施行しており、領土問題を先鋭化させようとしていたのである。

法律も制定した。2019年12月に「海島保護法」、2021年1月に「中国海警法」を制定して、「国家の主権や管轄権がおよぶ海上において、外国の組織、個人の不法な侵害を受けた場合は、武器の使用を許可する」と規定した。

つまり、最初に「中国語名」をつけ、次いで「住民」を入植させ、さらに「法律」を制定するという3つの要件は、いずれも「後付け」であることが明らかだ。

「JBpress」より

こうした動きにブータンはインドを味方に付けるべきかと悩んでいたに違いない。何しろインドは支那との貿易を拡大させており、戦争に発展すれば何処かで手打ちをする可能性もあるのだ。先にブータンが裏切るか、インドが裏切るかという囚人のジレンマが発生してしまっていて、支那の狙いもそこにあるのだろう。

インドと支那がヒマラヤで衝突を繰り返す

ちなみに、2020年にはインドと支那との大きな衝突があった。

このブログでも以前に取り上げた話題である。ブータンとしてはこの手の抗争に巻き込まれるのも勘弁して欲しいというのが本音だと思う。

だが、ここへ来てきな臭い感じになってきてしまったのがブータンである。

焦点:中国、ブータンとの係争地域で入植地建設 衛星写真で判明

2022年1月15日9:41 午前

中国が、領有権をめぐる係争が生じているブータンとの国境地域での入植地建設を加速させている。ロイターが行った人工衛星画像の分析で、2階建ての建物を含む200以上の構造物の建設が6カ所で進められていることが分かった。

「ロイター」より

ブータンの国境で、それも国境未確定の西側の地域だけでなくて、完全にブータン国内にも支那の拠点が構築されていたことが、衛星写真によって確認されたのだ。

そして、今のところインドもブータンもこの事態に対応出来ていないらしいのだが、まさかそのままにするとも思えない。支那はもっと勢力拡大を目論むだろうし、ブータンもインドもこのまま放置はあり得ないだろう。

台湾や朝鮮半島だけでなく、ブータンでもこの様な危機的状況にあるということを、知っておくべきである。にもかかわらず、自民党はコノザマだ。

まさか、自民党の先生方はこの話、知らないなんて事は無いよね?

コメント

  1. こんにちは。
    大体からして、「国民の幸福度」とか「報道の自由」とかの指標は基本、自己申告制で、客観的な尺度がない&母集団というか調査対象があいまい(報道の自由なんか、そりゃ左翼メディア中心に聞けば変更するに決まってる)なものなのでこれっぽっちも信用出来ないですが、確かな事実として、
    「大国に隣接する弱小国は、抵抗して消滅するか、服従するか、二つに一つ」
    でありましょう。
    ブータンは、農業も工業も特に言うべき所はなく、だからこそ逆に国内だけであれば基本的に閉じた世界で回る、「幸せな国」なんでしょうけれど、隣の大国の覇権主義に立ち向かう術なんぞこれっぽっちも無い、というのは、かつてかの国の国王が来訪された際に周辺事情をざっと調べて得た結論でした。

    まあ、マスコミにしてみれば、「幸せな国」が大国におもねるだけ、というのは隠しておきたい事実であり、いずれ消滅あるいは大国の自治州と同じになるというのは、不都合な事実、なんでしょうけれど。

    そうなる前に、恐らくは国連レベルで改革して、常任理事国制度をなんとかするか、中共をそこから追い出す以外に手は無いような気がしてなりません。

    • 確かに小国の悲哀というべき話でありまして、生き抜いて行くには何とかやり過ごす方法を考えねばならないのでしょう。
      今まではブータンはインドに頼っていればそれなりに守って貰えていたのでしょうが、なかなか厳しい状況ですよね。

      支那に国連への干渉を止めさせることが必要かも知れませんが、そもそも、国連ってそんな綺麗な組織じゃないんですよねぇ。