名護市長選敗退で「オール沖縄」は崩壊し、もはや「パート沖縄」に

沖縄

沖縄で名護市長選挙が行われた。比較的僅差ではあったが、現職候補が再選を果たしている。

与党安堵、参院選へ弾み 沖縄「選挙イヤー」初戦飾る―名護市長選

2022年01月24日08時58分

沖縄県名護市長選で岸田政権が推した現職が再選を果たし、政府・与党内に安堵(あんど)が広がった。今年の沖縄は秋の知事選など首長選が続く「選挙イヤー」。その初戦を制し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設や、夏の参院選にも弾みがつくとみている。

「時事通信」より

しかし、この話は「自民党が押す候補が勝利して再戦した」という話ではないと思う。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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僅差での勝利

選挙結果はかなり僅差

さて、まずは選挙結果について。

名護市長選 現職の渡具知武豊氏 2回目の当選 自公推薦

2022年1月24日 11時59分 

アメリカ軍普天間基地の移設計画への対応などが争点となった沖縄県名護市の市長選挙は、自民党と公明党が推薦した現職の渡具知武豊氏が、移設計画の中止を訴えた新人を抑え、2回目の当選を果たしました。

名護市長選挙の開票結果です。

▽渡具知武豊、無所属・現。当選。1万9524票。
▽岸本洋平、無所属・新。1万4439票。

自民党と公明党が推薦した現職の渡具知氏が、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党が推薦した新人の岸本氏を抑え、2回目の当選を果たしました。

「NHKニュース」より

当選2回めの渡具知武豊氏は、名護市議会議員を5期努めて平成30年(2018年)に、現職だった稲嶺進氏を破って市長選に初当選。今回の選挙は2回めの挑戦だった。

通常、地方の首長選挙では余程のことがない限り現職有利である。

ところが、今回の選挙では、対抗馬として担ぎ上げられた無名の新人、岸本洋平氏に大苦戦を強いられて僅差で勝利した。

相手がバリバリの左派で、野党連合が担いだ若手の新人であったため、「負けるわけにはいかなかった」選挙だったが、武漢ウイルスの影響で与党幹部が選挙応援に入ることもなく、苦しい戦いを強いられたのが苦戦した原因であったようだ。

名護市長選挙と宜野湾市長

ただ、日本政府にとっては胸を撫で下ろす思いがしたと思う。何故ならば、名護市長と宜野湾市長が揃って基地容認派のままだったからだ。

どういうことかを説明する前に、宜野湾市長のニュースを1つ。

宜野湾市長が首相と面談 来年の選挙へ激励受けた 知事との日程調整は応じず

2021年11月12日 13:50

宜野湾市の松川正則市長は12日、岸田文雄首相と首相官邸で会談した。岸田氏の首相就任後の会談は初めて。松川市長は記者団に対して、会談内容について「政治的な話が主だった」とし、2022年に行われる県知事選や宜野湾市長選への対応や市政運営について「がんばってほしい」と激励を受けたと明かした。

「琉球新報」より

普天間基地を擁するのが宜野湾市で、そこの市長は松川氏である。今年の9月に市長選を控えているが、基本的にはこの知事は普天間基地の移設について容認する構えである。

松川正則宜野湾市長、辺野古移設容認 普天間飛行場の地元 「手立てなければ」

2019年3月26日 10:32

米軍普天間飛行場の移設工事が進む沖縄県名護市辺野古で新たな区域の土砂投入が始まったことを受け、宜野湾市の松川正則市長は25日、取材に対し「(普天間の危険性除去のために)手だてが他になければ、そのまま進めるしかないという感じはする」と述べ、移設を容認する考えを示した。

「琉球新報」より

そして、今回当選した名護市長も受け容れ容認派である。

自公推薦の渡具知氏再選 辺野古移設加速へ―沖縄県名護市長選

2022年01月23日23時43分

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設の是非が争点となった同県名護市長選は23日投開票され、推進派が推す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=が再選した。反対派の新人、岸本洋平氏(49)=立民、共産、れいわ、社民推薦=は及ばなかった。

「時事通信」より

国防が国の専権事項であることは指摘するまでもないことだが、一方で地域住民の理解を得られないと移設が難しいことも事実である。

ここで名護市長に野党候補が勝てば、再び基地移転は漂流してしまうことになったに違いない。

複雑な基地問題を抱える沖縄

鳩の寝言で混乱する

そもそもこの基地移転の話、鳩山由紀夫なる人物が不用意な発言をしたことが切っ掛けでおかしくなってしまった。え?元総理?そんなバカな。

潮目が大きく変化したのは、移設先を「最低でも県外」と訴えた民主党政権が09年9月に発足してからだ。10年1月の市長選では、移設反対派が推す稲嶺進氏が勝利し、島袋氏を退けた。

だが、鳩山政権は移転先を他に見いだせず辺野古に回帰。民主党は下野し、政権復帰した自民党の安倍晋三首相が移設を推進すると稲嶺氏は苦しい立場に追い込まれた。14年1月に再選を果たしたが、6回目の審判となった18年2月の前回市長選では、移設への賛否を示さない渡具知武豊氏に敗れた。

「時事通信”「辺野古」7度目の審判 名護市長選、23日に投開票”」より

国民が忘れてしまいたい史上最悪の総理大臣の話はさておき、普天間基地移設の問題に関して軽く触れておきたい。

普天間基地をめぐるトラブル

現状、普天間基地は辺野古へ移転することになっており、辺野古では海岸の埋立工事が続けられている。

沖縄宜野湾市にある普天間基地だが、米軍が利用する施設である。

記事を引用したサイトには詳しく経緯が説明されているが、公平な意見とは言い難い部分もあるので注意してご確認いただきたい。

周辺に住宅が増えてしまい、人口密度が上がったことで、「世界一危険な基地」とか言われる状況になってしまった普天間基地。かつては周囲にほとんど人家はなかったのだが、時代とともに状況は変化するものである。

確かに、沖縄が米軍に占領されていた時代に作られた基地をそのまま維持している状況で、建設にあたってそこに住んでいた人々の反対など耳を傾けることがなかったのは事実だ。

しかし、日本の法の不備ということもあって、周辺に住宅地が多数作られてしまい、不幸な墜落事故が起きる。沖国大米軍ヘリ墜落事件(2004年8月13日)である。

普天間ヘリ墜落17年、沖国大「現状むしろ悪化」 集会中止し動画で声明

2021年8月13日 14:35

宜野湾市の沖縄国際大に米軍普天間飛行場を離陸したCH53D大型輸送ヘリコプターが墜落した事故から、13日で17年となった。例年は墜落現場のモニュメント前で集会が開かれるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で集会は中止。大学は「風化させるわけにはいかない」と、同日午後2時から動画配信による声明発表を実施した。

「琉球新報」より

そのお陰か沖国大は基地反対派の巣窟のような状態になってしまった。

反戦ビジネス

ところで、一坪地主という言葉をご存知だろうか?

そもそも一坪反戦地主会は1982年12月12日に結成されました。一坪反戦地主会会則は、第2条が会の「目的」として「この会は戦争に反対し、軍用地を生活と生産の場に変えていくことを目的とする。」とうたっています。そしてその「アピール」の中で、「私たちは今日、戦争を憎み平和を求めて共働する1000名の労働者、家庭婦人、学生、大学人、ジャーナリスト、宗教人などが結集して、「一坪反戦地主会」を結成しました。

~~略~~

日本政府は、この最初の5年間で軍用地料を値上げし契約地主をなだめ、反戦地主の切り崩しにかかりました。契約をしない地主には周囲を含めて返還すると脅して契約を迫ったりして、復帰時の1972年に2941名いた反戦地主は、1977年までに500名を割るところまでになったのです。1977年5月15日に期限の切れた公用地法は、同年5月18日に地籍明確化法が成立して生き返り、さらに5年間延長されました。そして1982年までに反戦地主はさらに153人までに減じたのであります。まさに、日本政府の真綿で首を絞められているようだと反戦地主に言わしめたほどの締めつけが反戦地主に対してなされたのであります。


平成12年(2000年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)発言より

これは沖縄県議会での発言の冒頭部分であるが、軍用地として接収された米軍基地は、全てが日本国の持ち物であるわけではなく、民間人から借用している土地もある。

そして、この土地に関して「軍用地料」という名目でお金が支払われている。

この土地を細かく分割して多数の「反戦地主」なる人々に売りつけるビジネスと、毎年懐に入る軍用地料目当ての地主が存在していることが話をややこしくしている。

沖縄振興費などの補助金漬け政策

更に問題なのが沖縄振興などの各種補助金である。

沖縄の地域振興を図るという名目で毎年毎年多額の補助金を受け取っていることが、沖縄の地域経済を駄目にしている側面があるのだ。

日本政府の政策が間違っていたとまでは言えないが、沖縄経済が補助金頼みになっている実情は、けっして「良いこと」とは言えない。

そして地域経済が育たないことこそが、反戦ビジネスを蔓延らせている原因にもなっているのである。

もう1つの問題が基地経済である。米軍基地は米軍兵士の生活を支えるために多くの沖縄県人達の職場としての機能を持っている。沖縄繁華街では、米兵の落とすお金を少なからず期待する面があって、基地経済抜きで沖縄経済を語れない部分がある。

持ちつ持たれつと割り切ることができればいいのだが、沖縄の教育界や公務員の大半が左派傾倒している状況なので、子供たちには連綿と反戦教育を施すことになり、「沖縄捨て石論」を延々と展開することで、立派な左翼に育ってしまうという状況である。

米軍基地は無くせないのか

地政学的に不利な立地

左翼の皆さんは口を揃えて「基地があるから戦争になるんだ」と主張される。そこから、「沖縄から基地を無くせ」と議論が展開していくのだが、沖縄は地政学的な問題を抱えていて、そう簡単に基地をなくすわけには行かない実情がある。

これは日本の「シーレーン」と呼ばれる通商上・戦略上、重要な価値を有し、有事に際して確保すべき海上交通路である。

ここを敵に抑えられてしまうと、シーレーンに9割の燃料輸入を頼っている日本はあっという間に飢えてしまう。

1930年代、歴史の授業では「日本の膨張を抑えるために1930年代後半から行われた対日経済封鎖」と説明されるが、「日本の膨張」だけが問題だったわけではない。

……この図を見ると、どこかのセキュリティダイヤモンド構想を思い出すな。やりたいことは似たようなことだが。

ともあれ、このABCD包囲網によって日本は窮地に陥るわけだが、シーレーンを立たれれば同じように窮地に陥る。で、日本のシーレーンの上には台湾と沖縄があるわけだ。

大東亜戦争の時代に、アメリカ軍が沖縄をまっさきに占領した背景にも、地政学的な問題がある。要は、好むと好まざると沖縄は日本に他国の勢力が押し寄せる場合に、真っ先に狙われる可能性が高い場所なのである。

ついでにいうと、台湾侵攻を考えた場合には沖縄が真っ先に標的になる。

基地がなくても攻撃されるのが沖縄

そんなわけで、基地があってもなくても沖縄は狙われる位置にある。そして、狙われた時に基地があるかないかは、生存戦略上重要なポイントになるのである。

日本にとって、唯一の同盟国であるアメリカ都の関係を考えた場合、在日米軍の海兵隊基地を沖縄から無くすという選択も現状は困難である。例えば、九州に米軍基地を移すという選択肢もあるが、距離が離れることでタイムラグが生じてしまうというデメリットを背負い込む事になる。沖縄がまっさきに狙われるのであれば、沖縄に基地を置くほうが合理的である。

最終的には米軍に依存しない防衛体制を構築できれば良いが、残念な事に米軍との連携は今後もなくてはならないし、戦争反対を唱えるだけでは平和は守れない。そもそも沖縄を狙っている支那は、日本一国で防衛するには軍事力が強大になりすぎた。

要するに、沖縄自身を守る為には、日本国を防衛するためには、現時点で米軍基地をなくすという選択肢を採れないのである。そのうえで、危ない状況の普天間から基地を移転しましょうという話になったのが1998年で、移転先として手を上げてくれた唯一の場所が辺野古だったと、そういうことになる。

反対派の活動は活発でも、移転する事を決定した以上は速やかに実現すべきなのだが、20年以上も話が停滞した状態なんだよね。そこへ来て今回の知事選があった。ここで基地反対派が知事の席に居座ることとなると、又候問題が拗れることになるだろう。

僅差の勝利だった理由

さて、そういう事がわかっていながら基地反対派がかなりの票数を獲得できた背景には一体何があるのか?

渡具知、岸本氏が接戦 名護市長選めぐり

2022年01月18日18時16分

23日投開票の沖縄県名護市長選について、時事通信は取材などを基に動向を探った。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非が焦点で、推進の自民、公明両党が推す現職の渡具知武豊氏(60)と、反対の玉城デニー知事ら「オール沖縄」勢力が支援する新人の岸本洋平氏(49)が、接戦を展開している。

「時事通信」より

そこには衰えたとはいえ、未だに知事の職に居座る玉城デニー知事ら「オール沖縄」勢力が影響している。

尤も、タイトルに書いた通り「オール沖縄」なる組織は、既に半壊状態にある。元々は、保守も革新もみんな反基地運動をしようという発想で立ち上げた団体であったのだが、保守陣営はその核となっていた故翁長氏が亡くなったことをきっかけに離脱してしまった。

【独自】オール沖縄離脱「翁長丸に乗っていたら…」金秀会長が語った強い不満

2021年9月16日 11:38

「これまでのような支援のやり方はできない。これからは経済が大切で、自分の後ろにはたくさんの従業員もいる」。通常国会が閉会した直後の7月、金秀本社(那覇市旭町)の会長室で向き合った赤嶺政賢衆院議員(共産)に対して、金秀グループの呉屋守将会長は端的に語ったという。「オール沖縄」を支援する代表的な企業グループが明確に離脱の意を示した瞬間だった。

「琉球新報」より

つまり、ハーフ沖縄か、クォーター沖縄くらいに規模が縮小しているのである。

にもかかわらず動員できた理由は、今年の秋に沖縄知事選挙が控えているからである。力を入れられなかった与党系議員に対し、対抗馬に立てた無名の新人をここまで得票させた手腕は見事なものだが、現沖縄知事の玉城デニー氏にとって、今回の選挙は死活問題だった。

門田氏のTweetを引用させてもらったが、現役世代は現職知事を選んでいる。

【解説】名護市長選に自公系現職 辺野古新基地「信任」とは言えず

2022年1月24日 06時00分

米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設が主要な争点となった名護市長選で、移設を推進する政府・与党の支援を受けた現職の渡具知武豊とぐちたけとよ氏が再選された。だが、渡具知氏は辺野古移設について、4年前の前回市長選と同様に今回の選挙戦でも賛否を明言しなかった。再選によって辺野古移設に「信任」を得られたと政府・与党が認識しているのであれば、大きな誤りだ。

「東京新聞」より

東京新聞は「基地信任ではない」と悔しげに書いているが、コレは強ち間違いではないと思う。ただ、「解説」と書きながら意味不明なことを書いてある記事を読む価値はないので、悪しからず。

で、何故、「強ち間違いではない」かというと、現職知事を選んだ理由が「沖縄経済重視」であって、基地問題解決が再優先課題ではないというのが、今回の選挙の答えだからである。

すなわち、基地問題しかやってこなかった玉城デニー陣営は、更に窮地に陥ったという意味でもある。

コメント

  1. 木霊さん、今晩は。

    個人的に興味を持っていた市長選で結果は辺野古基地増設容認派の首長が選ばれホッとしてます。
    木霊さんは僅差との評価の様ですが、武漢ウィルス猛威という予想外の与党への逆風の中で、得票率で15%の差は決して小さくないと思います。

    今年夏の参議院選・秋の知事選・宜野湾市長選への、本当に大事な意味を持つ前哨戦でした。

    >オール沖縄」なる組織は、既に半壊状態にある。

    先頭に立つ玉城知事が反米・反日で反辺野古しか訴えてこず、県民の生活に直結する経済振興に関しての公約はボロボロ、しかも武漢ウィルス対策もユルユルで蔓延させた責任は重いのですから、オール崩壊は当たり前だと思いますね。

    • 得票率で15%ですか。
      それは結構大きいですね。少なくとも、野党候補側にとっては「惜敗」と言えないレベルなのかもしれません。
      ただ、野党側が用意した候補は無名の新人もいいところで、議員経験すら無いご様子。現職知事があの手の候補に苦戦したという事実には、少なからず危機感を覚えた次第。それが「僅差」という表現になりました。

      ですが、ご指摘の通り、前哨戦としての意義が大きかったのも事実であります。
      これで玉城知事は苦境に立たされる。彼が沖縄のことを考えて行動しているのであれば、ある程度尊重すべき意見と理解できる部分があるかもしれませんが、とてもそうは思えないんですよね、実績を見る限り。